74話 魔王「姫から休戦調停の申し出?」
~ストーリー~
先代の魔王の手によって、長きの間、封印され眠りについてた魔王の息子が、久々に目を覚ますと、父親である魔王が勇者に討たれた10年後の世界だった。
さらにその事情を教えてくれた、かつて先代魔王の右腕だった参謀から、魔王を討たれ力を無くした魔族は、人間に無条件降伏したと、驚くべき事実を伝えられる。
しかし驚く事はそれだけでは無く、人間側は、無条件降伏を締結させるにあたって、魔王の息子である自分を、新魔王として即位させる事を条件の一つとして言ってた来たと言うのだった。
~今回のあらすじ~
前回、女勇者の芝居で魔王の強さを見せつける事で、魔族は人間に敗北していない事を示し、再び戦争状態に突入させた女勇者たち。
戦争状態になったが、そのおかげで姫は魔界に手出しをしなくなったので逆に平和な状態が続いていた。
そんなある日何とあのプライドが高い姫から休戦調停の申し出が来るのだが…。
登場キャラ
魔王
前魔王の息子で、人間の国の要請で新しい魔王に就任した。
前魔王と違って花や動物を愛する優しさと高圧的な者には強く出れない気弱い性格。
年齢も人間換算で15歳。
そして魔王の系譜らしくとてつもない魔力の持ち主だが、その力を恐れた前魔王に自分は弱いと洗脳されている。
後妹がいる。
女勇者
口も性格も悪い外道勇者。
気は強いが逆境に弱く、泣いてしまう事もある。
また火に対し強いトラウマを持っている。理由は不明。
見た目は胸は小さく金髪ツインテール。
神官妹
聖職者だが計算高く、自分が助かるためなら平気で仲間を見殺しにする汚い性格をしている。
また性癖が年上思考で、大臣を愛している。
元勇者のパーティーで僧侶をやっていた時期もある。
神官姉
神官妹の姉。
喋る事が不得意で話す言葉が訥々になりがちになる。
そんな風だから引っ込み思案に見えるが意外に自分の意志を通す。
性癖は年下思考で子供が好き。
その事から見た目が子供な魔王が好き。
後ちょっとMっ気もあるかも知れない。
魔法使い
エルフで魔王軍に娘を殺された事から、その恨みを晴らす為魔法使いになった。
性格は真面目で固い印象があるが、子供を慈しむような優しい一面もある。
女勇者とは魔王討伐の為パーティーを組んでいた時期もあったが、女勇者の心無い言葉を言われ現在はとても嫌っている。
・魔族の子供たち
魔族子供♀
魔族の少女、少し控えめだが仲間思いの優しい子
魔族子供1
ヤンチャな性格で、すぐに無茶な行動するトラブルメーカー。
魔族子供2・3
魔族子供1の子分のような存在
魔族っ子幼
魔族の幼女。
戦魔将軍を父と呼んでいた戦災孤児。
何事も疑いなく信じてしまう無邪気な性格、後まだ喋るのになれていない。
呪族の幼女
魔族とは違い、呪いの力を使う一族の生き残りで元その女王。
前の戦いで覚醒魔王に力を根こそぎ奪われ封印されてしまい、幼女の姿になってしまう。
幼女になった当初は喋るのに慣れず舌足らずだったが、だんだん慣れてきている。
わらわなど、昔の日本のお姫様のいような喋り方をし、その喋り方通り高飛車な性格をしており、さらに呪いの一族らしく恨みがましく陰湿な性格もしている。
また性癖が同性愛者な事から若い女が好きで、見てくれが美しい女勇者が好き。
参謀
前魔王の片腕だった魔族。
魔王を復活させて今の状態を作ってしまった張本人。
行動では魔王につき従っているフリをしているが、内心では魔王を利用して魔界の再建を狙っている。
そのように表の態度とは裏腹にいつも何か隠している感じの油断のならない性格をしている。
商人
姫の専属アドバイザーとして仕えている商人。
姫に頼まれ魔王をおとしめる為にやってきた。
口が上手く、人の心をつかむのが上手いが、その反面いつも何か隠しているようにも見える胡散臭い人物。
姫
王国の姫。
常に上から目線で物を言う高飛車で傲慢な性格しており、利権など金になる物や自分が面白いと感じた物に目が無い。
今回も魔界の利権を狙ってやってきた。
メイド
大臣たちが魔界視察に来た時についてきたメイド。
いつの間にか魔王城に住み込み生活をしている。
メイドらしく引っ込み思案な気弱な性格。
また女勇者に拾われてメイドになったらしい。
その過去には何か色々ある様子。
戦魔将軍
元旧魔王軍の七魔将軍の一人。
戦魔名前のごとく力で全ての物事を解決しようとする戦士系タイプの魔族。
ミノタウロスがさらにマッチョになったような容姿をしており、正々堂々をモットーとする豪快で武人のような性格をしている。
ただ認めた主にないがしろにされるのは苦手で、よく魔王の言葉に素でショックを受けていたりする
また語尾にござるを付ける。
戦魔副長
戦魔将軍の右腕的存在で、柔らかい考えに冷静に場を見れる事から、頭の悪い戦魔将軍の代わりに色々考えてくれたりする。
性格も平和主義者と言うほどでもないが、むやみに喧嘩をして敵を作る事は良しとはしない性格。
妖魔将軍
魔王軍七魔将軍の一人で、戦魔将軍の弟。
家族が泣き叫ぶ顔見ながらその家族を食い殺す、魔族でも嫌悪するヘルムシュヴァイセンと言う料理を好んだり、そんな残虐な事を好む救いようない外道魔族。
戦中に女勇者によって拷問されて殺された筈だが、何故か甦って再び勇者の前に現れる。
法王
創造神教の最高トップ。
ヒップホップ系の変なしゃべり方をするグラサンをかけたデブ。
普通の喋り方も出来る。
チッパイが好き。
魔王姫
魔王の妹、魔王を死ぬほど敬愛しており、魔王のためなら命投げ出す事もいとわない。
体は「過剰魔力体質」の負荷で神経がやられているため不自由。
そのためゴーレムのような憑代を移動手段や普段の生活するための体にする。
戦士
かつての勇者パーティーの一人。
狂信的な勇者像を持ち、それを女勇者に押し付けすぎる為、本人から凄い嫌われている。
剣の腕前は勇者に引けを取らない。
かつて妖魔将軍に囚われていた女勇者を助けたのも戦士。
姫「…」
姫(魔王…なんじゃあの化け物は…)
姫(ただのファイアボルトであの威力じゃと…!?)
