ハヤテのごとく!短編集〜ヒロインは変わる、時のように〜つながりを持たない短編集(11/13)縦書き表示RDF


最初に言っておきますと、今回のお話は8巻の話の分岐ルートです。
本編ではヒナギクに拾われたハヤテでしたが、もしその『拾った人』が泉だったなら・・・?
言ってみれば、8巻のカバー裏にあった『もしもルート』を本当にやってしまおうというワケです。
この話はそういう話です。
では、本編へどうぞ。
ハヤテのごとく!短編集〜ヒロインは変わる、時のように〜つながりを持たない短編集
作:ユーリ



第10話:瀬川泉編〜突然の居候、委員長さんのお家『前編』


少年・綾崎ハヤテは、なぜか今再び路頭に迷いかけていた。

なぜかというと、ナギといろいろあって3日間ほど帰るに帰れなくなってしまったのである。

その理由については、原作単行本7巻をお読みください。

で、マリアから3日間分の宿泊費として100万円を手渡されたハヤテだったが、彼が即座に驚いたのも無理はないといえる。

なぜなら、普通の人なら3日どころか3ヶ月は保つであろう金額である(ハヤテなら3年)。

常人から考えればあり得ない金銭感覚であろう。

というワケで、ハヤテは100万円を手渡されたワケなのだが・・・

さすが、不幸体質というか帝にもらったお守りが原因というか・・・

雪路・氷室・ソニアに麻雀に誘われ、元同級生達の食事につき合い、他人の借金を肩代わりし、果ては壺を割って弁償代を出費・・・

気づけばいつも通り残り12円に・・・

どんな使い方したら1日で100万なくすのだろうかと思える。

そんなワケで、ハヤテは公園に1人で来ていた。

そして、しばらく放心状態だったハヤテであるが・・・

そこに、救いの天使が現れた。

その人物は傘を差し出す。

ス・・・

ハヤテ
「?」

「こんな所で何してるの?ハヤ太君・・・」

ハヤテ
「あ・・・瀬川さん・・・」

ハヤテの後ろにいたのは、ハヤテの同級生の瀬川泉だった。

瀬川(セガワ)(イズミ)
「こんな所で・・・そんな格好してたらカゼ引くよ?とりあえず寒そうだし・・・私の家に来る?」

ハヤテ
「へ?」

こうして、ハヤテは泉に拾われた。

これが、後にハヤテと泉の関係を大きく変える事になる・・・





瀬川家にて



カポーン・・・

ハヤテは今、瀬川家のフロを借りていた。

ハヤテ
「(え〜と・・・ボクはこんな所で何をしてるんだっけ?確かここは瀬川さん()で・・・ここは瀬川さん家のおフロで・・・ここであの瀬川さんが・・・毎日体を洗っているという・・・)」

ピチョーン・・・

ハヤテ
「(うわぁ〜!!バカバカ!!何考えてるんだボクは!!)」

ハヤテは湯船に顔を沈めた。




「あれ?もうおフロ上がったの?少しは温まったかな?」

ハヤテ
「え・・・ええ・・・」


「でも男の子って早いんだね、おフロ。カラスの行水ってヤツかな?」

瀬川(セガワ)(サトル)『泉の父(無論、オリキャラ)』
「あ、綾崎君おフロ上がった?煉の服少し大きかったかな?」

ハヤテ
「いえ、そんな事は・・・」


「そう?良かった〜。イヤ〜それにしてもこの子女の子みたいにカワイイね〜。」


「何、年甲斐もない事言ってるの?お父さん。」


「やっぱり泉の彼氏とかじゃないの?あんなカワイイ子ならお婿さんでも全然オッケーだよ♪」


「だからちがうって!!」


「なぁなぁ、あの子に泉のスカート着せて良い?きっと似合うと思うんだけど。」


「だからそういう事は止めてってば!!」

ハヤテ
「??」


「だいたいハヤ太君には、たぶん彼女がいるんだから・・・」

ハヤテ
「(それにしても・・・どうしてこんな事になってんだっけ?色々あって3日ほど屋敷の外に泊まる事になって・・・マリアさんからもらった宿泊費の100万が色々あってなくなって・・・そして瀬川さんに、拾われて・・・ああそうか。気がつくとボクはまた・・・帰る場所のないダメな人になっているのか・・・このまま瀬川さん家に泊めてもらえると嬉しいけど・・・そんなあつかましい事は・・・)」


