70話 魔王「妹の魔王姫と勇者のお兄さん?」
~ストーリー~
先代の魔王の手によって、長きの間、封印され眠りについてた魔王の息子が、久々に目を覚ますと、父親である魔王が勇者に討たれた10年後の世界だった。
さらにその事情を教えてくれた、かつて先代魔王の右腕だった参謀から、魔王を討たれ力を無くした魔族は、人間に無条件降伏したと、驚くべき事実を伝えられる。
しかし驚く事はそれだけでは無く、人間側は、無条件降伏を締結させるにあたって、魔王の息子である自分を、新魔王として即位させる事を条件の一つとして言ってた来たと言うのだった。
~今回のあらすじ~
ついに借金を全額返し、魔族の拠点であり新しい街である、荒れ果ての地の街を借金の担保で取られない様になったと思った魔王たちだが、姫は最後の手段で、何と魔王の妹「魔王姫」を人質に取っていると言ってくる。
死んだと思われた魔王姫、その話は本当なのか? 魔王たちは話の真意を確かめるべく、姫が言う魔王姫を幽閉していると言う、地下牢に向かうのだが…。
登場キャラ
魔王
前魔王の息子で、人間の国の要請で新しい魔王に就任した。
前魔王と違って花や動物を愛する優しさと高圧的な者には強く出れない気弱い性格。
年齢も人間換算で15歳。
そして魔王の系譜らしくとてつもない魔力の持ち主だが、その力を恐れた前魔王に自分は弱いと洗脳されている。
後妹がいる。
女勇者
口も性格も悪い外道勇者。
気は強いが逆境に弱く、泣いてしまう事もある。
また火に対し強いトラウマを持っている。理由は不明。
見た目は胸は小さく金髪ツインテール。
神官妹
聖職者だが計算高く、自分が助かるためなら平気で仲間を見殺しにする汚い性格をしている。
また性癖が年上思考で、大臣を愛している。
元勇者のパーティーで僧侶をやっていた時期もある。
神官姉
神官妹の姉。
喋る事が不得意で話す言葉が訥々になりがちになる。
そんな風だから引っ込み思案に見えるが意外に自分の意志を通す。
性癖は年下思考で子供が好き。
その事から見た目が子供な魔王が好き。
後ちょっとMっ気もあるかも知れない。
魔法使い
エルフで魔王軍に娘を殺された事から、その恨みを晴らす為魔法使いになった。
性格は真面目で固い印象があるが、子供を慈しむような優しい一面もある。
女勇者とは魔王討伐の為パーティーを組んでいた時期もあったが、女勇者の心無い言葉を言われ現在はとても嫌っている。
・魔族の子供たち
魔族子供♀
魔族の少女、少し控えめだが仲間思いの優しい子
魔族子供1
ヤンチャな性格で、すぐに無茶な行動するトラブルメーカー。
魔族子供2・3
魔族子供1の子分のような存在
魔族っ子幼
魔族の幼女。
戦魔将軍を父と呼んでいた戦災孤児。
何事も疑いなく信じてしまう無邪気な性格、後まだ喋るのになれていない。
呪族の幼女
魔族とは違い、呪いの力を使う一族の生き残りで元その女王。
前の戦いで覚醒魔王に力を根こそぎ奪われ封印されてしまい、幼女の姿になってしまう。
幼女になった当初は喋るのに慣れず舌足らずだったが、だんだん慣れてきている。
わらわなど、昔の日本のお姫様のいような喋り方をし、その喋り方通り高飛車な性格をしており、さらに呪いの一族らしく恨みがましく陰湿な性格もしている。
また性癖が同性愛者な事から若い女が好きで、見てくれが美しい女勇者が好き。
参謀
前魔王の片腕だった魔族。
魔王を復活させて今の状態を作ってしまった張本人。
行動では魔王につき従っているフリをしているが、内心では魔王を利用して魔界の再建を狙っている。
そのように表の態度とは裏腹にいつも何か隠している感じの油断のならない性格をしている。
商人
姫の専属アドバイザーとして仕えている商人。
姫に頼まれ魔王をおとしめる為にやってきた。
口が上手く、人の心をつかむのが上手いが、その反面いつも何か隠しているようにも見える胡散臭い人物。
姫
王国の姫。
常に上から目線で物を言う高飛車で傲慢な性格しており、利権など金になる物や自分が面白いと感じた物に目が無い。
