第12話:瀬川泉編〜突然の居候、委員長さんのお家『後編』
どこかの遊園地
ハヤテ
「さて、着きましたが・・・何から乗ります?」
泉
「そだね〜、定番のジェットコースター!」
ハヤテ
「この遊園地にありましたっけ?」
泉
「あ〜、ジェットコースターじゃなくて急流下りだったね。ニハハ〜♪」
ハヤテ
「じゃあ、行きましょう。」
泉
「うん!」
ハヤテと泉は、急流下りに向かった。
ちょうどその頃、ハヤテ達を追って来たナギ達も遊園地に着いていた。
ナギ
「何とか追って来たが・・・どうやって2人を監視しようか?」
ヒナギク
「そうね・・・全員そろって行動すると見つかった時ヤバいし・・・かといってこのままここにいても見失うし・・・」
美希
「だったら、2手に分かれて探すというのはどう?そして、2人を見つけたら連絡を取りながら監視するの。」
理沙
「うん、それが一番確実な手だろうな。そうしよう。」
ナギ
「じゃあ、解散。」
ナギは理沙と、ヒナギクは美希と行動する事になった。
同じ頃、ハヤテと泉は次のアトラクションを探していた。
ハヤテ
「じゃあ泉さん、次はどこに行きますか?」
泉
「そだね〜。オバケ屋敷なんてどうかな?」
ハヤテ
「え?泉さんオバケ怖くないんですか?」
泉
「怖いよ〜?でも、ハヤテ君と一緒にいるから大丈夫かな〜って・・・」
ハヤテ
「『かな〜』って・・・」
泉
「さ、早く行こ♪」
ハヤテ
「あ、はい。」
ハヤテは泉と一緒に、オバケ屋敷へと入って行く。
その時、理沙とナギが2人を見つけた。
ナギ
「あ、ハヤテと瀬川だ!」
理沙
「ホホ〜ウ・・・随分と仲が良いようだな・・・」
ナギ
「グヌヌ〜・・・ハヤテめぇ、私以外の女にデレデレと〜・・・」
理沙
「じゃあ、私達も乗り込むか?ナギ君。」
ナギ
「当然だ!行くぞ理沙ポン!!」
理沙
「り、理沙ポンって・・・」
ナギと理沙も、オバケ屋敷へと入って行った。
その頃、美希とヒナは・・・
美希
「はい、ヒナ。あ〜ん♪」
ヒナギク
「あ、あ〜ん・・・」
美希
「はい♪」
パクッ。
ヒナギク
「もぐもぐ・・・」
美希
「おいしい?」
ヒナギク
「う、うん。ありがと・・・」
美希
「じゃ、じゃあ、今度は私に・・・」
ヒナギク
「はいはい♪」
お互いに食べさせ合いっこをしていた。
泉
「キャ〜!キャ〜!!キャ〜!!!」
泉はさっきから、ハヤテに抱きつきながら悲鳴を上げている。
ハヤテ
「い、泉さん・・・そんなくっつかずに・・・」
泉
「だって、怖いものは怖いのだ〜♪」
ハヤテ
「ハ、ハァ・・・」
泉
「ホラホラ、早く出口まで走るのだ〜♪」
ハヤテ
「はいはい・・・」
ハヤテは泉の手を引っ張りながら、出口まで走った。
理沙
「あ!ハヤ太君が・・・ナギ君、私達も早く・・・」
理沙が振り返ると、ナギは気絶していた。
その後もハヤテと泉のデートは順調に進み、デートは終盤を迎える。
2人は入場ゲートから外に出た。
ハヤテ
「今日は1日楽しめました。泉さん、ありがとうございます。」
泉
「うん、私も楽しかったよ。1日デートのおつき合いありがとうね。」
泉は上機嫌だ。
泉
「じゃあ、私は帰るね。」
ハヤテ
「泉さん、本当に送って行かなくて良いんですか?」
泉
「うん、私は1人でも大丈夫だよ。(ハヤテ君とのデートが楽しかったから、余韻に浸りたいとは言えないしね・・・)」
泉は少々赤面していた。
泉
「じゃ、じゃあねハヤテ君!」
泉は走って行った。
ハヤテ
「(泉さん、どうしたんだろ・・・?)!!」
と、そこでハヤテは泉に近づいている車に気がついた。
ハヤテ
「泉さん、危ない!!」
泉
「え!?」
泉はハヤテの声に気がつき、ハヤテが指差した方を見た。
すると、車が迫って来ていた。
今にも泉を引かんとする勢いだ。
泉
「・・・!!」
泉はたじろぐ。
そして、泉に当たろうとしたその瞬間・・・
ハヤテ
「泉さん!!」
ハヤテが飛び出し、泉を突き飛ばした。
ドンッ!!
泉
「キャッ!!」
泉を突き飛ばしたハヤテは、そのまま車に突き飛ばされた。
ドカッ!!
ハヤテは宙を舞う。
そして、そのまま地面に叩きつけられた。
ドッ!!
「チッ!!」
運転手は舌打ちすると、車を急発進させて走り去った。
ブォォォォ・・・
泉
「キャアアア!!ハヤテ君!!」
泉はハヤテに駆け寄った。
泉
「ヒドい血・・・」
ナギ
「ハ、ハヤテ!!」
ヒナギク
「大丈夫!?」
隠れていたナギ達も駆け寄って来た。
泉
「ナ、ナギちゃん達!?どうして・・・」
ナギ
「ハ、ハヤテが瀬川とデートするって聞いたから気になって・・・そんな事より、今はハヤテを病院に運ぶ事が先だ!!」
美希
「じゃあ、私が病院を手配するわ!理沙は救急車を!!」
理沙
「わかった!!」
美希は自分が知っている病院に電話をかけた。
理沙は119番に電話をかける。
泉
「しっかりして・・・ハヤテ君・・・」
泉はハヤテに人工呼吸をしていた。
某病院
ハヤテは美希が知っている病院へと担ぎ込まれた。
ナギ
「せ、先生!ハ、ハヤテは・・・?」
ナギは泣きそうになりながら言う。
「心配ありませんよ。体を軽く打った程度です。今からしばらく安静にしていれば、直に良くなりますよ。」
女の先生は微笑みながら言った。
ナギ
「そ、そうですか・・・」
泉
「よ、良かったぁ〜・・・」
ナギも泉も泣きそうである。
「おそらく、日常からかなり体を鍛えていたのでしょう。驚異的な体力です。しかし、ひき逃げなんて本当にヒドいですよね・・・」
泉
「先生・・・実はただのひき逃げじゃないんです・・・車を運転していた人の本当の狙いは・・・私なんです!!」
ナギ
「な、何だって!!」
ナギは驚いた。
ヒナギク
「どういう事なの、泉!?」
ヒナギクが聞いた。
泉
「私、走り去った車の運転手の顔を一瞬だけ見たけど、実は見覚えがあったの・・・あの人は、私をずっとつけ回していたストーカーなのよ・・・」
ナギ・ヒナギク・美希・理沙
「な、何!?」
ナギ達は、驚愕した。
理沙
「ス、ストーカーってどういう事だ!?泉!!」
理沙は泉に詰め寄った。
泉
「実は私、ここ2週間ほど見知らぬ男の人にストーカーを受けていたの。不審な手紙は来るし、無言電話なんて毎日・・・4日前なんて、いきなり夜道であの人に追いかけられて・・・」
美希
「そんな・・・何てヒドい・・・」
泉
「ちょうどハヤテ君もいる事だし、ハヤテ君に相談しようと思ってたの・・・」
ナギ
「そうか・・・しかし、何てヒドいヤツなんだ・・・」
ヒナギク
「そんなヤツを野放しにはしておけないわね・・・」
理沙
「私達もストーカー逮捕に協力するぞ!!」
泉
「みんな・・・ありがと・・・」
泉は瞳が潤んだ。
ヒナギク
「じゃあ、早速近所の人に聞き込みをするわよ!」
美希
「ええ!」
ヒナギクと美希は走って行った。
ナギ
「私も行こう。理沙ポンは瀬川と一緒にここでハヤテの看病をしててくれ!」
理沙
「だから理沙ポンは止めてってば・・・」
ナギも走って行った。
泉
「理沙ちん!私も行くよ!」
理沙
「泉はここで私と一緒にハヤ太君の看病をするんだ!」
泉
「で、でも・・・」
理沙
「でもじゃない!泉はハヤ太君の事が好きなんだろ!!」
泉
「え・・・理沙ちん、気づいてたの?」
理沙
「当たり前だ!何年泉とつき合ってると思ってるんだ?オマエの考えてる事ぐらい、声聞けばわかるさ・・・」
泉
「美希ちゃんとヒナちゃんも気づいてるのかな?」
理沙
「さぁな?ヒナはともかく美希は気づいてると思うよ?後、ナギ君もな。」
泉
「ナギちゃんも?何だか悪いなぁ・・・」
理沙
「何を言ってるんだ、泉。恋愛をした事があまりない私が言うのも何だが、素直にならないと恋愛は損するよ?」
泉
「そうだよね・・・私、自分の気持ちに正直になる!ハヤテ君が元気になったら、私の口から彼に告白する!!」
理沙
「ウム、がんばれ!」
泉
「私、ちょっと飲み物買って来るね!」
泉は走って行った。
理沙
「素直になれ、か・・・私も人の事言えないよな・・・」
理沙はそう言いながら、生徒手帳を見た。
手帳には、かつてハヤテの両親に金を貸したヤクザの1人、柏木の写真があった。
理沙
「私も素直になってみようかな・・・」
理沙は赤面しながら、そう思った。
泉は自販機の前に来ていた。
周囲に人気はない。
泉
「ハヤテ君の欲しそうなのは、これかな?」
泉はスイッチを押し、ハヤテの分の飲み物を買った。
泉
「私はこれっと・・・」
泉は自分の分も飲み物を買った。
泉
「ハヤテ君が目を覚ましたら、真っ先に告白しよう・・・」
泉はハヤテへの想いで心が一杯だった。
そんな彼女が、気づくハズもなかった。
自分の背後に、怪しい影が迫っている事を。
そして、次の瞬間・・・
泉
「ムグッ!?」
泉は後ろから口を塞がれた。
泉
「う〜っ!!」
泉は必死にもがいたが、次第に目がトロンとしてきた。
泉
「うぅ・・・」
泉はドサッと倒れた。
それと同時に缶飲料2本が床に落ちる。
「フフフ・・・」
影は不敵に笑うと、泉を背中に抱えて連れ去って行った。
理沙はハヤテの看病をしながら泉を待っていたが、2時間以上経っても彼女は戻って来ない。
理沙
「遅いな、泉のヤツ・・・」
理沙は缶コーヒーを飲みながら、そうつぶやいた。
すると、今まで昏睡状態だったハヤテが目を覚ました。
バチッ!
