ハヤテのごとく!短編集〜ヒロインは変わる、時のように〜つながりを持たない短編集(13/13)縦書き表示RDF


ハヤテのごとく!短編集〜ヒロインは変わる、時のように〜つながりを持たない短編集
作:ユーリ



第12話:瀬川泉編〜突然の居候、委員長さんのお家『後編』


どこかの遊園地

ハヤテ
「さて、着きましたが・・・何から乗ります?」


「そだね〜、定番のジェットコースター!」

ハヤテ
「この遊園地にありましたっけ?」


「あ〜、ジェットコースターじゃなくて急流下りだったね。ニハハ〜♪」

ハヤテ
「じゃあ、行きましょう。」


「うん!」

ハヤテと泉は、急流下りに向かった。



ちょうどその頃、ハヤテ達を追って来たナギ達も遊園地に着いていた。

ナギ
「何とか追って来たが・・・どうやって2人を監視しようか?」

ヒナギク
「そうね・・・全員そろって行動すると見つかった時ヤバいし・・・かといってこのままここにいても見失うし・・・」

美希
「だったら、2手に分かれて探すというのはどう?そして、2人を見つけたら連絡を取りながら監視するの。」

理沙
「うん、それが一番確実な手だろうな。そうしよう。」

ナギ
「じゃあ、解散。」

ナギは理沙と、ヒナギクは美希と行動する事になった。



同じ頃、ハヤテと泉は次のアトラクションを探していた。

ハヤテ
「じゃあ泉さん、次はどこに行きますか?」


「そだね〜。オバケ屋敷なんてどうかな?」

ハヤテ
「え?泉さんオバケ怖くないんですか?」


「怖いよ〜?でも、ハヤテ君と一緒にいるから大丈夫かな〜って・・・」

ハヤテ
「『かな〜』って・・・」


「さ、早く行こ♪」

ハヤテ
「あ、はい。」

ハヤテは泉と一緒に、オバケ屋敷へと入って行く。

その時、理沙とナギが2人を見つけた。

ナギ
「あ、ハヤテと瀬川だ!」

理沙
「ホホ〜ウ・・・随分と仲が良いようだな・・・」

ナギ
「グヌヌ〜・・・ハヤテめぇ、私以外の女にデレデレと〜・・・」

理沙
「じゃあ、私達も乗り込むか?ナギ君。」

ナギ
「当然だ!行くぞ理沙ポン!!」

理沙
「り、理沙ポンって・・・」

ナギと理沙も、オバケ屋敷へと入って行った。



その頃、美希とヒナは・・・

美希
「はい、ヒナ。あ〜ん♪」

ヒナギク
「あ、あ〜ん・・・」

美希
「はい♪」

パクッ。

ヒナギク
「もぐもぐ・・・」

美希
「おいしい?」

ヒナギク
「う、うん。ありがと・・・」

美希
「じゃ、じゃあ、今度は私に・・・」

ヒナギク
「はいはい♪」

お互いに食べさせ合いっこをしていた。




「キャ〜!キャ〜!!キャ〜!!!」

泉はさっきから、ハヤテに抱きつきながら悲鳴を上げている。

ハヤテ
「い、泉さん・・・そんなくっつかずに・・・」


「だって、怖いものは怖いのだ〜♪」

ハヤテ
「ハ、ハァ・・・」


「ホラホラ、早く出口まで走るのだ〜♪」

ハヤテ
「はいはい・・・」

ハヤテは泉の手を引っ張りながら、出口まで走った。

理沙
「あ!ハヤ太君が・・・ナギ君、私達も早く・・・」

理沙が振り返ると、ナギは気絶していた。



その後もハヤテと泉のデートは順調に進み、デートは終盤を迎える。

2人は入場ゲートから外に出た。

ハヤテ
「今日は1日楽しめました。泉さん、ありがとうございます。」


「うん、私も楽しかったよ。1日デートのおつき合いありがとうね。」

泉は上機嫌だ。


「じゃあ、私は帰るね。」

ハヤテ
「泉さん、本当に送って行かなくて良いんですか?」


「うん、私は1人でも大丈夫だよ。(ハヤテ君とのデートが楽しかったから、余韻に浸りたいとは言えないしね・・・)」

泉は少々赤面していた。


「じゃ、じゃあねハヤテ君!」

泉は走って行った。

ハヤテ
「(泉さん、どうしたんだろ・・・?)!!」

と、そこでハヤテは泉に近づいている車に気がついた。

ハヤテ
「泉さん、危ない!!」


「え!?」

泉はハヤテの声に気がつき、ハヤテが指差した方を見た。

すると、車が迫って来ていた。

今にも泉を引かんとする勢いだ。


「・・・!!」

泉はたじろぐ。

そして、泉に当たろうとしたその瞬間・・・

ハヤテ
「泉さん!!」

ハヤテが飛び出し、泉を突き飛ばした。

ドンッ!!


「キャッ!!」

泉を突き飛ばしたハヤテは、そのまま車に突き飛ばされた。

ドカッ!!

ハヤテは宙を舞う。

そして、そのまま地面に叩きつけられた。

ドッ!!

「チッ!!」

運転手は舌打ちすると、車を急発進させて走り去った。

ブォォォォ・・・


「キャアアア!!ハヤテ君!!」

泉はハヤテに駆け寄った。


「ヒドい血・・・」

ナギ
「ハ、ハヤテ!!」

ヒナギク
「大丈夫!?」

隠れていたナギ達も駆け寄って来た。


「ナ、ナギちゃん達!?どうして・・・」

ナギ
「ハ、ハヤテが瀬川とデートするって聞いたから気になって・・・そんな事より、今はハヤテを病院に運ぶ事が先だ!!」

美希
「じゃあ、私が病院を手配するわ!理沙は救急車を!!」

理沙
「わかった!!」

美希は自分が知っている病院に電話をかけた。

理沙は119番に電話をかける。


「しっかりして・・・ハヤテ君・・・」

泉はハヤテに人工呼吸をしていた。





某病院

ハヤテは美希が知っている病院へと担ぎ込まれた。

ナギ
「せ、先生!ハ、ハヤテは・・・?」

ナギは泣きそうになりながら言う。

「心配ありませんよ。体を軽く打った程度です。今からしばらく安静にしていれば、直に良くなりますよ。」

女の先生は微笑みながら言った。

ナギ
「そ、そうですか・・・」


「よ、良かったぁ〜・・・」

ナギも泉も泣きそうである。

「おそらく、日常からかなり体を鍛えていたのでしょう。驚異的な体力です。しかし、ひき逃げなんて本当にヒドいですよね・・・」


「先生・・・実はただのひき逃げじゃないんです・・・車を運転していた人の本当の狙いは・・・私なんです!!」

ナギ
「な、何だって!!」

ナギは驚いた。

ヒナギク
「どういう事なの、泉!?」

ヒナギクが聞いた。


「私、走り去った車の運転手の顔を一瞬だけ見たけど、実は見覚えがあったの・・・あの人は、私をずっとつけ回していたストーカーなのよ・・・」

ナギ・ヒナギク・美希・理沙
「な、何!?」

ナギ達は、驚愕した。

理沙
「ス、ストーカーってどういう事だ!?泉!!」

理沙は泉に詰め寄った。


「実は私、ここ2週間ほど見知らぬ男の人にストーカーを受けていたの。不審な手紙は来るし、無言電話なんて毎日・・・4日前なんて、いきなり夜道であの人に追いかけられて・・・」

美希
「そんな・・・何てヒドい・・・」


「ちょうどハヤテ君もいる事だし、ハヤテ君に相談しようと思ってたの・・・」

ナギ
「そうか・・・しかし、何てヒドいヤツなんだ・・・」

ヒナギク
「そんなヤツを野放しにはしておけないわね・・・」

理沙
「私達もストーカー逮捕に協力するぞ!!」


「みんな・・・ありがと・・・」

泉は瞳が潤んだ。

ヒナギク
「じゃあ、早速近所の人に聞き込みをするわよ!」

美希
「ええ!」

ヒナギクと美希は走って行った。

ナギ
「私も行こう。理沙ポンは瀬川と一緒にここでハヤテの看病をしててくれ!」

理沙
「だから理沙ポンは止めてってば・・・」

ナギも走って行った。


「理沙ちん!私も行くよ!」

理沙
「泉はここで私と一緒にハヤ太君の看病をするんだ!」


「で、でも・・・」

理沙
「でもじゃない!泉はハヤ太君の事が好きなんだろ!!」


「え・・・理沙ちん、気づいてたの?」

理沙
「当たり前だ!何年泉とつき合ってると思ってるんだ?オマエの考えてる事ぐらい、声聞けばわかるさ・・・」


「美希ちゃんとヒナちゃんも気づいてるのかな?」

理沙
「さぁな?ヒナはともかく美希は気づいてると思うよ?後、ナギ君もな。」


「ナギちゃんも?何だか悪いなぁ・・・」

理沙
「何を言ってるんだ、泉。恋愛をした事があまりない私が言うのも何だが、素直にならないと恋愛は損するよ?」


「そうだよね・・・私、自分の気持ちに正直になる!ハヤテ君が元気になったら、私の口から彼に告白する!!」

理沙
「ウム、がんばれ!」


「私、ちょっと飲み物買って来るね!」

泉は走って行った。

理沙
「素直になれ、か・・・私も人の事言えないよな・・・」

理沙はそう言いながら、生徒手帳を見た。

手帳には、かつてハヤテの両親に金を貸したヤクザの1人、柏木の写真があった。

理沙
「私も素直になってみようかな・・・」

理沙は赤面しながら、そう思った。



泉は自販機の前に来ていた。

周囲に人気(ひとけ)はない。


「ハヤテ君の欲しそうなのは、これかな?」

泉はスイッチを押し、ハヤテの分の飲み物を買った。


「私はこれっと・・・」

泉は自分の分も飲み物を買った。


「ハヤテ君が目を覚ましたら、真っ先に告白しよう・・・」

泉はハヤテへの想いで心が一杯だった。

そんな彼女が、気づくハズもなかった。

自分の背後に、怪しい影が迫っている事を。

そして、次の瞬間・・・


「ムグッ!?」

泉は後ろから口を塞がれた。


「う〜っ!!」

泉は必死にもがいたが、次第に目がトロンとしてきた。


「うぅ・・・」

泉はドサッと倒れた。

それと同時に缶飲料2本が床に落ちる。

「フフフ・・・」

影は不敵に笑うと、泉を背中に抱えて連れ去って行った。



理沙はハヤテの看病をしながら泉を待っていたが、2時間以上経っても彼女は戻って来ない。

理沙
「遅いな、泉のヤツ・・・」

理沙は缶コーヒーを飲みながら、そうつぶやいた。

すると、今まで昏睡状態だったハヤテが目を覚ました。

バチッ!

ハヤテ
「・・・」

ハヤテは起き上がる。

理沙
「ハ、ハヤ太君?やっと起きたのか・・・どうしたんだ?」

ハヤテ
「泉さんが、危ない・・・」

理沙
「何だって!?泉が!?」

ハヤテ
「朝風さん、ちょっと外に出ていてください。着替えますので。」

理沙
「あ、ああ。」

理沙は病室の外に出る。

5分後、ハヤテは着替え終わった。

ハヤテ
「入って良いですよ。」

理沙は中に入る。

ハヤテ
「今から泉さんを助けに行きます。朝風さん、背中に乗ってください。」

理沙は背中に乗った。

理沙
「ハヤ太君、泉を助けに行くって言っても、場所がわからなきゃ助けには・・・」

理沙が言い終わる前に、ハヤテは窓から飛び出した。

ハヤテ
「疾風の・・・如く!!」

理沙
「キャ、キャアアア〜ッ!?」

ハヤテは理沙を背負ったまま、空を飛んで行った。




「ん・・・」

しばらくして、泉は目を覚ました。


「ここ、どこ・・・?」

「お、目が覚めたようだな?」


「え?」

泉が振り向くと、1人の男がニヤつきながら彼女を見ていた。

ここで、泉は自分の手足が縄で縛られている事に気づいた。


「あなた、私をつけ回してたストーカーだね!?」

泉は怒ったように言った。

「そうだ、オレがストーカーだよ。表向きは医者だがね。」


「前に私を治療した人でしょう?やけに何度も連絡先を聞いてきたもんね。」

「フッ、やっと見つけた理想の女だ。手に入れるためならどんな手段でも使うさ。」


「ストーカー行為を繰り返したり、こんな誘拐まがいな事をしてでもってワケ?最低だね。」

「何とでも言いな。今からオマエはオレの女になるんだからな。」

男は笑った。


「そうはいかないよ!私には頼りになる人がいるの!呼べば必ず助けに来てくれるわ!!」

泉は言った。

「フ〜ン、こんな状態になってもか?」

そう言うと、男は泉の口にガムテープを貼った。


「んっ、んんっ!!」

「さて、そろそろ・・・」

男は泉に近寄って行く。

泉は力一杯叫んだ。


「んん〜っ!!(ハヤテ君〜っ!!)」

その時だった。

少年の声が聞こえてきたのは。

「そこまでです!!」

「な、何!?」

男が振り向くと、そこにはハヤテと理沙がいた。

ハヤテ
「泉さん!!」

理沙
「泉!!」


「(ハヤテ君・・・理沙ちん・・・)」

泉は瞳が潤む。

「チッ、せっかくここまできたんだ。邪魔されてたまるか!」

男はハヤテと理沙に向かって行く。

しかし、ハヤテは男の手を取り、投げ飛ばした。

ガッ!

ブンッ!!

ドゥッ!!

「ぐわっ・・・」

男が気絶すると、理沙が縄で男を縛った。

ハヤテは泉に駆け寄る。

ハヤテ
「大丈夫ですか、泉さん?」

ハヤテは縄を解きながら言った。


「うん、大丈夫。どこもケガしてないよ♪」

縄を解かれた泉は、いつもの笑顔で言った。

ハヤテ
「そうですか。」

ハヤテはホッとした様子だ。


「あの、ハヤテ君・・・」

ハヤテ
「はい、何でしょうか?」


「実は私、ハヤテ君の事が・・・」

泉がその先を言う前に、ハヤテが彼女を抱き締めていた。


「ちょっ、ハヤテ君!?」

泉は慌てた。

ハヤテ
「泉さん、その先は言わなくて良いです。ボクもあなたが好きですから。」

ハヤテは笑顔で言った。


「ありがと、ハヤテ君。これからもよろしくね♪」

ハヤテ
「はい、泉さん♪」

ハヤテと泉は、理沙の目の前で抱き合った。



デートから2年後、泉と理沙は同時に結婚式を挙げる事になった。

理沙のお相手は、あの柏木という男だった。

理沙が不良に絡まれているところを救ったのがキッカケで、つき合う事になったという。

ハヤテと付き添いで来たナギは、彼が理沙の相手である事に驚いていた。

その後式は滞りなく進み、2組は誓いの儀式を挙げる。

2組がキスを交わした時、周囲から祝福の言葉が投げかけられた。

ふとしたキッカケから誕生した、2組のカップル。

4人はこれからも、幸せな家庭を築いていく事だろう。

綾崎ハヤテと瀬川泉。

朝風理沙と柏木。

2組の未来に、幸あれ。



瀬川泉編・完














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