SO2シリーズ(17/18)縦書き表示RDF


SO2シリーズ
作:憂生



セクシュアル・モーメント2


「で?」
レオンがプリシスに掴まってる。
なんの用事?と言う前にレオンの顔を見てやって欲しい。
困ってしまってるレオンの顔は、
なんで、僕にそんなこと聞かなきゃなんないのっていってる。
レオンの困ってるのなんてお構いなしに
さらにプリシスは訊ねてる。
「ねえ。レオンなら知ってるでしょ?そうに決ってるじゃない」
「僕・・・」
「ね。教えて」
そんなこといったって・・・。
レオンが困るのも無理はない。
プリシスったらレオンに上手なHの仕方っていうのを
ご教授願ってるんだ。
「だから、ひとそれぞれで・・・。
プリシスはプリシスのやりかたでいいじゃない」
「でしょ?それぞれだから・・
だから、レオンの場合を教えてっていってるんじゃない。
なにも、レナがどうかってのをレオンにきいてるわけじゃないのよ。
レオンのことを聞いてるのになんで、こたえられないわけ?」
何か、すごい理屈だなって思いながら、
どうやれば、プリシスの質問から逃げれるかをレオンは考えている。
「で・・どうなのよ」
どうにも、話がそれない。
「・・・」
黙り込んだレオンにプリシスはいう。
「けちね」
そ、そんな言葉あり?
なんだっていうんだよ?
レベルの低い喧嘩になりかけてる。
だけど。アシュトンのためにすっかり変わっていこう
としてるプリシスの気持ちはよく判る。
レオンは一つだけ、教えてあげる事にした。
「そ・・そうなの?」
どうやって口でするかって事じゃなくて
余ってる手をどう駆使するかって事をレオンは教えた。
「そうやって・・おいて・・指を」
「ひ?」
ちょっと待って、レオン。
それは自分がそうされたいって事じゃなくて?
レオンがクロードのその場所に指をいれちゃうの?
え?それで、クロードはうれしいわけ?
それって、クロードにも受けの資質があるってこと?
湧いてくる疑問を、プリシスが確かめようとしてる。
プリシスの中の精神構造の規律がぐにゃりと
曲がってゆく感覚を味わいながら、考えてしまう。
求めちゃう極限って相手をそこまで変化させちゃうもんなのだろうか?
「レオン。あの、それ、レオンのほうじゃなくてクロードに、なわけ?」
プリシスがもう一度確かめた言葉にレオンは短く
「馬鹿」
と、答えた。
『え?』
どっちなわけ?
でも、そんなことが判らないのかって言ってるレオンの一言に
プリシスの妙なプライドが逆撫でされて、
もう一度はっきりと聞くことに歯止めがかかってしまった。
『いずれにせよ。レオンは知らないことだけど、
アシュトンは受けでも、あるんだよね。だったら・・どっちにしろ』
そんな風にしてあげればアシュトンは喜ぶんだろうな。
でも、それって、アシュトンに
ボーマンとの事を思い出させてしまうだけじゃないんだろうか?
それこそ、其の部分の性質。
つまり受けへの欲求をアシュトンに
自覚させるだけになりゃあしないだろうか?
『とうのアシュトンはその部分への刺激がほしいんだろうか?』
問題の定義の基本はそこにある。
『もし・・そうなら・・してあげられるかな?』
場所が場所でもある。
そんなとこに指いれちゃう?
と、いったって、ボーマンに
もっと、すごい物を入れられちゃったわけであるアシュトンなのだし・・。
自分への不安と、
アシュトンへの不安と疑問をだかえこんでプリシスは黙り込んだ。
これ以上、そばにいたら何いわされるかわかりゃしない。
って、なもんで、とっくにレオンはプリシスの傍を逃げ出して、
さも深刻そうに顕微鏡を覗き込んで、
プリシスの質問をシャットアウトしている。
プリシスは傍らの椅子に無意識のうちに座ると
じっと何かを考え込んでいるようだった。

「おりよ?」
研究室のドアを開けたボーマンの目にプリシスの姿が飛び込んできた。
俺とはまだ、ツラあわせたくねえだろうな。
だから、よほどの用事じゃなけりゃ
ここにはこないだろうって思ってたプリシスがいる。
『何だよ?一人だよな?アシュトンとまた、喧嘩かよ?』
傍にアシュトンはいない。
何かあったんだろうか?
