異星人★侵略縦書き表示RDF


今作品は春野天使先生が企画した【二人称小説】に参加している作品になります。
グループ小説で検索しますと、他の二人称作品も読めますので、そちらもよろしくお願いします。

尚、今作には卑猥で低俗な表現が、含まれております。
そういった描写を好まない方は、お読みになるのを控えて頂けるよう、申し上げます。

異星人★侵略
作:弥生 祐


【……アクセス完了しました。これより参加者様の頭に直接、GM(ゲームマスター)の音声ガイダンスが信号として送られます】

『……』

【そのガイダンスに伴い、又は提示された選択肢に従うことで、視覚に映像信号も送られます。
どうぞ、ごゆっくり臨場感をお楽しみ下さい】

『……ふ〜ん、なるほど』

【それではリアルバーチャルSFゲームブック『異星人☆侵略』ゲームスタートです】


《ブゥゥ……ン》


■GAME START■

――貴方は今、惑星ヌードの地表に、最後の人類として降り立っている。

『おっ、これだなGMって。本当だ。確かに惑星に立ってるみたいじゃん』

貴方はこれから全ての知識と、体力と、運を総動員して、侵略してきた異星人と戦い、あるいは逃げて、生き延びねばならない。

『はは、大げさな設定だな、おい』

貴方の前方、少し先には、巨大なドーム状の建物が他を圧倒せんと、そそり立っている。

東には鬱蒼とした密林が広がっており、
西は5メートルほどの高さを持つ厚い壁が、行く手を遮っているため、先に進むことは出来ない。

『おお、そんな感じに見えるな。で、ええと』

貴方はドーム状の建物に向かい、ゆっくりと歩き始めた。

『ふんふん。しっかし、よく出来てんな〜 風まで当たって感じるよ』

貴方は湿り気の含む風に、肩まで伸びた髪をなびかせながら歩いていく。

『おうよ』

東の密林から獣の遠吠えのような叫び声が聞こえる。貴方は軽く肩をすぼめて、ショッピングドームの入り口に辿り着いた。

『ショッピン……センス、悪くねえ?』

貴方はここで買い物をしに中に入るか、東の密林に様子を伺いに行くか、選ぶことが出来る。

『ん〜買い物かな。叫び声も気になるけど』

惑星ヌードにおいて、アイテムを手に入れることは、このドームでしか出来ない。

『え、そうなの? んじゃあ、買い物した方がいいな』

しかし、密林から届く声は、どこか切なさを伴っており、貴方の気を()いている。

『な、何だよ。そうゆうこと言うと尚更、迷うじゃねえか』

貴方は立ち止まり、少し考えている。
その時、突如として鳴り響いた地鳴りが、身体を震わしてきた。

《ゴゴゴゴゴォォ……》

『おおっ? ちょい待ち。何だよ、いきなり。ど、どうすりゃいいよ?』

貴方は嫌な予感がして、その場から離れることにする。

『えっ? 俺、まだ買い物も何もしてねえぞ』

ショッピングドームの脇を抜けて、貴方は早足で進む。
振動は強くなってきており、踏み出す足がもつれる。

『おっとと』

貴方はバランスを崩しながらも走った。
するとドームの壁際に、賑やかそうな幾つかの露店が並んでいる。

『賑やか……露店って。これ本当にSFゲームか?』

貴方は小走りしながら、一つの店に近付いた。
辺りには誰もいないようだ。

『じゃあ賑やかじゃねえだろ。つうか、いたら俺って、人類最後の生き残りじゃねえじゃん』

店主不在と掲げられた看板の脇に、薄汚れたちゃぶ台が寂しそうにポツンと(たたず)んでいる。

その卓上に赤、青、黄の巾着袋が、無造作に置いてあった。

『……絶対、SFじゃねえな、これ』

地響きは一層、強くなってきている。

どうやら異星人が乗るスペースシップ、マッスルボンバーが貴方の生体信号をキャッチしたらしい。

『ええっ、マジか。じゃあ早く逃げねえと』

時間が無い。貴方は巾着袋のどれか一つを選んで、持っていくことが出来る。
何色の袋を持っていこう?

