ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
試験召喚戦争編
第三問
問題
以下の英文を訳しなさい
『This is the bookshelf that my grandmother had used regulary.』

姫路瑞希の答え
『これは私の祖母が愛用していた本棚です』

久遠光一の答え
『これは私の祖母が愛用していた本棚です』

教師のコメント
正解です。きちんと勉強していますね。
しかし、久遠君は素直に喜べないのはなぜでしょうか?


土屋康太の答え
『これは』

教師のコメント
訳せたのはThisだけですか


吉井明久の答え
『☆●◆▽♪*― ―』

教師のコメント
出来れば地球上の言語で。










試験召喚戦争 Dクラス対Fクラス

「よし、Fクラスの……げっ! あれは、さっきの! まさかあいつ、やっぱ久遠光一か!?」
「うっ、ウソだろ!? 何であの久遠が先陣なんだよ!?」
「くそっ、騙された! そうだとわかってたら、中堅に回ってたのに!!」

DクラスとFクラスの先遣部隊の衝突。
……だがDクラス先遣部隊は、その先頭に立つ少年の姿に怖れ、即座にパニックに陥ってしまう。

「すごいね。光一の姿を見た途端、皆動揺しちゃってるよ?」
「このどこから見ても立派な青少年に対して失礼な……」
「普通どこから見ても立派な青少年は、モデルガンとは言え銃を持ち歩かんと思うのじゃが」

その後ろに従えるは、彼の相棒の吉井明久と幼馴染の木下秀吉。
先遣隊長を買って出た久遠は、手を掲げて号令を。

「よし、やるぞ!」
『おおーーーっ!!』
「くっ……ひっひるむな! 所詮はFクラスなんだ。俺達はDクラス、勝てるぞ!!」
『おっ……おお!』

向こうも先遣隊長が負けじと、号令を上げるが……
やはり、尻込みしてしまい意気消沈。

「では、始めてください」

学年主任の高橋女史の立会、彼女を中心に召喚フィールドが展開される。
先陣を切ったのは、Fクラス

「Fクラス先遣隊隊長久遠光一、行くぞ! 召喚獣召喚、サモン!」

光一の足もとに幾何学的な図形が現れ、その後に召喚獣が現れた、
毛皮のジャケットに、黒いスラックスに編み上げブーツ、そして右手にはライフル、左手に自動拳銃を持ったデフォルメ光一。

「やっぱり光一のって、銃なんだね?」
「俺と言えば銃だ。それ以外が出たら、召喚システムの方に欠陥があると断言できる」
「久遠君、問題発言……」
「よし、光一に続くぞ! 吉井明久、出る!」

高橋女史の声は、即座に明久にかき消された。
続いて全員が召喚獣を次々と召喚。

「くっ……ひっひるむな! 相手は所詮はFクラス、俺達Dクラスなら敵じゃない!!」

尻込みしているのがわかる先遣隊長の号令で、Dクラスも応戦。
まず1人が、光一の召喚獣めがけて襲いかかった。

「久遠光一、その首もらったあ!!」

その召喚獣に光一の召喚獣はまずライフルを構え、引き金をゆっくりと引いた。
放たれた弾丸は敵召喚獣の腕を弾き、武器を落とした所をすかさず左手に握られた拳銃を構え、何発も撃ちこむ。

「そっそんな……!?」
「確かに俺は所詮Fクラス程度の点数だが、お前らはミスをした。俺の弾丸は必ず当たる」

そのままライフルを召喚獣の頭にむけ、それで撃ちぬいた事により敵召喚獣は持ち点0となって消えていった。
それと同時に

ドンっ!!