ボーマンの目はプリシスの表情を探り始めていた。
でも、ボーマンはほっと胸を撫でおろした。
『大丈夫だ。上手く、いってる』
ばら色に染まった頬。
明るい光のある瞳。
充たされてることに満足してる。
『ちえっ。だったら・・なんだよ』
自分にはもう相談なんかしてくれなくなったプリシスを
まじまじと見つめたボーマンだった。
『え?』
まじまじ見ているボーマンはきがついたこと息をのんだ。
『な、なんだよ?』
ボーマンをひどく驚かせるようななまめかしい女になってやがる。
『ほおーー』
どうやら、本当にアシュトンの子猫になりきっちまったようである。
ついつい、ボーマンは二人のその場面を想像しちまった。
足を広げろって言えばプリシスはそうするんだろ。
そして、あんなに拘ってたオーラルさえも、
百八十度変化しちまってアシュトンの物を
いとしげにほうばっちまうプリシスが見えてくる。
『へ?がきだ。がきだって思ってたら・・いつのまに。
え?アシュトン、おめえ・・やってくれるじゃねえかよ』
ボーマンの瞳はプリシスの首筋辺りを舐めるようになぞりみてしまう。
つーーっとなめるだけで声を上げてくずれおちてしまいそう。
『ふ―ん』
なんだかすっかりアシュトンに飼いならされ、
従順な女をさしだし、アシュトンに服従しきったプリシスなのである。
そのプリシスが
『え?やけにかわいいじゃねえかよ』
まだ、じっとプリシスを見つめてるボーマンはふと我に返った。
ばか、のぼせてんじゃねえぜ。
あれはアシュトンのものじゃねえかよ。
『ちくしょう。いとしくさせちめえやがって・・・』
プリシスにちっとばっかし、文句を呟くと
ボーマンは本来の目的を遂行する事にした。
「おい。レオン」
顕微鏡を覗き込んだままのレオンに声をかける。
「ん?」
レオンものぞきこんだままだけど、
声をかけた主がボーマンであることはわかってる。
「ここにおいとくからな」
ボーマンはレオンに頼まれた製剤をドアの横に置いた。
それで用事はおわり。
「ん。サンキュ」
レオンもそれだけ。
だったけど、
それで、ぼーとしてたプリシスがボーマンに気が付いたんだ。
ドアを閉めかけてそそくさとボーマンは立ち去ろうとしている。
それなりにプリシスに申し訳なく思ってるボーマンが見えてくる。
「あ、ボーマンまって・・」
この間のアシュトンとの話で、
プリシスの中にはむしろボーマンに対する感謝が生じてきている。
欲しいじゃなくて、あげる。
こんな感情がどんなに心を充たしてくれるか。
それを悟らせてくれたのはボーマンなんだ。
「ん?・・なんだ」
よもや、声をかけてくるとは思ってもみなかったプリシスが
ボーマンを引き止めた。
何を言われるんだろう?
ボーマンは出来るだけ平静を装って、いつもらしく返事をした。
即座にボーマンは自分をみるプリシスを観察している。
なんだか、よく判らないけど、プリシスの表情は髄分、なごんでいる。
『は。んな、余裕ができるくらいに
しっかり・・アシュトンはおまえのもんかよ』
軽い嫉妬があることはある。
でも、ボーマンは心底二人が深く結ばれた事を喜んでいた。
「あのね。ちょっと、相談があるんだ」
「あ。いいぜ」
ボーマンたら嬉しくてしかたない。
プリシスにとって論外、枠外ってなっちまった自分の筈なのに
もう一度頼ってくれる?
