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敗戦魔王の戦後処理  作者: てんたま
58/79

57話 魔王「戦魔将軍の弟が妖魔将軍?」

戦魔兵の話から戦魔将軍の弟が妖魔将軍だと分かった勇者。

妖魔将軍は過去勇者が拷問して殺したと言う旧魔王軍七魔将軍の一人。

その事から妖魔将軍には並々ならぬ物があるかと思われる勇者は、当然その事を問い詰めに戦魔将軍のところへと行くのだが…。


登場キャラ


魔王

前魔王の息子で、人間の国の要請で新しい魔王に就任した。

前魔王と違って花や動物を愛する優しさと高圧的な者には強く出れない気弱い性格。

年齢も人間換算で15歳。

そして魔王の系譜らしくとてつもない魔力の持ち主だが、その力を恐れた前魔王に自分は弱いと洗脳されている。

後妹がいる。


女勇者

口も性格も悪い外道勇者。

気は強いが逆境に弱く、泣いてしまう事もある。

また火に対し強いトラウマを持っている。理由は不明。

見た目は胸は小さく金髪ツインテール。


神官妹

聖職者だが計算高く、自分が助かるためなら平気で仲間を見殺しにする汚い性格をしている。

また性癖が年上思考で、大臣を愛している。

元勇者のパーティーで僧侶をやっていた時期もある。


神官姉

神官妹の姉。

喋る事が不得意で話す言葉が訥々になりがちになる。

そんな風だから引っ込み思案に見えるが意外に自分の意志を通す。

性癖は年下思考で子供が好き。

その事から見た目が子供な魔王が好き。

後ちょっとMっ気もあるかも知れない。


魔法使い

エルフで魔王軍に娘を殺された事から、その恨みを晴らす為魔法使いになった。

性格は真面目で固い印象があるが、子供を慈しむような優しい一面もある。

女勇者とは魔王討伐の為パーティーを組んでいた時期もあったが、女勇者の心無い言葉を言われ現在はとても嫌っている。


・魔族の子供たち


魔族子供♀

魔族の少女、少し控えめだが仲間思いの優しい子


魔族子供1

ヤンチャな性格で、すぐに無茶な行動するトラブルメーカー。


魔族子供2・3

魔族子供1の子分のような存在


魔族っ子幼

魔族の幼女。

戦魔将軍を父と呼んでいた戦災孤児。

何事も疑いなく信じてしまう無邪気な性格、後まだ喋るのになれていない。


呪族の幼女

魔族とは違い、呪いの力を使う一族の生き残りで元その女王。

前の戦いで覚醒魔王に力を根こそぎ奪われ封印されてしまい、幼女の姿になってしまう。

幼女になった当初は喋るのに慣れず舌足らずだったが、だんだん慣れてきている。

わらわなど、昔の日本のお姫様のいような喋り方をし、その喋り方通り高飛車な性格をしており、さらに呪いの一族らしく恨みがましく陰湿な性格もしている。

また性癖が同性愛者な事から若い女が好きで、見てくれが美しい女勇者が好き。


参謀

前魔王の片腕だった魔族。

魔王を復活させて今の状態を作ってしまった張本人。

行動では魔王につき従っているフリをしているが、内心では魔王を利用して魔界の再建を狙っている。

そのように表の態度とは裏腹にいつも何か隠している感じの油断のならない性格をしている。


商人

姫の専属アドバイザーとして仕えている商人。

姫に頼まれ魔王をおとしめる為にやってきた。

口が上手く、人の心をつかむのが上手いが、その反面いつも何か隠しているようにも見える胡散臭い人物。


王国の姫。

常に上から目線で物を言う高飛車で傲慢な性格しており、利権など金になる物や自分が面白いと感じた物に目が無い。

今回も魔界の利権を狙ってやってきた。


メイド

大臣たちが魔界視察に来た時についてきたメイド。

いつの間にか魔王城に住み込み生活をしている。

メイドらしく引っ込み思案な気弱な性格。

また女勇者に拾われてメイドになったらしい。

その過去には何か色々ある様子。


戦魔将軍

元旧魔王軍の七魔将軍の一人。

戦魔名前のごとく力で全ての物事を解決しようとする戦士系タイプの魔族。

ミノタウロスがさらにマッチョになったような容姿をしており、正々堂々をモットーとする豪快で武人のような性格をしている。

ただ認めた主にないがしろにされるのは苦手で、よく魔王の言葉に素でショックを受けていたりする

また語尾にござるを付ける。


戦魔副長

戦魔将軍の右腕的存在で、柔らかい考えに冷静に場を見れる事から、頭の悪い戦魔将軍の代わりに色々考えてくれたりする。

性格も平和主義者と言うほどでもないが、むやみに喧嘩をして敵を作る事は良しとはしない性格。

魔族子供1(…エルフの村であった色違いの戦魔おっちゃんって、結局誰だったんだろ…)

魔族子供1(戦魔のおっちゃんと同じ種族の魔族だと思うけど…)

魔族子供1(戦魔のおっちゃんの知り合いなのかな…?)

