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幸せって平等ですか? 作者:soy
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看病 葵目線

葵さん目線です。
 命が体調不良でリバースしてると電話の向こうで言われた時、俺はかなり驚いた。
 お前は誰だって思う事より、命が大丈夫なのか?の方が気になった。
 教えられた場所に命を迎えに行けば男の肩に寄りかかる命。
 俺の事を見れば滅茶苦茶可愛い笑顔を俺にむけた。
 顔色は真っ青だし、体調が少しも良くない事がまる解りだ。
 男はそんな命を見ると驚いた顔をした後、何とも言えない困ったような笑顔になった。
 命は俺に笑顔を向けたまま男の肩に寄りかかったまま。
 それは、元彼とか他の男とは違う信頼感があった。
 聞けば彼は命の兄貴なんだと言う。
 お見合いの時に命は自分が作った料理を軍事兵器だと言う兄が居ると言っていた。
 慌てて挨拶すると爽やかな笑顔でグサグサ来る言葉を吐かれた。
 俺は命のタイプとはかけ離れているとかキツい。
 だが、彼は俺を弟にしてくれるらしい。
 ヤバイ。
 マジで嬉しい。
 何なんだよこの人、大人な余裕みたいな感じが格好良すぎる。
 俺ももっと落ち着かねえと。
 命の全てを包んでやれるような包容力みたいなものを身に付けたい。
 なんだか憧れてしまいたくなるような命の兄から命をうけとり、抱えると車に向かった。

「葵さん」
「なんだ?」
「高い車で…吐いたら……嫌だ」
「大丈夫。気持ち悪かったら袋あるから」
「でも」
「気にすんな」
「ごめん」

 命は本当に申し訳なさそうで今にも泣き出しそうなそんな危うさがあって……なんと言うか……儚い。
 抱き締めてやりたい気持ちをグッとこらえて頭を撫でた。

「大丈夫だ。直ぐに家につくからな」
「うん」

 助手席に命を乗せて、俺は安全運転で俺の家に向かった。




 命のスーツを脱がせてベッドに寝かせて冷却材をおでこにはり、アイス枕を頭の下にしく。

「葵さん」
「大丈夫だ」
「ありが…とう」
「バカ、キュン死するだろが」
「えへへ」

 熱に浮かされたような命は弱々しく笑った。
 可愛いすぎる。

「キスしてぇ~な」
「ダメ……うつっ……ちゃう」
「うつしたら治るだろ?」
「誰、が……看病……するの?」
「それは命だろ?」
「たいし……た……事、できな……いよ」

 命は困ったような顔をした。

「命が側に居てくれるだけで、俺はバカになれるからすぐ治る。バカは風邪ひかねんだぞ」
「……バカ」
「…………だから、キュン死するって」

 命の頭を撫で続けていると命はうつらうつらとして眠りに落ちていった。

「ゆっくり寝てろ」

 滅茶苦茶可愛い命の寝顔は何時までも見ていたいぐらいヤバイ代物だった。
 暫く眺めていたが命に何か食べさせねえとだと思った。
 お粥は椎茸出汁で炊いて、食えるかも解らないからスープもなんか作るか?白菜なら長く煮込めば食いやすいか?
 林檎をすって蜂蜜かけたやつも食いやすいか?
 命が早くよくなれば良いと想いながら、俺はキッチンに立つのだった。






 命が目を冷ますとお粥を差し出した。

「ありがとう」

 さっきよりはマシになっているみたいだが、まだ本調子ではないみたいでお粥もたいした量を食べられていない。

「すりおろし林檎あるぞ」
「食べたい」
「持ってくる」

 命は、すりおろし林檎も少しだけ食べて申し訳なさそうな顔をした。

「食べきらなくてごめんなさい」
「良いんだよ。元気になったらもっといっぱい作ってやるから、そしたらまた旨そうに食ってくれたらそれで良い」
「うん。楽しみ」

 命に薬を手渡すとニコッと笑われた。
 可愛すぎ!
 ゆっくりと薬を飲む命に水を飲ませて俺は命に笑顔をむけた。

「命は可愛すぎ、俺はキュン死するな」
「へ?」
「元気になったら滅茶苦茶抱きたい」
「それはちょっと……」
「抱く」
「………滅茶苦茶?」
「可愛すぎだ!早く元気になれよ。立てなくしてやる」
「………」
「な!早く元気になれよ」
「う、うん」

 命は顔を真っ赤にして布団を口元まで引き寄せた。
 ヤバイな。
 可愛い。

「立てなくなるのは嫌、だよ」
「無理、俺の理性はキュン死した」
「そこがキュン死するの?」
「もうした。命が元気じゃないから嫌われたくない一心で我慢してる」
「それが理性じゃないの?」
「嫌われたくないって本能だ」

 命は目元まで布団を引き寄せた。
 可愛い可愛い可愛い。

「ああ、本能までキュン死しそう」
「ね、寝ます!」

 命はそのまま頭まで布団をかぶってしまった。
 俺はそんな、みの虫状態の命を抱き締めてから食器をかたしにキッチンに向かった。

「早く良くなれ」

 抱き締めた時命の耳元でそう囁くと小さな悲鳴と体をビクリとさせていた。
 ああ、いろんな感情がキュン死した。
 俺は命が居ないとダメになるな。
 俺はキッチンで食器を洗いながらニヤニヤするのだった。
葵さんの理性がキュン死しました。
命ちゃん頑張れ!
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