それって、つまり、
ボーマンと、アシュトンのことごと許されたってことであり、
プリシスにはそんなことをあっさりと乗り越えちゃうくらい
アシュトンと愛の深めあいが出来たってことの
間違いない結果なのである。
「おし・・アマンダにでも・・ゆくか?」


何がどうプリシスを氷解させたのかしらないけど、
ボーマンの事をもう一度信じてくれるプリシスになってる。
ボーマンはプリシスとならんで、
研究所を出るとプリシスの肩を抱き寄せて、歩き出した。
「え・・」
ボーマンのいつもながらのスキンシップに
たじろいだのはプリシスのほうである。
きっと、いつものボーマンでしかないのに、
それを受け止める自分が変わってしまってる。
いいほど大人で、
いつもプリシスのことをがきんちょ扱いにしかしてないボーマンなのに、プリシスはボーマンの中に男を感じ取れる女になってしまってる。
「何だよ?は?・・・馬鹿。俺が変な気になっちまうじゃねえかよ」
ボーマンもプリシスの変化と、
ボーマンにたじろいだプリシスの女に気が付いているんだ。
と、なれば、尚の事ボーマンにまわされた腕を
ひどく意識させられて、プリシスは一層、頬を染めてしまっていた。
『え?なんだよ・・・か、かわいいじゃねえかよ』
何とかしてしまいたくなる気が頭をもたげてくるのを
やけにはっきりと、意識させられちまうボーマンなのである。

「あのね・・」
って、プリシス。
でも、やっぱ。どこか子供っぽい。
ミルクセーキをすすり上げながらプリシスは、はなし始めた。
「あん?」
小さな肩と、細い項。
小作りで華奢な体がやけになまめかしくコケテイッシュにみえる。
――え?無理やり捕まえて俺の物をぐいぐいねじ込んでやったら
抵抗しながら、最後にゃ俺の女になっちまうタイプじゃねえかよーー

ボーマン!!何をプリシスのセックスタイプを分析してるんだよ。
――はーん。アシュトンてめえ。無理やりって奴ができねえで、
随分遠回りしてたようだけど、初めからいける女じゃねえかよ?――
まあ、アシュトンの性格だから、
こいつもいきなり組み敷かれるなんて事に
甘んじられずいただけなんだと、
ボーマンはやっと、アシュトンに咲かされた花をみて、
きがついたんだけど
――ち。でも、こいつを女にしちまったのは、
アシュトン。
おまえだよな――
なんて、ろくでもないことばかり考えながら
ボーマンはプリシスを観察して楽しんでる。
「あのね?」
「あ。おお」
どうも、プリシスの急変ぶりに目が奪われるボーマンなのである。
「あのね。アシュトンのこと・・ありがとう」
「え?」
アリガトウってお前?
そんなにアシュトンが大事になっちまったのかよ?
「馬鹿・・俺の事・・おこりゃいいんだぜ」
「ううん。私が子供すぎたんだ。御免ね・・ボーマン」
「悪かったのは俺のほうだ。本気でもなんでもねえのに・・」
「違うよ。そんなことじゃないよ。
ボーマンがどうかってことじゃないんだ。
アシュトンにとって、ボーマンだったからこそ
助けられてることだと思うんだ」
「ん。でも・・辛かったろ?お前にとって・・」
「んんんん・・」
泣き出してしまったプリシスの頭をボーマンはくしゃっと撫でた。
もしここがアマンダじゃなくて、
誰も人の来ない場所だったら
ボーマンは泣いてるプリシスを抱きしめて
荒々しいキスでプリシスの意識を
ボーマンで包み込んじゃうところだろう。
ボーマンはプリシスのおでこをぴんと指で跳ね上げると
「で・・相談ってなんだよ?」
「あ、うん」
薬指で涙を拭いながら、
プリシスはさっきのレオンから聞いた話をしゃべりだした。
「はあ?」
つまり、そんなにアシュトンに色々してやりてえってことである。
って、ことは、このプリシスちゃんは、
いろんな風にしてアシュトンを夢中にさせて、
自分のものでいさせたいってことでもある。
ギブ&テイク。与えた分だけ貰える。
男と女の縮図にはまり込み始めてるプリシスなのである。