ハヤテ
「・・・」
ハヤテは起き上がる。
理沙
「ハ、ハヤ太君?やっと起きたのか・・・どうしたんだ?」
ハヤテ
「泉さんが、危ない・・・」
理沙
「何だって!?泉が!?」
ハヤテ
「朝風さん、ちょっと外に出ていてください。着替えますので。」
理沙
「あ、ああ。」
理沙は病室の外に出る。
5分後、ハヤテは着替え終わった。
ハヤテ
「入って良いですよ。」
理沙は中に入る。
ハヤテ
「今から泉さんを助けに行きます。朝風さん、背中に乗ってください。」
理沙は背中に乗った。
理沙
「ハヤ太君、泉を助けに行くって言っても、場所がわからなきゃ助けには・・・」
理沙が言い終わる前に、ハヤテは窓から飛び出した。
ハヤテ
「疾風の・・・如く!!」
理沙
「キャ、キャアアア〜ッ!?」
ハヤテは理沙を背負ったまま、空を飛んで行った。
泉
「ん・・・」
しばらくして、泉は目を覚ました。
泉
「ここ、どこ・・・?」
「お、目が覚めたようだな?」
泉
「え?」
泉が振り向くと、1人の男がニヤつきながら彼女を見ていた。
ここで、泉は自分の手足が縄で縛られている事に気づいた。
泉
「あなた、私をつけ回してたストーカーだね!?」
泉は怒ったように言った。
「そうだ、オレがストーカーだよ。表向きは医者だがね。」
泉
「前に私を治療した人でしょう?やけに何度も連絡先を聞いてきたもんね。」
「フッ、やっと見つけた理想の女だ。手に入れるためならどんな手段でも使うさ。」
泉
「ストーカー行為を繰り返したり、こんな誘拐まがいな事をしてでもってワケ?最低だね。」
「何とでも言いな。今からオマエはオレの女になるんだからな。」
男は笑った。
泉
「そうはいかないよ!私には頼りになる人がいるの!呼べば必ず助けに来てくれるわ!!」
泉は言った。
「フ〜ン、こんな状態になってもか?」
そう言うと、男は泉の口にガムテープを貼った。
泉
「んっ、んんっ!!」
「さて、そろそろ・・・」
男は泉に近寄って行く。
泉は力一杯叫んだ。
泉
「んん〜っ!!(ハヤテ君〜っ!!)」
その時だった。
少年の声が聞こえてきたのは。
「そこまでです!!」
「な、何!?」
男が振り向くと、そこにはハヤテと理沙がいた。
ハヤテ
「泉さん!!」
理沙
「泉!!」
泉
「(ハヤテ君・・・理沙ちん・・・)」
泉は瞳が潤む。
「チッ、せっかくここまできたんだ。邪魔されてたまるか!」
男はハヤテと理沙に向かって行く。
しかし、ハヤテは男の手を取り、投げ飛ばした。
ガッ!
ブンッ!!
ドゥッ!!
「ぐわっ・・・」
男が気絶すると、理沙が縄で男を縛った。
ハヤテは泉に駆け寄る。
ハヤテ
「大丈夫ですか、泉さん?」
ハヤテは縄を解きながら言った。
泉
「うん、大丈夫。どこもケガしてないよ♪」
縄を解かれた泉は、いつもの笑顔で言った。
ハヤテ
「そうですか。」
ハヤテはホッとした様子だ。
泉
「あの、ハヤテ君・・・」
ハヤテ
「はい、何でしょうか?」
泉
「実は私、ハヤテ君の事が・・・」
泉がその先を言う前に、ハヤテが彼女を抱き締めていた。
泉
「ちょっ、ハヤテ君!?」
泉は慌てた。
ハヤテ
「泉さん、その先は言わなくて良いです。ボクもあなたが好きですから。」
ハヤテは笑顔で言った。
泉
「ありがと、ハヤテ君。これからもよろしくね♪」
ハヤテ
「はい、泉さん♪」
ハヤテと泉は、理沙の目の前で抱き合った。
デートから2年後、泉と理沙は同時に結婚式を挙げる事になった。
理沙のお相手は、あの柏木という男だった。
理沙が不良に絡まれているところを救ったのがキッカケで、つき合う事になったという。
ハヤテと付き添いで来たナギは、彼が理沙の相手である事に驚いていた。
その後式は滞りなく進み、2組は誓いの儀式を挙げる。
2組がキスを交わした時、周囲から祝福の言葉が投げかけられた。
ふとしたキッカケから誕生した、2組のカップル。
4人はこれからも、幸せな家庭を築いていく事だろう。
綾崎ハヤテと瀬川泉。
朝風理沙と柏木。
2組の未来に、幸あれ。
瀬川泉編・完
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