姫(あの魔王は弱いから、傀儡にしてたのでは無いのか?)
姫(全然話が違うでは無いか!)
姫(これでは荒れ果ての地の街を奪えない…)
姫(…いやそれ以前に、あんな力を持った奴がいたら…我が王国は危険では無いのか…?)
姫(そ、そうじゃ、荒れ果ての地の街を奪うとかそれどころの話では無いぞ…!)
姫(ど、どうするのじゃ? 勇者どもとはあんな感じになってしまったし、対抗出来る力が無いぞ)
姫(いや…そもそも女勇者がもう魔王を倒せないような事を言ってはいなかったか?)
姫(本当か…? まああの力なら確かに女勇者でも敵わないのも頷けるかも知れん)
姫(と言うかあいつら、そんな恐ろしい魔王と…仲良く、いやかなり親しげに話していたような…)
姫(あれは…まさか力で敵わない事を悟って、人間を裏切ったのか…?)
姫(あり得る! あの打算的な性格クズな女勇者や神官妹なら充分にあり得る!)
姫(エルフは…まあ蛮族だし元より人間じゃ無いのだから仕方無いとして…)
姫(く…女勇者と神官妹め人間を裏切りおってぇ…)
姫(しかしどうする…困った、このままではわらわの積み上げて来たものが全て無くなってしまう)
姫(だがあの魔王に勝つ手段が無い…!)
姫「どうしたら…どうしたら」ツカツカ。
姫「どうすれば…どうすれば」ツカツカ。
商人「あ、あの~姫様」
姫「商人…」
姫「く…! お前が適当な事を言うからっ!」ガチャーン!!
商人「ひ!」
商人「で、でも魔王にあんな尋常じゃ無い力があるなんて…誰にだって分かりませんよ…!」
姫「黙れ! お前の力で魔王を弱くしたままにすれば良かったのじゃ!」
商人「そんな無茶な…」
姫「何か申したか!?」
商人「いえ何も」
姫「ふーふー…!」
戦士「荒れてるねえ…」
姫「戦士…!?」
姫「貴様どの面下げてわらわの目の前に現れたっ!」
姫「処断するぞっ!」
商人「ひぃ!」
戦士「へっやれるものやってみな、出来るならな?」
姫「何!」
戦士「ってえ言いたいところだが、まあケンカしに来たわけじゃねえ、とにかく落ち着きな」
姫「そう言われて落ち着く訳無いじゃろっ!」
戦士「そうかい、でもいいのかい?」
姫「むう…?」
戦士「あんたにとっちゃこの俺は、数少ない戦力の一つじゃないのかい?」
姫「…!」
戦士「良いんだぜ? 俺はこのまま去っても?」
姫「く…」
姫「…」
姫「…るす」
戦士「あ?」
姫「だ…から………すっ!」
戦士「はあ?」
姫「…!」
姫「~~~///」
姫「だ、だから許してつかわすっ! と言っておるのじゃ!」
戦士「良い子だ」
姫「ぷぅー…」
姫「で、ここまで大きな態度を取ったのじゃ、あの異常なまでに強い魔王をどうにかすることは出来るのじゃろうな?」
戦士「そりゃあ勿論、その手札は用意してきた」
姫「手札…?」
参謀「どうも」ニコ。
商人「魔族!?」
姫「お前は…魔王の接近!? な、何故ここに!」
戦士「俺が連れてきた」
姫「連れてきたって…まさかお前も魔族に寝返ったのか!?」
戦士「まさか…これが俺の手札さ」
戦士「魔王を殺すためのな」
姫「なんじゃと…!?」
姫「お前が魔王を倒すための…?」
参謀「はい」ニコリ。
姫「じゃが何故じゃ? お前は魔王の側近であろう? そのお前が何故裏切る?」
参謀「確かに私は魔王様の側近で魔王様の望み願いを叶える事こそが仕事でございます」
姫「? なら何故…?」
参謀「答は簡単です、仕事より世界の方が大切だからです」
姫「仕事より…世界? それは一体どう言う…」
戦士「まあとにかく俺たちは魔王を殺したい、そのためにはあんたの協力も必要なんだ」
姫「わらわの?」
戦士「ああ…お姫さまの協力が必要だ」
姫「協力…それは一体…?」
戦士「ふ…」ニヤリ。
女勇者「ありがとうございましたー!」ニコ。
観光客「お、女勇者様、ありがとうございました…///」
観光客「ま、また来ます…///」
女勇者「はい! またのお越しを楽しみにしてます、お客さまっ!」にっこり。
観光客「…!」ぱあああ~。
観光客「…じゃ、じゃあ」
女勇者「はいっ!」にっこり。
観光客「なあなあ…マジ可愛いよな女勇者様」
観光客「ああ…あの綺麗な金髪と上品のお顔立ち…間近に見れて良かった」
観光客「ああ…本当だぜ、高い金出して魔界観光のツアーに来て良かったな…」
観光客「ああ…俺女勇者様に接客された事は一生の思い出にするよ」
観光客「俺も!」
女勇者「…」ニコー。