魔族子供1(でもあんな、俺を罠に嵌めて殺そうとした奴が優しい戦魔のおっちゃんの知り合いなんて思いたくないよ!)

魔族子供1(…どうなのか聞いてみたいけど…身内だったら気不味いし…)

魔族子供1(あー何かモヤモヤする!)

魔族子供1(もうこうなったら戦魔のおっちゃんに直接聞いてみようかな?)

魔族子供1 (うんそうしよう!)

魔族子供1(良し聞くぞ…戦魔のおっちゃんはあっちで飯を食ってたな…いたいた)

魔族子供1(ん? 何だブス勇者が凄い勢いで戦魔のおっちゃんのところに歩いていってるぞ…?)

魔族子供1(な、何だあいつ凄い怒って無いか?)

戦魔将軍「ガツガツガツ!」

戦魔将軍「ムグ…」

戦魔将軍「ゴクゴク!」

戦魔将軍「ぷはぁ…!」

戦魔将軍「がははっ! 汗水足らして働いた後の飯は最高でござるなっ!」

戦魔兵「へへ…全くですね大将!」

戦魔将軍「メイド殿おかわりを頼むでござる」

メイド「はい、まだ沢山ありますからね」ニコ

戦魔将軍「かたじけないっ!」

メイド「うふふ」

女勇者「よお…邪魔するぜ」

メイド(お、女勇者様…?)

戦魔将軍「おお女勇者か! 珍しいなお前から儂に声をかけてくるなんて、どうした?」

女勇者「別に…まあ大した事じゃ無いよ」

女勇者「それより随分旨そうに飯を食ってるな?」

戦魔将軍「おお! 本当にこの飯は旨いぞ! お前も食うか?」

女勇者「…そりゃ、遠慮しとくぜ」

女勇者「アタシは人間なんて食いたくないから…」

メイド(人間…? これは普通のご飯だけど…何を言ってるのかしら?)

戦魔将軍「…!」

女勇者「…似てると思ってはいたんだ」

戦魔将軍「…」

女勇者「だが違う国の人間が全部同じに見えるように、同じ種族だからと思っていたが…」

女勇者「まさかあのクソ野郎と兄弟だったとはね…」

戦魔将軍「…」

女勇者「なああんたも人間食うんだろ? いたぶって食べるのが好きなのか?」

女勇者「弟の妖魔将軍見たいにさ!」

メイド「よ、妖魔…!」

メイド「ひっ…!」

女勇者「そうだメイド…そいつはあの妖魔将軍の兄貴なんだ…」

女勇者「お前の家族を食い殺した妖魔将軍のなっ!」

魔族子供1(戦魔のおっちゃんの弟が…妖魔将軍だって…!?)

魔族子供1(魔法使いの子供を、目の前で焼いて食ったって言う…あの!?)

戦魔将軍「…」

戦魔将軍「…ふう」

戦魔将軍「言いたい事はそれだけか?」

女勇者「…! な、何だよ…余裕ぶりやがって…このクズ野郎の兄貴がっ!」

女勇者「へっ…口じゃ正々堂々とか良いこと言いやがって…本当はてめえも弟見たいに腐ってんだろ?」

戦魔将軍「ヘルムシュヴァイセンの事か…」

女勇者「そ、そうだよ…お前も人間が苦しむ顔を見て、食い殺すのが好きなんだろ!」

戦魔将軍「そんなことはないっ!」

女勇者「なっ…」

メイド「…!」

魔族子供「…!」

戦魔将軍「確かに儂は魔族だ…だから人間を食うことは出来る」

戦魔将軍「だがもしも食べるなら苦しませず必ず息の根は必ず止める」

戦魔将軍「何故ならばこれから我身の命と筋肉の一部になる者だからだ…」

戦魔将軍「儂はそれに惜しみ無い敬意を感じている」

戦魔将軍「だから食べる物に対して、人間問わず、全ての物に感謝は常にしている」

戦魔将軍「頂きますの心を持ってな…!」

戦魔将軍「だから別に信じろとはう訳では無いが…」

戦魔将軍「食べる相手を苦しませて食べる料理法など…儂は虫唾が走るわっ!」

女勇者「…!」

魔族子供1(…! やっぱり戦魔のおっちゃんは戦士の中の戦士だぜ!)

