問題 以下の問いに答えなさい
『人が生きていく上で必要となる5大栄養素をすべて書きなさい』
姫路瑞希の答え
『①脂質 ②炭水化物 ③たんぱく質 ④ビタミン ⑤ミネラル」
教師のコメント
流石は姫路さん。優秀ですね
久遠光一の答え
『①銃社会 ②銃 ③銃弾 ④金属 ⑤火薬」
教師のコメント
君の将来があらゆる意味で心配を通り越して不安です。
吉井明久の答え
『①砂糖 ②塩 ③水道水 ④雨水 ⑤湧水」
教師のコメント
それで生きていけるのは君だけです
土屋康太の答え
『初潮年齢が十歳未満の時は早発月経という。また、十五歳になっても初潮がない時を遅発月経、更に十八歳になっても所長がない時を原発性無月経といい……』
教師のコメント
保健体育のテストは一時間前に終わりました。
「雄二!」
「うん? 明久に光一か。回復試験ならさっさと席に着け」
「話がある」
「……とりあえず聞こうか」
Fクラス教室にて。
回復試験を受けている中で、ノートを広げて戦力分布を書き記す雄二。
突然戻ってきた二人に、いぶかしげに顔を向ける。
「根本君の着ている制服が欲しいんだ」
「……お前に何があったんだ?」
「明久、それじゃ誤解されるだろ。つまりだな雄二、ちょっとあのクソヤローにやってみたい面白い罰を思いついたんだ。だから根本の服をはぎ取って、捨てる必要がある。そう明久は言いたかったんだ」
「面白い罰? ……どんなだ?」
光一がひそひそと小声で雄二に説明。
話し終わった途端、雄二はそれはもう良い笑顔で頷いた。
「よし、良いだろう。良い余興になりそうだ」
「そうか……じゃあそれともう1つ、理由は言えないが姫路を前線から外してもらえないか?」
「っ! ……理由を言えない事は置いておくとしても、どうしてもか?」
「うん」
光一や明久とて、無茶を行っている事は理解していた。
瑞希はFクラスの最重要戦力であり、彼女が居るからこその作戦でここまで来た。
だからこそ、それが原因で負ける事も十分あり得る話で、その責任を問われるのは代表である雄二。
普通、こんな頼みを受けられる訳などない。
「……条件がある」
「何だ?」
「明久、光一、お前達が姫路の担う予定だった役割を果たせ。どうやっても良いから、必ず成功させろ」
光一と明久は互いに顔を向け合い、頷き合った。
「わかった。絶対に成功させて見せる!」
「俺もだ。その役割はなんだ?」
「良い返事だ。仕事は簡単だ、根本に攻撃をしかけろ」
「皆のフォローは?」
「ない。しかもBクラスの出入り口は今の状態のままだ」
今現在、Bクラスの出入り口はどちらもが入り乱れての、乱戦状態。
そこを突破してのBクラスの広い教室の奥、そこに根本が居る。
「そうだ! 光一の……」
「無理だ。両方とも俺の苦手な文系のフィールドだってことを忘れたか?」
「あっ……そっか。じゃあ、どうすれば?」
「明久、お前は確かに点数は低いが、光一がお前を相棒と認めているように、俺もお前だけにあるムッツリーニや秀吉、光一の様な秀でている部分を信じている」
そういうと、雄二は立ち上がり教室の外へ。
「どこに?」
「Dクラスだ。例の指示を出してくる」
「僕にしか、出来ない……あっ!」
明久が、ふと或る事を思い出した。
観察処分者である事の利点と、ある配置について。
「何か、策があったのか?」
「うん! 光一は先に戻って指揮を頼む!」
「……わかった。しっかりやれよ?」
「うん!」
作戦開始、3分前
「点数が危なくなったら下がれ!」
再び秀吉から指揮権を受け取り、指揮官として指示を飛ばす光一。
その立ち位置は物理教師のフィールド内。
「怯むな! ここをしのぎ切れば勝てるんだ!!」
ドォン! ドォン!