「あ・・・あの!こ・・・これネコミミっていうんだけど・・・これを・・・ちょっと・・・」

ハヤテ
「ハ?」


「!!も〜!何、恥ずかしい事してんの〜!!」


「はぅぅ!!だっ、だって〜!!」


「もぉ!ハヤ太君こっち!!夕飯くらい食べていくでしょ?私もまだだし!!」

ハヤテ
「え?い・・・良いんですか?」


「ゴメンね。お父さん、ハヤ太君みたいな男の子見るとああなっちゃう趣味があって・・・昔煉兄もお父さんの趣味の犠牲になったし・・・」

ハヤテ
「いえ、そんな・・・でも面白くて・・・優しそうなお父さんですね。」


「・・・うん。とっても優しい人だよ。」

ハヤテ
「?」


「でも・・・あんな雪の中、Tシャツ1枚でハヤ太君何してたの?」

ハヤテ
「ヘ?あ・・・え〜と・・・え〜と・・・」


「もしかして家に帰れないとか?」

ハヤテ
「!!うっ!!」


「え?まさか本当に?」

ハヤテ
「えと・・・3日ほど帰るに帰れなくて・・・」


「じゃあ泊まっていく!?っていうか、もう遅いし外は寒いから泊まっていきなよ!!」


「イヤ・・・あの・・・この家、年頃の娘が・・・」


「な?な!?」

ハヤテ
「で・・・でも良いんですか?」


「良いよ!全然良いに決まっているじゃないか!!でな、こっちに泉と煉も着てくれないフリフリのドレスがあるんだけど・・・」


「部屋案内するわハヤ太君!煉兄の部屋があるからそこを使って!!」

ハヤテ
「・・・」


「・・・泉のケチ・・・クスン・・・」





ガチャ!

ハヤテ
「うわ〜。」


「散らかってるけど、煉兄当分ここに戻って来ないから、好きに使ってね。」

ハヤテ
「っていうか、この部屋ゲームだらけですね・・・Wiiやらプレステ3やらゲームキューブやら・・・わぁ、今じゃ廃盤になったドリキャスやセガサタまであるし・・・」


「毎日ゲームしてばかりで、私まで巻き込むから旅行にでも行って来なさ〜いって言って叩き出したんだよ。」

ハヤテ
「で、その煉兄さんというのは誰なんです?」


「私より2つ上の兄なの。去年卒業した白皇学院のOBだよ。極度のゲーム好きでね、いつも発売日に新型ゲーム機が届くように注文するから困っちゃって・・・」

ハヤテ
「ハァ・・・そうなんですか。でもスミマセン。急にこんな・・・」


「困った時はお互い様だよ。あ、そうだハヤ太君。ちょっと聞きたい事があったんだけど。」

ハヤテ
「『ハヤテ』ですよ?で、聞きたい事とは何ですか?」


「どうしてナギちゃんトコで執事やってるの?」

ハヤテ
「ああ、それはですね・・・親に一億五千万の借金を押しつけられまして、ヤクザに売られて・・・その後何だかんだあってお嬢様に執事として雇ってもらって、借金も肩代わりしてもらったんですよ。」


「・・・」

泉はしばらく放心した。


「ハ、ハヤ太君・・・今の、冗談じゃないの?」

ハヤテ
「冗談でこんな事言いませんよ。その後は白皇への編入やら何やらといろいろお世話になりまして・・・お嬢様やマリアさんがいなければ、今のボクはなかったと思いますよ。お嬢様達と出会うまでは、ボクの人生は夜逃げ三昧の毎日でしたからね・・・」

