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敗戦魔王の戦後処理  作者: てんたま
68/79

67話 魔王「勇者さんと魔族子供♀さんが微笑ましい」

~ストーリー~

先代の魔王の手によって、長きの間、封印され眠りについてた魔王の息子が、久々に目を覚ますと、父親である魔王が勇者に討たれた10年後の世界だった。

さらにその事情を教えてくれた、かつて先代魔王の右腕だった参謀から、魔王を討たれ力を無くした魔族は、人間に無条件降伏したと、驚くべき事実を伝えられる。

しかし驚く事はそれだけでは無く、人間側は、無条件降伏を締結させるにあたって、魔王の息子である自分を、新魔王として即位させる事を条件の一つとして言ってた来たと言うのだった。


~今回のあらすじ~

妖魔将軍を撃退した後、女勇者は角を切ってしまった事を魔族子供♀に謝る勇者。

魔族子供♀はやはり気持ちよく許してくれたが、それでは気が済まないと、女勇者はお詫びに何でも言う事を聞くと魔族子供♀に言うのだが…。

その言葉に魔族子供♀が選んだ女勇者にやって欲しいと言う望みとは?


登場キャラ


魔王

前魔王の息子で、人間の国の要請で新しい魔王に就任した。

前魔王と違って花や動物を愛する優しさと高圧的な者には強く出れない気弱い性格。

年齢も人間換算で15歳。

そして魔王の系譜らしくとてつもない魔力の持ち主だが、その力を恐れた前魔王に自分は弱いと洗脳されている。

後妹がいる。


女勇者

口も性格も悪い外道勇者。

気は強いが逆境に弱く、泣いてしまう事もある。

また火に対し強いトラウマを持っている。理由は不明。

見た目は胸は小さく金髪ツインテール。


神官妹

聖職者だが計算高く、自分が助かるためなら平気で仲間を見殺しにする汚い性格をしている。

また性癖が年上思考で、大臣を愛している。

元勇者のパーティーで僧侶をやっていた時期もある。


神官姉

神官妹の姉。

喋る事が不得意で話す言葉が訥々になりがちになる。

そんな風だから引っ込み思案に見えるが意外に自分の意志を通す。

性癖は年下思考で子供が好き。

その事から見た目が子供な魔王が好き。

後ちょっとMっ気もあるかも知れない。


魔法使い

エルフで魔王軍に娘を殺された事から、その恨みを晴らす為魔法使いになった。

性格は真面目で固い印象があるが、子供を慈しむような優しい一面もある。

女勇者とは魔王討伐の為パーティーを組んでいた時期もあったが、女勇者の心無い言葉を言われ現在はとても嫌っている。


・魔族の子供たち


魔族子供♀

魔族の少女、少し控えめだが仲間思いの優しい子


魔族子供1

ヤンチャな性格で、すぐに無茶な行動するトラブルメーカー。


魔族子供2・3

魔族子供1の子分のような存在


魔族っ子幼

魔族の幼女。

戦魔将軍を父と呼んでいた戦災孤児。

何事も疑いなく信じてしまう無邪気な性格、後まだ喋るのになれていない。


呪族の幼女

魔族とは違い、呪いの力を使う一族の生き残りで元その女王。

前の戦いで覚醒魔王に力を根こそぎ奪われ封印されてしまい、幼女の姿になってしまう。

幼女になった当初は喋るのに慣れず舌足らずだったが、だんだん慣れてきている。

わらわなど、昔の日本のお姫様のいような喋り方をし、その喋り方通り高飛車な性格をしており、さらに呪いの一族らしく恨みがましく陰湿な性格もしている。

また性癖が同性愛者な事から若い女が好きで、見てくれが美しい女勇者が好き。


参謀

前魔王の片腕だった魔族。

魔王を復活させて今の状態を作ってしまった張本人。

行動では魔王につき従っているフリをしているが、内心では魔王を利用して魔界の再建を狙っている。

そのように表の態度とは裏腹にいつも何か隠している感じの油断のならない性格をしている。


商人

姫の専属アドバイザーとして仕えている商人。

姫に頼まれ魔王をおとしめる為にやってきた。

口が上手く、人の心をつかむのが上手いが、その反面いつも何か隠しているようにも見える胡散臭い人物。


王国の姫。

常に上から目線で物を言う高飛車で傲慢な性格しており、利権など金になる物や自分が面白いと感じた物に目が無い。

