僕は時々記憶がなくなる事がある。
医者にいったがどこも異常ないといわれた。
僕は今、彼女と山道を小雨が降りしきる中ドライブしている。
彼女といっても、さっき街で知り合ったばかりだ。
偶然街で彼女をみかけた僕はなんとなく、彼女に声をかけていた。
「ドライブしない?」
「うん」とだけ、彼女は頷いた。
そうして、彼女は僕の車の助手席にいる。
で も、何故? 僕はこんな山道をドライブしている?
思いだせない。
僕はFMラジオをかけた。
DJがニュースを読んでいる。
この近くの山で女性の腐乱死体が見つかったって
僕はラジオの周波数をかえた。
ラジオからはムードのでる音楽がながれている。
僕は彼女の手をにぎった。
冷たい手だった。
「キスしていい?」
「うん」彼女は頷いた。
僕は車を山道の脇にとめた。
僕は彼女の肩に手をまわしてキスをした。
でも……
キスをしている感覚がない。
助手席に彼女はいない。
僕は時々記憶がなくなる。
医者にいったがどこも異常がないっていわれた。
僕は夢を見ていたのか?
でも、ここは自宅のベットの上じゃない。
助手席を見る。
彼女はいない。
ふと、僕はフロントガラスをみた。
彼女はいた。
彼女はふりしきる雨の中、フロントガラスにへばりついていた。
すごい形相で睨んでいる。
これはきっと夢なんだ。
なんで彼女が、僕を睨むんだ。
フロントガラスをもう一度みた。
彼女はいない。
助手席を見る。
彼女がいた、すごい形相で僕をにらんでいる。
彼女は僕の首を絞める。
「くるしーい、助けて」
僕は全てを思い出した。
二週間前のあの日、長くつきあっていた彼女を、
別れ話のもつれで殺したことを……
僕は時々記憶がなくなる。でもやっと病気はなおったようだ。
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