そこまで言った時、泉の瞳が潤んだ。


「グス・・・」

ハヤテ
「え、ちょっ、瀬川さん!何で泣いてるんですか!!」


「だって、ハヤ太君がそんな苦労をしてきたなんて知らなくて・・・ゴメン!そんな辛い過去を思い出させちゃって・・・」

ハヤテ
「良いんですよ。瀬川さんやみんなが同情していただけるだけボクは幸せなんですから・・・」


「・・・泉で良いよ・・・」

ハヤテ
「え?」


「これからは私の事泉って呼んで・・・ハヤテ君。」

ハヤテ
「わかりました。これからもよろしくです泉さん。」


「うん。後でまた少し聞きたい事があるから・・・じゃ、また後で来るね。」

ハヤテ
「あ、はい。」

ハヤテと泉はレベルが1上がった!

ハヤテと泉がお互いを名前で呼び合えるようになった!

2人の好感度が少し上がった!

って、何RPGみたいな説明入れてるんだろうか作者は・・・





しばらくして泉がやって来ると、ハヤテは指立て伏せをやっていた。

普通の人ではまず難しい。

ハヤテ
「353・・・354・・・355・・・356・・・357・・・358・・・」


「ヘ〜、やっぱ毎日ちゃんと鍛えているんだね〜。」

ハヤテ
「うわ!泉さん!!」


「ハヤテ君、そんな事毎日やってるの?」

ハヤテ
「ええ、一応。幼い頃からの日課みたいなもので・・・」


「フ〜ン。あ、お邪魔するよ。でもそんなに汗かくと、もう1回おフロに入らないと気持ち悪くならない?あ、このジュースあげる。」

ハヤテ
「あ、どうも・・・(っていうか・・・泉さん・・・おフロ上がり・・・)」


「あ、勉強もしてたんだ。ホントマメだね〜。」

ハヤテ
「(密室・・・深夜・・・2人きり・・・ほのかに香るシャンプーの匂い・・・)」


「・・・ねぇ。ねぇってば。」

ハヤテ
「(こ・・・これは・・・)」


「ここ間違ってるよ、ハヤテ君。」

ハヤテ
「はへ!?」


「はへって・・・私の話聞いてた?」

ハヤテ
「も!もちろんですよ!!」


「あ、ここもちがう・・・」

ハヤテ
「(しかし・・・前から思ってたけど・・・やっぱり泉さんも・・・キレイな人だなぁ・・・)」


「この問題は最初にね・・・この方程式を・・・ん?」

ハヤテ
「(イ・・・イカン!!変に意識すると・・・顔が赤くなる・・・)」


「・・・」

泉は缶ジュースをハヤテの頬に当てた。

ピトッ!

ハヤテ
「ウヒャア!!」


「ねぇ?マジメに聞く気あるの?」

泉は少し怒っている。

ハヤテ
「ス!スミマセンスミマセン!!と・・・!ところで泉さんこそ聞きたい事があるって!な・・・何ですかそれは?」


「え?あ〜、うん・・・その・・・え〜と・・・そんな事よりこんなに間違えて、今度の試験どうするの!?」

ハヤテ
「あ!?はい!!」


「私が少し見てあげるからしっかり勉強しなさい!!」

ハヤテ
「は!はい!!」


「(聞きたい事・・・私の聞きたい事は・・・あのバレンタインの日の事・・・)」

原作ではヒナギクでしたが、この話の主役は泉。

すなわち、ヒナギクが見ていたあのシーンを泉が見ていたという事になるのだ!