今回も魔界の利権を狙ってやってきた。


メイド

大臣たちが魔界視察に来た時についてきたメイド。

いつの間にか魔王城に住み込み生活をしている。

メイドらしく引っ込み思案な気弱な性格。

また女勇者に拾われてメイドになったらしい。

その過去には何か色々ある様子。


戦魔将軍

元旧魔王軍の七魔将軍の一人。

戦魔名前のごとく力で全ての物事を解決しようとする戦士系タイプの魔族。

ミノタウロスがさらにマッチョになったような容姿をしており、正々堂々をモットーとする豪快で武人のような性格をしている。

ただ認めた主にないがしろにされるのは苦手で、よく魔王の言葉に素でショックを受けていたりする

また語尾にござるを付ける。


戦魔副長

戦魔将軍の右腕的存在で、柔らかい考えに冷静に場を見れる事から、頭の悪い戦魔将軍の代わりに色々考えてくれたりする。

性格も平和主義者と言うほどでもないが、むやみに喧嘩をして敵を作る事は良しとはしない性格。


妖魔将軍

魔王軍七魔将軍の一人で、戦魔将軍の弟。

家族が泣き叫ぶ顔見ながらその家族を食い殺す、魔族でも嫌悪するヘルムシュヴァイセンと言う料理を好んだり、そんな残虐な事を好む救いようない外道魔族。

戦中に女勇者によって拷問されて殺された筈だが、何故か甦って再び勇者の前に現れる。

魔族子供♀「お姉ちゃん行こっ!」

女勇者「う、うん…///」

魔王「勇者さん…仲直り出来て良かった…」

神官姉「そう…だね」ニコ

神官妹「ほんと…見てるこっちの背中が痒くなる位微笑ましい光景ですわ」

魔法使い「全くだ…あいつは今日からシスコンだな」

魔王(あの後色々あったけど…本当に良かった)

魔族子供♀「うふふ」ニコニコ。

女勇者「…へへ」


~昨日の話~


女勇者「…まあ、とりあえずは妖魔将軍の奴は撃退出来たからいいか…」

神官妹「…」

女勇者「…? 神官妹?」

神官妹「…え?」

神官妹「な、なんですの?」

女勇者「いや…何か上の空って感じだったから、何かあったのかなって…」

神官妹「…別に何でもありませんわ」

女勇者「そ、そうか?」

神官妹「それより魔族子供♀に謝るためにここまで来たんでしょう?」

神官妹「私の事などいいから、早くお行きなさいな」

女勇者「あ、うん」タッ。

神官妹「…」

魔法使い「…」

魔族子供♀「…」

女勇者「魔法使い…魔族子供♀は?」

魔法使い「うむ、お前に斬られた角以外、外傷は無いし、時限式の後発魔法もかけられた形跡も無いから…恐らく大丈夫だろう」

女勇者「そっか…」

女勇者「まあ後自分で斬っておいて何だけど…」

女勇者「この角の傷、回復魔法で完治させる事は出来なかったのか…?」

魔法使い「私は回復は専門外だから、あまり詳しくは無いが」

魔法使い「聖剣の魔族特攻の腐食を止めるだけで大変で、治療を受けた魔族子供♀も傷をいじる訳だから相当苦痛になり体力を消耗するらしい」

魔法使い「戦魔将軍のような筋肉馬鹿なら、聖剣の魔族特攻を受けても、腐食を止めるのと回復を同時にやっても大丈夫だろうが…」

魔法使い「魔族と言えども…魔族子供♀は子供、簡単に回復魔法で治療と言う訳にはいかんかったらしい」

女勇者「そっかじゃあ…凄い痛かったんだな…魔族子供♀は…」

魔法使い「そうだな…」

女勇者「そんな体力が無くなっちゃうほど、痛い思いさせちゃったのか…」

魔法使い「ああ」

女勇者「そんな痛い思いをさせたのに…許してくれるかな…」

魔法使い「知るか…私は魔族子供♀じゃ無いんだ」

女勇者「だよな…」

女勇者「う…」ブル。

女勇者(何だ…これ、凄い胸がドキドキする…)

女勇者(やだ…この、何だ…)

女勇者(よく分からないけど…今すぐ魔族子供♀の前から逃げ出したい…)

女勇者 (アタシ…やっぱり…!)クル。

魔王「…」ギュ!

女勇者「…! 魔王…」

魔王「大丈夫ですよ…魔族子供♀さんはきっと許してくださいます」

女勇者「…そうかな?」

魔王「はい!」ニコ。

女勇者「…」

女勇者「う、うん…分かった///」コク

魔法使い「全くしおらしくなりおって…気持ち悪い」

女勇者「う、うっせーなっ!///」

魔族子供♀「う…」

魔法使い「…! 目を覚ましたぞ」

女勇者「!!!」ダッ! ヒューン!

