第24話 侵入者
チャンスン隊が突撃していくと、突然そこから先へ進めなくなった。
バリアがそのあたりから効いているのだろう。
「待て。そこから全員下がれ。」
チャンスンが全員を下がらせた。
「弓隊、前に出て間隔をあけて横一列にならべ。」
弓隊がズラーっと間隔をあけて一列にならんだ。
「ならんだら前に向かって弓を射よ。」
チャンスンが号令をかけるといっせいに弓が引き絞られた。
「撃て。」
シュッ、シュッと鋭い音とともに次々に矢が放たれると、ことごとくはね返されたが、そのうちの一本の矢がはね返されずにまっすぐ通り抜けて行って建物に当たった。
そこのバリアが効いていなかったのだ。
「あそこだ。あそこから突入せよ。」
チャンスンが全員に命じると先を争って建物に向かって突入を始めた。
アルホンスはチャンスン隊が突撃を開始しようとしているのが建物の中からでも感じられていたために大変な圧迫で必死になっていたが、もう手遅れかと思ってため息をつきながら何気なく出入り口に目をやった。
倉庫の中に通路が幾筋もあってその間に仕分け棚が林立している。
その出入り口の横にあるひじ掛け椅子の上に目がとまった。
「あれ、箱がある。」
これは、と手に取って部品番号を見ると
「バリア30010201」
アルホンスは飛び上がった。
「やったー。これだーっ。こんなところにあったのか。」
しかし感激に浸っている場合ではない。
箱をつかむと一目散にバリア発生室に走った。
チャンスン隊は階段の下まで迫っていた。
このバリアは破けて中に入られてしまうと波動の識別が出来なくなって、侵入者は自由に動き回れてしまうようだ。
全体が完全に作動していないと危険な波動を出している者を感知できないらしい。
アルタミラはしばらく気を失っていたが、息を吹きかえすと仰向けになったままあたりを見回していた。
脇で同時に追体験しながら見ている私はアルタミラの意識に強い気取りと自惚れとさげすみがあって、それに支配されているのを感じていたが、アルタミラ自身は自分に気取り、自惚れ、さげすみがあるとはまったく気付いてもいなかった。
むしろ自分にはそのようなものはまったくないと信じていた。
そのため、そのことにまったく気付くことが出来ないのだ。
しかし 相手に気取り、自惚れ、さげすみらしいものを見つけると容赦なく攻撃したくなってしまう。
自分の中にあるものと同じものが相手の中にあると、どうにも気にいらなくて仕方がないものらしい。
そして、それらの意識を否定するものが自分や他の人の中に現れたとき、有ってはならないものとして強い嫌悪感と拒絶感が生じて精神が不安定になってしまうのだろう。
アルタミラが気を失って倒れたのもどうやらこの気取り、自惚れ、さげすみの意識が結果的に自分の行為を強烈に排斥したのが原因なのではないか。
そういう心はガラスのように脆く、衝撃に弱い。