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第十一話 ボクのプロフィール

今回は短めです。

10/6 クインのスキルに耐魅了を追加しました。

 ここで改めて、ボクについて話をしよう。ボクの正体は、木下ちゃんには知っておいてもらいたい。口にはしなくっても、気にはなってるだろうしね。

 というわけで、話をわかりやすくするためにボクのステータスを開示しておこう。


**********************************


個体名:クイン

種族:世界樹花精セイバアルラウネ

性別:両

職業:ダンジョンマスター

状態:通常

Lv:3/1000

生命力:9677/9677

魔力:57193/105441

攻撃力:2864

防御力:3002

構築力:7296

精神力:7038

器用:4412

敏捷力:1999

属性1:木 属性2:土 属性3:時空


スキル

触手Lv6 粘液Lv6 毒Lv6 吸収Lv4 寄生Lv3 堅守Lv5 誘引Lv6 搾取Lv3 種子Lv4 呪歌Lv4 魅了Lv5 性技Lv5 房中術Lv5 魔力譲渡Lv2

水魔法Lv5 風魔法Lv5 土魔法Lv7 氷魔法Lv2 木魔法Lv7 光魔法Lv4 雷魔法Lv3 闇魔法Lv2 天魔法Lv1 時空魔法Lv6 禁呪Lv3

夜目Lv5 気配察知Lv4 気配遮断Lv4 魔力察知Lv8 魔力遮断Lv8

耐毒Lv8 耐混乱Lv6 耐魅了Lv7 風耐性Lv4 氷耐性Lv3 光耐性Lv7 闇耐性Lv5

光合成・中Lv9 物理抵抗・小Lv3 魔法抵抗・中Lv2 弾性・微Lv2

日本語Lv3 料理Lv3 歌唱Lv5 造園Lv4 魔法工学Lv6 中型魔導車Lv5 小型飛法船Lv4


称号:花精女王の子

   時空精霊の子

   修士

   真理を垣間見た者

   世界を超えし者

   ダンジョン【無銘】の主

   木下・かよの婚姻契約者


**********************************


 はい。大体こんな感じ。


 うん、色々と突っ込みどころがあるのは自覚してる。だから木下ちゃんが絶句してることも、想定の範囲内だ。これでもベラルモースじゃ、中堅程度のステータスなんだけどねえ。ママのステータスは、これの軽く100倍はあるよ?

 とりあえず、木魔法【アロマセラピー】は使った状態で説明に入ったほうが良さそうだ。このままだと驚き続けて死にかねない。比喩だけど。


「まず、ボクは見た目通り人間じゃない。魔人と呼ばれる大きな枠の中の、セイバアルラウネって種族なんだ」


 これは犬という生物の中にもさまざまな亜種が存在してるのと同じ感覚だ。魔人はモンスターが知性や理性を獲得して人格を確立させたことで生じる人種で、ボクはその中の、アルラウネから出た人種ってわけ。

 種族については、真理の記録アカシックレコードの記述を引用しよう。こんな感じだ。


**********************************


【セイバアルラウネ】

アルラウネ種正統進化系統の超上位種。最上位種、オリジンセイバアルラウネからのみ生まれる。

体格は他のアルラウネ種と同程度だが、魔法に極めて高い適性を持つ。

アルラウネ種の特徴でもある花は世界樹の花そのものであり、世界樹の化身とも呼ばれる。


**********************************


 はい。これがボクの素性。


 セイバは世界樹のことで、五十年に一度花を咲かせる。ボクのママは、その花がモンスター化したオリジンセイバアルラウネなのだ。花精女王の子、って称号はそれが理由だね。

 あと、ボクのパパは時空精霊だ。にもかかわらず種族がハーフじゃないのは、ボクの世界にハーフという概念がないからだ。いや言葉としてはあるんだけど、必ず半々の確率で両親どっちかの種族で生まれるんだよね。この地球世界とはその点でかなり毛色が違う。


 ちなみにパパと言っても、優秀な子供をほしがったママに二つの意味で食われてて、とっくの昔に死んでるけどね。探索者としては最上級の優秀な人だったらしいんだけどねー。


 性別が両、ってのは文字通り両性具有ってこと。アルラウネ種は花から生まれたモンスターだから、その性質が出てるんだよね。

 そんなわけで、ボクは男じゃないし女でもない。男でもあるし女でもある、とも言うけど。つまり、男女どっちとも交わることができる。それは本人の自由意思だ。

 我が家でいうと、ママは男の人のほうが好き、ボクは女の人のほうが好き。アルラウネにとって性差ってのは、単にそれだけのことなのさ。


 レベルが3と低いのは、こないだ進化したばっかりだからだね。

 そもそもボクがダンジョンマスターになったのは、幼体から成体に進化できたからだ。それでようやく独り立ちが許されたから、仕事としてダンジョンマスターを選んだんだよね。異世界に行くって言った時はさすがに驚かれたけど。


 それから称号の修士だけど、ボクは大学、大学院とずっと魔法工学を専攻してた。その結果だね。

 修士論文は禁呪の物質への定着について。この研究成果として、【世界跳躍】と【真理の扉】をはじめ、現存する禁呪はあらかた使えるようになったんだ。おかげでスムーズに異世界に定着できた。

 うん、学生時代から異世界に行く気満々だったよね。だって【世界跳躍】なんて魔法見つけちゃったら、行ってみたくなるじゃない? あれ、ならないかな。


 ともあれ、ボクのプロフィールはこんなところでいいかな? 真理を垣間見た者から下の称号は解説するまでもないよね?