と言う効果音を上げて現れるは、チンパンジー……もとい、生徒に畏怖をもって“鉄人”称される漢。
補習室の暴君にして、生活指導の鬼と呼ばれる西村教諭の姿。

「てっ鉄人!?」
「戦死者は補習室へ集合!!」

先ほど光一にやられた召喚獣を操る生徒が、あっという間に担がれてしまった。

「さあ来い、この負け犬が!!」
「いっ、嫌だ! 鬼の補修は嫌だああああ!!」
「安心しろ。“趣味は勉強、尊敬する人は二宮金次郎”と言う、立派な模範生に仕立て上げてやる!」
「たっ助けて!! 誰か……助けてええええええ!!!」

死に物狂いで逃げようとするも、びくともせず。
そのままその生徒は、補習室へと連行されていった。

その場に残った、自身にも起こりうる最悪の未来……その戦慄を残して。

「哀れな……じゃが、これは戦いじゃ。躊躇えば、次は我が身やも知れん」
「じゃあ俺のは遠距離型だから、後方援護に回る。明久と秀吉は俺のガードを、皆は今のうちに各個敵をたたけ!」
「あっ、ああ。よし、やれるぞ!」
「久遠が居れば、おそるるに足らずだ!!」

光一の号令と活躍で一気に士気が上がった傍らで、犠牲者が出たDクラスはいきなり動揺。
それもそのはず、一歩間違えばああなっていたのは自分かもしれないのだ。

「なっ、なあ……逃げないか?」
「そっそうだよ! あいつと戦う位なら、俺もうFクラスの設備でいい! 鬼の補修が確定されるなんて嫌だ!」
「そうよ! あんなのがFにいるなんて、聞いてないわよ!!」
「だっ、だったら誰か、五十嵐先生と布施先生を呼べ! 確かにあいつは恐ろしいが、点数は所詮はFクラスなんだ。消耗させれば後はこっちの物だ!」

召喚獣は、召喚者が最後に受けたテストの点数で、強さが決まる。
そして消耗に応じて点数が減っていき、0点になれば戦死。
他にも細かなルールはあるが、ここでは割愛。

『久遠光一 総合科目890点』

「流石、銃に関してはすごいのう。まるで熟練の技じゃ」
「秀吉、俺を誰だと思ってる? それより中堅部隊を何人か呼んでくれ。明久、お前は俺のガードだ」
「うん、わかった」
「任せるのじゃ」

明久も召喚獣を出し、秀吉はいったん後退。
ふと、秀吉が立ち止った。

「そういえば光一」
「ん? 何だ秀吉?」
「何故、明久とのコンビなのじゃ? 成績や付き合いで言えば、ワシの方が上じゃというのに」
「俺の召喚獣の特性と、明久の“観察処分者”の利点……まあそれは、すぐわかるか」

Fの兵隊を倒した敵召喚獣が、光一の召喚獣めがけて襲いかかってきた。

「よし、もらった!!」
「明久、頼む!」
「ええ!? ……援護は頼むよ!?」

それを、改造制服に木刀と言う装備の明久の召喚獣が食い止めた。
敵召喚獣が、そのまま力押しで押し切ろうとしたところで……

「明久」
「うん」

明久が受け流し、敵召喚獣が体勢を崩したところで光一の召喚獣がその頭にライフルを当てて……。

「鉄人、補習室1人追加でーっす」

と、笑顔で宣言したと同時に、ライフルの引き金が引かれた。

「西村先生と呼ばんかバカ者が!」
「俺の事より、戦死者が逃げようとしてますよ?」
「ひっ!」
「ちぃっ、逃げられると思うな!! 戦死者は1人残らず補習だあああ!!!」

人間とは思えないスピードで駆け出し、そのままとらえ補習室へ。
その場に断末魔の名残にも似た戦慄を残して……

「流石は観察処分者。動きに精密さがあるから、相手の隙を作るにはこれ以上ないパートナーだ」
「え? どういう事?」
「お前は召喚する機会が多いだろ? それにフィードバックもあるから、通常より高精度な動きが出来る。俺は精密射撃が得意だから、お前とは相性が良い」
「??? ……よくわからないけど、でもこれならいけそうだね! 光一が居てくれて助かった」
「油断するな明久……ちっ、まずい!」