今回も魔界の利権を狙ってやってきた。
メイド
大臣たちが魔界視察に来た時についてきたメイド。
いつの間にか魔王城に住み込み生活をしている。
メイドらしく引っ込み思案な気弱な性格。
また女勇者に拾われてメイドになったらしい。
その過去には何か色々ある様子。
戦魔将軍
元旧魔王軍の七魔将軍の一人。
戦魔名前のごとく力で全ての物事を解決しようとする戦士系タイプの魔族。
ミノタウロスがさらにマッチョになったような容姿をしており、正々堂々をモットーとする豪快で武人のような性格をしている。
ただ認めた主にないがしろにされるのは苦手で、よく魔王の言葉に素でショックを受けていたりする
また語尾にござるを付ける。
戦魔副長
戦魔将軍の右腕的存在で、柔らかい考えに冷静に場を見れる事から、頭の悪い戦魔将軍の代わりに色々考えてくれたりする。
性格も平和主義者と言うほどでもないが、むやみに喧嘩をして敵を作る事は良しとはしない性格。
妖魔将軍
魔王軍七魔将軍の一人で、戦魔将軍の弟。
家族が泣き叫ぶ顔見ながらその家族を食い殺す、魔族でも嫌悪するヘルムシュヴァイセンと言う料理を好んだり、そんな残虐な事を好む救いようない外道魔族。
戦中に女勇者によって拷問されて殺された筈だが、何故か甦って再び勇者の前に現れる。
法王
創造神教の最高トップ。
ヒップホップ系の変なしゃべり方をするグラサンをかけたデブ。
普通の喋り方も出来る。
チッパイが好き。
魔王「魔王姫…?」
魔王「魔王姫…妹は…生きているのですか?」
姫「ええ…この城に幽閉していますわ」
魔王「そんな…」
魔王「魔王姫が…生きて…」
魔王「う…」じわ。
魔王「良かった…生きて…」
魔法使い「…」
魔法使い(泣くか…)
魔法使い(まあ…前魔王が死んだこいつにとって、最後の肉親になるわけだから)
魔法使い(無理もないか)
女勇者「嘘だ…! 戦った七魔将軍は確かに全員殺した筈だぞ!?」
女勇者「生きている訳が…!」
魔法使い「いや…可能性はある、そして我らにはそれを確かめる必要はある」
女勇者「何?」
神官妹「妖魔将軍…」
女勇者「…!」
女勇者(そうか…生き返った…妖魔将軍…)
女勇者(まさか…それに姫が関係しているのか?)
姫「妖魔将軍…?」
姫「何の事か知らんが…信用出来ないなら、見てみるか?」
魔法使い(…妖魔将軍を知らない? 誤魔化しているのか?)
女勇者(まあ何にせよ)
神官妹(実物を見てみないと話は始まりませんわね)
魔王「あ、会いたいです、是非、お、お願いします!」
姫「ふ…良いじゃろう」
一同(何より…将軍の誰が魔王の妹だったのか気になる…!)
姫「では案内しようこちらじゃ」
~姫の居城地下~
女勇者「ありがちな場所に幽閉してるなあ…」
女勇者「何で化物とか大物閉じ込める時ってこんな地下じゃないといけないんだろ…」
女勇者「日当たり良好な場所でも良いじゃん、あージメジメしていやだわー!」
神官妹「確かに地下ってカビ臭くて嫌ですわ…」
魔法使い「よくダンジョンとか潜ってた勇者のパーティーがこれぐらいでダメとか鈍りすぎだろう…」
女勇者「えー…もう魔王倒したんだから、そんな苦労しなくて良いじゃん」
神官妹「そうですわ、わざわざ進んで苦労する必要何てこの世のどこにもありませんわ」
魔法使い「お前らな…;」
姫「ここじゃ」
一同「!」
魔王「ここに魔王姫が…」
女勇者(一体…)
神官妹(どの将軍)
魔法使い(なんだ?)
神官姉「はー…」
姫「ふ…商人!」
商人「はい姫様」ギィーーー(大扉を開ける)
一同「!」
神官妹「こ、これが…魔王様の妹」
神官姉「?」
魔法使い「この将軍が…」
女勇者「鉄の巨人…」
女勇者「業魔将軍…!」
女勇者「って一番ガチムチ枠じゃ無いかよ!」
女勇者(…妹がこいつって…)
女勇者(絶対姫の勘違いだろこれって…)
魔王「魔王姫…! ほ、本当に生きてたんだっ!」
女勇者「って! 本当に妹かよっ!!」ビシ!