魔王「勇者さん!?」

魔法使い「飛んで逃げるなっ!」

神官妹「あらあら…」

魔王「ゆ、勇者さん…? 魔族子供♀さん…起きましたけど?」

女勇者「ふーっ!!」

魔王「また勇者さんが興奮状態にっ!?」

女勇者「しゃーっ、しゃしゃーっ!!」ブンブン。

魔王「ゆ、勇者さん…お、落ち着きましょう? どうどう…」

女勇者「きしゃーっ!!」

魔王「わー! 僕じゃダメだっ!」

魔族子供♀「女勇者…様」ヨロ。

女勇者「…!」

魔王「魔族子供♀さん…!」

魔王「い、今女勇者さんに近づくのは危険かも…」

魔族子供♀「お、女勇者…様」ヨロヨロ。

女勇者「…!!」ダッ! ヒューン!!

魔法使い「だから逃げるなっ!」

魔族子供♀「女勇…者様…はあはあ」ヨロヨロ。

魔族子供♀「う…」ガク。

魔王「あ!」

魔法使い「魔族子供♀!」

女勇者「…!」

女勇者「聖光転身!」シュン!

女勇者「はっ」ガッ(魔族子供♀を抱き抱える)

魔族子供♀「…!」

女勇者「…ほ」

魔族子供♀「…女勇者様…あ、ありがとうございます…」

女勇者「あ…」

女勇者「…///」カー。

魔族子供♀「…えっと」

女勇者「…///」

魔族子供♀「…///」

女勇者「…///」

魔族子供♀「…///」

女勇者・魔族子供♀「「あの!」」

女勇者・魔族子供♀「「あ…」」

女勇者・魔族子供♀「「…///」」カー。

魔王「ま、また黙ってしまいました…ど、どうなるんでしょうか…」ドキドキ。

魔法使い「こう言う場合は静かに見守るのだ…」

神官姉「静か…」コクン。

神官妹「…こう言うやりとりって…何かこう…見てると背中が痒くなってきますわね」

神官妹「うひっ!」カリカリ。

一同「しーっ!」

神官妹「だってぇ…」

女勇者「な、何だよ…」

魔族子供♀「い、いえ…女勇者様からどうぞ」

魔族子供♀「私なんかが…女勇者様を差し置いて話すなんて…許されません」

女勇者「は? べ、別に前にそんなの気にするなって言っただろ…」

魔族子供♀「え、でも」

女勇者「い、良いからお前から話せよ…」

魔族子供♀「…でも」

女勇者「う、うっせーな! 良いからお前から話せって言ってんだろ!」

魔族子供♀「…!」ビク。

女勇者「あ…」

女勇者「…ご、ごめん」

魔族子供♀「い、いえ…」

女勇者・魔族子供♀「「…」」シーン。

神官妹「あああっ! もどかむずかしいですわっ…!!」カリカリ。

一同「しー!」

神官妹「…うぅ」シュン。

魔族子供♀「…」

魔族子供♀「じゃ、じゃあ…私から!」

女勇者「え? あ、お、おう」

魔族子供♀「そ、その」

女勇者「う、うん…」

魔族子供♀「…ご」

女勇者「ご?」

魔族子供♀「ごめんなさいっ!」

女勇者「は?」

魔族子供♀「その…だから、ごめんなさい」

女勇者「いや…言葉が聞こえなかったんじゃなくて…」

女勇者「その、え? なんでお前が謝るの?」

女勇者「そ、その、け、怪我させたのはアタシなのにっ…」

魔族子供♀「いえ…よくも分りもしない私が飛び込んで」

魔族子供♀「それで怪我しちゃって…女勇者様に余計な気をかけさせてしまって…」

魔族子供♀「私が…全部悪いんです…」

魔族子供♀「だから女勇者様は、その私何か気にせず、ずっと皆さんと一緒にいてください…」

女勇者(…こいつ、自分が怪我して痛い思いをしているのに…アタシの事だけ…考えて)

女勇者 (それに比べてアタシは…?)

女勇者 (いまだにこいつに顔を会わせるのが怖くて逃げようとして…)

女勇者 (許してくれるかどうか分からないから…たぶんそれが怖くて…逃げて)

女勇者 (何が勇者だよ…!)

女勇者 (真っ直ぐ話せるこいつの方がよっぽど勇者じゃないか!)

女勇者(く…魔族子供♀…!)

女勇者「ばかっ!」

魔族子供♀「え…?」

魔族子供♀「…そ、そうですよね、私馬鹿ですよね…」

魔族子供♀「だからあの時も邪魔になっちゃって…」

女勇者「ちげぇよっ! 何でお前が謝る必要があるんだって言ってんだよ!」

魔族子供♀「え?」

女勇者「だってそうだろっ!」

女勇者「関係無い戦魔将軍に因縁つけて殺そうとして、それを庇った魔族子供♀まで傷つけて…」

女勇者「揚げ句の果てに、自分が居心地が悪くなったからって、あれだけの事をやらかした癖にとっとと逃げ出してさ…」

女勇者「…ああ! 分かってたよ、分かってたんだよ!」

女勇者「どっからどーみてもアタシが100%…いや1000%悪いって!」

魔族子供♀「お、女勇者様…;」

女勇者「だからお前はちっとも…悪くないって言うか…その…あの…」

女勇者「ご、ごめんっ!!!」ペコリ。

魔族子供♀「…女勇者様」

女勇者「~~~…!」

魔族子供♀「…」

魔族子供♀「…クス」

女勇者「え?」

魔族子供♀「…女勇者様のお気持ちは分かりました…私なんかのために本当にありがとうございます」

女勇者「…ほ、ほんと?」

魔族子供♀「はい」

女勇者「怒ってない…?」

魔族子供♀「はい」ニコ。

女勇者「…!」パア。

魔法使い「うむ…仲直りは完了したようだな」

魔王「良かった…」

神官妹「はー、やっと終わりましたの? 本当、ああ言う青臭いやり取りは苦手ですわ」

魔族子供♀「うふふ…あ! 痛…」

女勇者「ど、どうした!?」

魔族子供♀「あ、いえ…まだ切れた角の付け根が痛くて…」

女勇者「角…もう生えない…のか?」

魔族子供♀「…!」

魔族子供♀「はい…」シュン。

女勇者「ごめん…」

魔族子供♀「い、いえ…魔族の角なんて、だいたいカッコよさを求める男の子しか興味無いものですし…」

魔族子供♀「女の私は角何かあってもなくても大丈夫ですから…女勇者様は気にしないでください」

女勇者「い、いや…それはダメだ!」

魔族子供♀「え?」

女勇者「それじゃアタシの気が済まない…何かアタシに出来る事は無いか? その角の分何かしてやる」

魔族子供♀「い、いえ…女勇者様に、そんな…」

女勇者「遠慮しなくて良いよ、さあ何でも言えよ」

魔族子供♀「え…でも…え?」

女勇者「何でも良いんだ!」

魔族子供♀「でも私…」

女勇者「決められないのか?」

魔族子供♀「突然、そ、そんな事を言われても…」

女勇者「わ、分かったよ、じゃあアタシが決めてやるよ」

魔族子供♀「え?」

女勇者「そ、そうだな…お前の元に戻らない体の一部を斬っちゃったんだから…」

女勇者「じゃあアタシも元に戻らない体の一部を切れば良いよな?」

魔族子供♀「は?」

女勇者「元に戻らない角みたいな体の一部って言えば…人間には角は無いから…」

女勇者「…! 耳…耳を切れば良いよな?」

魔族子供♀「え…ちょ、ちょっと…」

女勇者「よーし斬るぞ? あ、アタシの誠意の形だよーく見てろよ」

魔族子供♀「ちょっと! や、止めて下さいっ!;」

女勇者「何…耳はダメなのか…じゃ、じゃあ小指の方が良いか?」

魔族子供♀「じゃなくて…そ、そんなの要りませんからっ!」

女勇者「なっ!? 小指でもダメって…まさか両方なのか!?」

女勇者「そ、それは流石の勇者でも勇気が要りすぎるって言うか…」

魔族子供♀「だから違いますって!」

女勇者「よーし斬るぞ? 両方斬るぞ?」グ。

魔族子供♀「きゃーっ!?!?」

魔王「ちょ、ちょっと落ち着いて下さいっ! 勇者さんっ!」ガッ。

女勇者「ま、魔王っ!? は、離せ! アタシにはこれしか侘びを入れる方法が思い付かないんだっ!」ジタバタ。

魔王「どんな謝罪の仕方ですかっ!」

魔法使い「全く…相変わらず、どうしようもない馬鹿だな…」

魔族子供♀「魔法使い様」

魔法使い「とは言え、このままでは収まりもつかんだろ」

魔法使い「何でも良いから言っておけ」

魔族子供♀「でも…」

魔法使い「それでそいつも満足なのだ…良いから何でも言ってこきつかっておけ」

魔族子供♀「こき使うって;」

女勇者「それでも良いぞ! こきつかえ!」

魔法使い「それがこれからこき使われる奴の態度か…」

女勇者「うっせーなっ! アタシは魔族子供♀と話してんだよ」

魔法使い「私は勝手に喋ってるだけだ…お前こそ気にするな…」

女勇者「んだと~!?」

魔法使い「何だ」

魔王「ま、また…喧嘩しないでください~」

魔族子供♀「クス…ふふ」

一同「!?」

魔族子供♀「分かりました…私…女勇者様にお願いしちゃいます」

女勇者「ほ、ほんとか? そ、それは何だ…?」

魔族子供♀「そうですね…」

女勇者「…」ドキドキ。

魔族子供♀「えーと…うーん」

女勇者「…」ドキドキ。

魔族子供♀「…あ!」

女勇者「!?」

魔族子供♀「私女勇者様にお願いしたい事決まりました!」

女勇者「!」

女勇者「な、何だ…何をやって欲しい?」

魔族子供♀「私の願いは」




魔族子供♀「も~遅いよお姉ちゃん!」

女勇者「わ、分かってるってば」

魔法使い「その願いが、女勇者の妹になりたいとはな…ふ」

神官妹「勇者の妹になりたがる魔族って、どんな話よそれ」

魔王「でも女勇者さんも、自分を本当に慕ってくれる妹が欲しかった見たいですし、良かったですよね」

神官姉「うんうん」コクコク。

神官妹「利害の一致と言う奴ね」

魔王「そ、その表現はちょっと違うと思います…」

神官妹「そう? 私たち姉妹なんてまさにそんな感じの関係なんだけど?」

魔王「え? そうなんですか? 神官姉さん」

神官姉「残念ながら…妹…ちゃんは…私に…優しく…無い…!」

魔王「さ、さいですか;」

神官妹「まあ姉妹の関係なんて楽しいのは最初の内だけですわ」

魔王「雰囲気台無しな事言わないでくださいよ…;」

神官妹「ともあれ女勇者も戻ってきてくれたので、法王様の件は安泰ね」

魔王「法王様…? そう言えば女勇者さんにその件でお願いがあるとか言ってましたよね」

神官妹「そうそう…それがちょっと厄介だったんだけど…」

神官妹「人質も出来たし、たぶん大丈夫ね」ニコ。

魔王「人質?」

魔族子供♀「ふんふ~ん♪」

女勇者「楽しいか?」

魔族子供♀「うん!」

魔族子供1「おーい!」

魔族子供♀「あ、魔族子供1ちゃん!」

女勇者「げっ…」

魔族子供1「露骨に嫌な顔するなよブス勇者!お前に会いに来た訳じゃないってーの!」

女勇者「だったらアタシの視界から消えやがれ不愉快物質、はいサン、ニ、イチ…」

魔族子供1「んだとーっ!」

魔族子供♀「け、喧嘩しないで…」

女勇者・魔族子供1「「魔族子供♀…!」」

女勇者・魔族子供1「「…」」

女勇者・魔族子供1「「ふん!」」プイ

魔族子供♀「あはは;」

魔族子供1「それより魔族子供♀…角の方は大丈夫なのか?」

魔族子供♀「あ…うん、ちょっと短くなっちゃったけど…」

魔族子供♀「へへ…」シュン。

魔族子供1「魔族子供♀…」

魔族子供♀「く、このブス勇者! ちゃんと魔族子供♀には謝ったんだろうな!」

女勇者「は? 謝ったし! つかお前に詮索されるいわれはねぇーんだよっ!」

魔族子供♀「魔族子供1ちゃん…心配してくれるのは嬉しいけど、私はもう大丈夫だから…」

魔族子供1「それ大丈夫って顔じゃ無いだろ…」

女勇者「…!」

魔族子供♀「そ、そうかな」

魔族子供1「いいか魔族子供♀!?」

魔族子供1「魔族にとって角は誇りなんだ命なんだ!」

女勇者「…」

魔族子供1「だからせっかく、このひねくれブス勇者が出来る限りの事してやるって言ってるんだ…」

女勇者「誰が…ひねくれだコラ」

魔族子供1「安く済ませちゃダメだぞ? 搾り取れるだけ取っとけ! じゃあなそれだけ」

魔族子供♀「う、うんありがと、魔族子供1ちゃん」

女勇者「…」

魔族子供♀「こ、困ったね魔族子供1ちゃんにも」

魔族子供♀「私、女勇者様の妹になれただけで充分なのに…」

魔族子供♀「あはは…」

女勇者「…」

魔族子供♀「…」

魔族子供♀(魔族の誇りか…)サワ(切れた角の方を触る)

女勇者「!」

魔族子供♀「あ…! こ、これは違くて…そのちょっとまだむず痒くて…それで触ったと言うか…気にしていないと言うか」

魔族子供♀「あの…その」

魔族子供♀「…はうう///」

女勇者「…」

女勇者「…!」

女勇者「…」シュル(ツインテールの片方のリボンを外す)

魔族子供♀「お、女勇者様…?」

女勇者「動くな…」

魔族子供♀「は、はい…」

女勇者はほどいたリボンを魔族子供♀の切れた角の方に可愛く結んでやる。

魔族子供♀「お、女勇者様…こ、これは…///」

女勇者「お前の角の変わりにはならないかもだけど…こうすれば…そ、そのいくらかマシになるだろ?」

女勇者「ま、まあ有り合わせのアタシのリボンなんかで悪いけど」

魔族子供♀「い、いえ…私、私嬉しいです…」

女勇者「そ、そっかそんなに喜んでくれるとは思わなかったよ…」

女勇者「だったら今度もっと良いリボンを…」

魔族子供♀「…! いえ私このリボンが良いです!」

魔族子供♀「…ありがとう女勇者様///」ニコ。

女勇者「…!///」

魔族子供♀「♪///」

女勇者「…」

女勇者「ふ…女勇者じゃなくて…お姉ちゃんだろ」

魔族子供♀「あ…は、はい! ごめんなさい!」

女勇者「姉妹はそんなかしこまったりしない」

魔族子供♀「あ…う、うん」

魔族子供♀「あ、ありがとうお姉ちゃん…///」

女勇者「…ああ」ナデナデ。

魔族子供♀「うふ…♪///」

神官妹「仲が良いところ悪いけど、ちょっと良いかしら?」

女勇者「おわっ!」

魔族子供♀「きゃ!」

魔王「ど、どうもお取り込み中スミマセン、はは」

魔族子供♀「魔王様まで…?」

女勇者「…な、何だよ急に…」

女勇者「そ、それに別に仲良く何か…」

神官妹「はいはいツンデレ乙」

女勇者「誰がツンデレだコラ!」

神官妹「それより女勇者に重要な話があるのよ」

女勇者「重要な話?」

神官妹「すっかり忘れてると思うけど、私たちは国家予算並みの利息を姫共に叩き返さなきゃいけない訳なのよ」

女勇者「おー…そう言えばそんな話だったな…」

神官妹「それで私はこの街でお金儲けをするために一杯客を呼んだわ」

女勇者「…そう言えば…何だか街にいる人間が増えていたな…」

女勇者「どうやって呼んだんだ?」

神官妹「それは…」

神官妹「法王様にお越しいただいてもらったの!」

女勇者「!?」

神官妹「ふ…感の良い貴女なら、法王様って言う言葉を聞いただけで察すると思ったわ…」

女勇者「察するじゃねーよっ!」

女勇者「まさかあんたアイツにアタシを…!?」

神官妹「…御名答」

女勇者「御名答じゃねーよ!」

魔王「法王様がどうかしたのですか?」

女勇者「どうかしたじゃねーよ! お前もグルか!?」グッ(魔王の襟首を掴む)

魔王「い、いえ知りませんよっ!」

魔王「な、何なんですか! 法王様と勇者さんに何があるんですか!?」

女勇者「あ、あいつはな~」

聖騎士1「すみません」

女勇者「は!?」

聖騎士1「勇者様ですよね?」

聖騎士2「法王様がお呼びです。ご同行をお願いします」

女勇者「あ…あ…」

魔王(な、何だ…? 何でこんなに勇者さんは嫌がるんだ?)

魔王(法王様って一体…?)


続く

魔族子供♀と女勇者は無事仲直りし、魔族子供♀が臨んだ通り女勇者は魔族子供♀「お姉ちゃん」となって、以前より仲睦まじい関係となったが、そんな幸せ一杯な雰囲気だったのに、女勇者は法王の名前を聞いただけで態度が急変してしまう。

ここまで女勇者を怖がらせる法王とは一体…?


次回に続きます。

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