光一の視線の先には、2人の教師の姿。
化学の五十嵐教師と布施教師。

「全員分隊を維持して、敵を確実に撃破する事を考えろ!」
「雑魚に時間をかけるな!」

戦線は拡大され、あちこちでは個別にぶつかり始める。
DクラスとFクラスでは、単体での戦闘はあまりにも分が悪く、押され始めていた。

「さて……明久、化学は?」
「……聞かないで」
「奇遇だな……」
「明久、光一よ! 援軍じゃ!!」

そこへ秀吉が美波をはじめとする、中堅部隊の援軍をひきつれ登場。

「ちぃっ、合流は絶対にさせるな!」
「言った筈だぜ? 俺の弾丸は当たる……それは」

光一の召喚獣が両手の銃を構え、辺りを見回し始める。
そして、光一が軽く息を吸い……。

「動く多数の的だろうと、例外じゃないんだよ!」

左手に握られた拳銃から放たれた弾丸が、敵召喚獣の足を。
右手に握られたライフルから放たれた弾丸は、敵召喚獣の武器を破壊。
しかも全て命中し、大半が行動不能に陥った。

「よし、今のうちに下がれ! ……ちときついわ、これ」
「すっすごいね。本当に全部当たってたよ?」
「射撃に関しては、俺にミスはない……それより先遣は中堅と交代だ! 補充テスト受けるぞ!」

久遠光一 化学 12点

「まずい、無事な奴は久遠に攻撃をしかけろ! このチャンス、絶対にものにするんだ!!」
「危ない、光一!」

光一の召喚獣を狙った敵召喚獣を、明久の召喚獣が対抗。
召喚獣の拳銃が火を噴き、敵召喚獣の腕に当たって武器を落とした。

久遠光一 化学 1点。

「ギリギリ持ちこたえたか」
「今のうちに、補給を!!」
「すまん明久、恩にきる!」

先遣部隊は補給に。
明久と秀吉は、中堅部隊と合流してDクラスと交戦。


Fクラスの教室にて。

「それで、明久とのコンビはどうだ?」

化学の補給テストを受けている最中、代表の雄二からの言葉。

「予想以上にしっくりくる。あいつの観察処分者の肩書き、俺とのコンビなら最強に出来るな」
「成程。流石は久遠だ、-1+-1兆を、10にも20にもできるか」
「さり気に人をけなすんじゃない。しかも何で片方の桁が違うんだよ?」
「坂本ー! 吉井副隊長から伝令だ!」

全く……とぼやきつつ、テストを進める光一。
最も彼は、学力はFクラスにふさわしい程度しかもっていない。

「あのぉ……」
「ん?」

そこへ、この戦争の切り札であり、現在全科目のテストを受け直している最中の瑞希が声をかけた。

最後に受けたテストは振り分け試験の為、途中退席した彼女は現在全科目0点。
なので現在、テストを受け直している最中だった。

「吉井君、大丈夫でした?」
「あいつなら大丈夫。俺とのコンビネーションで自信をつけた筈だから」
「本当ですか? 良かった……」
「ははっ。まああいつとはこの学園からの付き合いだけど、そう簡単にやられやしない……」

ピンポンパンポーン♪

『連絡いたします! 船越先生、船越先生。吉井明久君が、体育館裏で待っています。教師と生徒の垣根を越えた、男と女の大事な話があるそうです!』

「……と信じたいな。可能性、恐ろしく低いかも知れんが」
「あっ、あははっ……」
「よし、これで戦線拡大阻止は大丈夫だろ。さて、そろそろ中堅部隊と合流するぞ!」

船越教諭 45歳独身
婚期を逃し、ついには単位を盾に生徒に交際を迫る様になった女性教師。

吉井明久 本日2回目の生贄となる。
生存確率 0.0(数ケタ省略)01%

「……つくづく思う事だが、あいつ明久の人生と命をなんだと思ってるんだ? よりにもよって船越女史の生贄に捧げるだなんて、正直容赦ないを通り越してるだろ」
「あっ、あの……」
「……明久、もし生まれ変わりがあるとしたら」
「久遠君! 吉井君はまだ死んでませんよ!?」

数分後、身心ともに憔悴しきった姿で補給試験を受ける明久の姿があったという。


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。