観光客「…!」
観光客「…! …!」
女勇者「…」ニコー。
女勇者「…」
女勇者「ぶはっ~~行ったか、買ったらとっとと帰れっての貧乏人どもがっ!」
魔族子供♀「お姉ちゃんっ!」
女勇者「い…!」
魔族子供♀「どこでお客様が見てるか分からないんだから、そんな事言っちゃダメだよっ!」
女勇者「いや…その…これはな?」
魔族子供♀「ん!」
女勇者「あう…」
女勇者「…ごめんなさい」
魔族子供♀「ん~」
女勇者「…」ドキドキ。
魔族子供♀「ん…よろしい!」
女勇者「ほ…」
魔族子供♀「安心してないで、ほらあっちの商品無くなってるよ! 品出ししておいて!」
女勇者「ええ~~…」
魔族子供♀「早くっ!」
女勇者「は、はい! た、只今!」
神官妹「ぷ」
女勇者「…!」
魔法使い「全くどっちが姉だ…しっかりしろ」
魔王「ど、どうも…はは」
魔王姫「ふん…」
神官姉「こんにちわ…勇者…ちゃん」
女勇者「お、お前ら…」
女勇者「な、何だよー! ひかやしなら来るなって言っただろっ!」
魔族子供♀「お姉ちゃん! だからお客様にそんな言葉遣いしちゃダメって言ってるでしょ!」
女勇者「ぴ!」
魔法使い「相変わらず偉いな魔族子供は」なでなで。
魔族子供♀「あ、は、はいどうも魔法使い様///」
女勇者「ぶー…」
女勇者「こいつら…客じゃないじゃん…ぶーぶー」
魔族子供♀「もーそんな事無いでしょー?」
魔法使い「悪いな魔族子供♀、今日は客で来た訳じゃ無いんだ」
魔族子供♀「え? そうなんですか?」
女勇者「ほらー!」
魔法使い「女勇者、今日はお前に用だ」
女勇者「え? アタシ?」
魔法使い「ああ」
女勇者「用って何だよ…?」
女勇者「…! まさか妖魔将軍か戦士でも現れたのか!?」
神官妹「いえ…姫が休戦調停を結びたいから魔王及び主力幹部、勇者パーティーは全員姫の城まで来て欲しいとの事ですわ」
女勇者「は?」
女勇者「はあ~? なんだそりゃ」
女勇者「あれだけの事しておいてよく言えるなそんな事」
神官妹「かもですけど、この前魔王様の強さを見せつけたのが余程効いたのでしょう」
神官妹「しかも魔王軍に対抗出来る頼みの綱の私たちも魔王側にいたら、そりゃ形振り構っていられないでしょう」
神官妹「正直、端から見たってこの状況、姫側陣営はどうみても詰んでますもの」
女勇者「だからってな~プライドとか無いのかよ…」
神官妹「国を動かすって言うのは貴女みたいに感情論だけで動かす物じゃ無いのよ」
神官妹「それに一応私たちは人間側なのですから、これで魔族と人間の荒事が全部収まるなら良いじゃない」
神官妹(それにそうなれば、流石にクソ姫も私の島に手を出さないと思いますしね…)
女勇者「でもなあ…うーん」
神官妹「…何をまためんどくさい事をこだわってるのよ」
女勇者「だってあの姫とか王国民はムカつくし嫌いなんだよ」
神官妹「だから私情で揉め事を引き伸ばしてどうするのよ」
神官妹「全く…」
神官妹「…!」
神官妹「だってねえねえ魔族子供♀ちゃん?」
魔族子供♀「はい?」
神官妹「魔族子供♀ちゃんはどう? これ以上人間との争いが伸びて良いと思う?」
女勇者「な! てめ…」
魔族子供♀「私は…」
神官妹「私は?」
魔族子供♀「…」
魔族子供♀「あの…」
神官妹「ん?」
魔族子供♀「ちょっとだけ考えさせてもらっても良いですか?」
神官妹「え? ど、どうぞ…」
魔族子供♀「…」
一同「…」ゴクリ。
魔族子供♀「…」
魔族子供♀「…私は」
一同「…」
魔族子供♀「お父さんとお母さんが、人間に殺されたのは悲しいです…」
一同「…」
魔族子供♀「でも…)
魔族子供♀「…うーん」
魔族子供♀「…うん」
魔族子供♀「悲しいけど、それをやった人達に怨みを返したいとか…やっぱりありません」
魔族子供♀「私はそんな事より…そんな未来が生まれないように、魔族と人間…歩み寄る…」
魔族子供♀「…そう、分かりあえる世界になった方が良い…うんなった方が良いと思えるから」
魔族子供♀「だから…姫様の申し出は、私は受けたいと…思います」
魔族子供♀「…うん、はっきりそう思えます!」
神官妹「そ、そう…」
神官妹(魔族子供♀を使って、かるーくそっちの流れに話を持ってこうとしただけなのに…)
神官妹(こりゃしっかりし過ぎてるわ…)
神官妹(何か私が見習いたくなるわね)クスリ
神官妹「女勇者…本気で姉妹の立場チェンジした方が良いんじゃない?」