「でね。気になるのは、それをするとか、しないじゃなくて・・」
しゃべり始めたプリシスが黙った。
なのに、ボーマンは気にならないみたいにプリシスをじっと見てる。
何か、さっきからボーマンが変。
いまいち、まじめにきいてくれない。
どっかぼーとしてるし・・。
「ボーマン?何か変だよ?」
「お、お前が変に色っぽくなりやがるから・・」
「え?」
こら、こら。ボーマン。
くどいちゃいけないんじゃなかったのかよ。
なのに、プリシスったらボーマンの言葉にどぎまぎしてしまってる。
―― かあああ―。たまんねえ。
いっそ・・どっかにつれこんじまおうか――
なんてボーマンはせいぜい想像だけで堪えてるけど。
まだ、青々しい果実がアシュトンの色に染まりきっちまう前に
一回こっきりでいいから、味見してみてえじゃねえかよ。
なんて、ボーマンはマジに考え込んでいる。
「お前の言いたい事はわかるよ。
アシュトンが受けにもどりゃしないかって、心配なんだろ?」
「あ・・うん・・それもあるよ」
ボーマンは少し考え込んだ。
店の中も客が立て込み始めて、子供づれの客も入りだしている。
プリシスへの回答をどう答えるかと言う以前に、
こんな妙な話をうっかり人に聞かれたくもない。
「ちっと、たてこんできたな。なあ。場所をかえねえか?」
プリシスもざわついてきた店内と店員の来客への挨拶が
ひっきりなしになってきているのに気が付いている。
「だね。かきいれどきにテーブル占領してちゃ悪いしね」
プリシスが立ち上がるとボーマンも立ち上がって二人で店を出た。
「うーん」
なんとなく足の向くまま、歩いてる二人なんだけど、
今の時間どこの店に行ってもお客だらけである。
けど、聞きたい事は聞いてしまいたいプリシスなのである。
静かで落ち着いて話せる場所がどこかにないか、プリシスは考えていた。
「あ。そうだ・・」
考え付いた場所は灯台下暗し。
自分が一番落ち着ける場所って言ったら自分の部屋があるじゃない。
「ねえ。うちにおいでよ」
「へ?いいのかよ?」
「ボーマンじゃない。いいよ・・別に」
プリシスが提案した言葉にボーマンは頷いた。
まったく警戒心すらない。
男の本質って物を判ってない初心さが
さらにボーマンを煽ってるとも気が付かず
プリシスはボーマンを自室に通した。
「ビールなんかないからね」
どかりとその辺に座り込んでボーマンは壁にもたれた。
「いいさ」
「ん。でさあ・・」
プリシスもボーマンの傍に座り込んだ。
さっきの話の続きなのである。
「もうちっと、こっちにこねえか?きこえないぜ」
「あ。うん。でね・・アシュトンにそんなことって考えたときにね」
プリシスはボーマンの傍ににじり寄りながらしゃべりだしていた。
プリシスの心配はわかる。
「ばかだな。アシュトンにもう、そんな気ねえよ。
第一、俺はお前の代償でしかなかったんだぜ」
ボーマンはそれさえわかっていて、アシュトンを・・。
「あ・・・ご、ごめん」
「なあ。そんなことなんかどうでもいいんだ。
俺との事でどうのこうのって事なんか考える必要はねえぜ。
アシュトンが俺をどう意識するかじゃなくて、
アシュトンがどうかってことじゃねえか?」
「え?どういうこと?」
判りにくい説明にプリシスは尋ね返した。
「あー。つまり。新しいセックスプレイを
二人が心底、分かち合える気分に慣れれば
それでいいじゃねえかよってことさ」
「ぷ、プレイって」
「キレイに言ったってやることは同じだぜ?」
「あ。うん」
確かにそうなんだけどね。
「なあ。最初はなにかわかるか?」
「え?あ。あの、なんの最初?」
「セックスさ」
ひーーーー。ボーマン。そうずばずば言わないでよ。
今更ながらレオンを苦しめていた自分がこうであったか
と、思わされるプリシスなんだけど
「あ・・ううん。わかんない」
「あのな。ようは自分を夢中にさせられるかどうか。
相手の事なんかきにすることはない」
「ぇ?」
何か、すごい勝手な事じゃない?