『よ、よし。赤だ。赤にする』

貴方は走りながら、赤色の巾着に手を伸ばす。

しかし、激しさ増す横揺れの中、選んだ赤色の袋ではなく、紫の袋を手に取ってしまう。

『む、紫なんてあったかよ?』

貴方は急いでドームから遠ざかり、東の密林へと向かった。

やがて地響きが弱くなり、小刻みに振動していた木々も、静けさを取り戻し始める。

貴方は走り続けて失った体力を回復するため、林の奥にある泉へと向かった。

『な、何だか、暗い雰囲気の林だな〜』

貴方は泉のほとりに着くと、手頃な木にもたれて足を伸ばす。

『お〜何だか森林浴っぽいぞ』

ここで貴方は、先ほど手に入れた巾着袋の中身を、調べることにした。

無反動マグナム、メモリーカード、立体型ハンドミラー、チョコバナナ×2を所持品に加える。

『なかなか、いいんじゃねえか、これ。チョコバナナは分かんねえけど』

貴方はここでチョコバナナを一つ消費して、更に体力を回復することが出来る。
消費しない場合は林の奥に進むことになる。

『う〜ん、まだ先は長いからな。残しておこう』

貴方は少し背伸びして身体をほぐすと、林の更に奥へと進んだ。

『うわ、どんどん暗くなるな。道がよく見えねえじゃん』

音一つない真なる静寂さが貴方を包み込む。
陽の光は樹冠に遮られ、一筋の明かりも通さなくなって来ていた。

道が三叉路になっている。

貴方はこのまま真っ直ぐ東に進むか。
左の道を選び、北に向かうか。
来た道を戻り、泉まで引き返すか。
選ぶことが出来る。

『どうすっかな〜。よし、北だ。北に行くことにする』

貴方は北に向かうことにして、小枝を潰し、足を前に踏み出す。

だが、急に気が変わり、東の方角、林の奥に歩き出した。

『うぉい! なら選ばさせんな! ムカつく。マジでもう』

背が伸びた雑草をかき分け進む。林の奥には小さな小屋があった。

『う、何だよ。何か、おっかねえぞ』

以前として薄暗い木々の中に存在する小屋は、七色のネオンに彩られ、眩しい光を放っている。

『だから暗くねえだろ、それじゃ。しかも絶対、怪しいし、おっかねえぞ』

貴方は躊躇(ちゅうちょ)すること無く、小屋の扉を開けた。

『しろ。頼むからしてくれ』

貴方の目に鮮やかなオレンジ色の壁が飛び込む。

『うん?』

小屋の中はそれほど広くない。室内には四人ほどが座れるカウンターと、小さなテーブルが三つ。

壁際にはワイン色のソファーが並んでおり、所々に裸婦像や風景画が飾られている。

『おいおい、これじゃまるで……』

中央にマイク2本がかけられた、小型のスタンド式モニターがある。
その真上ではミラーボールが回っていた。

『キャバクラかい!』

貴方は様子を伺いながら、そのモニターに近付いた。

『おかしい、おかしいって、このゲーム!』

貴方はメモリーカードを持っているだろうか。
持っているなら、この異星人情報を入手出来るシステム【DAM】を起動させることが可能だ。

『そ、それならあるぞ』

貴方はメモリーカードをモニター下に差し込んだ。すると画面が明るくなり、パスワード入力の表示が映される。

『え、え? パスワードなんて知らねえぞ』

貴方は悩んだ挙げ句、適当にパスワードを打ち込む。

しかしアクセスは拒否され、エラー音が鳴ってしまう!

『うわ、何だよ! 何か起きんのか!?』

《ショータ〜イム》

『はあっ?』

室内の隅、スタッフルームと記されたドアが、突然、開かれた!

ここは異星人の前線基地の一つ【秘密の みら〜じゅ】であり、現在は開店前で、異星人がお化粧の準備中だったのだ!!