女勇者「な! た、確かに魔族子供♀はしっかりしてるのは分かるけど、余計なお世話なんだよ!」
一同「あははは!」
女勇者「何だよぅ…笑うなよ…ぶー…」
魔族子供♀「あはは…」
魔族子供♀「…! あ、魔族っ子ちゃん!」
魔族っ子「え?」
魔族子供♀「今お買い物の帰り?」
魔族っ子「あ、うんそんなところ」ニコ。
魔族子供♀「ねえねえ魔族っ子ちゃんにも聞いて良い?」
魔族っ子「何急に?」
魔族子供♀「んとね、魔族っ子ちゃんももう人間と争いを止めて静かに暮らしたいと思わない?」
魔族っ子「何だよ急に改まって…話が見えないんだけど」
魔王「えーとですね、人間が魔族と休戦調停を結びたいと申しでがあったんですよ…」
魔族っ子「ま、魔王さまっ!?」
一同「…!」
魔王「えっと…」
魔族っ子「あ、すみません…」
魔王(…何だろう、魔族っ子さん、何だか最近よそよそしいよな…本当に)
魔王(僕…何かやったのでしょうか…?)
魔族っ子「えっと…その人間との休戦するって話ですよね…」
魔王「は、はい」
魔族っ子「あの…私たち魔族は魔王様の決めた事についていきますので、魔王様がどうぞ思うままにお決めになるのがよろしいかと…」
魔王「あ、あのそう言う話では無くて…貴女の意見を…」
魔族っ子「で、では私は、私のお店がありますので、し、失礼します」
魔族っ子(魔王様…ごめんなさい)
魔族っ子(私…貴方が怖いんです…!)
魔族っ子(貴方がそのうち世界を滅ぼしそうで…)
魔王「あ、ちょっと…」
魔王「行っちゃった…」
魔王姫「何なのですわ…あの下級魔族は…王族に対して不敬ですわ!」
魔王「ま、まあ魔王姫落ち着いて…僕は大丈夫だから」
魔王姫「そうですか? まあお兄さまがそう言うなら良いですが…」
女勇者「つーかスゲー気になるんだけど…」
魔王姫「何かしら?」
女勇者「何でお前が車椅子に乗って魔王が押してるの?」
魔王姫「何でって…私体が不自由ですから」
女勇者「じゃなくて、代わりの体になるゴーレムがあれば一人で動けるんだろ?」
魔王姫「ふ、これだから馬鹿は…愚問ですわ」
女勇者「何だとてめーっ!」
魔王「ま、まあまあ落ち着いて…」
魔王姫「いいですか? このままゴーレムが出来なければ、ずっと敬愛するお兄さまに介護して貰えるじゃないですか」
魔王姫「そんな最高な生活を私が手放す訳無いじゃないの」
女勇者「何だよその歪みすぎてるブラコン思想は…妹でもこんな妹は要らねえな…」
魔王姫「貴女みたいなクソ女に求められる必要性なんて微塵もありませんわ」
女勇者「んだとこのクソ妹…ケンカ売ってるのか?」
魔王「ま、まあまあ…;」
女勇者「おめーも甘やかしてんじゃねえよ!」
魔法使い「ほらほらくだらんケンカをしてないで城に向かうぞ」
魔法使い「私は色々忙しいんだ、出来たら今日中にこんな人間のくだらん催し事は終わらせたいのだ…」
魔王姫「ふん…」
女勇者「ちっ…」
魔法使い「ほら行くぞ」
女勇者「…へーへー分かりましたよ」
魔法使い「ん…?」
女勇者「…何だよ?」
魔法使い「いや、やけに素直だなって思ってな、何か変な物でも食ったのか?」
女勇者「別に…魔族子供♀が和解で良いって言うからだよ…つーか行って欲しくない訳?」
魔法使い「あ、気を悪くするな、つい本心が出ただけだ」
女勇者「余計タチ悪いわ!」
魔法使い「ふ…冗談だ、許せ」クスリ。
女勇者「んだよ…変なやつだな…」
女勇者「まいっか、じゃあ行ってくるから…」
魔族子供♀「うん! 気をつけて行って来てね、お姉ちゃん!」
女勇者「…うん」
魔王「じゃあ姫様の居城の外門に空間を繋げますね」
女勇者「おう」
女勇者「ん?」
魔王「どうしました?」
女勇者「魔族幹部も全員出席だろ?」
女勇者「牛のおっさんはどうしたんだよ?」
魔王「…先に行って罠じゃ無いか確かめてくると言って出ていってしまったのですが」
女勇者「はあ?」
魔王「止めたんですけどね…;」
魔王「後、参謀さんもそんな感じです」
女勇者「ふーん…そっか、じゃあまあそう言う事なら、アタシたちも行くか…」
魔王「はい!」
魔王「…」
魔王「…!」
魔王「繋げました、どうぞ」
神官姉「流石魔王…ちゃん」
神官妹「ありがとうございますわ」
魔法使い「うむ」
女勇者「おー」
女勇者「…よっと」
女勇者(相変わらず潜り抜けるのが面倒くさいな…)
女勇者「…」スッスッ。
女勇者「…あ!」ガッ。
女勇者(やばっ足引っ掻けた…ころ…!)