おかしいよ。矛盾してるよ。
「自分がやりたいようにやってゆく。
それを無理して、いやいやながらセックスなんかして
相手が喜ぶかよ?」
「う、うん。そうだよね・・」
「なあ?セックスしてえんじゃねえんだよ。
相手が夢中になってくれるのが嬉しいんだよ。
わかるか?」
「あ・・あの・・つまり。私がアシュトンに夢中であの・・・
え、レオンに教わったようなことをすればいいと・・いうことかな?」
「ああ。頭。いいな。おまえ」
「え?えへ。でも、そんなことを夢中でしてあげる気になれるかな」
プリシスがポツリと呟いた言葉をボーマンは聞き逃さなかった。
「だから・・・こいよ」
「え?」
どういうことってプリシスが考えてる間もなしに
プリシスはボーマンに抱き寄せられてしまい、
その身体をボーマンに組み敷かれていた。

「ボ・・ボーマン?あ?」
「どういうことか教えてやるよ」
「子供だっておもって、か、からかってる・・な」
「からかってやしねえよ」
プリシスの言葉をさえぎるとボーマンはプリシスの瞳を覗き込んだ。
覗き込んだ瞳が近寄ってきて、
寄せられたボーマンの唇を感じ取った瞬間。
プリシスは瞳を閉じてしまってた。
『え。受ける気十分じゃねえかよ』
プリシスの唇を割って舌を差し込んでゆきながら
ボーマンはプリシスの胸を弄りだした。
プリシスがボーマンの手を払いのけようとする手に強さはない。
ボーマンがプリシスの手をおしとどめ、
払いのけるとプリシスはボーマンの愛撫を大人しく受けだした。
シャツを巻くり上げプリシスの胸をさらけ出し
ボーマンはプリシスの胸に顔を当て舌をころがしてゆく。
「あ・・」
プリシスの心地よい声がボーマンの耳元に熱い。
「ペッテイングまでなら許せるか?」
ボーマンの囁きにプリシスの返事はノーではなかった。
ボーマンに圧されてしまった物が何であるのか判らないまま
プリシスはせつないくらい声を上げてしまってる。
恋じゃない。
でも、甘い性の誘惑がプリシスを酔わせている。
「アシュトンには黙ってろよ」
そういうとボーマンの手がプリシスの下半身に伸びていった。
「あ・・んん」
存外大人になっているプリシスの部分である事を
ボーマンの指に滴る物が教えている。
――くそお。このままやっちめえたいぜ――
プリシスの小さなとがった物に指を当てると
ボーマンは激しい動きで刷りなでていった。
「ああああ」
プリシスの嗚咽が切ない。
「気持ちいいかよ?」
返事なんか出来るわけがない。
自身の嗚咽だけが耳の中にひびく。
その部分に与えられる感覚だけが
プリシスそのものになってしまっている。
息もつけないくらいの嗚咽が上げ続けるプリシスの頬に
ボーマンはそっと唇を寄せた。
「せつねえ。お前の中にいれちまいたいぜ」
「あ・・ああ」
プリシスはボーマンの言葉をまともに判断できないくらい
夢中に酔わされてる。
「ここ」
ボーマンはそっとプリシスの中に指をいれた。
暖かくぬめった粘液が肉の盛り上がりを余計に指に感じさせている。
こんなにほしくなってるプリシスだけど、
だけど、動かしちゃいけない。
だって、こいつはアシュトンのものなんだ。
「ああ」
切なさを振り切る声を上げるとボーマンは
プリシスのプシイから指を引き抜いた。
『俺にゃ・・ここまでだ』
ボーマンはその指をプリシスの口の中にいれこんだ。
『俺の物の変わり』
指を舐め始めたプリシスを抱き起こすと、
ボーマンはプリシスの口から指をはずした。
ぼんやりというか、
うっとりと言うかボーマンにされるままになっていたプリシスが
やっと、覚醒したかのように身体を動き出させたかと思ったら。
ボーマンの胸の中にすがり付いてきた。
「なあ?」
「・・・」
こんなときなんていえばいいんだろ?