魔王「え? は、はいそうですが…」
女勇者 (いやいやいや…)
女勇者(これが妹とか、妹舐めてんの!?)
女勇者(つか股間とか…そ、その盛り上がってるし、男だろどー見ても…)
女勇者(流行りの女の子みたいな男、男の娘だから妹とでも言いたいのか?)
女勇者(いやいやいやあり得ないから…ガチムチマッチョが男の娘です、キャピン☆って言ってああ男の娘だって納得する奴いるか? いないだろっ!)
女勇者(と言うかそんな事以前に)
女勇者「首切れてるのに生きて無いだろ、これ…」
業魔将軍「…」
業魔将軍「…!」
業魔将軍「その声…お兄さま…お兄さまなのですかっ!?」
女勇者「って!? 首切れてるのに何か生きてるー!? しかもこんな見ためなのに声だけめっちゃ可愛いっ!?」
神官妹「そう言えば…業魔将軍って一言も喋らなかったけど…こんんな声だったのね…」
魔法使い「それにしても…」
神官姉「確かに妹…声だけ…なら」
女勇者「いやいやいや…無いからっ! これが妹とか絶対無いから!」
魔王「ゆ、勇者さん、僕の妹が無いとか言わないでください…!」
女勇者「あ…ごめん」
業魔将軍「ゆ、勇者、女勇者…? そこに勇者がいるのですか?」
魔王「え? うんいるけど…」
業魔将軍「…! おのれ女勇者! 私はこんな目に合わして、さらにお兄さまを手を出そうと言うのっ!?」
女勇者「え、いやいや…」
業魔将軍「許せない…女勇者…殺してやる…!」ゴゴゴ。
女勇者「こ、こんな状態で動く…のか!?」
魔王「魔王姫…!」
業魔将軍「はあああ…!」ゴゴゴ。
魔法使い「凄い魔力だ…!」
神官妹「ほ、本当に…」
女勇者「ちょっと…こいつ動くぞ! ちゃんと幽閉しておけよ!」
姫「ふん…問題ないわ」
女勇者「え?」
業魔将軍「はあああ…」ゴゴゴ。
業魔将軍「はああ…」ゴゴゴ。
業魔将軍「…」ゴゴゴ。
女勇者「? 何だ…?」
魔王「ど、どうしたの…魔王姫」
業魔将軍「うう…」
業魔将軍「…も、申し訳ないですお兄さま…体が壊れて…いくら力を込めても動かないんです」
魔王「そ、そうなんだ…無理しないでね」
業魔将軍「ああ…こんな不甲斐ない不肖な妹にそんなお気遣いしてくれるなんて…相変わらずお優しいお兄さま…ぽっ」
女勇者「ガチムチな上に切断された首で頬を染めるな気持ちわりぃ…」
業魔将軍「うるさいですわっ! 貴女がこんな姿にしたのでしょう!」
業魔将軍「しねっ! 死になさい女勇者っ!」
女勇者「は? やだしベロベロ~ばぁ!」
業魔将軍「ムキー!」ゴゴゴ。
姫「まあおふざけはそこら辺にして…」
姫「と言う事で、魔王様の大事な妹は我らの手の内、もしも荒れ果ての地の街の全権を渡さなければ、妹は処刑します」
姫「理解出来ました?」
魔王「…! そ、そんな…」
姫「ふふん…どうしますか?」
神官妹(なるほど…姫は魔王の身内の命切り札にしてたから…あんなに強気だったのね)
魔王「あ、あの!」
姫「あら何かご不満でも?」
魔王「魔王姫の、その処刑する理由は何なのでしょうか!」
姫「は?」
魔王「そ、その…処刑する理由です」
姫「まず気になるところがそこか?」
姫「相変わらず変な奴じゃのう…」
姫「まあ理由なんぞ関係ないと思うが…」
姫「業魔将軍…魔王姫は、我が国民一千万を虐殺したのだ」
姫「処刑するには充分な理由があるだろう」
魔王「そうですか…それは、そう…ですよね…」
業魔将軍「お兄さま…お、お兄さまは気にしないでくださいっ!」
業魔将軍「私が勝手にやっただけなのです…お兄さまが気にする必要はありません」
魔王「でも…たぶん戦わなければ…僕を殺す…そう父上に言われてやっただけなんですよね?」
業魔将軍「…! そ、それは…」