神官妹「あ! 大丈夫?」ダキ
女勇者「あ…」
女勇者「…あ、ありがと///」
神官妹「珍しくどんくさいわね」
女勇者「う、うっせーな///」
女勇者「お前こそ珍しいじゃねーか…肩を貸すなんてさ…」
神官妹「そう?」
女勇者「そうだよ、お前みたいな腹黒がさー」
神官妹「腹黒って…; 少しは歯に布着せなさいよ」
女勇者「へっ」ぷい。
神官妹「…でもそうかもね、最近ちょっとおかしいかもね…私…」
神官妹「よく…分からないけど…何か、そうしたい?」
神官妹「私そうしたいのかな?」
女勇者「お前が知らねーなら知らねーよ;」
神官妹「ですわよねぇ…」
女勇者「お前本当に変だぞ?;」
神官妹「そうかしら?」
女勇者「そうだよ…つーか何だよこの会話」
神官妹「でも変って言えば、女勇者貴女も変じゃない」
女勇者「は? 何だよ唐突に…」
神官妹「だって姫に借金は返したのに、何でお店で働き続けてるの?」
女勇者「え…!?」
神官妹「魔族子供♀ちゃんがいるからやってるのは分かるけど」
神官妹「プライドの高い貴女が、あんな一番やりたく無いような接客業を続けられるなんて…おかしいと言うか珍しいと言うか…」
神官妹「と言うか、いつまで続けるつもりなの?」
女勇者「…!」
女勇者「…」
神官妹「…? どうしたの女勇者、急に真面目な顔して」
魔法使い「おいお前らいつまで無駄話をしてるんだ、行くぞ!」
女勇者「…」
女勇者「…みんなわりいけど、ちょっと聞いてもらっても良いか?」
一同「?」
魔王「どうしたんですか? 勇者さん」
魔法使い「何だ全く…下らない事なら許さんぞ」
女勇者「うん、あのさ…」
女勇者「その…」
魔法使い「? 何だはっきり言え」
女勇者「う、うん」
女勇者「…」
女勇者「アタシ…勇者…辞めようと思うんだ」
一同「…」
女勇者「…」
一同「…」
女勇者「あ、あの…」
一同「ええええええ!?!?」
女勇者「!」びくっ。
魔王「ゆ、勇者さん本当ですか!?」
神官姉「仰天…」
魔法使い「本当にどうしたんだ、今日のお前は! おかしいのか? おかしいんだろう!?」
神官妹「ほ、本当に急にどうしたの女勇者!?」
女勇者「…いや、急じゃ無いんだ…」
神官妹「え?」
女勇者「…えと、その…アタシ接客がその…嫌じゃない」
神官妹「え?」
女勇者「だから…うう…///」
女勇者「あの…店で…働くのが…///」
女勇者「…///」
女勇者「うう…///」スッ(座り込む)
神官妹「ちょ、ちょっと…そこで止めないでよ、…働くのが何なのよ?」
女勇者「…」
女勇者「…しい」
魔法使い「何?」
女勇者「だから…その、たの…い」
神官妹「は?」
女勇者「…」
女勇者「~~~///」
女勇者「…」キッ。
女勇者「あの店で働くのが楽しい、接客も嫌じゃない!」
一同「!」
女勇者「だから…勇者を辞めて、あのお店で働きたい…」
女勇者「そんな…感じ…です、はい///」
女勇者「ううう///」
魔法使い「…」あんぐり。
神官妹「…そ、そうなんだ…でもまあ休戦調停の話をこれからするし、そ、その話はまた後でね」
女勇者「…!」
女勇者「い、いや!」
神官妹「い、嫌ってこんなところで駄々こねないでよ…」
女勇者「じゃ、じゃなくて、この場じゃないとダメなんだ」
女勇者「今この場で言わないとダメ何だ!」
神官妹「はあ? 何なのよそれは…;」
女勇者「魔王!」
魔王「え? ぼ、僕!?」
女勇者「ああ…お前に聞いて貰いたい事がある!」
魔王「な、何でしょうか…?」
女勇者「…その、アタシがこんな風に考えられるようになったのは…」
女勇者「あんたがいつも真っ直ぐな…そのあの」
魔王「?」
女勇者「…く、そそその、お前の真っ直ぐな優しさを見せてくれたから…だっ!」