そして、プリシスの胸の中に湧いてきてる物をどうすればいい?
「なあ・・抱かれてやりたいっておもっただろ?」
「あ・・」
ボーマンの言う、まさにその言葉どおりの思いが
プリシスの中に沸かされていたのである。
「それがプレイだろ?
お前もアシュトンに指でも何でも入れてやりたけりゃ
それでいいじゃねえかよ?
俺も・・そうだ。
お前がどうだろうが、俺はおまえがほしい」
ボーマンの言葉に答えるようにプリシスの手が
ボーマンにのびてくるのを捕まえるとボーマンは首を振った。
「でも、ここまでだ。
俺の言いたい事がお前が実感したかどうか?
それが俺の回答。
そして、それをアシュトンとの間でどう実践して行くか。
それがお前への宿題。・・・・以上」
そういうとボーマンは立ち上がった。
これ以上ここにいたらプリシスをほんとに自分の物にしちまう。
「ボーマン・・あ、あの」
プリシスが言い出しそうな言葉をボーマンはさえぎった。
「俺がほしくなったなんていうんじゃねえぞ」
「ん・・」
恋じゃない。
ボーマンにはじめてひどく大人に扱われて、
自分の中の女がほだされてるだけ。
自分の中の女がボーマンの男を受け止めてやろう
と、おもってしまっただけ。
だって、プリシスが本当にいとしいのはアシュトンなんだもの。
「でも・・」
ボーマンが出て行った後プリシスはぼんやりと物思いにふけってしまう。
『性』
この不思議な世界。
自分の心よりもっと広い物を持ってるのかもしれない。
きっと、心だけじゃ、
考えだけじゃ、
受け止める気にもならないだろうボーマンをうけとめさせようとする、なんて
『聖母でも、ないのに・・。
なんて・・広い心になっちゃうんだろう』
与えるだけの思いを慈しみとも言うのかもしれない。
だけど、ボーマンは
その性を通してプリシスにまた大切な事をおしえてくれている。
『慈しまれたのは私の方だよね』
聖母は性なんて手段をつかわなかったろうけど、
『ボーマン。あなたって、聖(性?)ボーマン?』
クスって笑いながらプリシスは、
そっとさっきのボーマンが触れた場所に指をすべらせていった。
ボーマンに慈しめられた場所。
その場所に与えられたボーマンのあの指の動き。
「あまやかだったよ」
ボーマンに、女として扱われた事もプリシスには誇りに思えてくる。
指をさっきのボーマンみたいに・・・。
「ああ・・・」
ちょちょっと。プリシス。
それはよくないよ。
『だって・・上手だったんだもの・・』
燃焼し切れない物が身体の芯にのこってしまってる。
『ボ、ボーマン・・・』
そのボーマンが
それをアシュトンにぶつけろっていってたんじゃないのかねえ?
なのに、プリシスったら・・・・。
『ああ・・・ボーマン』
受け止めてあげたかった思いを昇華させるように
ボーマンの名を呼んで、プリシスは独りHしちゃったけど、
ま。それも。プリシス也のけじめのつけ方かもしれない。

でも、さすがボーマン。御見それしました。
あんたの魅力ってのは、筆舌につくしがたいものがありますな。

それから、罪作りな男はプリシスの部屋を出ると
アマンダに戻っていった。
「おりょ?」
そこにはアシュトンがいる。
「てめー」
ボーマン、なんて、ご挨拶だよ。
でも、ボーマンにすれば当たり前の気分なんだ。
だいたい、こいつがのこのここんなところで油を売ってるから
俺がついプリシスに手を出しちまう事になっちまったんじゃねえかよ。
女なんてものに頭を使わせたら、だいたいろくな事になんねんだ。
さっさとへばりついて、
いつでも、よわせてやって、頭なんかで考えさせちゃあいけない。
女は子宮でかんがえるっていうけど・・・。
おっと、この話はボーマン・ボーマンシリーズではなしてあるな。
だから、つまり・・・こいつが悪いんだ。
「さっさとプリシスのところにいってこい」
「はい?」
いきなり何なんだよ?ボーマン。
今日はお昼からの約束だから昼食とって、是からいくんじゃないか?
