問題 威風堂々の意味を答えなさい
姫路瑞希の答え
『態度や雰囲気に威厳が満ち溢れ、立派な様子である事』
教師のコメント
正解です、流石は姫路さんです。
一部生徒の答え
『大神白夜』 or 『鉄人(西村先生)』
教師のコメント
先生も彼らほど威風堂々を言い表せる人物を知りません。
Fクラス生徒の答え
『FFF団』
教師のコメント
君たちの場合は“恥知らず”と言うのです。
FFF団。
風紀委員を母体として、クラス内の不純異性交遊を制限すべく生まれた組織。
クラス内で異性との関係を持つ者あらば、理不尽な怒りが即座に頂点。
影のごとく現れ、沼の様にとらえ、津波のごとく処罰し、その勢い噴火のごとし。
現在では光一絡みの騒動を経て門戸を広く開門し、学年はおろか学園そのものにまで彼らの異端審問会は及んだ。
“自称”正義の彼らは、自信の正義を信じて疑うことなく進み続ける。
……周りにその活動のせいで煙たがられていても、決して気付かないままに。
「進め! 奴らは異端者にして我らが正義を侮辱した罪人ぞ! 一人残らず駆逐せよ!!」
「「「おーーっ!!」」」
2年対3年、学年単位の試召戦争。
旧校舎の階段にて、彼らFFF団は防衛線を展開していた。
「くそおっ、何だよこいつらは!?」
「異様な装備と言い空気と言い、やりづらい!!」
当然3年の防衛戦線組には、彼らの被害者がいた。
……が、彼らの異様な雰囲気に押されていて、大半が特攻で葬られる。
異端審問会は決して退かない。
理不尽な怒りの赴くままに、その猛威は鬼の補習すらものともせず進み続ける。
その眼は、腕は、脚は、そのすべてが、異端者を喰らうためだけに。
「「「ゆ~る~さ~ん~!!」」」
「代表、下がって!」
「うっ、くそおっ!!」
一方。
「……自信のふがいなさを棚に上げ騒動を起こし、補習を受け慣れているからこそ編成できる部隊、というところか」
「Fクラス代表が陥落、Eクラスも時間の問題です」
「構わん、想定範囲内だ」
FFF団の特攻で破られた防衛戦線と、3-Fクラス。
現在はEクラスが攻撃されており、特攻で既に陥落も時間の問題
……だが、白夜にしてみればまだ想定範囲内のダメージでしかない。
彼は何食わぬ顔で報告を受け、ノートに目を通し始める。
「小暮」
「はい」
実行する策を決めた彼は、そのキーとなる人物を呼びつけ……
「脱げ」
「……え?」
3-Eクラス陥落。
FFF団残り32名。
「よーし、来たぞ来たぞ! ここで新校舎への道を開けば、我らは明日からヒーローだ!」
「「「うおおおおおおおっ!!」」」
「諸君、我らのバラ色の未来はすぐそこだ!!」
ここで忘れてはならないのが、元はと言えば彼らが3年に攻撃を加えたのがこの戦争の火種である。
……正確には、白夜にそうなる様利用されたにすぎないが、その事実は全く知られてはいない。
しかし彼らはバカなので、自分の都合のいいようにしか考える事が出来ないのである。
「しかし、どうして新校舎と旧校舎の境目にカーテンが?」
「構うな。この先にバラ色の未来が待っている。それで十分だろ」
「それもそう……ん?」
彼らの言うとおり、新校舎と旧校舎の境目にはカーテンが敷かれていた。
そのカーテンをめくり、1人の着物を着た女性が姿を現す
「「「眼福じゃぁぁあーーっ!」」」
ただしその着物は、扇情感を醸し出すかのように少し着崩されていた。
その艶やかさに、FFF団は全員が雄叫びの大合唱。
それに動じることもなく、にっこりと笑みを浮かべ……。
「ようこそいらっしゃいました。私、3年A組所属の小暮葵と申します」
「「「こっ、こちらこそ!!」」」
艶っぽい声に濡れた瞳、伏し目がちに頭を下げて挨拶しながら、気崩した着物はそれ以上はだけさせない
当然FFF団は、その光景に夢中に……。
「俺、須川亮と言います。是非お友達にがふっ!」
「横溝浩二です。どうかこの戦争が終わったらお食事にぐべっ!」
「近藤吉宗と言います。ランチをご一緒ごはあっ!!」
「君じぐべっ!」
……訂正、暴走した。
我こそはと前に出て、自己紹介し好印象を与えようと押しのけ始め、一気に騒動に発展。
言っておくが今はFFF団存続にかかわる、2年対3年の大規模試召戦争である。
「どけクズども! ここからは俺と先輩の100年物語の幕開けだ!!」
「うっせえ! 俺はあの先輩に運命を感じたんだ!!」
「何が運命だ! 俺と先輩の出会いが示すように、世界には必然しかありはしねえ!!」
……今はFFF団存続にかかわる、2年対3年の大規模試召戦争である。
「これは俺の不遇を見かねた神の思し召しだ!!」
「何久遠のイカレ兄貴みたいなこと言ってやがる!? 勝手な事抜かしてんじゃねえ!!」
「そういうんなら下がりやがれ!!」
……のだが、彼らは目の前のエサ(失礼)に気を取られていて、完全に忘れていた。
「……聞きしに勝る醜さですね。代表の弟さんが手を焼くのがわかる気がします」
「「「代表の弟!? って事は久遠か!? あの野郎、モヤシの分際でモテやがるとはいい度胸だ!!」」」
「……何もしていない筈ですのに、この罪悪感は何なのでしょうか?」
一方その頃。
「どうしたの光一?」
「……なんか今また勝手に覚えもない事で恨み買ったような気がする」
「光一君だとあり得ない事じゃないのが怖いよね」
「光一は身体面と信頼面では、神様に嫌われておるどころか踏みつぶされておるとしか思えんからの」
「本当に大神君と久遠君って兄弟なのかな?」
「神様なんて存在が本当にあるのなら、坂本君か代表みたいな人かもしれないですね」
さやかを除く全員が、優子の意見に納得したかのように頷いた。
場所は戻って、新校舎と旧校舎の境目にて。
「……気を取り直して。こう見えてもわたくし、茶道部に所属しておりますので」
「おおっ、成程。可憐な先輩にはぴったりだ」
「まったくだな。オトナな雰囲気にアクセントを添えるかのような、この雅さ……これだ、これこそが大和撫子と言う存在か」
「俺は今まさに感動している。清楚な女性に醸し出されるオトナの魅力……最高だ!」
「というか俺はあの着物を脱がしたい!」
完全に小暮のペースにはまり、デレデレと情けないを通り越し気持ち悪い形相で小暮を見るFFF団+変態。
「ふふっ、ありがとうございます」
「「「……俺もう死んでもいいかも」」」
「そして、実はわたくし……」
ゆっくりとはだけられた着ものに手をかけ……
「新体操部にも所属しておりますの」
完全に脱ぎ捨て、レオタード姿となった。
「「「うぉおおおぉぉっ! 新体操ーーっっ!!」」」
バカがケダモノに進化し、突進……
バサッ!!
しようとして、小暮を隔てるかのように紙の幕が下りる。
その幕には(顔のひしゃげた)夏川がプリントされていた。
「「「ぎゃああああああああああああああああああああああっ!!!」」」
……全身がフリルだらけの、ゴシックロリータファッションで。
「てっ、撤退! 全員撤退!!」
「くそおっ、レオタードはすぐ前だってのに!!」
「バカ、見るな! 目が潰れては、二度と拝む事が出来なくなるぞ!?」
「……無念!」
旧校舎からの攻撃は無理だ。
そう判断し、撤退したFFF団の前に……
バサッ!
「「「ぎゃああああああああああああああああああああああっ!!!」」」
またもや紙の幕が下り、撤退を妨げた。
露出過多のミニスカフリルメイド姿の(顔がひしゃげた)常村がプリントされた幕が。
「眼が……眼があっ!!」
「だずげで~!」
「地獄だ……ここは最下層と言われる、無間地獄だ!!」
その叫び声を聞いたE、Fの残党たちは即座に教室のカギを閉めた。
ちなみに不使用の教室は既に鍵がかけられており……
「「「お釈迦様の蜘蛛の糸はどこだーーーー!!?」」」
彼らは抜け出ることはできなくなった。
3-A教室にて
「……あのままにして良いのか?」
「ふんっ、火種に処罰を下して何が悪い?」
ここで補足だが、常村と夏川の写真は先ほどの罰として、演劇部と新聞部のカメラマンを主体として撮影したシロモノ。
それを急ごしらえでプリントし、防衛戦線展開の間に用意した罠である。
「肉体的な制裁しか出来ない……そう思っていたのか?」
新しい情報に合わせ、今ある策を書き直しては消し、新しい策を考慮する姿に躊躇はない。
その情報を持ってきた生徒は、内心では冷や汗まみれだった。
彼にしてみれば、これは虫を踏みつぶした……その程度ですらない。
理解できていただけに、それが自分に向いたらと想像すると怖くてたまらなくなる。
「何を呆けている? さっさと旧校舎の境目にバリケードを張るようCクラスに指示を出してこい、いつまでもあんな物で進行が防げるわけがあるか」
「……あっ、ああ」
逃げるように斥候を務める男子生徒が去っていくが、彼は気にも留めない。
ノートを閉じ、くるみを取り出し……
バキッ!!
その殻を握力で壊すと、一つまみ。
「……さてと」
リクライニングシートから立ち上がり、ゴキゴキと身体を鳴らす白夜。
ある地点に視線を向けると、キッと眼を細め……。
「……伝えたいならさっさと伝える事だ」
そう告げ、Aクラス教室から出て行った。
Aクラス全員が首をかしげており、互いに顔を見合わせるのみ。
……しかしそれは、教室内に居た人間に向けられた言葉ではない。
「…………気付かれていた!?」
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。