魔王「やはり…そうでしたか、なら魔王姫が一千万も王国の民を虐殺してしまったのは僕のせいです」
魔王「魔王姫に罪はありません、僕を処刑してください!」
姫「は、は? いやそんな事しても…」
業魔将軍「止めて…止めてお兄さま…」
業魔将軍「…おのれっ…性悪な人間めっ! これ以上言うな、お兄さまはお前たち低俗な人間にも慈悲をかけてしまうお優しい性格なのだっ!」
業魔将軍「それにつけこむとは…卑怯ものめっ!」
業魔将軍「殺すなら私を殺しなさいっ!」パカー。
女勇者「…! なんか業魔将軍の胸が開いたら美少女出てきたー!?」
神官妹「なるほど妹だわ…」
魔法使い「自らをコアにして動かすゴーレムだったのか…」
神官姉「魔王…ちゃんの妹ちゃん…将来の…義妹…可愛い…!」
姫「ふん…捕まってから一度も出てこなかったのに、流石に兄妹と言ったところか…」
女勇者「おい、何だよあの妹は…つかあっちが本体なら、業魔将軍の体捨てりゃー良いじゃん!」
魔王「いえ…妹は過剰魔力体質なので体が昔から不自由なのです」
女勇者「かじょーまりょくたいしつ?」
魔法使い「体が耐えられないほどの過剰な魔力を持つことだ」
魔法使い「過ぎた魔力のせいで体中の弱い神経に負荷がかかって損傷し体が不自由になると言った、魔力系の病気の一種だ」
女勇者「へー…そんなのあるんだ…」
魔法使い(分かってないだろ…こいつ)
神官妹「でも人間でも珍しい病気なのに、基本人間より身体能力が高い魔族でもかかるなんてもっと珍しいわね」
魔王「はい、魔王姫は生れた頃から他の魔族より体が弱くて…だから小さい頃からあんな感じに代わりの体に入って普段の生活をしていたのですが…」
女勇者「はあ? じゃあそんなに特徴知ってるなら業魔将軍が妹だってすぐ分かったじゃん」
魔王「え? いえいえ、僕が眠る前はもっと可愛らしいゴーレムに入っていたので、あんな凶悪なのになってたなんて知りませんでしたよ…」
女勇者「? 見た瞬間妹だって分かってたじゃんあんた」
魔王「いや…それは実物みれば、ずっと一緒にいた兄妹ですし、魔力を見るだけで分かりますよ…」
女勇者「あっそ…」
女勇者「ともあれ病弱系妹キター! 不自由な妹にお世話したいっ!」
神官妹「最近貴女明け透け過ぎない…?;」
女勇者「まあ細かい事は置いといて、とりあえず魔王姫を助け出せば万事解決だろ?」
神官妹「ですわね」
魔法使い「そうだ、姫の条件など魔王姫を助け出せば聞く必要は無い」
魔法使い「馬鹿め近づけさせ過ぎたな…」
女勇者「っつう訳で可愛い妹ちゃんは返して貰うぜ!」ダンッ!
魔王「あ! 勇者さん待ってください…!」
姫「…」
姫「ふん」ニヤリ。
魔王姫「お、女勇者が私を助けるなんて…ど、どう言う風の吹き回しなのっ!?」
女勇者「お前が幽閉されている間に随分状況は変わったんだよ」
女勇者「とりあえずこれから切り離すぞ?」
魔王姫「く…女勇者に助けられるなんて屈辱…」
女勇者「まあそう言うなって…行くぞ、ハア!」
キィーーーーーン!!
女勇者「!?」
???「へっ…!」
女勇者「ば、馬鹿な…お前は…」
女勇者「戦士っ!?」
戦士「よお久しぶりだな…女勇者」
女勇者「お、お前まさか…姫側に?」
戦士「おいおいおい…勇者がそれを言うか?」
戦士「俺たち勇者のパーティーは王国に仕えるためにあるんだよ」
姫「ほほほ…」
女勇者「く…!」
戦士「それにしても随分勇者らしさ戻ってきたじゃないか女勇者…」
女勇者「何…?」
戦士「妖魔将軍を拷問してた時の薄汚いお前は勇者じゃ無かった…」
戦士「あの時のお前は、俺が助けてやった時見たいに、ただひんひん泣いてた時の薄汚いガキの頃と変わらなくなってたからな…」
女勇者「く…いつまでも昔の事を…///」カー。
女勇者「そ、そんな事今は関係ないだろっ!