女勇者「だからアタシは変われて…その」
女勇者「魔族子供♀と…その楽しく暮らせるようになったのは…」
女勇者「なったのは…」
女勇者「…」
女勇者「お前のおかげだよ…!」
女勇者「だからありがとうっ!」
魔王「…」
魔王「…え?」
女勇者「…!///」
女勇者「聞き直してんじゃねーよっ! ありがとうって言ってんだよ、殺すぞコラ!!」
魔王「えええ!? お礼言いながら殺そうとしてる!」
女勇者「…!」キッ。
魔王「あ、すみません! すみません!」
女勇者「で…で、どうよ?」
魔王「え、何がですか?」
女勇者「…! このアタシ様に礼を言われた感想とか、そう言うやつだよっ!」
魔王「え…?」
魔王「えっ…と、どういたしまして?」
女勇者「…何だよその反応…」
女勇者「ふん…そんなにアタシが礼を言うのが変かよ…」
魔王「…!」
魔王「いえ…驚いただけです、勇者さんにお礼を言われて僕嬉しいです」ニコ。
女勇者「…ん///」
魔法使い「全く何を言いたいのかと思ったら…」
神官妹「そうですわ、別にこんな公衆の面前で言わなくても…後で二人きりで話せば良いじゃ無いの;」
女勇者「それじゃダメだ…!」
神官妹「はあ? 何で…」
女勇者「誰かの目があったら恥ずかしくて言えないなんて、本当の意味でお礼を言えた事にならないから…!」
女勇者「だから…!」
神官妹「そ、そうなの…すっごい…勇者ぽい理由ね」
女勇者「え、なんで?」
神官妹「恥ずかしさに耐えるところとか…」
女勇者「? 本気の言葉を伝えたいなら普通だろ?」
神官妹「だからそれが…まあもう良いですわ」
女勇者「?」
魔王「とにかく勇者さんは魔族子供♀さんとあのお店をやっていくと言う感じなのですね」
女勇者「ん…まあそんな感じ、だから今日の休戦調停が終わったら、とりあえず今日で女勇者は辞める」
女勇者「妖魔将軍とか戦士が出ない限りは、あのお店にいたいから…悪いけど」
魔王「勇者さん…」
女勇者「あ、でもその二人が出たらちゃんと戦うから、そこら辺は安心してくれ」
女勇者「まあと言うことで、今日から女勇者じゃなくて売子勇者って感じで行くんでよろしく!」
神官妹「あんまりいつもと変わらないじゃないの」
魔法使い「馬鹿か…」
女勇者「う、うっせーな! こう言うのを気構えが大切だから言ったんだよ!」
魔王「はは…」
魔王「まあそう言う事なら、勇者さんは魔族子供♀さんと同じに、荒れ果ての地の街に住む同じ魔界の国民として、僕が勇者さんの生活はお守りしますね」
女勇者「え?」
女勇者「あー…うん」
女勇者「…ありがと///」ぽりぽり。
魔王「はい!」
女勇者「…///」
神官妹「ふ…」
姫の兵士「ちょりーす…ようこそお越しくださいました魔王ちーん…ささ、姫がおまちーっす」
魔王姫「あ、あの時のクソ兵士! 生きてたの!?」
姫の兵士「背中ざっくりいったけと、何とか回復魔法で、臨死体験から帰ってきたちょりーんす」
魔王姫「あんたの生き死に何かどうでも良いですわ!」
魔王姫「よく私をあんな目に合わして、ノコノコ目の前に出てこれたわね!」
姫の兵士「いやあれ仕事で、いやいややってただけだし? それにそーゆの自分気にしないんで」
魔王姫「私が気にするのよ!」
姫の兵士「そうなの? メンゴメンゴメンメンゴ~! はい仲直り!」
魔王姫「何よその謝り方! と言うか他の兵士に来なさいよ! あんたなんか嫌よ!」
姫の兵士「あ、ゴメゴメそれ無理、人手不足だからさー、俺で我慢してね」
魔王姫「なぶり殺しにされそうになったのに出来るかー!」
姫の兵士「はいはい我が儘言わないでね~こっちっす、ちょりーす」
魔王姫「ムキー! だから聞きなさいよ!」
魔王「はは…」
魔法使い「…」
魔法使い(人手不足?)
