問題
以下の問いに答えなさい
(1)4sinX+3cos3X=2の方程式を満たし、かつ第一象限に存在するXの値を1つ答えなさい。
(2)sin(A+B)と等しい式を示すのは次のどれか、①~④の中から選びなさい
①sinA+cosB ②sinA-cosB ③sinAcosB ④sinAcosB+cosAsinB
姫路瑞希の答え
(1)X=π/6
(2)④
教師のコメント
そうですね。角度を『°』ではなく『π』で書いてありますし、完璧です
久遠光一の答え
(1)X=30°
教師のコメント
惜しいですが、ニアミスです。
象限における角度は『°』ではなく『π』で書いてください。
土屋康太の答え
(1)X=およそ3
教師のコメント
およそをつけてごまかしたい気持ちもわかりますが、これでは回答に近くても点数はあげられません。
吉井明久の答え
(2)およそ③
教師のコメント
先生は今までたくさんの生徒を見てきましたが、選択問題でおよそを着ける生徒は君が初めてです。
Fクラス 姫路瑞希 現代国語 339点
VS
Dクラス 平賀源二 現代国語 129点
「え? あ、あれ?」
「ご、ごめんなさい!」
FクラスVSDクラス、姫路瑞希の召喚獣の一撃により、Dクラス代表戦死
この瞬間、試験召喚戦争はFクラスの勝利となった。
「おいおい、一撃かよ。流石は姫路、我らが切り札だ」
「いっいえ、そんな……」
先ほど明久と共に、平賀に攻撃を仕掛けようとした光一は、先ほどの光景を思い出して茶化す。
瑞希もほめられ、顔を赤らめた。
「ほら、明久も……あれ?」
「す、ストーップ! 僕が悪かった!!
先ほどまでいた筈の場所にはおらず、雄二に腕をひねりあげられている明久。
その足元には包丁が落ちており、光一はどうしてこうなったかを即座に理解した。
「あの放送は雄二の指示だから、明久がああなるのは仕方ないが……」
「久遠君は、吉井君には優しいですね?」
「あいつには何故か、通じるものがある様な気がしてな……皆の様にいじる気にはなれんだけだ」
解放されて、顔を青ざめた明久がよろよろと退却。
光一は呆れるも、駆け寄ってポンポンと肩をたたく。
「大丈夫か?」
「うん、まだ大丈夫……生爪はがされるよりは、ね」
「そうか……さて、そろそろしめと行こうか?」
と言う光一の言葉で、雄二をはじめとするFクラスはDクラス代表へと視線を向ける。
敗残軍としてへこたれる中、ゆっくりと力なく立ち上がる代表の平賀源二。
「まさか姫路さんがFクラスだなんて、信じられない」
「彼女は試験の時、体調不良で途中退席したんだ。だからFなんだよ」
「そうだったのか……じゃあ久遠さえ倒せば楽勝だと甘く見た時点で、俺達の負けは確定してたんだな」
さて、ここからは終戦後のルールが適用される。
試験召喚戦争において、勝者が下位クラスだった場合は敗者のクラスの設備を交換する事が出来る。
そして負けた勢力は、3ヶ月経たなければ次の戦争を起こせない。
勝てば英雄の様に扱われる代表も、負ければ戦犯として手酷い扱いを受ける立場……つまり。
「……ルールに従って、クラスは明け渡そう。ただ今日はもう遅いから、作業は明日からでいいか?」
彼はFクラスの最低設備で、クラスメイトに恨まれながら過ごさなければならないという事。
その表情からは、これから受けるだろう恨みと罵倒への不安しか見てとれなかった。
「いや、その必要はない」
……が、雄二のその一言が、それを一気に払い去った。
「え? それは……どういう事なんだ?」
「Dクラスには、ある事をしてもらいたい。それを呑んでくれれば、設備は見逃してやる」
「……話を聞かせてくれ」
雄二に伴なわれ、Dクラスへと歩を進めていく代表。
それに続いて、光一は明久を連れて駆け出す。
「で、代表は何を御所望するつもりだ?」
「言っただろ? Dクラスには、Aクラスを倒すためのステップとして必要な要素があると。それはあれだ」
窓際に歩み寄った雄二が、ある個所を指差した。
