第1話:花菱美希編〜あの日からあなたに一目惚れ!?『前編』
白皇の生徒会娘の1人花菱美希は、自分の部屋でずっと考え事をしていた。
花菱美希
「ハァ・・・どうして四六時中あの人の顔が脳裏に浮かぶのかしら・・・」
美希が考えている『あの人』とは、綾崎ハヤテの事である。
美希
「どうしてハヤ太君の顔が脳裏に浮かぶの・・・?やっぱり、あの事が原因なのかしら・・・」
美希はこの間、2人組の誘拐犯に誘拐され、そこをハヤテに助けられたのだ。
といっても、助けるキッカケを作ったのは朝風理沙なのだが。
その事もあって、美希は四六時中ハヤテの顔が脳裏に浮かぶようになってしまったというワケだ。
美希
「どうしてハヤ太君の顔が脳裏に浮かぶんだろう・・・これはもしかして・・・恋?」
少し顔が赤くなる美希。
美希
「そ、そんなバカな!!あくまでハヤ太君は、私のクラスメートの1人で、恋愛感情なんて・・・」
考えれば考えるほど、ハヤテの姿が大きくなっていく。
美希
「う・・・し、仕方ないわ・・・こんな所で考えてても始まらない・・・ナギちゃんの家に行こう・・・あ、あくまで自分の気持ちを確かめるだけだけどね!!」
そう言うと、美希は服を着替えて三千院家へと向かった。
美希は三千院家に着くと、呼び鈴を鳴らした。
ピンポ〜ン!
「は〜い。」
ドアが開いて、マリアが出て来た。
マリア
「あら、花菱さん?どうしたんですか?」
美希
「マリアさん、ハヤ太君いますか?」
マリア
「ハヤ太・・・?ああ、ハヤテ君の事ですね!今ナギとゲームをしていますが・・・呼んで来ましょうか?」
美希
「あ、はい・・・でもこんな所で待つのも何なので、客室で待たせてもらいます。」
マリア
「そうですか。ではお入りください。」
美希
「恐れ入ります。」
美希は屋敷の中へと入って行った。
ハヤテ
「珍しいですね〜、花菱さんが1人だけで来るなんて・・・」
ナギ
「で、何の用なのだ?」
美希
「ちょっと・・・1日だけハヤ太君を貸してほしいというか・・・その・・・」
マリア
「要するに、デートのお誘いってワケですか?」
美希
「んなぁっ!?」
美希は一気に顔が赤くなった。
美希
「ち、ちがうんですよマリアさん!わ、私がハヤ太君を貸してほしいのは、ち、ちがう理由で・・・」
美希はしどろもどろになっている。
もはやいつもの美希ではない。
ナギ
「いいぞ、花菱。1日だけハヤテを貸してやろう。」
美希
「え?い、いいのか?」
マリア
「はい。ちょうど今週の日曜日はハヤテ君に休みを出す予定だったので・・・ハヤテ君、いいですか?」
ハヤテ
「あ、はい。いいですけど・・・」
美希
「(ど、どうしよ・・・これじゃ私、まるで結果的にハヤ太君をデートに誘ってるようなものじゃないか!!)じゃ、じゃあ、今度の日曜日・・・」
そう言うと、美希は足早に走って行ってしまった。
そして、日曜日
ハヤテ
「花菱さーん、待ちました?」
ハヤテが三千院家から出て来た。
美希
「イ、イヤ、私も今来たところよ・・・」
ハヤテ
「そうですか。じゃあどこに行きますか?」
美希
「え?え、え〜っと・・・ベタに遊園地とか?」
ハヤテ
「遊園地ですか。それなら少し遠い所にありますね。」
美希
「じゃあ、今からタクシーでも呼んで・・・」
ハヤテ
「必要ないですよ。」
美希
「えっ・・・?」
次の瞬間、美希はハヤテに背負われた。
ヒョイッ!
美希
「キャッ!ちょっ、ちょっとハヤ太君!?」
ハヤテ
「空を飛んだ方が速いので。行きますよ・・・疾風の・・・如く!!」
ドンッ!!