「(告白したあの子があんなに喜んでたって事は・・・今・・・あなたはあの子とつき合ってるの?・・・って・・・!そんな事聞いてどうするのよ!!)」

ハヤテ
「(せっかく泉さんが勉強を見てくれているんだ!ここはがんばらないと!!)あの、できましたけど・・・どうでしょう?」


「・・・もう良いよ・・・」

ハヤテ
「え?」


「こんな事、今さら何の意味もないから・・・お休み、ハヤテ君。」

ハヤテ
「・・・(そんなにヤバいのか・・・ボクの成績・・・)」



翌日の朝・・・


「ん・・・ん〜・・・」


「泉〜、綾崎君起こして来て〜。」


「は〜い。」



ガチャ!


「お〜いハヤテ君。朝ゴハンだよ〜。・・・って・・・何、徹夜で勉強してるの?」

ハヤテ
「イヤ・・・だって成績が・・・」

誤解は些細な事から生まれていくのです。





その誤解は必然である。

なぜなら・・・

『想いは伝えられた?』と聞いて、『は、はい!!』と笑顔で言われたなら・・・

当然、ラブラブな展開になる事を想像するのは当然の流れ。

まさかそれが、告白はしたが結果は保留という、ヘタレ極まりない展開になっているなど想定外。

だから、あのバレンタインから1週間・・・

少女・瀬川泉の心境は複雑だった。


「(何で私が動揺してるの?そもそもハヤテ君が誰とつき合おうと関係ないじゃない。元々何とも思ってないんだし・・・だからこれは何というか・・・友達に彼氏ができたとかそういう類の心境であって、別に・・・何でもないんだから・・・)」

で、現在少女を1週間も悶々とさせた当人は・・・

ハヤテ
「イヤ〜・・・泉さんの作る朝ゴハン、おいしいですね〜。」

ヘラヘラ・・・


「(なぜかな?あのゆるんだ笑顔を見てると、軽く殺意がわいてくるんだけど・・・全く・・・人の気も知らないで・・・)」

ハヤテ
「?えっと・・・泉さん?ボク、何かマズい事を・・・?」


「別に。おかわりいる?まだたくさんあるよ。」

ハヤテ
「あ・・・じゃあ・・・(何だろ?よくわからないけど・・・何か早く原因を突き止めないと、色々マズいにおいがする・・・)」


「ところでハヤテ君。今晩はどうするの?行く所ないならまた泊めてあげるよ?お父さんも泊まってほしいみたいだし。」

ハヤテ
「あ・・・ご迷惑でないなら・・・その・・・」


「別に迷惑とかじゃないけど・・・いいの?」

ハヤテ
「ヘ?何がですか?」


「何って、そりゃ・・・いいの?カワイイ彼女(西沢さんだったかな?)はほったらかしで・・・」

ハヤテ
「イヤァ、でも・・・(お嬢様は)しばらく放っておいた方が良いっていうか、(全裸を見られて恥ずかしがっているのに)チョコマカ構うのも男としてどうかと思うので。」


「(告白されたからここはあえて冷たくしてってヤツ・・・?)何か意外と考えてるんだね。」

ハヤテ
「ええ、ぬかりはありませんよ。」


「でも今日学校だよ?服はどうするの?さすがに私服はマズいよ。」

ハヤテ
「ああ、その点はご心配なく。」

ハヤテと泉は、白皇学院に登校した。



白皇学院

ハヤテ
「こんな事もあろうかと、常に執事服と制服のスペアは学校に隠してあります。」


「だからって生徒会室に隠すのはダメなんじゃない?ヒナちゃんに怒られるよ?」

ここから先の事は少し簡潔に。

三千院家に99万9988円、つまりほぼ100万が帰って来て・・・

マリアがハヤテの様子を見ようと変装して白皇に行って・・・

ちょっとしたアクシデントでハヤテがマリアを押し倒しかけて・・・

そこを泉に見られて・・・

ハヤテはただで泉家のお世話にはなるまいと・・・

手伝いを決意し執事服に着替え直した。

ハヤテのレベルが1上がった!

ハヤテは気合いを入れ直した!

またこの説明か・・・












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