今回は鉄さん提供の問題を使用させていただきました。
ご協力ありがとうございます
問題 次の問いに答えなさい
戦国武将、武田信玄の掲げた『風林火山』のそれぞれが示す意味を答えなさい。
また、更にある『陰』と『雷』についても答えなさい。(こちらは別個問題です)
姫路瑞希の答え
風:疾き事風のごとく
林:静かなる事林のごとく
火:侵略する事火のごとく
山:動かざる事山のごとし
陰:知りがたき事陰のごとく
雷:動く事雷ていのごとし
教師のコメント
正解です、流石は姫路さんです。
吉井明久の答え
風:風の様に早く
林:林の様に静かに
火:火の様に攻め
山:防御は山のように
陰:隠れるは陰の様に
雷:出現は雷の様に突然に
教師のコメント
吉井君が歴史限定とはいえ、最近はまともな答えが出るようになってくれてうれしいです。
久遠光一の答え
風:風の様に早く
林:林の様に潜み
火:火の様に攻め
山:動かざる事山の如し
陰:陰の様に隠れ
雷:出現は雷の様に
教師のコメント
……天変地異でも起こりそうなので、今から防災グッズを買いに行きます。
時はさかのぼり……
「ん? あれは……」
優子が光一を連れ出し、それを4人で追いかけている時の事。
明久はふと、ある人を見つけた。
……ふと光一の行き先を見て、木下さんが一緒なら大丈夫だよね、と結論付け。
「明久君?」
「ごめん、ちょっと先に行ってて」
「え? あの人は、確か久遠君の……」
どうすべきかを迷ったが、その間に明久の姿を見失いやむなく瑞希は秀吉と愛子を追う事にした。
「なんだ、吉井明久?」
「え?」
追って姿を確認して早々に、自分の名前を呼ばれた事が少々意外というように声を上げる明久。
「何を驚いている?」
「……僕の名前を覚えてるのが、ちょっと意外だっただけです」
「言ったはずだがな? “お前にも私の通過点としての価値があるやもしれん”と」
「本気だと思えなかったんですよ。光一ならまだしも、僕みたいな平凡以下の問題児をあなたみたいな人が評価するだなんて」
「人は価値の有無に左右されるが、その価値も絶対的な基準などありえない物だ。だからこそ、世間一般において価値なきお前に価値を見出す人間もいる……私は後者と言うだけの話だ」
トレーニングルームに入る白夜に、明久はゆっくりとそれに続く。
そこでトレーニングウェアに着替え、準備運動をし始める白夜に、明久は疑問符を浮かべた。
「あの……何を、してるんですか?」
「準備運動だ」
「いえ、それは見ればわかりますが……」
「強い肉体を持つ事は頂点に立つ者の務めだ。私ならば通常通りやっていれば、受験も問題はない」
相変わらずの、一片の不安もない自信のみで構成されてる事がわかる立ち振る舞い。
つくづく自分とはモノが違うというか、今まであった誰とも違う事がよくわかる人だと明久は思う。
「それならどうして、こんな事を……」
「言ったはずだ。貴様らのバカ騒ぎでこちらに被害が出た以上、黙っているわけにはいかないとな」
「そうじゃなくて……」
「私が光一に攻撃を加えるためにやってるんじゃないか……そう疑っているのだな?」
……自分って、そんなに考えが読まれやすいのだろうかと明久は思った。
「私を2年の名ばかり代表どもと一緒にするな。代表としての立場を忘れ、私情で動くような真似はせん。だが、今回の標的が目障りで不快である事も事実だがな」
「……まあ、そうですね。男子なら大部分が憧れる覗き騒動はともかく、学園破壊や学園規模の騒動を」
「違う。私は神に選ばれしこの私以上に、力を尊ぶ。だからこそ、光一に負けた事を逆恨みし騒動を起こす負け犬どもや、自分たちのふがいなさに目もくれずエセ正義を語る不届き者どもなど、目障りで不快以外の何物でもない」
……自分たちのふがいなさに目もくれず、エセ正義を語る不届き者。
光一がいなければ自分も参加しようとしていただけに、明久の耳に痛かった。
「それに今でこそ評価はしているが、私は光一のように弱く生まれた者に興味もなければ価値を見出す気などない。なぜなら弱い人間には何もできないからだ」
「っ!」
「話は最後まで聞け、ここで騒ぎを起こせば確実に光一に知られるぞ?」
殴りかかろうとした明久だが、白夜のその言葉で踏みとどまった。
この事を知れば、確実に光一は兄に対して……。
「ふんっ、人の絆は強くなればなるほど利用しやすいものだな」
白夜が鼻で笑うと、まずはベンチプレスを始めた。
明らかに100キロ以上はあるバーベルを持ち上げ、明久をびっくりさせたのは別の話。
「……話に戻ろう。どんな事だろうと、最後にモノを言うのは力だ。どんな崇高で誰もが賞賛するような素晴らしい理想を掲げようと、力がなくば踏みにじられる。むろん、力があろうといざという時に使えなくては同じだがな」
「……どうしてそこまで、平然と酷い事を言えるんですか?」
「同情や偽善では救えるものなど何一つなければ、認めるものなど誰一人いない。現に同じ胎から生まれた私と光一とで、なぜこうまで違うのだと思っている?」
こればかりは否定は一切できなかった。
秀吉や優子から聞いた話、そして現在で聞く白夜の話で、評判こそ悪くても能力に対して否定的な言葉は聞いた事がない。
さらに言えば、白夜の総合点は霧島翔子をも上回っており、運動能力ですらここに来るのが日課である事が明久でもわかる以上は、相当なもの。
方や単科目でこそ最高点を保持していても、苦手科目では最低中の最低。
常に評判が最悪で、謂われなき罪で幾度となく責められ続ける光一。
「……それでも僕は」
「納得できない……という顔だな? それならば」
ベンチプレスをやめ、白夜はトレーニングウェアから制服に着替える。
「ちょっと来い」
「え?」
行き先もわからぬまま白夜に連れられ、たどり着いたのは職員室。
明久にとっては居心地の悪い場所だが、白夜にとってはそうでもない。
「ん? なんだ、ずいぶんと珍しい組み合わせだな」
「げっ、鉄人……」
「西村先生と呼ばんか! それで、どういう事だ? お前が大神と一緒に居るなど。また何か悪さを……」
「いえ、模擬試召戦争の許可をいただきたくまいりました」
「えっ!? ぼっ、僕と!?」
「? なぜ吉井が驚く? ……まあいい、大神相手なら妙な事も出来まい」
「だったら最初から疑わないでください! でも僕と光一のお兄さんとじゃ……」
「その呼び方はやめろ。お前が勝てばこの戦争の撤回も考慮してやれば、もう光一に関わらないと誓ってやる」
「ん? あれは、吉井と……久遠の兄貴か?」
そして、今に至る。
「でもいいんですか?」
「構わん。この点数差ならば、それくらいでなければ成り立つまい? それにあれだけの事を言っておいてそれが守れませんなど通る訳もなかろう?」
「……安心しました」
明久のデュラハンが、首を抱えながら大剣を構える。
対する白夜の召喚獣が頬杖つきながらすっと手を掲げると、玉座の後ろから水晶玉が頭上で回転運動を始めた。
「こっちでも遠隔操作型の武器なんですか?」
「……さて、行くぞ」
押しつぶそうとせんばかりの威圧感を放ちながら、白夜は明久を見据え思考を戦闘に移行。
傍から見てるのでさえ底冷えするというのに、まともに受けた明久は後ずさりし……パンと自身の頬を張った。
「……ほおっ、持ちこたえたか。大抵はこれで怖気づくというのに」
「僕みたいなバカを、対等だって認めてくれた親友のためです」
「そのまま折れるなよ? ……この私に倒されるその瞬間までな!」
ブンっと音が出るように腕を振り下ろすと、水晶玉が一斉にデュラハンめがけて襲いかかった。
デュラハンがその一個一個を光一に習った見きりで回避しながら、ルシフェルめがけて突進。
「……ああそうだ。言うのを忘れていたが」
間合いに入ったと同時に、デュラハンが突進の力そのものを利用するように大剣を突き出し……
「私にそういう正攻法は通じないぞ?」
ルシフェルの手により、受け止められた。
頬杖を突いていた左腕でデュラハンを薙ぎ払おうとし、其れをバックステップで回避。
そこをすかさず飛んできた水晶玉2つを剣で薙ぎ払って、その勢いのまま回転斬り。
……も、当然のように受け止められた。
「……本当に、見てから動けるんですね」
「なんだ、光一から聞いてたのか?」
「言ってたのは秀吉ですけどね」
「そう言えばお前は、召喚獣で西村先生を生身とはいえ破っていたな。ならばちょうどいい……私はかつて、西村先生と戦い引き分けに終わった」
「へっ?」
明久の目が点になった。
……が、すぐに飛んできた水晶玉に気づき、其れを紙一重で回避。
「この人本当に僕と1つ違いどころか、同じ人間って分類なの!?」
「赤い血も流れていれば、お前と大して変わらん条件で死ぬ人間だ。ただ生まれ持った物と格が違うだけのな」
「生まれ持った物って……ええい、余計な事を考えるな。僕はこの人を倒すって決めたじゃないか!」
「結構だ。私の敵は、腰ぬけごときに務まらん」
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