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二話スタートでーす。

前半、ダラダラいきまーす^^
九十九 第二話 外れ鬼

 人工的に作られた大きな池や、広い芝生や人工林が広がる大きな公園。

 この公園は、青い芝生の敷き詰められた広場も多く、休日の昼間にでもなれば子供連れの家族やカップルが、ピクニックなどに訪れ、明るく活気の溢れる公園に顔を変える。

 だが、今は夜明け。

 薄暗く、空気も冷たい。

 昼間の賑やかさとは打って変わって人気が無い時間帯である。

 もう少したならば、ジョギングやペットの散歩などをする近所の住民の姿が、ちらほら見られる頃だろう。

 しかし、まだ人気はまったく無い。静かなものだ。

 こんな静かな早朝の公園が、大好きな人物がいた。

 毎日ジョギングで、この公園に一番乗りする中年男性。

 まだ誰も居ない大きな公園の遊歩道を、独り占めするかの様に走る。

 男曰く、それが何よりも気持ち良いジョギングだそうだ。

 そして、その中年男性は、何時もと変わりなく、早朝の公園に一番乗りで入って来た。

 赤と白の鮮やかなスポーツウェアーに、黒いキャップを被りスポーティーなサングラスを掛けていた。

 男は誰も居ない公園の遊歩道を、のびのびと自由にジョギングする。

 口からは白い息を吐き、まだ買ったばかりの新しいジョギングシューズでレンガ造りの歩道を軽やかに蹴り続けた。

 実に気持ち良い。男は清々しい表情でそう思った。

 だが、今日は何時もとほんのちょっとだけ違う事が起きた。

 遊歩道を走る中年男性は、背もたれのある木製のベンチに、何かが置いてあるのに気付く。

 男性とベンチとの距離が縮まると、それが何かとサングラス越しにもはっきりと分かった。

 それは、丸い大皿。

 料亭などで使われる赤や青の柄が鮮やかな和風の大皿であった。

 中年男性は、若干だが目を丸くさせていた。

 違和感の溢れる光景。

 ベンチの上には丸い大皿が置いてあり、それには何やら刺身のような物が綺麗に盛り付けられてある。

 更に虫が付かないように、丁寧にも透明なラップで包まれていた。

 中年男性は、ベンチの前で足踏みをしたまま立ち止まると、その丸い盛り皿をじっと観察する。

 刺身は魚ではなく肉のようだ。しゃぶしゃぶ用なのか、透けるように薄くスライスされており、大皿の柄がうっすらと透けて見えていた。

 不思議な光景ではあるが、何時までも気にしているような事ではない。

 中年男性は、一度首を傾げると、その場を離れてジョギングを再開する。

 何時もとちょっと違うのは、ここまでであった。

 中年男性が、ジョギングを再開した其の直後である。

 先程のベンチからさほど離れてはいない。

 そこで再び異変に中年男性が気づくと走る足を止めた。

 それは今まで走ってきた遊歩道には無かった異変。

 道の真ん中に、赤茶色の液体が乾いた跡が広がっていた。

 中年男性は、首に掛けてあった黄色いタオルで汗を吹きながらその染みを見て直感した。

 血痕?。

 中年男性の汗を拭く手が止まった。それは、乾ききっていない血痕が、ちょっとした水溜りぐらいの大きさで広がっていた。

 血痕らしき染みを発見した中年男性は、今度は完全にジョギングの足を止め、通り過ぎたベンチを振り返る。

 まさかと思う。常識から考えて、そんな事はないと思った。

 彼の人生の中でそのような事は一度も無かったし、此れからも無いと思っていた。

 血痕と思われる染みの場所から、何かを引きずったかの様な跡が、遊歩道を外れて横の林の中へと続いていた。

 それは青い芝生を赤茶色に染め変え新しい歩道のように出来た血痕の道となっていた。

 中年男性は、今までのジョギングで走っていたペースとは打って変わって、そっと、まるで泥棒が忍び足をするかのような足取りで、其の血痕と思われる痕をたどって林の中へと入っていく。

 彼は、人生の中で一番残酷で悲劇的な光景を目撃するのでは、と予感していた。

 だが、一度芽生えた好奇心からか、それを確認せずにはいられなかった。

 それが、後悔に繋がると分かっていながら……。

 そして暫くして、まだ誰も居ない清々しいまでの早朝の公園内に、男性の悲鳴が響き渡った。

 もちろん男性の悲鳴を聴きつけてやってくる者は居ない。


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