第23話 バリア発生装置
サイボーグとサイボーグの間に光線が飛びかってその間を抜けようとすると霊体に激痛が走っ
て気を失ってしまう。
ザリエルロ達はサイボーグ達に行く手をはばまれて、兵士の数がどんどん減らされてしまって
いた。
兵士達は疲労で動きが悪くなってきて、 ザリエルロもこれだけ広範囲に兵士達を浮かせて
おくことに疲れを感じていた。
イシン隊は広範囲に広がっているサイボーグ達にさとられないように集団から距離をとって
ぐるっと大まわりにまわっていく。
サイボーグ達にわかってしまうとどんな手段で攻撃して来るか予測がつかない。
イシン隊は戦場からはるかかなた彼方の距離まで離れてから迂回を始めた。
遠くから戦場を見渡すと激しい戦闘が繰り広げられている。
暗黒軍の兵士達のオーラから大量のスモッグが立ちのぼっていて全体が霞んで見えていた。
サイボーグが相手の意識を読むことが出来る距離の限界があるようだ。
それ以上離れてしまうとわからなくなってしまうらしい。
イシン隊の動きはサイボーグ達に気付かれていなかった。
部品倉庫の中ではアルホンス技師が基板を探しているが、あの部屋で使われている基板の
記録簿が紛失していて部品番号がわからないことに気付いた。
確認しに行く時間があるのだろうか。
部品が違えば使うことが出来ないのだ。
この世界でも研究が進んでいて日々新しい機種が生まれていたが 普段は緊迫した状況と
いうのはないので考えが甘く、管理がずさんだったのだ。
しかしこうしてはいられないアルホンスは仕方なく部品番号を確認しにバリア発生室へ
走っていった。
各部屋にバリアの仕切りがしてあって通り抜けて行くことが出来ない。
しかたなく通路をたどって行った。
部屋に入ってバリア発生装置を見えなくさせている目立たない小さなスイッチを切ると
部屋中に複雑な回路がぎっしりと詰まっているバリア発生装置が現れてきた。
脇でどうしたらいいのかわからずに頭を抱えているアルタミラはそれを見ると息を飲んで
目を見張った。
アルタミラはこの世界に来てまだ日が浅く機械のことはよくわかっていなかったのだ。
そして自分から噴出したものが複雑に入り組んだところに貼り付いているのを見ると、
自分がしたことの重大さに絶望して倒れてしまった。
アルホンスはすばやく部品番号を確認すると部品倉庫にとって返して部品を探した。
イシン中隊長は遠くからズームにして様子を伺っていた。
バリア発生装置が急に見えるようになったが何の機械なのかまではわからなかった。
しかし慌てて直そうとしている意識の波動は伝わって来て、あそこが破壊されれば
相手にとって大変な打撃になるのだろうと理解した。
アルホンスは必死になって部品を探しているが乱雑できちんと整理して保管しておかなかった
ために、手当たり次第に片っ端から探すしかなかった。
「きちんと分けておくんだったな。」
と後悔したが後の祭りだ。
イシン隊はもうだいぶ近くまで来てしまっている。
アルホンスは焦って、あちらこちらひっくり返したり、箱から引っ張り出したりしていたが
焦れば焦るほど気が動転して訳がわからなくなってしまう。
イシン隊がまじかに迫っていた。
サイボーグ達はさきほどからイシン隊を認識してはいたが暗黒軍の本隊との戦闘に忙しく、
おまけにサイボーグ達の間に挟まれないように迫って来ていたので対処出来なかった。
大きな牙と二本のツノが生えていて、そのツノを兜の穴から出している鬼より恐ろしい毛深い
イシン中隊長は甲冑の上に着ている鎖帷子からジャラジャ
ラと音をたてながらジッと今の状況に意識の耳を澄ませて何かを聞こうと、しばらくジッと
していたが
「チャンスンの小隊はあそこに見えている部屋を破壊しろ。 どこかの結界が破
けているようだ。 入れるはずだ。 行け。 残った者はあそこにいるのを切れ。」
ガリレ博士達を指さして命じた。
チャンスン小隊長が自分の隊を引き連れて建物のほうへ走って行くと、イシン隊はサッと
攻撃体制に入った。 |