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4−6−3(ヨン、ロク、サン)
作:辰巳尚来



第一章 もう1つの夢


もうひとつの夢

太陽が容赦なく照り付けるグランド
グラブに球が収まった。
今年の夏、いや三年生の夏が終わりをつげた。

県大会3回戦で我が美香石高校は敗退した。

僕は二年生の宇梶隼人
幸運にもショートのレギュラーになり先輩達と甲子園を目指して戦えた。

高校野球をやってる人間の大半が願う事
それは甲子園出場。僕もその一人だ。
ただ、僕にはそれ以外にもう一つあった。

甲子園と言う夢の舞台で小学生からずっと二遊間を組んできた、こいちゃんと4ー6ー3のダブルプレーを決める事。

「今日で三年生は引退する。最後にうちの伝統である新チームのキャプテンを三年生全員で決め、発表してもらう」

監督がキャプテンの山根さんを促した

「では三年生全員で決めた、次期キャプテンを発表する。全員一致で、小泉に任せる事にした。」

キャプテンの言葉にみんながこいちゃんの方を向いた。

こいちゃんは困惑した表情をしていた。

「小泉たのむぞ!」

監督の言葉にこいちゃんはうなづき、僕達は拍手した。

美香石高校野球部、新キャプテン小泉三春の誕生だ!
そぉ、こいちゃんは女の子、だけどれっきとした野球部員。

こいちゃんとは小学校二年生から野球をやっている。野球が大好きで一生懸命だった。小学校も中学も高校も、僕たちと同じ練習をしてきた。

女の子だからと言う事は一切無かった。

それどころか、僕たち以上に野球を知ってるし、練習もした。

「うっちゃん、どうしよう」
「こいちゃんなら大丈夫や、みんな信頼してるよ。」「そうや、こいちゃんやったら大丈夫や!」

同級生のれんちゃん事、練田稔が言った。

「うん、頑張る。うっちゃんも、れんちゃんも協力してな」

こいちゃんは誰よりも野球が好きで努力する。だけど、高校野球の世界には高野連と言う伏魔殿みたいな所が女子は駄目だと決めている。

世界は21世紀になったが、高野連は未だに高校野球を健全の象徴と思ってる。

僕はただ、こいちゃんと公式戦にでて4−6−3のダブルプレーを決めたいだけなのに!



ある計画


僕たちは学校帰りにちょくちょく立ち寄る店がある。
「どんぐり」と言う喫茶店
マスターが学生には優しく食べ物頼むとかなりの大盛で出してくれる。

僕たちの定番はオムライスとカツカレー

「しかし、新チームののレギュラーどうなるかなぁ」
やまちゃん事、長身の山川光成が言った。

「そやなぁ、三遊間はうっちゃんとれんちゃんで決まりやし、ピッチャーは斉藤、外野は俺とやまちゃんと宮藤かな?」

あっくん事、大柄の阿久津唯一が持論を展開した。

「キャッチャーは?」

やまちゃんがオムライスをほうばりながら聞いた。

「二年の井上がええんちゃうか、なぁ、斉藤」

次期エースの斉藤はカレースプーンを舐めながら頷いた。

「ファーストは難しいなぁ、セカンドはこいちゃんが一番ええねんけどな。」

やまちゃんの言葉にみんなが大きく頷いた。

「何か方法ないんか?」

れんちゃんが怒ったように言った。

「署名運動して高野連に乗り込むちゅうのはどうや」
やまちゃんの案に斉藤が冷静に答えた。

「あかんな、そんな事で変わるんやったらとっくに変わってるわ」

みんなが腕組みして考え込んでいた。

そこで僕はある計画を話した。

「マジでそれはいけるかもな」

みんなは身を乗り出して聞いていた。

僕の計画は、今人気のアイドル歌手、B6がやっているテレビ番組、学生を応援する事で人気の ガッツで行こう
に手紙を出して、こいちゃんと言う存在を世間に知ってもらい、味方にしてあの伏魔殿を粉砕する。

かなり影響力がある番組なので、万が一のチャンスがあるかも。

「うっちゃん、すごいなあ。さすが副キャプテン」

みんな、こいちゃんと試合に出たい気持ちは同じだった。

僕はみんなに、捕らぬ狸の皮算用を話し、やまちゃんはそれに対して、驚くほどの反応を見せた。












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