平次の思い
終業式も無事終わり、平次は一人で下校した。もちろん和葉とは顔も合わせていない。
「ただいま〜。あー!やっと夏休みや!!校長話長すぎやねん……。」
平次はブツブツ文句を言いながら、家に入った。
平次の声を聞くと、静華が部屋から出てきた。
「平次、おかえり!アンタ、本間に明日から……」
「あ〜あ〜!ええっちゅーんに!」
平次は静華の言葉をまともに聞かず、部屋にこもった。
「…毛利さんに迷惑やんか。」
静華は少し怒りながら、夕飯の準備を始めた。
「ふー!やっと今日から……」
平次は部屋へ入りスクールバッグをベッドに放り投げると、押し入れから大きなカバンを取り出し何やら用意を始めた。
「服は借りるやろ…あとはそれから……」
身の周りの必要なものを、その大きなカバンに詰め込んでいく。
「出来たでっ!これで完璧や!!」
全部詰め終わり、ふくれあがったカバンをボンと叩くと、携帯電話を取り出し電話をかけた。
「工藤か?学校終わったし、明日朝一の新幹線で行くさかいに!起きといてや!…これで完了や…。あー!疲れた!」
実は平次は昨日の電話で、東京へ泊まりに行く話をしていたのだ。
しかし探偵事務所は当然無理。そこで平次は、夏休みの間工藤宅に泊まらせろとコナンに頼んだのだ。
「掃除してくれるならて…工藤のヤツもあっさりOKしてくれたモンやな。」
ベッドに寝転び、平次は独り言を言った。
「なんや和葉見てたら推理に集中出来ひん…。安斎のヤツ…よう分からんけど本間ムカツク!!勝手に二人でイチャイチャしとったらええんや!!俺の方から離れたるわ!」
そう。平次は和葉と勇登のことが気になり、二人を見てると変な気持ちになったりするため、離れようと思ったのだ。
「本間嫌やー…」
「堪忍なぁ、平次ィ。アタシ、勇登君と婚約したんや!18歳になったら結婚すんねん☆平次も彼女くらい作りぃや!モテんねんから♪」
「かっ…和葉??」
「そんで、結婚したらアタシも東京に住むねん!もう少しで、アタシらさよならやなっ!…バイバイ☆」
「…何ゆうとんねん…?……和葉ァーーー!」
"チッチッチッチッ"
シーンとした平次の部屋は、時計だけが小刻に動いている。
「ハァハァハァ……夢か……」
昨晩いつの間にか寝てしまった平次は、悪夢でうなされていた。額には大量の汗をかいている。
「……アホたれ…」
ふと時計を見ると、針は三時を指している。
「…まだこんな時間やないかい…。でもまぁ余裕で始発乗れるやんけ…ハハ……」
平次は力なく笑うと、荷物を持ち部屋を出てリビングで朝食を済ませテレビなんかを見時間を潰してから、4時30分に家を出た。 |