第2話:花菱美希編〜あの日からあなたに一目惚れ!?『後編』
美希
「う、うぅ・・・」
それからしばらくして、ようやく美希は目を覚ました。
美希
「ハッ・・・!!こ、ここはどこだ!?」
美希は起き上がった。
美希
「うっ、うぐっ・・・て、手が・・・」
美希の両腕は後ろ手にされ、縄で縛られていた。
美希
「手が縛られてる・・・私、一体どうなったんだ?そ、そうか!思い出した!確かあの時、突然飛び出して来た車とぶつかりそうになって、運転手に文句を言おうとしたんだ。そうしたら、後部座席に縛られている女の子が見えて、警察に連絡しようと思って走り出そうとしたら、後ろから口を塞がれて・・・じゃあ、私は・・・誘拐された・・・!?」
美希は状況を理解したようだ。
美希
「おそらくあの女の子は、私を襲ったヤツとその仲間が身代金を要求するための人質としてさらっていたのだろう・・・だとすれば私は、口封じのために拉致されたのか・・・いずれにしても、このままではマズい・・・ハヤ太君に連絡しなきゃ・・・」
そう言うと、美希はゆっくりと這って行った。
美希
「あったわ、私のポシェット!後は・・・」
美希は後ろ手でポシェットに手を入れた。
美希
「あ、あったわ!携帯電話・・・」
その頃、ハヤテは花菱家からの連絡を受け、美希を探していた。
ハヤテ
「花菱さん、まだ帰っていないなんて・・・一体何があったのでしょう?早く探さなきゃ・・・」
そう言った時、電話が鳴った。
ハヤテ
「花菱さんからだ!もしもし、花菱さん?」
美希
「あ、ハヤ太君・・・小さな声でお願い・・・」
ハヤテ
「はい。どうしたんですか?」
美希
「ゴメン、ハヤ太君・・・やっぱりあの時、ハヤ太君に送ってもらってれば良かったかも・・・」
ハヤテ
「って事は、まさか・・・!!」
美希
「ええ・・・今私、女子中学生を誘拐した2人組に捕まっちゃってるの・・・」
ハヤテ
「ええ!!それで、状況は?」
美希
「私は両腕を後ろ手で縛られているわ。幸い体と両足は縛られてないから、こうやってハヤ太君に連絡できたの。どうもここ、何かの倉庫みたいなのよね。さっき2人組の声が聞こえていたわ。きっと、身代金を要求していたんでしょうね。」
ハヤテ
「何か見えませんか?」
美希
「え、えっと・・・」
美希は立ち上がった。
美希
「『田畑建設』って看板が向こうの方に見えるわ・・・」
ハヤテ
「田畑建設ですか・・・わかりました、待っててください!今から助けに行きますから!!」
美希
「ええ・・・待ってるわ・・・」
ハヤテは電話を切ると、聞き込みを開始した。
一方、美希はハヤテの事を考えていた。
美希
「待ってる、か・・・私、やっぱりハヤ太君の事が好きなんだろうなぁ・・・こんな状況に置かれても、必ずハヤ太君が助けに来てくれるって信じてる・・・」
美希がそんな事を考えていると、倉庫の扉が開いた。
ガチャッ・・・
美希
「!!」
中年未満くらいの男女が中に入って来た。
「目が覚めたようだな、お嬢ちゃん・・・」
「さぁ、こっちに来なさい。」
美希
「・・・」
美希は黙って従った。
その頃ハヤテは、聞き込みを終え、必死に走っていた。
ハヤテ
「早く花菱さんを助けなければ・・・あれ?何でボク、花菱さんの事を心配してるんだろう・・・?もしかしてボクは、花菱さんの事が・・・好き・・・?」
そんな事を考えながら、ハヤテは走った。
同じ頃・・・
美希は誘拐された女の子と同じ部屋に連れて来られていた。
美希は手足と体をロープでグルグル巻きに縛られて、床に座らされている。
女の子の方は、縛られた状態でイスに座らされている。
「んっ、んんんっ・・・」
女の子は暴れている。
すると、男が拳銃を女の子に突きつけた。
ジャキ!