ハヤテは飛び出した。
美希
「ウ、ウソ〜ッ!!?」
数分も経たずに、ハヤテと美希は遊園地に着いた。
美希はさっきから放心状態である。
ハヤテ
「どうしたんです?花菱さん?」
美希
「ほぇ!?イ、イヤ何でもないのよ、何でも!!」
美希は少し焦り気味だ。
ハヤテ
「じゃあ、どこに行きますか花菱さん?」
美希
「え、えっと・・・ベタにジェットコースターとか・・・かな?」
ハヤテ
「じゃあ、そこに行きましょう。」
そう言うと、ハヤテは美希の手を引っ張り走り出した。
美希
「あっ、ちょっ・・・」
順番はあっという間に回ってきて、ハヤテと美希はコースターに乗り込んでいた。
コースターはドンドン上がっていく。
美希
「う・・・(ヒナみたいに高い所は苦手じゃないが・・・さすがにこれはちょっとマズい・・・悲鳴を上げたくなるぐらい高い・・・でもハヤ太君が隣にいるし、悲鳴を上げるワケには・・・)」
その時、ハヤテが美希の手をキュッとにぎった。
美希
「ヘッ!?」
ハヤテ
「花菱さん、怖いのなら悲鳴上げていいですよ。大丈夫です、ボクはこの事をバラしたりはしませんから。」
美希
「(ハヤ太君の手、こんなにも暖かい・・・こんなにも、暖かかったのか・・・)」
そうこうしている内に、コースターは上まで上がった。
美希
「(あー、もういいや・・・恥ずかしがっても仕方がない・・・上げちゃおう。)」
美希はそう思った。
そして、次の瞬間・・・
美希
「キャアアアアア!!!」
美希は思いっきり大きな悲鳴を上げた・・・
ジェットコースターを乗り終えたハヤテと美希は、昼食を取っていた。
メインは食べ終わり、食後のデザートを堪能しようというところである。
ハヤテ
「しかし、花菱さんがあれだけ大きな悲鳴を上げるなんて・・・よっぽど怖かったんですね?」
美希
「もう、からかわないでよ・・・」
美希は話題を変えようと思った。
美希
「そういえばハヤ太君、ヒナとはどこまで進んでいるのだ?」
ハヤテ
「ゴホッ!?」
ハヤテは飲んでいたコーヒーを吹き出してしまった。
ハヤテ
「な、何言ってるんですか花菱さん!ボクとヒナギクさんはそんな関係じゃないですよ・・・」
美希
「カワイイわね、ハヤ太君は・・・全く・・・ヒナも相当鈍いけど、ハヤ太君も負けず劣らず鈍いわよね・・・」
ハヤテ
「花菱さんこそ、人の事言えないんじゃないですか?」
美希
「私が?何を言っているんだハヤ太君?私が恋愛事に鈍いなどという事はない・・・」
ハヤテ
「えい!」
美希
「!!」
美希はハヤテに食後のケーキを食べさせられた。
パクッ!
モグモグモグモグ・・・
ゴックン。
美希
「ハ、ハヤ太君・・・!?」
ハヤテ
「ホラね♪」
ハヤテの天使のような笑顔に、美希は頬が赤林檎色に紅く染まった。
もはや顔は真っ赤っかである。
美希
「(ダ、ダメだ・・・やっぱり私、ハヤ太君の事が好きみたいだ・・・だったら、いっその事ハヤ太君に告白でもして・・・)あ、あの、ハヤ太く・・・」
ハヤテ
「あ、花菱さん!そろそろおあいそしましょうか?」
美希
「う、うん、そうね・・・(も〜っ、私のバカ〜ッ!!)」
その後も美希は何度もハヤテに告白しようとしたが、悉く失敗してしまった。
ハヤテ
「イヤ〜、今日は楽しかったなぁ・・・」
美希
「そうね・・・ハァ〜・・・」
ハヤテ
「どうしたんですか、花菱さん?」
美希
「ほぇ!?な、何でもないのよ、何でも!!(い、言えない・・・ハヤ太君に何度も告白しようとしてたなんて、とてもじゃないけど言えない!!)」
美希は少し俯いた。
ハヤテ
「・・・花菱さん。」
美希
「は、はい!!何でしょう!?」
ハヤテ
「これ、ボクの携帯電話の番号とメルアドです。」
ハヤテはメモ用紙を差し出した。
美希
「あ、ありがと・・・」
美希は少し赤面しながら、ハヤテの番号とアドレスを自分の携帯に入力した。
ハヤテ
「今日はスゴく楽しかったです。ありがとうございます、花菱さん。」
美希
「う、うん・・・こちらこそ・・・ね、ねぇハヤ太君・・・」
ハヤテ
「はい?」
美希
「こ、こういうのって・・・世間的には何て言うのかな・・・?」
ハヤテ
「そうですね〜、デートじゃないですか?」
美希
「デート・・・(そっか・・・私今日、ハヤ太君とデートしてたんだ・・・)」
ハヤテ
「それじゃ、ボクはもう帰りますが・・・本当に送って行かなくていいんですか?」
美希
「ええ、帰りはSPの人達に頼んであるから・・・」
ハヤテ
「そうですか。それじゃ、また明日学校で。」
そう言うと、ハヤテは高速で飛んで行った。
美希
「は、速っ・・・私今日、ハヤ太君と1日デートして・・・」
美希は次第に顔が紅くなる。
美希
「そうだ、今日は1人で帰ろう。余韻に浸りたいし・・・」
美希はSPに電話をすると、走り出した。
これが間違いだったという事にも気づかずに・・・
美希
「〜♪〜♪〜♪」
美希はご機嫌で歩いていた。
美希
「ハヤ太君との1日デート、楽しかったなぁ・・・ヒナや泉には悪いけど、私もハヤ太君の事が好きになっちゃった・・・私もハヤ太君争奪戦に参加させてもらうわよ♪ウフフ♪」
鼻歌を歌いながら美希が歩いていると、突然路地裏から車が飛び出して来た。
美希
「キャッ!!」
美希は間一髪で避けた。
美希
「ちょっと!危ないじゃないの!!」
そう言って運転手に文句を言おうとした美希がふと後部座席の方をのぞくと、そこには縛られている中学生くらいの女の子の姿があった。
美希
「あ、あ・・・」
美希が警察に連絡しようとして走り出そうとした、その時だった。
後ろからハンカチで口を塞がれたのは。
美希
「うっ!!」
美希はジタバタともがいたが、美希を羽交い締めにしたのは男のようで、全く身動きが取れなかった。
そうこうしている内に、美希の目はトロンとなっていく。
美希
「うっ、うぅっ・・・(こ、この匂いは・・・ク、クロロホルム・・・ハ、ハヤ太君・・・た、助け・・・て・・・)」
美希はグッタリと気を失った。
美希を襲った男は美希が気絶した事を確認すると、美希を車の後部座席に放り込んだ。
そしてそのまま、車は何事もなかったかのように走り出した・・・ |