「女にうだうだ考えさせる時間を作るな。ぼけ!」
『ぼ・・ぼけ?』
に、しても何をこんなにボーマンはおこってんだろ?
「さっさといきやがれ。で、ないと俺がプリシスをとっちまうぞ」
「は?え?あ。それ、あの、どういうこと?」
「るせーーーー。早くいけえーーーー」
「は、はい」
食後のコーヒーを運んできたアマンダの横をすり抜けて、
アシュトンは
『何だよ?さっぱり。わけがわかんないよ』
って、ボーマンを振り返った。
「お。俺がもらっとく」
って、アマンダからアシュトンのコーヒーを受取ろうとして、
身体をよじったボーマンのシャツに
薄いピンクの小さなしみが見えた気がした。
「え?」
見覚えのあるピンク。
え?ええ?
まさかと思うけど、プリシスのリップ・スティック?
『とっちゃうぞって?えーーー。どういうことさあ?』
慌ててアシュトンは駆け出していった。
「ふん。いったかよ」
って、ボーマンはコーヒーをのみだしたけど、
アマンダがそっとハンカチを差し出してきていた。
「あん?」
「ボーマン・・シャツだけじゃなくてよ」
「え?」
白いコーヒーカップのふちにもかすかなピンクがのってる。
「かあああ。まずーーーー」
アマンダのクスクス笑う声が漏れてくるのを聞きながら
渡されたハンカチでボーマンは唇を拭った。
「大丈夫よ。アシュトンはきがついてないわよ」
なんだか相変わらず察しがいいアマンダがそういった。
「おい」
「わかってるわよ。貴方は馬鹿なことはしない」
その相手がプリシスだって事もわかってるということらしい。
「なんだよ?」
「で?注文は?」
「ビール」
それ以上何も聞かずアマンダはカウンターに戻って行った。
どうやら、ボーマンの真髄を理解してくれている奴が
ここにも居るって事は確からしい。
「ま。プリシスのことだ。上手くごまかすだろう」
アマンダも余計な事はしゃべりゃしない。
あの様子だから、昼前にボーマンとプリシスが一緒だったって事も
アシュトンにはいってはないってことである。
ボーマンは運んできたビールをグラスに注いでくれたアマンダに
グラスを持ち上げ乾杯の動作を見せると
一気にグラスのそこまで飲み干して見せた。



「あ。あの?」
すごい荒い息のアシュトンに
「ん?」
何か、きょとんとしているプリシスである。
「あ・・そうか」
はやくきすぎたかな?
「どうしたの?はしってきたの?」
「あ。うん・・あの。あの・・」
「なに?」
「あ・・」
プリシスをうたぐってるなんて、いえやしないけど、でも。
「あの・・あ。ボーマンとあった?」
「あ。レオンの研究所でちょっとはなしたよ」
「あ?そう・・」
それだけ?
「それがどうかしたの?」
逆にプリシスに尋ねられちゃった。
「あ、」
だよね?なんでもない。そんなわけない。
「あ。あのね。ボーマンがプリシスの所に早く行け
ってすごい剣幕だったから・・」
「あ。ああ。それ。きっと、レオン処で、私がぶつぶついったせいだな」
なんとか、辻褄を合わせてゆく
プリシスの即興ぶり脱帽するしかないけど。
「え?なにいったの?」
その内容できっと、ボーマンがとっちゃうぞっていったんだろう?