メイド(戦魔将軍さん…)

戦魔将軍「まあ人間より人間の飯を食った方が旨いから、儂は人間など元より食わんがな…」

戦魔将軍「と言う訳だ女勇者…まだ何かあるか?」

女勇者「…く、じゃ、じゃあ、あんたはどうなんだよっ!」

戦魔将軍「儂?」

女勇者「そーだよ! アタシに弟を拷問されて殺されて、実はむかっ腹がたってたんだろっ!?」

戦魔将軍「…そんな事を気にして、その話題を出してきたでござるか?」

女勇者「そんなこと…!?」

戦魔将軍「儂が弟を殺されてお前を怨む事に何を期待しているか分からんが…」

戦魔将軍「残念だが弟の妖魔将軍とは、考え方の違いで数百年前ほど昔に縁を切っている」

戦魔将軍「それにそれが無くても、周りから怨みを買う外道な事をやっていたのだ…」

戦魔将軍「それでお前のような怨んでる者に同じの事をされて殺されても、それは自業自得と言う物…」

戦魔将軍「呆れる事はあっても怒りを感じる事は無いでござるよ」

女勇者「は、は? な、何だよそれ…つーかアタシは別に怨んでないし」

女勇者「何も怨む事なんてないし!」

戦魔将軍「…ならば何故突っかかる…」

女勇者「そ、それは…」

戦魔将軍「…お前が妖魔将軍に怨みがあって、その一族である儂にもそれをぶつけたいと言うなら、縁を切ったとは言え、弟なのは事実」

戦魔将軍「…死ぬ気は無いが兄として、不肖の弟に代わり、貴様の怨みは仇討ちと言う形でなら受けてやってもよいぞ?」

女勇者「だから…アタシは何も怨んで無いって言ってるだろ…」

女勇者「でもアタシに対して随分良い度胸じゃないか? この前の続きでもやるか?」

戦魔将軍「儂は構わんぞ?」

女勇者「…」スラ(聖剣を抜く)

戦魔将軍「…」ジャキ(斧を構える)

魔族子供1「!」

メイド「!」

魔法使い「何をやってるんだお前たち!」

魔王「これは一体何の騒ぎですか!?」

メイド「魔王様! 魔法使い様!」

魔族子供1「実は戦魔のおっちゃんが…」

魔王「戦魔将軍さん? また何か問題を起こしたのですか?」

魔王「も~戦魔将軍さん、過去に色々あったかも知れませんが…そろそろ仲良くなりましょうよ~?」

戦魔将軍「…」

魔王「戦魔将軍…さん?」

魔法使い「おい女勇者…これはどう言う事だ…!」ヒソヒソ。

魔法使い「魔王の前では争い事は見せないようにしろと創造神様に言われてるだろ…!」ヒソヒソ。

魔法使い「でないと世界を滅ぼす邪神になってしまうぞ…!」ヒソヒソ。

女勇者「…そんな事はどうでも良い」

魔法使い「何だと…おい、一体どうしたんだ!」

女勇者「魔法使い?」

魔法使い「…何だ」

女勇者「戦魔将軍は妖魔将軍の兄貴らしいぞ?」

魔法使い「!」

魔王「!」

魔王(戦魔将軍さんが…魔法使いさんの村を滅ぼし、子供を食い殺した…妖魔将軍の兄だって…)

魔王(な、なるほど…それで揉めているのか…)

女勇者「なあ憎いだろ? 殺したいほど憎いだろ…?」

女勇者「何ならアタシが殺してやろうか?」

魔法使い「…」

魔王「ま、待ってください!」

女勇者「んだよ…?」

魔王「確かに戦魔将軍さんは妖魔将軍さんの兄かも知れませんが…戦魔将軍さんは今まで非道な行いはせず生きてきたと思います」

女勇者「で?」

魔王「え? だ、だから…その、戦魔将軍さんが、その弟の罪まで償うなんておかしい…と思うのですが…」

女勇者「だよなあ…」

魔王「そ、それでは…分かってくれたのですか?」

女勇者「分かるかばーかっ!」

魔王「!」

女勇者「お前がそんなセリフを吐けるのは当事者じゃないからだろ!?」

女勇者「他人ごとだから…だからそんな簡単に綺麗事を言えるんだろ!」

魔王「そ、そんなつもりは僕には…」

女勇者「そんなつもりになってるんだよっ!」

女勇者「よくも知らない癖に首を突っ込むな!」

魔王「…!」

魔法使い「いい加減にしろ女勇者…!」

女勇者「…何だよ」

女勇者「お前だって子供の仇の兄貴だぞ? 口でどう繕っても本音は殺したいんだろ?」

魔法使い「…」

魔法使い「私の中でその問題は既に解決している…」

魔法使い「仲間のためなら魔族と戦うことはしても、私情で魔族を殺したいとは考えてはいない」

女勇者「…!」

魔法使い「と言うより…」ジッ。

女勇者「な、何だよ…」

魔法使い「前から思っていたが…何故お前は魔族と戦う理由を他人に求める?」

女勇者「…!」

魔王(勇者さんが魔族を殺す意味を他人に求めている?)

女勇者「は、はあ? 何それ意味わかんないですけど」

魔法使い「気づいてないと思ってるのか?」

魔法使い「お前は魔族と戦う時は、いつだって私が魔族に殺されたから悔しいだろう? アタシが殺してやろうか? と他人の憎しみに乗っかって魔族を殺していた」

魔法使い「妖魔将軍の時だってそうだ…私はただ仇が取れれば良かっただけで、拷問するような悪趣味な真似はする気は無かった」

女勇者「う…」

魔法使い「お前はあの時も、私に憎いから拷問したいだろうと聞いていたな…」

女勇者「…」

魔法使い「何故だ…何故お前は魔族と戦う理由を他人に求める?」

メイド(…そう言えば、私の時も殺して欲しいかって聞いていたような…)

魔法使い「お前は自身は別に魔族に何をされた訳じゃないから怨んでははいないと言っていたが…」

魔法使い「本当はお前…魔族に何かされたのだろう? 何故それを隠す───」

女勇者「何もされていないっっっ!!!」

魔法使い「…!!」

魔王「!」

メイド(お、女勇者さん…)

女勇者「アタシは何もされちゃいない──されちゃいないんだ…」

女勇者「もういい…あんたには何も期待しない──」

女勇者「…メイド」

メイド「え、は、はい?」

女勇者「お前は…家族を殺した奴の兄貴何か死んで欲しいよな?」

メイド「わ、私は…」

戦魔将軍「メイド殿…」

女勇者「悩む必要なんか無いだろ…だってお前は妖魔将軍の名前を聞いただけで、顔がひきつってたじゃん」

メイド「そ、それは」

戦魔将軍「…」

戦魔将軍「分かったでござるっ!」ガラン(斧を捨てる)

女勇者「何?」

メイド「え?」

戦魔将軍「メイド殿には随分世話になったしな」

メイド「え…? ご、ご飯の用意をしてただけですが…」

戦魔将軍「充分でござるよ」

戦魔将軍「だから弟のせいで苦しい思いをさせてしまったと言うなら…それが儂の首で少しでも気が楽になると言うなら、喜んでこの首を差し出そうじゃないか!」

メイド「戦魔将軍さん…」

女勇者「ざっけんな! 魔族が良い奴のフリをするんじゃねぇ!」

戦魔将軍「またそれか…魔族が正道示して何が悪い!」

女勇者「…ちっ! まあ良い…」

女勇者「死ぬって言うんなら…殺してやるよ!」

メイド「!」

メイド「待ってください…女勇者様!」

女勇者「あ?」

メイド「私…別に戦魔将軍さんを…殺したいとか思っていません…」

女勇者「!」

戦魔将軍「!」

魔王「メイドさん!」

女勇者「どう言う事だ…」

メイド「私ずっと疑問に思ってたんです…」

女勇者「…何がだよ」

メイド「私家族を殺されて…本当に怨んでるのかなって…」

女勇者「は?」

メイド「いえ…怨んで良いのかなって…」

女勇者「は、はあ? そんなの当然じゃん」

女勇者「家族をあんなむごく殺されて怨まない奴何かいねーだろ」

メイド「…」フルフル(かぶり振る)

女勇者「…! 何でだよっ!?」

メイド「私はあの時…家族が殺された事よりも…自分が死にたくない…自分だけが死にたくない…ただそれだけしか思って無かったんです…」

メイド「家族を殺した魔族を怨むなんて気持ち…微塵もありませんでした」

メイド「ただ助かりたい…それだけです」

メイド「家族の事を想うよりも恐怖の方が強かったんです…」

メイド「そんな私が家族のために…なんて言う資格があるのか…ずっと疑問に思っていました」

メイド「だから…戦魔将軍さんが、私の家族を殺した妖魔将軍のお兄さんでも、私殺して欲しいほど憎めません…」

メイド「私にはそんな資格は無いんです」

女勇者「…」

メイド「…ごめんなさい」

メイド「女勇者様には拾って頂き感謝していますが…」

メイド「私を…理由にしないでください」

女勇者「…」

メイド「…ごめんなさい」

女勇者「…」

一同「…」シーン。

メイド「あの…女勇者様?」

女勇者「何だよ…」

メイド「もしかして女勇者様も私と同じような事があって…魔族を怨んで良いのか悩んでいるんですか?」

女勇者「…! は?」

メイド「失礼ながら女勇者様の住んでいた村が魔族に襲われたのは…女勇者様が子供の時と聞きました」

メイド「その時もしも私のように、恐怖に負けて、家族よりも自分だけが助かりたいと思ってしまっても」

メイド「それは子供だから仕方が無い──」

女勇者「違うっっっ!!!」

メイド「!」

女勇者「アタシは違う…お前とは違う…」

魔法使い「じゃあ何なんだ…」

女勇者「お前とも違う!」

魔法使い「は?」

女勇者「アタシは怒りも恐怖も無い──そうさ家族が…妹が殺されたってアタシは何にも感じなかった…」

魔法使い「何…!」

メイド「妹…!」

魔王「勇者さん」

戦魔将軍「ぬぅ…」

女勇者「お前らと同じにヘルムシュヴァイセンで妖魔将軍にバリバリ食われてたよ!」

女勇者「だけど…アタシは別に何も感じなかったよ…感じられなかったんだよっ!」

女勇者「何か文句があるかっ!」

魔法使い「女勇者…話は分かったから無理は…」

女勇者「無理なんかしてねーよ! だって本当にお前みたいに怒りも感じなかったし…」

女勇者「そして!」キッ。

メイド「…!」ビク。

女勇者「お前みたいに恐怖も感じなかった! 何故ならアタシは戦おうって思ってたからなっ!」

女勇者「家族の為に戦おうって思ってたよ…アタシは勇者だからな…勇者って自覚がガキでもあったからな!」

女勇者「でも出来なかった…させて貰えなかったんだよっ!」

魔法使い「お、お前…何言ってるか分からないぞ…」

女勇者「うっせーなっ! 別に分からなくても良いよっ!」

女勇者「ああああっっっ!! めんどくさっ!」

女勇者「もう良いよっ! アタシが勝手にこいつを殺すからさああっ!!!」クル。

戦魔将軍「!」

魔王(あ! 戦魔将軍さんは殺されるつもりだったから…丸腰)

魔王「や、止めて下さい勇者さんっ!」

女勇者「うるせえーっ!!!」

魔族子供♀「…!」バッ

女勇者「魔族子供♀…!? ばっ! どけ…」

魔族子供♀「あああっ!!」

一同「!?」

戦魔将軍「魔族子供♀!!」

魔王「魔族子供♀さん!」

魔法使い「魔族子供♀!」

魔族子供1「ちょ、マジかよ! しっかりしろ魔族子供♀ーー!!」

魔族子供♀「ううう…」ジュウウウ…。

戦魔将軍「しっかりしろ魔族子供♀! 儂を庇うなんて…なんで…く」

魔王「き、斬られたところは角だけど…」

魔法使い「不味いぞ…聖剣の特攻効果で溶けてるぞ…これは物凄い痛みになっているかも知れん! 早く治療しないと…!」

魔法使い「く…こ、このクズ! なんて事を!!!」

女勇者「あ…あ…」

魔族子供♀「お…」

女勇者「…!」

魔族子供♀「女勇者…様」

女勇者「!」

女勇者「魔族子供♀…」

女勇者「う…」

女勇者「うわああああーーーっ!!!」ダッ。

魔王「ゆ、勇者さん!」


続く

一体勇者は妖魔将軍に何をされたと言うのか?

その話で感情が抑えられないほど高ぶってしまった女勇者は戦魔将軍を殺そうと聖剣を振るいますが。

そこに戦魔将軍を庇うためか、魔族の中でも女勇者が唯一まともに付き合っていた魔族子供♀を傷つけてしまう。

そのやってしまった事に耐え切れず勇者はその場から逃げ出してしまうのですが、一体どうなるのか?

次回に続きます。

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