『その説明、おかしいだろ! つうか意味分かんねえぞ!』

貴方は今、異星人と相対している。
1‥2‥3、全部で5体。彼等は外見上、地球人と変わりはしない。

『ああ‥もう。無理やり落ち着かせんな〜 逆にイライラすんぞ』

貴方の向かって左の2体は雄有体であり、やや小柄ながら(いか)つい面相そうで、睨みつけてきている。

『はい、はい。そうですか』

正面の1体は貴方の背と同程度で、金髪で若い女性のような顔だちの雌有体だ。

『お、ちと美人だな。でもよ、何だか首から下が不明瞭で、よく見えねえぞ』

右の2体は互いに言葉を交わすと、再びスタッフルームへと戻っていった。
どうやら応援を呼ぶ気らしい。

いずれも―――

『な、何だよ。早く言えよ』

―――()()だ。

『何でだぁーー!?』

ここで、まず貴方は戦うか、逃げるか、選ばなければならない。

『うう、今度は本当に、その二つだろうな、おい』

異星人達は、じりじりと貴方との距離を詰めてきている。

『じ、じゃあ戦うぜ。マグナムがあんだろ』

貴方は無反動マグナムを手に取った。
その堅く怒張するかのような、黒光りするボディ。

貴方は柔らかく、優しく、愛しむかのように、その手で柔らかく包み込む。
まるでそれに応えるように、甘い吐息を漏らさんと僅かに震える彼(銃)。

その先端からは今にも白濁した色の弾が――

『やらしい説明すんなー!!』

貴方は入り口に回り込もうとしていた二体に、マグナムを撃ち放った。

《カシュ‥ッ》

マグナムの上部が(かす)れ音を発し、スライドする。
ほぼ無音に近いまま、空を裂く衝撃の塊は異星人に命中した。

『はあ、はあ。ったく、手間かけさせんな。どうよこれで』

『チッチッチッ……』

マグナム弾を受けた異星人は、人差し指を上に向けて、振り子のように動かしている。

『んなっ? 効いてないのかよ!?』

彼等、異星人には地球人の兵器は役に立たない。

『早く言わんかい!』

貴方を包囲する輪が、どんどん狭くなってきている。
ここで貴方は再度、戦うか、逃げるか、選ぶことが出来る。

『逃げるしかねえだろ!』

だが、貴方は逃げ出す前に、確認しなければならない。

『今度は何だよっ!』

貴方は今、興奮しているか?

『してるに決まってんだろ! GMに、つうより、このゲームにだけどな!』

金髪の雌有体が貴方に向けて、そのボリュームある乳房を突き出してきている。
濡れた瞳は男を求め、共に快楽の渦に引きずりこもうと輝いている。

『ちょい待て、まさか』

貴方は今、興奮しているか?

『そっちかい!!』

魅惑的なフェロモンが、貴方の五感を刺激してきている。

『うぉ、やべ、見せんな。視点を固定すんな!』

貴方は今――

『だから、溜めんな! 早く言え! 』

――勃っているか?

『勃つわきゃねえだろ! このGM、てめえ!!』

貴方を洗脳しようと、異星人の魔の手が伸びてきた。
間一髪、それを交わした貴方。逃げ出す際に、高く上げた太腿(ふともも)は、何にも邪魔されることなく、抵抗もなく、スムーズに動く。

