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夜に唄う
作:”太った猫”



夜に唄う ーSinging in the Darkー


「なぜだ、神があのような醜い化け物のハズがない。いや、しかし、この波調はどうは、いや、ならばなぜ、私達の存在が否定される。真っ先に存在を根底から持っていかれるのは貴様の方でなくてはならないはずだ」

「なぜ、私達が堕天だらくしたのか、その意味を考えてみるのだな」混乱の極みにある老人をみて苦笑、そして私は繰り返した答えを返す。

「まさか、まさか…、そんな事が、封じられた教典、禁忌の書、黒き正伝、あれこそが真実を述べているというのか」呆然として老人が呟く。

「そう、つまり皮肉な事にやつが殺したがっている不出来な玩具とはお前達、人間の事なのさ、やれやれ、だな」言って私は神の断片の前に立ちふさがる。

「教えてやるヨシュア、なぜ、私達が貴様ら聖職者の前に跪くのか、この世界から浄化された魔族わたしたち何処いずこへ向かうのか、"神への回帰"そういえば理解できるかな」

 一閃、私の側を通り抜け老人へと向かうその伸ばされた触手を無造作に切断する。

「そう、ここは、この世界はやつの牧場なのさ。神の律法ルールの支配するこの世界、その羊飼いのなれの果て、それが魔族わたしたちだ!!」

「ならば、なぜ、お前はそこに超然として立つのだ。貴様の言う通りそれが、実、真実だと言うのなら、なぜお前はそこに立つ事ができるというのだ!」

再度、苦笑「簡単なことさ、社交性の赤(Nasty Blood)、つまり、神の律法くびきから逃れる方法があるという事さ」

”Singing in the Dark(私 は 夜 に 唄 い)、Vanishing under the Sun(日の光のもとに滅びゆく)”打ち捨てられた聖徒の銃をとり、それの持つ聖性に身を焦がされる中、彼女は唄う。その皮膚は爛れ、頭蓋骨とうがいこつが見え、聖性を多大に浴びたその身は骨だけになってゆく、それでも狂乱するかのように引き金を絞り続けるその姿はまさに魔物と呼ぶにふさわしい。乾いた金属音を立て、彼女の手から銃が滑り落ちる。そうして彼女は神の断片にその存在の全てを喰われた。

「はは、ははははは、やはり、やはり、そうなのだ」狂ったような哄笑、その事実は、彼女の語るその真実は、彼の人生を、生きてきた年月のすべてを、神に捧げた人生の、そのすべての否定。

 それが、老人の見た絶望、両手を広げ、迎え入れるようにして、それを待ち受ける。彼女の言葉を証明するかのように、それは彼を守るように立ちふさがる信徒達をも飲み込み、彼のもとへと迫り来る。穏やかともいえる微笑みで、彼はそれを、自身の絶望を受け入れた。 

 私はそこで正気をとり戻した。これが真実だ。神聖に浄化おかされた私達は神のもとへと還る。

 しかし私が還元される事はない。その私を私という存在としてこの大元から切り離すその源は、皮肉な事にやつら律法を破る者、人間達の血。だからこそ神はこの不秩序ふできな世界を壊したがっている。

 そして、私は目的のものをみつけた。それが私が喰われた理由、神の断片を滅ぼすのに必要な武器ちから「預けていたものを返してもらうぞ」言って私はかつて自身の一部であった武器を取り戻す。それは神が私に与えたもうた魔砲、私の真実の名、それを大源に通じる奴から奪い返す。
 
「我が真名(な)は |魔砲カノン」力ある言葉により私は原初の武器を取り戻す。

 その姿は右肩から巨大な砲塔を下げた異形、そこから彼女を侵すようにして無数の触手が彼女を縦横に貫く。

 その魔砲に自身と一緒に取り込まれた呪力環を直列に接続、律法を破る人間達の血を弾丸とし、刻み込まれた魔術式を反転させるリバース

御元へと還れっイェェィメェェン!!!」放たれたその一撃は、神の断片の結合をずたずたに引き裂き、結果、その存在自体を押しつぶした。












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