「最近つめたいよって」
「えーーーーーー。そんなことない」
必死のアシュトンである。
「だって、今日だって・・お昼からのやくそくで・・」
「あっ・・それは・・」
「明日は?」
「あ、ごめん」
プリシスにプレゼントしたい物があって
アシュトンは内緒でバイトしてる。
今日も半日バイトだったんだ。
「おかしいよ」
「あ。それで。ひょっとして、ボーマンになきついちゃった?」
プリシスは実はアシュトンのバイトなんて事はきがついてるんだ。
だから、ちっともきにしてなかったんだけどね。
「え?なんで、わかったの?」
アシュトンの言葉にそれとなく合わせてみるプリシスなのである。
「あ。じゃあ、やっぱり。あれプリシスのリップだったんだ」
「はい?」
プリシスもなんとなくさっしがついてる。
でも、とことんばれてたらこんなアシュトンのわけはない。
多分ボーマンの胸辺りにプリシスのリップがついてたんだろう。
って、
まあ、見事な洞察力。
「あ。なんでもない」
変な嫉妬心と妙な疑いを持った事は見せたくない男心が
アシュトンを黙らせてしまった。
そんなことより今のプリシスの発言が問題である。
「でも、ああ、僕もう少しちょっと、あの忙しいんだ。あ、えと・・」
会えないわけをどういいわけしようか?
って、考えながらアシュトンはプリシスをみた。
アシュトンを見ながらプリシスは考えてる。
引きなおしたリップは大丈夫。
まず、ばれちゃうことはないはずなんだけど。
やけにアシュトンがプリシスをまじまじみつめてる。
「あの?忙しいって?」
話をそらしちゃいけない。変に観察させちゃいけない。でも・・
「あの・・」
「はい?」
「あの・・どうしたのかなって・・あの、それ・・」
って、アシュトンは実にいいにくそうである。
「え?」
アシュトンの見てる辺りをプリシスはじっとみた。
『あはあ・・・・やばーーーーーー』
プリシスの胸の突起がひどく膨張したままなのである。
さっきまで、こっそりボーマンとの空想に浸ったせいなんて、
いえるわけがない。
「感じてるよ」
って、アシュトンの手がプリシスに伸びてきた。
「だって・・逢いたいっておもってたら」
「あは?それだけで・・こうなっちゃう?」
「だって・・」
「うふ・・・してあげる」
なんて、早速アシュトンの手がプリシスのスカートの中にのびてきた。
「プリシス・・もう・・こんなになってる」
「んん・・あ」
ぬめりを絡めた指がプリシスの鋭敏な部分をもうさぐりあててる。
「ねえ。僕のことを考えてるだけで・・こんなになっちゃうの?」
ひどく満足気にアシュトンがささやきだした。
「かわいいよ・・本当・・ほら・・」
ぬるぬるした物があふれてきてるその場所に
アシュトンが指を入れ込んで行く。
「あ・・ん・・」
「プリシス・・すごいよ・・ほら」
感じちゃった部分がくううとしまってる。
「指がきついくらい・・・」
「いや・・」
アシュトンの囁きにいっそうあおられてしまう。
アシュトンがプリシスに本物をあげるために
ズボンを脱ぎだしながら変わらずプリシスをあえがせてるんだけど。
「ねえ・・ちょっとまって・・そのまえに・・」
プリシスはアシュトンに
レオンに言われた事をしてあげたくなってる。
ボーマンに気が付かされたように
その気持ちにプリシスは素直に従ってる。
気持ちいい事をお互いで追従する。
それはアシュトンだからこそ思い切りできることなんだ。
だから・・アシュトンが気持ちいいって言うなら
いくらでも・・・してあげる。
―そして、それも私が「あげるの」―
そんなかたちでも、アシュトンをあえがせてみたい。
―ねえ。アシュトン。貴方の全てが私のものよ―
プリシスはアシュトンの物をほうばりはじめていたけど、
その指をアシュトンの後ろに回した。
『あ・・ああ?プリ・・シス・・』
アシュトンの可愛い声。
それはそれで、素敵なんだ。
「きもちいい?」
「あ・・・」
なにもかも、プリシスに制されてしまう。
でも・・・それもいい。
                        (グッドバイ)












ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう