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いや、まさかここまでとは、バカテス人気恐るべし!
ご意見、ご感想があれば、作品の糧となるのでぜひお願いします
清涼祭編
第十九問
頭の体操として、一風変わった英語のクイズをどうぞ
「①」と「②」に当てはまる語を答えてください。
『マザー(母)から「①」を取ったら「②」(他人)です』

姫路瑞希の答え
『マザー(母)から「M」を取ったら「Other」(他人)です』

教師のコメント
その通りです。マザーから「M」がなくなると他人という単語になります。こういった関連付けによる覚え方も知っておくと便利でしょう。


久遠光一の答え
『マザー(母)から「暴言」を取ったら「別人」(他人)です』

吉井明久の答え
『マザー(母)から「お金」を取ったら「親子の縁を切られるの」(他人)です』

教師のコメント
英語関係ないじゃないですか。


土屋康太の答え
『マザー(母)から「M」を取ったら「S」(他人)です』

教師のコメント
土屋君のお母さんが『MS』でも『SM』でも、先生はリアクションに困ります










「あいつら、4階に逃げたよ!?」
「4階!? だとすると、あいつら3年か?」

2人は3-Aの“迷路風お化け屋敷”に逃げ込んだ。
3人もすぐさま追いかけようとする。

「いらっしゃいませ、3名様ですね?」
「いや、5名だ。金は後ろの奴が払う」

と、何の躊躇いもなく後ろの連中に会計を押し付けた雄二。
そして3人は中へ。

「暗がりだから気を付けろよ?」
「そうだな。あいつら、どんな罠を仕掛けてやがるか……」

暗がりだから、周りが良く見えない。
だからこそ罠や奇襲がかけやすく、むしろ追う側にとって不利な状況。

「それにしてもあの常夏コンビ、一体どういうつもりで……」

と、そこで明久の前に何かが現れた。
男子の制服を纏い、坊主頭で、頭には……

「見つけたぞ、変態!」
「でかしたぞ明久、覚悟しろよ変態」
「今なら土下座して洗い浚い白状して今日明日タダ働きするなら、40万ボルトで許してやるぞ。変態」
「変態変態言うんじゃねえ! くそ、ここまで追ってくるなんて、しつこい奴らだぜ!」

変態坊主はすぐに奥へと走り出す。
光一はすぐさまエアガンを構え、撃ちだした。

「あいてて! 常村、今だ!」
「ああ、壁を倒して閉じ込めるぞ!」
「まッまずい、脱出だ!」

3人は退散し、入口へ。
だが、いつまでたっても壁は倒れてこない。

「……あれ? 壁、倒れてこないね?
「ハッタリか……やられた」

と、変態坊主の姿も見えなくなり、3人は諦める事に。
ふと、光一が時計を見る。

「あっ! そろそろ時間だぞ!?」
「まったく、あの連中の所為でおちおち集中出来やしないよ」
「ああ。まあ閉じ込められる心配もないだろうし、ゆっくりと……」

「あっ! さっきの無銭入場客!」

当然だが、先程の受付が駆け寄ってきた。

「げっ、まずい!」
「走るぞ明久、光一!」
「ああもう! 今日はこんなのばっかりだ!」

3人は受付に追われながら、教室へと戻って行った。


そして3回戦

「“爆発”!」

光一が撃ち出した銃弾を中心に、試合会場で爆発が巻き起こる。

「久遠・木下ペアの勝利です!」

秀吉の召喚獣が長刀を、光一の召喚獣が銃を掲げる。

「それにしても、危なかったの」
「物理で俺に勝てる奴はいない」

『2-Fクラス 久遠光一&木下秀吉 物理552点&53点』
  VS
『3-Aクラス 堀田雅俊&金田一新之助 物理301点&392点』

3-Aのコンビと当たるとあって、雄二はそれを考慮したうえで光一の最強武器を選択していた。
科目によっては、最強にも最弱にもなるのが光一である。

「ワシはやはり足手まといか」
「観察処分者じゃない明久って所だろうな、この場合」
「それはワシが何の能もない役立たずだと言いたいのかの?」
「お前も大概明久に酷いな」

と、常夏コンビにめちゃくちゃにされた喫茶店の経営へと戻っていく。
ちなみに最低コンビの方は、相手が食中毒で不戦勝。

「さて、失った客を取り戻すためにも、何かインパクトが欲しいところだな」

教室の中は空席だらけで、とてもうまく行くとは到底思えない光景。
酷い悪評が広まっている以上、それを払拭する何かが欲しい所。

「で、一応用意したのがコレだ。安直だが、効果は絶大な筈」

雄二は刺繍も見事な、水色と白のチャイナドレスを取り出した。
作:ムッツリーニ

「成程ね。これなら確かにインパクトはあるはず」
「ああ。これを……明久が着る」
「“雄二が明久に女装を強いて、襲いかかろうとしている”っと。んじゃ、霧島に送信……」

雄二の浮気対策と称し、光一は翔子のメアドを教えてもらっていた。

「冗談だ。頼むからそれだけはやめてくれ!」
「だったら真面目にやれ。というか、何で霧島は性別を些細な問題程度にしか認識しないんだろ?」
「俺が聞きたい!」

つくづく、この学園はどこかこう変な奴ばかりだと、改めて認識した光一だった。
無論光一も、自分が非常識である事は自覚してはいる。

「たっだいま~。皆無事に勝ち残れて、よかったわね」
「3回戦、不戦勝だったそうですね? 残念です、吉井君の試合見たかったのに」
「鉄砲のお兄ちゃんたちも勝ったよね? 鉄砲のお兄ちゃんの試合、すごかったよ」

そこへ、ちょうど女子3人が戻ってきた。

「ちょうど良かった。実は……って案が出たんだけど、頼めるか?」
「え! それを着るの!?」
「さっ流石に、それは……」

2人は少々過激な格好になる事に、抵抗を見せた。
光一がちらりと明久を見て、ピンっと閃く。

「明久、チャイナドレスは好きだよな?」
「大好……愛してる」
「言いなおす意味がないぞ?」

吉井明久は、ウソがつけない人間である。

「し、仕方ないわね。店の売り上げの為に、仕方なく着てあげるわ」
「そ、そうですね! お店の為ですしね」

明久の進言で、言葉とは裏腹に我先にと服を手に取る。

「お兄ちゃん、葉月の分は?」
「え? 葉月ちゃんも手伝ってくれるの?」
「お手伝い……? あ、うん! 手伝うから、あの服葉月にも頂戴!」

葉月の真意は別の処にあったのだが、この際はと葉月は頷いた。
その言葉を受けて、ムッツリーニはすごい勢いで裁縫を始める。

「それじゃ、3回戦が終わったら着替えますね」
「いや、今着替えてくれないか? 宣伝の意味合いもあるから、できれば頼む」
「お願いだ!」

と言って、明久は頭を下げた。

「もしかして吉井君達、私の事情を知って……」
「仕方ないわね。クラスの設備の為だし、協力してあげるわ。ね、瑞希?」
「あ、は、はいっ! これ位、お安いご用です!」

と、美波と瑞希は賛同。
それから2人は、チャイナドレスを抱え教室を出て行った。

「…………できた」
「できた!? まだ数分もたってないだろ!?」
「…………朝飯前」

そして秀吉と葉月がそれに着替え、宣伝に回る事に。
光一も厨房の持ち場へと戻ろうとした時、雄二に止められた。

「それと、光一。お前も宣伝に回れ」
「え? 俺も?」

驚く光一だが、雄二が顎である方向を指した。

「ねえ、あの人じゃない? さっき銃の召喚獣使ってた人」
「うん。ちょっと頼りなさそうだけど、よくない?」

と、ちらほら居る女性客が光一を見て、話題へと上げていた。
一般の見る中で3-Aを堂々の実力で破ってきた以上、話題となるのは当然の話。

「とまあ、そう言う事だ。憎らしいが、これも喫茶店の為だ」
「まさか、俺みたいな危険人物№1がね……」
「光一ならあり得るよ」

明久は基本、光一に対しては素直に尊敬と相棒としての情を持っている。
なので、雄二や他のクラスメイトに対してのそれは、全くない。

「(それに、あの常夏コンビがこのままとはとても思えんしな。そんな中で秀吉とチビッ子だけをうろつかせる訳にもいかんだろ)」
「(……用心するに越した事はないってところか? わかった)」

幼い子供に暴行を加えたりなどはないだろうが、学園祭で営業妨害するような奴ら。
だからこそ、ある程度の護身は必要となる。

「じゃあ、頼むぞ」
「ああ」


そして時間は過ぎ、瑞希&美波ペアが戻ってくる時間帯。

「何とか持ち直したな」
「ああ」

光一と雄二は、活気を取り戻した教室を見回して悦に浸る。

「さて、ここからが本番だ」
「ったく、どうして学園祭で妨害を気にせにゃならんのやら?」

と、吐き捨てるように光一が言うと、ウエイターに精を出す。
光一は“本性を知らければ”それなりの為、その辺りの評判も起因しているため女性客も多い。

「では、ゴマ団子2皿と本格ウーロン2つですね? では少々お待ちくださいませ」

慣れない接客に精を出しつつ、荒事担当の業務もしっかりとこなす光一。
ふと、明久と秀吉の2人と話す竹原教頭を見つけた。

「……竹原、教頭?」

明久と秀吉との付き合いの中で、教頭と縁がある様な話はない。
特に秀吉はともかく、明久は開校以来初の観察処分者であり問題児であり、縁がない教師が話しかける人間じゃない。

「どうした、光一?」
「いや、ちょっと珍しい光景が……ん?」

ふと見ると、その光景を他校の者と思われるガラの悪そうな3人が見ている。
明久と秀吉が、美波から何やら指示を受けると、2人して教室の外へ。
それを見ていた3人が、それを追って出て行った。

「(……黒幕が見えて来たかも知れないな)」
「(何だと?)」
「(明久と秀吉が危ないかもしれないから、ちょっと出てくる。雄二は教頭から目を離さないでくれ)」
「(教頭!? ……わかった)」

「…………明久と秀吉は? 餡子も足りなくなった」
「じゃあ、俺が行ってくるよ」

光一は明久達を追い、一路空き教室へ。
空き教室から声が聞こえ、そこで戸が閉められた。

「おい明久、秀吉。餡子も足りなくなったから俺も手伝うよ」

と、あくまで普通を装い、中へ。
そこには、秀吉をかばう明久の姿と、先程明久達を見ていたチンピラ。

「あっ、光一!」
「コイツどうする?」
「面倒だから、一緒にやっちまおうぜ!」

と、1人が光一めがけて襲いかかった。

「どうしてこう面倒ばかりあるのかね?」

チンピラが繰り出したパンチをかわし、すれ違いざまにスタンガンで殴りつける。
そこで悶絶した不良をほっといて、明久と秀吉に殴りかかるチンピラにスタンガンを投擲。

「あぐあっ!!」
「ぐうああっ!!」


それから1分後

「おっ、覚えてろっ!」
「テメェの面、忘れねぇから!」
「夜道に気を付けろよ!」

負け犬3匹が、よろよろと逃げ出して行った。

「大丈夫か?」
「あっ、うん。ねえ光一、あの連中何だったかわかる?」
「さあな……さっきの営業妨害の続きかもしれない」

喫茶店の営業妨害、明久と秀吉を狙った襲撃。
両方で見る教頭の姿に、光一は疑問を抱く。

「とにかく、急いで戻るぞ。ムッツリーニが待ってる」
「はいよ」
「承知した」

茶葉と餡子を抱え、喫茶店へと戻る3人。
その喫茶店には、既に教頭の姿はなかった。

「あっ、そうだ秀吉。お前これもっとけ」

光一は秀吉に、スタンガン(30万ボルト)を手渡した。

「光一よ、いくらなんでもこれは……」
「営業妨害と言いお前らを狙った襲撃と言い、どうにも解せない事が多すぎる。用心に越した事はない」
「確かに、ちょっと不自然過ぎるね……」

明久も流石に、立て続けに起こる騒動に不安を感じていた。
光一は周りを気にしつつ、接客へ戻る事に。

「よっ、お帰り(どうだった?)」
「力仕事はやっぱきついな(やっぱり明久と秀吉を狙った襲撃があった)」
「もっと鍛えろよ、このモヤシ(成程な……ちっ、面倒な事になりやがった)」
「モヤシ言うなゴリラ(雄二、後でお前の考えを教えろよ? どうせもう何かつかんでるんだろ?)」
「誰がゴリラだ(ああ、最悪ババアも交えて話す事になるだろうがな)」


そんなこんなで、特に問題もなく4回戦の時間。

「やれやれ……きつすぎるにも程があるぞ?」
「確かにのう……」

本当は、明久・雄二ペアが瑞樹・美波ペアと当たる為、美波の鬼門科目である古典を選ぼうとしていた。
だが光一にとっても鬼門科目である為、美波が苦手で光一がある程度取れる科目“現代国語”で行く事に。

しかし……

「やほーっ、久遠君に優子の弟君」
「すみませんが、今回も勝たせていただきます」

2-Aで光一が戦った佐藤美穂と、ムッツリーニに負けた工藤愛子。

『2-Fクラス 久遠光一&木下秀吉 現代国語99点&64点』
  VS
『2-Aクラス 工藤愛子&佐藤美穂 現代国語295点&215点』

「へぇっ、結構成績良いね」
「一応、うちのゴリラがバカやった1件以来、それなりに勉強はしたからね。それに元々が古典と化学と日本史と世界史が全部1ケタと壊滅的なんで、総合じゃFの中堅辺り」
「……偉く極端だね? 確かに物理がすごくても、Fクラスで無理もないかも」

重ねて言うが、彼は教科によっては最強にも最弱にもなるのである。

「さて、行こうか」

光一と秀吉の召喚獣が、それぞれ武器を構える。
そして愛子と佐藤の召喚獣も、同様にする。

「工藤さん、腕と足を気を付けてください」
「わかってるよ」

光一の攻撃パターンの研究は、前回の試召戦争で済んでいる。
その為、点数で勝っている事もあり既に勝利を確信していた。

「おいおい、忘れてないか? これがタッグ戦だってこと」
「またまた。吉井君とのペアならまだしも、優子の弟君じゃ戦力には……」
「工藤さん、来ます!」

まず秀吉の召喚獣が、長刀を突き付けながら突進!

「突進? なんで……」
「とにかく、迎撃しましょう」

と、佐藤の召喚獣が鎖鎌を投げつける。

「あっ! 待って美穂!」
「え?」

秀吉がそれをかわし、その直後佐藤の召喚獣が銃弾を受けた。
そのちょうど後ろでは、銃を向ける光一の召喚獣が。

「成程ね。弟君の背後での動きに合わせての射撃か」
「ですが、これは少しでも狙いを外せば味方を殺す様な物。どういう神経しているんですか?」
「光一の弾丸は狙いを外す事はない。ワシはそう信じておるから、迷いはないのじゃ」
「まあ、そう言う事だよ。行くぞ」

その後、攻撃は大半が光一の銃弾に弾かれ、秀吉の地道ながら攻撃を続ける事で、相手の点数は削れる。
ラストは光一の銃弾が2体の召喚獣を撃ち抜き、勝負は決した。

「勝者、久遠・木下ペア」

ボロボロになりつつも、勝利を手にした2人は晴れやかな表情。

「やれやれ……信じても、やはり精神的に疲れる事に変わりはないのう」
「相手はAクラスだから、仕方ないだろ? まあ後でゴマ団子奢ってやるから、な?」
「ならば、早速相伴にあずかろうかの? さて、すぐに戻るぞい」

と、駆け足で去って行った。
それを見て愛子は一言。

「久遠光一君か……優子はいらないって言ってるし、貰っちゃおうかな?」

と言った事は、誰一人の耳に届く事はなかった。


所変わって。

「ただいま」
「あっ、鉄砲のお兄ちゃん! お客さんがいっぱい来てくれたよ?」

葉月が2人の、というより光一の姿を見るなり、トトトッと駆け寄ってきた。

「へぇっ、こりゃすごいな。葉月ちゃん、お手伝いありがとう。バカなお兄ちゃんも喜ぶよ」
「ホント? バカなお兄ちゃん、早く帰ってこないかな?」
「ありゃりゃ、こりゃ俺の負けかな?」

おどけたように肩をすくめると、秀吉と顔を見合わせて苦笑。

「ねえねえ、あの人たちじゃない?」
「あの2人、付き合ってるのかな?」
「そうじゃないの? だってあんなコンビネーション披露する位だから」

先程の試合を見たらしい客も入ったらしく、それぞれが声を上げる。
それを聞いて、秀吉が苦笑したのはお約束。

「ワシは男じゃと言うのに……」
「ぱっと見じゃ、優子と見分けがつかないからな。無理もないよ」
「ただいま」

そこへ明久をはじめ、4回戦でぶつかった4人が戻ってきた。
葉月が明久に駆け寄り抱きついて、頭を撫でて貰っている。

「お、あの子たちだ!」
「近くで見ると一層可愛いな!」
「手伝いの小さな子も可愛いし、レベルが高いな!」

それを見たお客が、更に声を上げる。

「で、どっちが勝った?」
「雄二、かな?」
「そうね。坂本の1人勝ちね」
「ですね」
「? 良くわからんけど、そろそろ仕事に戻るぞ?」

光一がそう掛け声をあげると、瑞希と美波、明久と光一と秀吉は接客に。
雄二は一旦厨房に入る事に。

「いらっしゃいませー! 中華喫茶ヨーロピアンへようこそー!」


「ちっ……まさか2組して、準決勝まで来るとはな」
「俺達の相手は、あの久遠とかいうスタンガン野郎のペアだ。金田一と堀田を破った以上、並の相手じゃねえが……」
「まあ落ち着け、所詮は二年坊主だ。年季の入った戦いって物を見せてやればいい」


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