それは、Bクラス用の室外機。
「俺達の合図にしたがって、あれを動かなくしてほしい。タイミングは、俺が指示する」
「……わかった。上手くやれば、厳重注意だけで済みそうだ」
最低設備の下で、3ヶ月もの間恨みと罵倒をぶつけられる事を考えれば、まだいい方。
そう考え、平賀氏は呑む事に。
「でも、室外機なんて壊して、一体何の意味が?」
「さあな、代表には代表の考えがあるんだろ。ダメだったら思いきり罵倒してやればいいさ」
「それもそうだね。今回の事で戦争のコツとかもわかった気もするし、次も頑張らないと」
それを見ていた明久と光一の会話が終わった処で、雄二が号令。
本日は解散となった。
「さて秀吉、俺達も帰るか?」
「そうじゃの。ならば代表に明久、お疲れ様なのじゃ」
「ああ、今日はゆっくり休んで明日のテストがんばってくれ」
「じゃあまた明日」
明久に雄二と別れ、秀吉と光一は帰宅準備を整え帰宅。
ちなみに秀吉と光一の家は、お隣さん同士である。
「よもや、ワシらがDに勝つとはのう。光一による物も大きいじゃろうが、流石じゃ」
「ははっ……俺だけっていうの、確定なんだな?」
「いや、明久も立派に戦ったとは思うぞい。だがやはり、光一と比べるとのう」
何事も、フィニッシュを決めた者が映える物である。
それに援護の面でも、彼による戦果は大きい。
「それにしても、疲れたな。なんか食べて帰るか?」
「そうじゃな。精密射撃ともなると、疲れる物かの?」
「当たり前だ。集中状態を維持するって、すごい疲れるんだよ」
「あら、光一に秀吉。今帰り?」
秀吉に近い質の声に振り向くと、そこには……
「何だ秀吉、いつの間に着替えたんだ?」
「光一よ。ワシら姉弟が揃うなりそういうボケをするの、いい加減やめてもらえんか?」
「いや、これって双子だからこそのお約束だろ。そう思わないか、優子」
「アタシはこっち!」
秀吉の双子の姉にして、光一のもう一人の幼馴染、木下優子。
Aクラス所属の優等生であり、教師達から光一達と真逆の意味で覚えの良い模範生である。
「こんなところで何してるんだ? もう殆どの生徒は帰ってる時間なのに」
「職員室で明日配る資料の整理を頼まれたのよ。それより、どうだったの? 試召戦争は」
新学期早々行われた試験召喚戦争は、当然話題にもなる。
「ちと苦労したけど、俺達の勝ちだ」
「じゃあ明日からは、教室が近くなるのね」
「ああ。まあ今日は遅いから、明日から入れ替えだ」
目的はAクラスだと言う事は、伏せておいた。
優子がAクラスだと言う事もあり、ヘタに察知されればこれからに支障が出る。
そう考えての上で、先ほどのやり取りを聞かなかった事に。
「そうなると、明日からは大騒ぎね」
「まあ最低クラスがいきなり2つ上のDを破ったって事は、大きな波紋になるだろうな」
「全く、余計な騒動の火種を作ってくれたものね。まあ学校からしてみれば、好都合なのでしょうけど」
元々学力低下の解決の為のシステムが、試験召喚システム。
テストの点数こそが全てであり、優等生こそが正義が文月学園の理である。
だから現状に甘え、ぬくぬくと過ごしていれば寝首を掻かれる。
そのいい教訓になるだろう。
「そういう意味では、俺達の決起も無意味じゃない訳だ」
「調子に乗らないで! ろくすっぽ努力もせず、不満だけを声高に掲げる様な人たちが調子に乗る事まで、肯定する気はないわ!」
「それは最もだけど、立場と扱いは人を変えるって言うし、明日からは違うかもしれないだろ?」
優子とて楽してAクラスに所属する才女になった訳ではない事は、光一とて重々に理解している。
少なくとも、Fクラスのバカ共とは違うという事は。
「私も、もっと頑張らないと」
「ならまずは、家の中を下着姿でうろつくのはやめ、その関節はそっちに……」
文月学園に、断末魔が響き渡った。
そして、その帰り道
「いってー……復活に時間がかかるまでやることないだろ」
「うるさいわね、私の評判に傷がついたらどうする気よ!?」
「その前に問題児とはいえ、堂々と同級生に暴力をふるう時点でおかしくないか?」
怒りのオーラを纏い、先ほどやられた個所を摩る光一を睨みつける優子。
実は彼女、学園では模範的優等生である事で有名だが、プライベートではドがつく程ズボラだった。
「それに言われたくないなら俺が来た時位まともな格好してくれ。100歩譲ってジャージ位は」
「いや、それもどうかと思うのじゃが」
木下姉弟とは幼馴染と言う間柄で、しかも家が隣なので彼は遊びに行く事が多い。
だから、優子の下着姿を見た事は1度や2度ではない。
「まあ見慣れた上に寸胴だから、大して面白くも何ともないけど」
「それは腕と足がいらないと解釈しても良いのね?」
「ん? 光一よ、あれは明久ではないか?」
秀吉の視線の先には、とぼとぼと歩いている明久の姿。
流石に光一と秀吉以外に暴力的な姿を見られるのは勘弁なのか、優子もそれを聞いて殺気を納めた。
「よう明久、どうした?」
「ん? ああ、光一に……あれ、秀吉? どうして女子の制服着てるの?」
「ワシはこっちじゃ。それはワシの姉上じゃ」
「姉上って、じゃあもしかして木下優子さん? へえっ、確かに秀吉そっくりの美少女だね」
「ワシを基準にするでない」
秀吉とは仲が良くても、優子とは縁の薄い明久。
基本遊ぶのは明久の家である事が多い為、彼女とは面識がなかった
「彼が“観察処分者”の吉井明久君? へえっ、どんな極悪人かと思ったら、意外とまともそうね」
「極悪人って……ねえ、僕の評判って一体どうなってるの?」
学園1の過激派と名高い光一の相棒なのだから、そういうのも無理もない。
「それより、どうしたんだ明久? 偉く落ち込んでるようだけど?」
「あっ、うん。ちょっとショックなことがあってね」
「ショック? ……何があった?」
光一がかけより、明久と向き合う。
それを優子が、顔を赤くしてそれを凝視し始める。
「……」
「フムッ、そういえば、姉上の部屋に光一と明久のあっ、姉上っ、違っ! その関節は、そっちに曲がらな……」
訂正、優子が秀吉に関節技をかけつつ、その光景を凝視し始める。
「姫路さんに、好きな人が居るって話を聞いてね」
「ああっ、その事か」
「あいたたた……なんじゃ、随分と面白そうな話ではないか?」
「姫路さんって、あの姫路さん?」
恋の話ともあって、木下姉妹(笑)もそれに駆け寄った。
秀吉は先ほどやられた関節技の痛みで、よろよろと遅れての到着。
「それが誰かっていうのが、わかっちゃったから」
「おっ、そうなんだ」
光一はにやにやとし始め、優子と秀吉はその様子を見て光一の考えに感づいた。
(姫路さんって、まさか吉井君の事を?)
(うむっ、明久に話しかけられ動揺しておったり、お弁当を作ろうかと提案したりとかの)
(そうなんだ。彼も“観察処分者”なんて言われてる割には、意外とやるわね)
勘づいてからは、2人してこそこそと内緒話。
美人姉妹の内緒話と言うのも絵になる光景だが、そこは割愛。
「でも意外だったな……まさか姫路さんが、雄二の事が好きだなんて」
「ああ、そりゃ確かに…………「「はい?」」」
光一と秀吉、優子が明久の口から出た答えに、素っ頓狂な声を揃えてあげた。
「ちょっと待て。今なんつった?」
「だから、雄二だよ。驚くのも無理ないかもしれないけど」
「一体なぜ、そのような答えに至ったのじゃ?」
「さあ? でも、姫路さんも雄二と話してる時一生懸命だったし、あそこまでだったらクラスメイトとして、応援してあげないとね」
と、明久は自分の家の方向へと走り去ってしまった。
その場に残された人間は……
「あれって多分、坂本君に吉井君の事を相談してた場面に出くわした……そう考えても良いのよね?」
「うむっ、確実にの……姫路も気の毒にのう。自身の行動が、これ以上ない程裏目に出るなどとは」
「明日は違う意味でも、大きな波紋が起きそうだな」
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