「!!」
女の子は黙る。
「さて、身代金の要求は済ませたし、後はコイツをどうするかね?」
そう言って、男は美希の方を見る。
美希
「フン、政治家の娘の私にこんな事してただですむと思うなよ?」
美希は言った。
「ヘェ、オマエ政治家の娘なのか?」
「聞いた事あるわ。初期の内閣総理大臣の孫だとか・・・」
美希
「そうだ。それがどうかしたか?」
「そうか。それなら好都合だ。オマエの親からも身代金をせしめてやる。さぁ、電話番号を教えな。」
男は言った。
美希
「アホか。私がそんな事を簡単に教えると思うのか?」
「そうかい。なら腕ずくで教えてもらおう。この子がキズつくのを見たくなきゃ、電話番号を教えな。」
男は女の子にナイフを向けた。
美希
「ひ、卑怯だぞ!!」
「卑怯で結構。オレ達は誘拐犯なんだからな。」
「さぁ、サッサと教えなさい。」
美希
「くっ・・・わかった・・・」
美希はおとなしく番号を教えた。
「さてと、電話もかけ終わった事だし、もうオマエ達の役目は終わりだな。」
「かわいそうだけど、あなた達には消えてもらいましょう。」
美希はその言葉に猛反発した。
美希
「オマエ達、それでも人間か!?このクズ!!人間として最低だ!!ふざけるな・・・。!!」
「うるさい小娘だ。」
そう言うと、男は美希の口にガムテープを貼った。
美希
「ん〜、ん〜!!」
「これで静かになったわね。」
「ああ。じゃあ、そろそろ始末するか。」
男は美希に拳銃を向けた。
美希
「ん、んん・・・(イヤ・・・まだ死にたくない・・・やっと自分の気持ちに気づいたのに、こんなところで終わりたくない!!助けて、ハヤ太君・・・)」
次の瞬間、美希は精一杯叫んだ。
美希
「ん〜っ!!!(ハヤ太君〜っ!!!)」
その時だった。
突然、声が聞こえてきたのは。
「そこまでですよ。」
「だ、誰だ!?」
男は叫ぶ。
声の主は、ゆっくりと中に入って来た。
それは、美希が待ちわびた人だった。
ハヤテ
「遅くなってすみません、花菱さん。」
美希
「(ハ、ハヤ太君・・・)」
美希は自然に瞳が潤んだ。
ハヤテ
「よくも花菱さんを怖い目に遭わせましたね・・・許しませんよ!!」
そう言うと、ハヤテは驚くべき瞬発力であっという間に2人を倒してしまった。
その後、ハヤテが呼んだ警察によって2人組は逮捕され、美希と女の子は無事に保護された。
ハヤテ
「大丈夫でしたか?花菱さん。」
ハヤテが聞いてくる。
美希
「あ、うん・・・どこもケガしてないわ・・・」
ハヤテ
「そうですか、良かった。」
ホッとするハヤテ。
その笑顔に、美希は見惚れた。
美希
「あ、あの・・・ハヤ太君・・・」
ハヤテ
「はい、何ですか?」
ハヤテは笑顔で聞き返す。
美希
「(言わなきゃいけない!勇気を出して、言わなくちゃ・・・!!)」
美希はついに決心した。
美希
「私、花菱美希は・・・ハヤ太君・・・いえ、綾崎ハヤテ君の事が・・・好きです!!」
美希はハヤテに告白をする。
美希は顔が真っ赤になり、下を向いた。
ハヤテ
「顔を上げてください、花菱さん。」
美希は顔を上げる。
ハヤテ
「ボクも花菱さん・・・いえ、美希さんの事が好きです。今日やっとこの気持ちに気づけた・・・ボクと、おつき合いしていただけませんか?」
その言葉に、美希は涙を浮かべながら言った。
美希
「はい・・・喜んで・・・これからもよろしくね、ハヤテ君・・・」
ハヤテ
「こちらこそよろしくお願いします、美希さん・・・」
ハヤテと美希は抱き合い、キスを交わした。
その後2人は警察で事情聴取を受けた後、手をつないで途中まで一緒に帰った。
もちろん、この後2人が交際発表をした時、ナギ達が驚いたのは言うまでもない・・・
例の事件から2年後、ハヤテと美希は結婚する事となった。
式場は、白皇学院内にある教会だった。
ハヤテ
「どうでしょうか、お嬢様・・・?」
ハヤテは新郎なので、タキシードを着ている。
ナギ
「ウム!そのタキシード、良く似合っているぞハヤテ!」
ハヤテ
「あ、ありがとうございます・・・」
マリア
「それにしても驚きですわ。まさかハヤテ君が花菱さんと結婚する事になるなんて・・・ねぇ、ナギ?」
ナギ
「ああ、あの時の事が誤解だとわかった時は悲しかったが・・・今の私はオマエの幸せを一番に考えてるぞ!」
ハヤテ
「お嬢様・・・」
その時、左側の扉から会話が聞こえてきた。
「ちょっ、ちょっと待ってみんな・・・私、まだ心の準備が・・・」
「も〜、何今さら恥ずかしがってるのよ!ホ〜ラッ!!」
ドンッ!!
美希
「わわわっ・・・」
ハヤテ
「美希さん!!」
左側の扉から、ヒナギクに押された美希が入って来た。
美希はウェディングドレスを着ている。
美希
「ハ、ハヤテ君・・・どうかな?私の格好・・・」
ハヤテ
「とても良くお似合いです、美希さん。」
美希
「あ、ありがと・・・」
美希は赤面した。
「さて、そろそろ式を始めようか?」
ハヤテ
「そうですね・・・って、ああ!!あなたは神父さん!?」
そう、ハヤテ達に声をかけたのは、幽霊神父リィンだった。
ハヤテ
「何してるんですか、こんな所で・・・」
リィン
「無論、本職をするために来たのだ。」
ハヤテ
「あのですね・・・そもそもあなたは死んでいるんですから、皆さんには見えないハズでしょう?」
リィン
「それなら心配いらん。伊澄君とソニア君に、見えるようにしてもらったからな。」
ハヤテ
「あ、そうなんですか・・・」
リィン
「そういう事だ。さぁ、早く始めようではないか。」
ハヤテ
「はい。」
その後、式は滞りもなく進み、最後の誓いの儀式まできた。
リィン
「では、誓いのキスを。」
ハヤテ・美希
「はい。」
ハヤテは美希と向かい合う。
ハヤテ
「美希さん。」
美希
「ハヤテ君。」
ゆっくりと2人の顔が近づいていく。
そして、ついに2人の唇が重なった。
その瞬間、出席者全員から祝福の言葉が投げかけられた・・・
「末永くお幸せに!!」
綾崎ハヤテと花菱美希・・・
2人の未来に、幸あれ。
花菱美希編・完
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