問題 次の問いに答えなさい
ドイツにおいて、少々就任後に他政党や党内外の政敵を弾圧し、指導者原理に基づく党と指導者による独裁指導体制を築いた、独裁者の典型とされる人物を答えなさい。
姫路瑞希の答え
『アドルフ・ヒトラー』
教師のコメント
正解です、有名な人物だから当然ですね。
吉井明久の答え
『坂本雄二(訂正) アドルフ・ヒトラー』
教師のコメント
訂正した箇所が気になります。
久遠光一の答え
『坂本雄二 根本恭二』
教師のコメント
言いたい事は山ほどありますが、まず1人に絞ってください
Fクラス男子の答え。
『坂本雄二、絶対殺す!!』
教師のコメント
そうですか
Bクラス生徒の答え
『根本恭二」
教師のコメント
否定のしようがどこにもありませんね。
「……それは災難だったね。光一もだけど、秀吉も」
「ううっ……まだ吐き気が治まらぬのじゃ」
「何で俺まで……うぅっ」
常村の精神汚染攻撃のダメージに苦しむ秀吉と光一。
光一は痛む頭を押さえながら、襲い来る悪寒と吐き気に悪戦苦闘。
そして秀吉は未だに怯えながら、光一の腕にしがみつき震えていた。
「けどすごいね、秀吉の人気って」
「俺もビックリしたよ。まさか秀吉が女になったってだけで、こんな騒ぎになるだなんて」
「ワシは男なのじゃが……」
「今は女だろ。これを機に告白して、元に戻ろうなんて気が起きないように……なんて魂胆じゃないか?」
実際秀吉は顔は双子である木下優子と瓜二つで、彼女よりも親しみやすく愛らしい雰囲気を纏っている所為か、姉よりも人気が高い。
最も(Fクラスを除いて)男だという認識はあったので、一歩踏みとどまっていた。
……のだが、女になった事でそれが取り払われた為の騒動でもある。
「……ここだけの話、数多ある俺の嫌われてる理由の1つに、秀吉から兄貴分として慕われてるからってのもあるんだけどな」
「んむっ? 何か言ったかの?」
「いや、何も。それより秀吉、俺達から離れるなよ? 一部変なことしそうな奴が……」
ふと周囲を見回すと、秀吉に抱きつかれてる腕を見て光一に殺意の視線を向けるFクラス男子勢。
「……うようよいるんだから」
「久遠光一、キサマ木下秀吉までも手にかけるか?」
「あの変態モヒカンから精神汚染攻撃を受けたんだから、秀吉が怯えて当然だろうが」
「ふむっ、それは最もだ」
うんうん、と周りが頷いた。
「しかしだ、木下秀吉の極限まで高まった恐怖心を利用し、わいせつな行為を働くと言う……」
「つまり秀吉に頼られて羨ましいんだろ?」
「うむっ、その通りだ。だがそれ以上に秀吉に抱きつかれ、そのケシカラン感触を帯びているその右腕をズタズタに斬り裂いたうえで、思いきり踏みつけたい!」
「「「踏め踏め! 原型無くなるまで踏みつくせ!!」
そこでふと、光一は今の自分の状況を整理して見る。
光一の背に覚えながら抱きつく秀吉。
そして今の秀吉は、霧島翔子クラスのスタイルを持つ女の子の身体。
その秀吉が抱きつけば……。
「……柔らかくて心地いい」
「こっ、光一!?」
「「「まずはそのふざけた右腕をブチ壊す!!」」」
2時間目、化学の授業
「……おや、久遠君ケガをしてますね? これは珍しい」
「……おーい布施教諭、普通先に大丈夫かどうか聞かないか?」
「まあ良いでしょう。それでは授業を始めます」
その次の休み時間。
「……すまぬの光一」
「いや、良い感触に浸らせてもらったから(いつもの事だから良い)」
「……建て前と本音が逆に出ておるぞい」
多少のダメージはある物の、立ち直った秀吉はFFF団の襲撃で珍しく負傷した光一に謝罪。
その際光一は本音を漏らしてしまい、秀吉に呆れられる。
「その……すまん」
「……今夜の泊まりは、光一の腕を振るったごちそうを楽しみにするのじゃ」
「うっ……わかったよ」
既にFFFは駆除してあるとはいえ、現在の秀吉が明久と一緒に泊まりに来る。
そんな事を知ったら、間違いなく復活して襲撃される為に迂闊に知られると面倒にしかならない。
「……なあ明久、今何時間目だっけ?」
「2時間目が終わったから3時間目だよ」
後2時間で昼休み。
……今の苦労が、それ以上にやってくるかもしれない。
「あっ、また来てるよ?」
「木下好きだー!」
「つきあってくれー!」
「お前は俺の太陽なんだー!」
Fクラス教室前の廊下では、秀吉狙いの男子生徒の集団。
その中には当然の様に、変態モヒカンの姿が。
「うぅっ……もう嫌じゃ。何故ワシがこんな目に遭わねばならぬ?」
「大丈夫秀吉? その、僕が代わりに断ってこようか?」
「いや、ワシの事で明久に苦労をかける訳にもいかんのじゃ」
「……やれやれ、こういうのは見ててほのぼの……するってのに面倒がきやがったよあのゴリラめ」
ふと見た先で、雄二が瑞希と美波に何かをふきこんでいて、怒り顔で明久の背後に接近。
まーた変なこと吹きこまれてあっさり雄二の手ゴマになってら、と呆れながら……
「明久、座れ」
「え? うん」
座ると同時に、明久の頭があった個所を2つの拳が空振り。
明久が風圧に気付いて後ろを向くと……
「ひっ、姫路さんに、美波!?」
「明久君、木下君との距離が近すぎです!」
「木下も卑怯よ! ウチ等が久遠の所為で濡れ衣着せられてる間に!!」
「……性懲りもなくまた雄二にそそのかされといて、濡れ衣もくそもねーだろ」
瑞希と美波、そしてその後ろでニヤニヤと傍観してる雄二を見て、呆れるように溜息をついた。
それからポケットに手を入れ……
「距離が近いって、僕はただ秀吉が疲れてるみたいだから心配して……」
「いーえウソです! 明久君の事だから、それにかこつけて変な事するに違いないって坂本君が言ってました!」
「だから待つのじゃ! お主らはそんなじゃから雄二の愛人だと言う噂が……」
「どうやらアキは、全身の骨をへし折ってやらないとわからないようね!!」
「……? どうしたのじゃ光一、何故助けに入らんのじゃ?」
いつもなら間に入る光一が、チラチラと外を見ていて助ける気配を見せていなかった。
雄二はそれに構う事なく、ニヤニヤと明久が追い詰められていくのを楽しそうに見ている。
「どうやら久遠は反省したらしいわね」
「じゃあ明久君もしっかり反省してくださいね。大丈夫ですよ、大人しくしてればそんな酷い事はしませんから」
「そっ、そんな! たっ、助けて光一!!」
「よーしやれやれ姫路に島田! 明久をぶちのめせ!」
「わかったわ!」
「わかりました!」
美波と瑞希が、明久を捕まえ腕を振り上げ……
パシャっ!!
「「「え?」」」
突然のシャッター音に瑞希と美波は驚いた。
それを見ていた雄二も、何事かと思い外を見てみる。
「見たな? 聞いたな?」
「ええ、スクープの報告ありがとうございます」
そこには光一と笑顔で話してる、カメラを持った一団。
彼等は文月新聞取材班。
『よーしやれやれ、姫路に島田! 明久をぶちのめせ!』
『わかったわ!』
『わかりました!』
「はいこれ」
「これは有力な証拠です。ありがとうございます」
光一に会釈をして、取材班は帰って行った。
それを見た雄二と瑞希と美波は、即座に光一に詰め寄った。
「ちょっ、ちょっと久遠! 誰よあいつら!?」
「ん? 文月新聞の取材担当」
「取材だと!? おい光一、まさか今……」
「そのまさかだ。雄二と姫路と島田の信頼関係、たっぷりと見て貰った」
「そんな!」
余談だが、光一は文月新聞での被害防止の為、一度新聞部に乗り込んだ事があった。
その際、この部の取材力は雄二をはめる為にも役立つと思い、友好関係を築きあげることにしたと言う経緯あり。
「俺に構うよりあっちいったらどうだ? 今ならまだ記事にする前だから……」
「そっそうだな! 姫路、島田、追うぞ!」
「はい!」
「わかったわ!」
3人はドアに向かって駆け出し……足を止めた。
「……雄二、その2人との関係を詳しく聞かせて」
「しょっ、翔子!? 何でここに!? いや、ちょっと待ってくれ。今すぐ新聞部をげふっ!」
「……姫路に島田もこっちに来て」
「待ってください、今はそれどころじゃ……」
「そっ、そうよ! お願いだから話を聞いて!」
「……うん、聞いてあげるからこっちに来て」
光一が前もって呼び出した翔子により、3人はAクラスへと連行。
ドアを閉めて、ふぅっと息を吐くと光一はその場に座り直す。
「ホント仲がいいよね、姫路さん達と雄二」
「光一よ、このままにするのかの?」
「ああっ。全部勝手に噂を助長させたあいつらが悪いんだよ」
「……普通は騙すほうが悪いと思うのじゃが、こればかりは騙される方が悪いとしか思えぬの」
「さて、と。どうせだから憂さ晴らしするか、丁度良い生贄もいる訳だしな」
「木下ー、結婚してくれー!」
「好きだ木下ー!」
「愛してるー!」
そう騒いでる面々を駆除すべく、光一はゴム弾入り拳銃とスタンガンを取り出し……
「「「ギャアアアアアアあああああああああっ!!」」」
「「「ひゃあああああああああああああああっ!!」」」
「「「うぼぁああああああああああああああっ!!」」」
絶叫のオーケストラを奏でる指揮者となった。
所変わって、Aクラスにて。
「……雄二は私という妻がいると言う自覚が足りなさすぎる。よりにも寄って姫路と島田をたぶらかすなんて」
「妻なんて持ってねえし、誰1人たぶらかしてねえ!!」
「そうです、全部久遠君のでっちあげなんです!」
「そうよ! 全部誤解何だから、話を聞いてお願いだから!」
「……信用できない。さっきの息の合い様は普通じゃなかった」
リクライニングシートに縛り付けられる雄二と、床に正座させられてる瑞希と美波。
その3人の眼前では、まるで雪女の様に冷たいオーラを纏った翔子が3人を睨みつけていた。
「……坂本君、また性懲りもなく光一と吉井君に攻撃仕掛けて返り討ちにあったの?」
「うるさい黙れ! アイツがのうのうとしてるだなんて、納得できねえんだよ!!」
「代表、亭主がうるさいから黙らせてくれる?」
「誰が誰の亭主だがぼっ!?」
翔子が雄二の口に、作ってきたサンドイッチを押し込んだ。
「さて、次の授業の準備を……」
「「ちょっと待ちなさい(ってください)!」」
予想はしてた物の、無視すると後が面倒の為しぶしぶ振り返る。
「何?」
「どうしてウチ等がここに居るかに疑問持たないのよ!?」
「どうせ坂本君の口八丁に丸めこまれて吉井君を攻撃して、光一にはめられたんでしょ? そう言う事してるから坂本君の愛人なんて呼ばれるのわかりなさいよ」
「全部久遠君の所為です!! それに攻撃じゃなくてあれはお仕置きです!!」
優子は何となく、普段から光一が頭痛に悩まされてる理由が実感できた
「引き金は確かに光一だけど、アタシから見ても2人は吉井君に対して、坂本君と共謀して攻撃してる様にしか見えないのよ。そんなでそんな事言われても、言い訳にしか聞こえないわよ?」
「そっ、そんな!」
「光一も悪いとは思うけど、あなた達の場合他の人の話をうのみにしすぎるのよ。その辺りは改めてね、出ないと同じ事の繰り返しだから」
「姫路に島田、だまされごふっ!」
「代表、今坂本君に変な目で見られた気がするんだけど」
「……まだ懲りないの?」
「いつ見ても仲が良いカップルですね」
「やっぱり憧れるよね」
「……2人とも、恋愛を根本から間違ってるからね?」
優子は目をきらめかせながら坂本夫妻を見る2人に、呆れ果てていた。
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