戦士「いやあるね! 大いにあるね!」
戦士「勇者は、勇者に選ばれた者は清く正しく美しく、そんな白き純白のような絶対の無垢な存在じゃないといけないんだ…!」
戦士「そう勇者は正義! 世界の光! 勧善懲悪の必ず善側になる存在…勇者は…勇者はそうでなければいけないのが、この世の絶対真理!」
戦士「お前は…勇者なのだから…勇者に撰ばれたのだからそうあるべきなのだ!」
戦士「俺は! 勇者とはそうあるべき存在じゃないと嫌なんだっ!」
戦士「だからお前が誰かのために戦うような、そんな勇者らしい行動をしてるのが嬉しいんだぜ…?」
女勇者「キモ…相変わらずの鬱陶しいまでの勇者概念の押し付け…ホントキモいわ…」
魔王「こ、この人は…?」
神官妹「私たち勇者パーティーの最後の一人戦士ですわ…」
神官妹「見ての通りの【勇者マニア】で、妖魔将軍を拷問した女勇者があまりに自分が思い描く勇者像とかけ離れ過ぎて、それに絶望してパーティーから去っていたのですが…」
神官妹「まさか姫側についていたなんて…」
戦士「さあ女勇者! もっと正しい事をして、もっともっと勇者らしくなるんだっ!」
女勇者「だからー! アタシは勇者の前に人間何だよっ! 勇者らしいとか…そんなイイコちゃんの真似事なんてできっかよ!」
戦士「おー…ダメだ…ダメだダメだダメだ…勇者がそんな汚い言葉を使っちゃ?」
戦士「勇者はもっと人に勇気を与えるような言葉を遣いしなくちゃって、兄ちゃんいつも言ってただろ?」
女勇者「キモ! 本気でキモい! いつまでも兄貴ヅラしてンじゃねーよっ!」
魔王「あ、兄?」
魔法使い「何でも女勇者は小さい頃に戦士に助けられた事があって、それから兄妹のように、支えあって暮らしてきた時期があったと聞いた事があるぞ」
魔王「勇者さんにそんな事が…」
魔王「でも凄い仲が悪いような…」
神官妹「昔から戦士は女勇者に無理矢理 自分の勇者像を押し付けてた見たいですからね…」
神官妹「その反発からか、一緒に冒険を始めた当初からもう女勇者は戦士の事は相当嫌っていましたわ」
魔王「そ、そうなんですか」
女勇者「ちっ…邪魔するとマジで容赦しないよ!」
戦士「素晴らしい言葉だ! 仲間思うための怒りの言葉、それでこそ勇者だ!」
女勇者「ち…!」
戦士「だが…」
女勇者「あん?」
戦士「だが…その対象者が魔族なのは、お兄ちゃん感心しないなぁー…」
戦士「勇者は人間を守ってこそ勇者だ!」シュタ。
魔王姫「ひっ…」
女勇者「てめー! 何をっ!?」
戦士「何って簡単な事さ、目の前でこいつを殺して、勇者は誰が敵で誰を守る存在なのか…それをはっきりと思い出させてやるんだよ~~」
女勇者「て…めっ!」
戦士「おいおいおい…どうした女勇者…?」
戦士「魔族はお前の仇だろ? そのお前がどうしてこんなやつの命なんか気にするんだ?」
女勇者「…!」
女勇者「そ、れは…」
女勇者「…」
戦士「そうだ…お前はこんな奴の命を気にする必要は無い」
戦士「そう気にする必要は無いんだ」
戦士「何故なら勇者が魔物を倒すのは必然だからだ!」
戦士「それが勇者の…世界にあるべき姿何だ!」
女勇者「アタシは…」
戦士「悩む必要は無い」
戦士「それが世界の」
戦士「常識なのだから」
女勇者「…!」
女勇者「だから…そんな常識…押し付けんなっ!」ダッ!
戦士「馬鹿め…!」
魔王「待ってくださいっ!!!」
戦士・女勇者「「!?」」
戦士「あ?」
女勇者「な、何だよ魔王…アタシはこれからあんたの妹を…」
魔王「助ける必要はありません」
魔王姫「…!」
戦士「!」
女勇者「何だ…って?」
魔王「助ける必要は無いと言ったのです」
女勇者「お前…それどう言う…」
魔王「…」
続く
突然現れたかつての勇者のパーティー戦士が現れ、魔王姫の命を狙う。
それを止めようと、女勇者は奮闘しようとするのだが、何故か魔王はそれを止めるのだった。
妹の命がかかっているのにそれを止める魔王の真意はいかに? 次回に続きます。