 あ、ダンジョンにいまだに命名してないのは、それが一つの切り札だからだ。これはまだ使うつもりはない。


 ……え、年齢?


「故郷と地球の一年は同じじゃないから一概に言えないけど……一応、四十三歳だよ」

「えぇぇぇっ!?」


 すごく驚かれた。【アロマセラピー】使ってるんだけどな。


 まあねー、アルラウネ種って外見年齢は人間の子供くらいのままで止まるから、驚くのも無理はないかなー。人間で四十三って言ったら、寿命の半ばもほぼ過ぎてるもんね。

 でも、セイバアルラウネの寿命が軽く人間のそれを超えることは黙っといたほうがいいんだろうな。ママとかそろそろ五百歳になるはずだけど、超元気だし。


「でも人間に換算すると、大体二十歳くらいだからね。君との年齢差はそこまで無理のある差じゃないよ。安心して」

「は、はい……」


 何に安心するんだ、って感じの顔された。

 ごもっとも。


 ……とまあこんな感じで、説明は続く。


 もちろん、これだけたくさんの情報を一度に提示したって全部理解できるとは思ってない。だから必要なものは必要なときにまた説明するし、聞かれればその都度ちゃんと答える。


 そんなわけで、ボクの自己紹介はこの辺りでいったん終わっておこう。今重要なのは、こんな人外なボクが違和感なく街を歩くにはどうしたらいいか、だからね。


 いや、正直、別に化け物だなんだと言われようが、別に構わないんだけどね。実際その通りだし、そもそも人目のつく時間帯や場所は避けて移動するつもりでいる。観光はしたいけど、落ち着いてからすればいいって思ってるし。

 ただ、さすがに初回は警戒してこの姿は隠したほうがいい、とも思う。絶対に人の目がないとは言えないし、魔法だって万能じゃない。それに、最初からこの姿のままじゃ、交渉の席についてくれないかもしれないし。


 ってわけでどうするか、だけど。


 実のところ、案がないわけじゃない。ボクはダンジョンマスターだからね、DEさえあれば大抵のことはなんとかなるんだよ。特にアイテムという形なら、本当にDE次第でどうにでもなる。


 本来【アイテムクリエイト】は侵入者を釣るための餌としてあるんだけど、別にダンジョンマスターがそのためにしか使っちゃいけないなんてルールはない。

 で、その中に他者に化けられるアイテムがあるんだ。もちろん最上級品はバカみたいにDE取られるからなしだけど、機能をオミットして価格を下げたアイテムは、結構あるんだよね。


 この場合で言うと、人化に限定することで値段を下げられるし、使用回数なんかを設けることでも値段を下げられる。

 今回は、ひとまず江戸に入ってダンジョンを展開するまでの間だけでいいわけだから、この辺りの設定は比較的シビアにして値下げしてもなんとかなる……はず。


「人化……妖怪の世界って、すごいんですね……」


 異世界は妖怪(日本固有の想像上のモンスターをそう言うらしいね!)の世界って認識されたみたいだ。まあ、大体合ってる。


 ほう、と呆れなのか感心なのかわからないため息をつきながら、木下ちゃんがカップをそっと置いた、中身は空っぽらしい。

 話も一段落したし、世界樹の花蜜セイバネクターのおかわり出しとこうか。


 見えないように一旦席を立って、スキル【粘液】でカップに注ぐ。別に、やましい意味合いは一切ない。やましい効果だって一切ない。

 ないったらない。

 でも、ありにすることはできる……。


「……でも、旦那様?」

「なんだい?」


 振り返りながら中身の満たされたカップを差し出すボク。

 木下ちゃんはそれを受け取って、ためらうことなく一口飲んでから続きを口にした。


「その……手形はどうするんですか?」

「……なにそれ?」

「えっと、関所を通るのに必要なんです。これがないと道を通してくれないって……」

「え、パスポートってこと? あるんだ、この国……妙なところで近代的だなあ……」

「それに……」

「え、まだ何かある?」

「はい……あの、女はそれとは別の手形も必要って、お母さんから聞いてます」

「……は?」


 なんだそれ。

 なんで女だけ追加で必要になるわけ? 理解に苦しむんだけど?


ここまで読んでいただきありがとうございます。


というわけで、クインはアルラウネでした。

前回で、そして今回でもクイン自身が両方と言ってるとおり、彼は両性具有ですが、自身も「女性が好き」と公言した通り精神は男性よりですので、作者も作中人物も、クインのことは「彼」として表現しています。

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