魔法使い(はて…この前の公開死刑に来たときは、兵士は充分いたかと思ったが…)
~応接間~
姫の兵士「こちらの部屋になります~姫はちぃーっと準備に手間取ってるので、少々お待ちを~」
姫の兵士「にい…戦魔将軍が先に来てお食事を取られて待っているので、皆さんもどんどん食べてください」
戦魔将軍「おお! 魔王様! 魔王姫様! お待ちしておりましたぞ!」
戦魔将軍「ここの飯は美味い! ささ一緒に食べて、姫とやら待ちましょうぞ」
戦魔将軍「ガツガツガツ!」
女勇者「うわー…」
魔王「はは…」
魔法使い「毒とか大丈夫か?」
戦魔将軍「…!」
戦魔将軍「ぶふーーーっ!!」
女勇者「きったねっ!!」
魔法使い「考えずに食っていたのか…;」
戦魔将軍「わ、儂死ぬでござるか!?」
神官妹「…毒の反応は出ていませんわね」
戦魔将軍「…そ、そうか!」
戦魔将軍「良かった…」
女勇者「良くねーよ! アタシたちの分まで唾だらけにしやがって!」
女勇者「てめーの牛タン味トッピングなんか要らねーんだよっ!」
戦魔将軍「すまん許せ! がっはっはっは!」
女勇者「…こいつのタン切り取って焼肉してやろうか…?」
魔王「ま、まあまあ…落ち着いて」
女勇者「ちっ…」
姫の兵士「すぐに代わりの料理をお持ちしますんで待っててちょりーす」
一同「…」
女勇者「…おい牛野郎、それで先行して調査して本当に安全だったんだろうな?」
戦魔将軍「ああ! 安全だ! 何故なら飯が美味かったからな!」
戦魔将軍「こんな美味しい料理を出してくれる奴が悪いことをする訳が無い!」
女勇者「ただ餌付けされてるだけじゃねーか!」
魔王「あれ? 戦魔将軍さん」
戦魔将軍「はい魔王様何でございましょうか?」
魔王「参謀さんは?」
戦魔将軍「? さあここに来たとき儂一人でしたが…」
魔王「おかしいな…参謀さんが戦魔将軍さんと一緒に一足先に行ってると聞いたのですが…」
戦魔将軍「失礼ながら儂は何も聞いておりませんぞ」
魔王「そうですか…どうしたんだろう参謀さん」
魔法使い「…」
神官妹「どうしたの魔法使い?」
魔法使い「ん? いや…」
神官妹「?」
魔法使い(城の中の人の気配が少ないような気がするのだが…)
魔法使い(まあ…気のせいか)
~一時間後~
女勇者「…いつまで待たせるんだよ、あのブス女…」
姫の兵士「もーすぐっす、もーすぐっす」
神官妹「本当なの? いくらなんでも遅すぎじゃありませんか?」
姫の兵士「んーよく分かんないっすけど、土壇場で国の偉い人ともめたとか何とか言ってたような…それでじゃないっすかね?」
神官妹「…ちゃんとまとまってから話し合いの場は設けなさいよ…」
姫の兵士「さーせん、マジさーせん」
姫の兵士「でも後ちょっとだと、自分思うんで、もう少し待ってちょりーんす」
神官妹「分かったけど、貴方…もう少し喋り方何とかしなさいよ…」
~三時間後~
魔法使い「…おい、遅すぎるだろ、どうなってるんだ?」
姫の兵士「あれー? おっかしいな~」
魔法使い「貴様…ふざけてるのか? 確認ぐらいしてきたらどうなんだ」
姫の兵士「あ、そっすね~ちょっくら行ってきます~」
戦魔将軍「じゃあついでにビールおかわり!」
姫の兵士「へいへい~」
魔法使い「飲み会か!?」
~五時間後~
女勇者「待たせるって次元じゃ無いだろこれ…」
神官妹「姫の兵士も行ったきり戻ってこないし…」
魔法使い「…もうこれ以上待つ義理など無いだろう…私は帰るぞ」
魔王「あでも、もう少しすれば来るかも知れないので、もうちょっとだけ待って見ませんか?」
魔法使い「悪いが私は今日は忙しいのだ…だいたい全員揃ってなくても休戦調停など出来るだろう」
魔王「それはそうですが…」
魔法使い「向こうが礼儀を欠いているのだ、こちらがそれに付き合う必要は無い」
魔法使い「失礼する」
魔王「あ…魔法使いさん」
姫の兵士「おおっと、勝手に帰ってもらっちゃ困るっすね~」
女勇者「姫の兵士!」
神官妹「一体今までどこに…!?」
魔法使い「ふざけるな…これ以上人間の戯言に付き合っていられるか…そこをどけ」
姫の兵士「だから、帰らせないって言ってんすよ~? 馬鹿すか? 自分」
魔法使い「何…? 貴様一体…」
姫の兵士「まあでも、ここら辺が潮時だし良いタイミングかも知れんね」スッ。
魔法使い「…! それはエルフの凝縮魔石!」
女勇者「お前まさか…!」
姫の兵士「…ふははは、そうだよ」
妖魔将軍「俺だ!」ドローン。
戦魔将軍「妖魔将軍!?」
妖魔将軍「よお…久しぶりじゃねーか兄ちゃん」
魔王「よ、妖魔将軍!?」
女勇者「妖魔将軍…こんな人間の城にいるって事はやっぱりてめえ戦士と何か繋がりがあるな!?」
魔法使い「いやそれより…我らを倒すためなら…何故こんな時間かけた回りくどい事を…」
神官妹「…時間稼ぎ…足止め…!?」
妖魔将軍「ご名答、そうお前たちを出来るだけこの城に足止めするのが俺の役目だったのさ」
女勇者「何のために…」
妖魔将軍「お前らがここに来た瞬間、荒れ果ての地の街の回りで待機していた王国軍全部隊が攻める手筈になってたんだよ!」
一同「!?」
女勇者「何…だって」プルプル。
妖魔将軍「信用出来ないか? だったら見せてやるぜ」カッ。
神官妹「魔石が光って?」
魔法使い「これは投影魔法?」
一同「!?」
魔法使い「街が火の海に…」
兵士『殺せ殺せ! 魔族を殺せ!』
下級魔族『助けてー!』
兵士『ひゃはははは!』
下級魔族『ぎゃー!!』
戦魔将軍「何と言う…事を…」
魔王「そんな…」
魔王「うう…!」
女勇者「あ…あ…」プルプル。
女勇者「く…」
女勇者「魔王グズグズするな! 転移魔法を!」
魔王「あ、は、はい!」
妖魔将軍「させないんだな…」カッ!
魔王「…! 魔法が…使えない!?」
魔法使い「あの凝縮魔石のせいかっ!?」
神官妹「でもあれ…前に女勇者が切って壊したハズなのに…」
神官姉「不思議…」
妖魔将軍「へっまあ確かに壊れたけどな…直して貰ったのさ」
神官妹「そんな高度な魔法アイテムを直せる人なんているの!?」
妖魔将軍「いるじゃないか…この世の万物に精通してるアイツが!」
神官妹「…!」
神官妹「やっぱり貴方を生き返らせたのは…」
妖魔将軍「察しが良くて助かるぜ」
女勇者「ごちゃごちゃうるせえっ!」
女勇者「またその魔石を壊せば良いって事だろ…!」
女勇者「聖光転身!」シュン。
妖魔将軍「おっと! 同じ手は食わねえよ」
女勇者(く…体の内側に石を)
女勇者(こいつ自体を攻撃してもダメージは…クソ)ズバズバ!
妖魔将軍「がははは! 痒い痒い」
妖魔将軍「痒…?」
妖魔将軍「ぎゃああああ!」ドジュウウウウ!
女勇者「聖剣が…!」
神官妹「効いている!?」
妖魔将軍「不死身の体じゃ無くなった…くっそ…バレたか…」
妖魔将軍「くう…このまま死んでたまるか…」
妖魔将軍「ぐうう…いるんだろ出てこい創造神!!!」
女勇者「創造神…!?」
魔法使い「な、何を言ってるんだ…こいつは…」
神官妹「…やっぱり」
妖魔将軍「おめーがその気ならどっちにしろ俺は全部バラすぜ! はあはあ」
妖魔将軍「だから出てこい! 創造神!」
魔法使い「は、はは…な、何を言ってるんだ…創造神様がお前などに…」
光「パアアアア」
一同「!?」
妖魔将軍「へっようやく出てきたか」
創造神「…」
魔法使い「そ、創造神様…!?」
女勇者「何がどうなってるんだよ…」
神官妹「察しが悪いわね…妖魔将軍に不死身の体を与えてたのは創造神なのよ、たぶん戦士もそうね」
魔法使い「そんな…まさか創造神様が…」
創造神「…」
創造神「何故こんな真似をしたのです、愛する子妖魔将軍よ」
創造神「このままでは世界が滅んでしまうのですよ?」
一同「!?」
創造神「そうなったら貴方も生きてはいられないのに…それなのに何故」
妖魔将軍「簡単な事だ…」
妖魔将軍「こんな世界なんて…壊れちまえば良いって思ってるからさ…」
妖魔将軍「こんな…お前らの機嫌一つでリセットされる世界なんてな…」
妖魔将軍「生きてる…意味なんて」
妖魔将軍「無い…ぐっっっ!」ジュウウウ!
妖魔将軍「ぐぎゃあああ、いてえいてえっ! 体が溶けるとけとけ溶けるるる…」ジュウウウ!
妖魔将軍「とけ…あががが…」ジュウウウ!
妖魔将軍「が…」バタ。
神官妹「さて…創造神…様どう言う事か説明してもらいましょうか?」
魔法使い「ま、まさか創造神様が、よ、妖魔将軍の嘘…何ですよね?」
創造神「…」
女勇者「今はそんな事を言ってる場合じゃ無いだろ! 早く荒れ果ての地の街に戻らないと!」
女勇者「魔王早く転移魔法を!」
魔王「ううう…」
魔王「おえ」ビチャ。
魔王「臭い臭い臭い臭い…」
女勇者「お、おい魔王!? しっかりしろよ!」
女勇者「お、お前の転移魔法じゃ無いと間に合わないんだよ!」
創造神「私が運びましょう」
女勇者「な、何だと…う、裏切り者何かの言葉を信用出来るか!」
創造神「今そんな事を言っている場合ではありません!」
女勇者「なっ…!?」
創造神「人間のあの狂気を止めねば、世界が滅ぶのです!」
一同「世界が…!」
創造神「…」
続く
妖魔将軍を蘇らせたのは何と創造神だった。
妖魔将軍のような非道な奴を生き返らせる創造神は裏切り者かと思われたが、どうやらそうでもないらしい。
一体創造神は何を考えているのか?
次回に続きます。