『ああ、もう!』

貴方は小屋から脱出することに成功した。

そのまま勢いよく、林を走り抜ける。

『はあ、はあ』

泉まで走り着いた貴方は、荒い息を整えながら、辺りを見渡した。

『はあ、はあ。おう、よ』

細かい白糸のように雨粒が落ちてきている。
貴方の吐いた息も白く凍り、冷気が大気を支配し始めている。

『さ、寒いな』

精神的にも、体力的にも、疲弊している貴方は、ここで食事を取ることにした。

『ああ、えっと。バナナがあったっけ』

貴方は所持品を入れた、セカンドバッグを開く。

『……もう、何でもいいよ』

取り出した2本のチョコバナナ。一本は無事だったが、もう一本はチョコレート・コーティングが溶けており、萎れた、ただのバナナと化している。

『ああそうかい。で、選ぶのか? だったらチョコが付いてる方にしてくれ』

貴方は黒光りするバナナを、優しく手に持ち――

『ふ・つ・う、に、食わせろ』

――手頃な石に座り、チョコバナナを満面の笑みを浮かべ、ガッツポーズをしながら食べ始めた。

『どんだけ好きだ、俺。まあいい、許してやろう。モグモグ……』

貴方は異星人と接触したことで、このヌード星に来る前に知った情報を思い出す。

『モグモグ。……モグモグ』

異星人、正式名称=裸族(らぞく)星系人は、外見こそ地球人と酷似するが、その生態は謎に包まれている。

判明しているのは、自らの肉体をビルドアップし、恍惚に思う習性。
そして彼等が思う美の基準に、そぐわない地球人を洗脳、支配する攻撃性だ。

『モグモグ……(誰だ、こんなゲーム作った奴は)』

貴方は彼等と接触したことで、すでに攻撃を受けている。

『モグモ‥げふっ! な、俺、何もやられてねえぞ?』

彼等、裸族星人には、その身の回りに、同族人以外に対して精神退行を(うなが)し、美意識的を変更させる、フェロモン光線膜という(まく)が存在する。

まだ貴方は軽度のダメージで済んでいるが、これ以上の、裸族人との接触は危険だ。慎重に行動しなければならない。

『うう、ツッコミたいトコがあり過ぎて、何が何だか、分からねえし』

雷雲が上空に群れをなし、強い雨音を導きだす。

ゆっくりと貴方は立ち上がり、北へと進路を取り、歩き始めた。

『へえ、へえ』

ぬかるんだ道を慎重に進んで行く。
やがて林の合間から差し込む、弱い明かりが拡大してきた。

貴方は今、広大な草原に立っている。

いつの間にか止んだ雨に、葦に似た植物が濡れ光り、どことなく落ち着いた雰囲気を(かも)し出している。

『どうすんだよ、どこに行きゃいいんだ?』

このヌード星から脱出するためには、宇宙港が併設してある、ショッピングドームまで行かなければならない。

『はあっ? ちょ、おい、待て、こら! それじゃ今の、今までのは何だったんだよ!』

貴方は選択を誤ったことを後悔した。

『どこにあったんだよ! その選択! それより、このゲームをやった自体、間違いだって思ってらあ』

貴方は自分の運の無さに呆れ、嘆いて、首を振る。

『まだ言うか、てめえ』

貴方は汗と雨で濡れた額に、手のひらの腹を当ててた。

オーマイ、ゴッド、と呟け。

『いきなり命令形!? つうか俺は誰だっての。ったく、そんなもん。誰が言うか、言ってやるか。ふん!』

――貴方は再び選択を誤った。

『ああん?』

突如として鳴り響く轟音! 巨大な陰影が貴方を包み、地響きが巻き起こる!

『うおっ、おっ、おおっ!?』

裸族星人のスペースシップ、マッスルボンバーが貴方を捕らえんと、地表に舞い降りたのだ!

『と、唐突すぎんぞ、てめえ! 八つ当たりか! こんなんありか! なんだ、このクソゲー!?』

豊かな口髭を蓄えた、筋骨隆々の裸族雄有体=ビッグ・ダディが、ただ一体、貴方の前に立ち塞がっている。

『……キモいぞ、おい』

その浅黒い肌は異様にてかり、見事な逆三角形を形成するホディを――

『き、決めた。やめる、やめてやる。強制終了だ、こんなゲーム』

――貴方は立体型ハンドミラー、又は、チョコバナナをまだ所持しているだろうか?

『うるせえ! やめるったら、やめんだよ。ええと強制リセットするためには……』

貴方を逃さんと、マッスルボンバーより、無数の裸族星人が飛び出した!

『確か、見えねえけど、手首のバンドにスイッチが……』

貴方の視界一杯に広がる、裸族星人の群れ、群れ群れ。裸族(らぞく)、裸族、裸族。

『これか! よし。リセット、オン!』

裸族、裸族、()―裸――裸――裸裸。

『…………』

()〜裸〜裸裸裸〜裸〜裸〜

『拍子を付けんなぁ! とっとと終わらんかい おらぁーー!!』


《ブウゥ……ン》

■GAME OVER■

『はあ、はあ、はあ』

【本日は当ゲームをプレイ頂き、真に有り難うございました】

『はあ、はあ、なんてクソゲーだ。まったく』

【またのプレイをスタッフ一同、心より――】

『二度とやんねえっての!』

【尚、このゲームのプレイ体験を感想フォーラムに記入されますと、評価得点により、続編『異星人☆逆襲』の製作がスタートしますので――】

『誰が書くか! 作んな、そんなもん! くそ、嫌な汗かいたぜ』

――貴方は険しい目つきで、店内のガラスに映る自分を認めた。

『ん? 何か聞こえた気が……』

美という存在とは、自身が思えば、それはもう美なのだ。

貴方は、映る自分の姿に、いつまでも、いつまでも、見とれているのだった――





仕込んだ伏線を回収しきれませんでした(アイテム等)。

文字数が、文字数が……って、これ以上ゲセネタ入れてどうするのよ?(陳謝)













ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




◆BACK
小説家になろう