Dクラスの教室へと、明久が仲間数名と英語の遠藤教諭を連れて行ってから聞こえる轟音。
それが鳴り響く中で、光一は指揮官として奮起を続ける。
「光一!」
「雄二! それに、近衛隊!」
代表の雄二をはじめ、近衛部隊が合流。
「お前らいい加減諦めろよな。昨日から教室の出入り口に人が集まりやがって、暑苦しいことこの上ないっての」
「どうした? 軟弱なBクラス代表サマは、そろそろギブアップか?」
「はァ? ギブアップするのはそっちだろ? 久遠は文系だとゴミで、頼みの姫路さんも調子が悪そうだぜ?」
作戦決行が待ち遠しくてたまらない、そう思うには十分という程根本を睨みつける光一。
秀吉も同様で、姫路を汚い手で脅す方法を使われた以上、何としてでも勝ちたいと思っている。
ドォンッ! ドォンッ!
「お前ら相手に姫路を頼る必要なんてないさ。それに久遠も、指揮に専念してさえいれば十分だ」
「けっ! 口だけは達者だな。負け組代表さんよぉ……さっきからドンドンと、壁がうるせえな」
「人望ないな。余所のクラスから嫌がらせなんて」
音が大きくなっていき、時間もそろそろ作戦決行時間。
雄二に視線を向け、頷くのを確認すると光一はDクラスへと歩を進め始める。
「何だ、久遠光一ともあろうお方が脱走かよ?」
「わざわざ雑兵どもに構ってたら、疲れるだけだ」
「ゴミの分際で余裕ぶっこいてんじゃねえ! まあ負ける瞬間を見ないだけ、ラッキーだろうがよ」
ゲラゲラと笑う根元に一発ぶち込みたいと思う光一だが、一先ずは自重。
一旦Bクラス前から離れ、Dクラスへ。
それを確認した後、雄二は号令をあげた
「……体勢を立て直す! いったん下がるぞ!」
「どうした、散々フカしておきながら逃げるのか!」
光一は木村教諭を伴い、Dクラスの戸を開く。
「だぁぁあぁぁあっっしゃあああああああああ!!!」
ドゴォっ!!!!
「ンなっ!」
と同時に光一の目に入ったのは、明久の召喚獣がDとBの教室の壁をぶち抜く光景。
次には、根本の驚いた声。
現在向こうの戦力の大半は、雄二率いるFクラス本隊を追って、教室から出払っている。
その為、代表の防備は薄い。
「くたばれ、根本恭二ィーー!」
明久をはじめ、美波達Fクラス遊撃隊は根元を打ち取るべく、駆け出す。
だが近衛部隊に阻まれ、足をとめた。
「は、ははっ! 驚かせやがって! 残念だったな! お前らの奇襲は失敗だ!」
「下がってろ! こいつらは俺が片付ける」
そこへ割り込んできたのは、壊された壁から入ってきた木村教諭を伴う光一。
明久達は先程壁を破壊する為に立ち合わせた遠藤先生を伴い、光一達から離れる。
「なんだ? おまえ1人で近衛部隊とやりあう気か?」
「ああ。Fクラス久遠光一、Bクラス近衛部隊全員に物理勝負を申し込む。サモン!」
光一の掛け声と同時に現れる召喚獣。
その召喚獣の腕につけられている腕輪を見て、近衛部隊は驚くも……。
「たかが銃で、これだけの人数相手に勝てるか!」
「たかが? ……その言葉、後悔させてやる!!」
『Fクラス 久遠光一 物理498点』
VS
『Bクラス 近衛部隊 物理平均198点』
「点数は関係ねえ、近衛全員で久遠を打ち取れ!」
「「「「おおおーーーっ!」」」」
光一の召喚獣がライフルを構え、銃弾を放つ。
その銃弾は近衛部隊の召喚獣にではなく、その陣形のちょうど中心に。
「はっ! どこを狙ってやがる!?」
「……“爆発”!」
キーワードをつぶやいた途端、光一の召喚獣の腕輪が輝く。
それと同時に……
「え?」
着弾した銃弾が、敵召喚獣全員を巻き込む爆発を巻き起こす。
所々で召喚獣の悲鳴が響いては、戦闘不能となり消え去っていった。
光一の召喚獣が持つ腕輪の特殊能力“爆発”
銃弾を起点とし、半径2メートルの爆発を引き起こす能力。
その破壊力はBクラスで防げる訳もなく、爆煙が晴れる頃には近衛の召喚獣は影も形もなくなっていた。
「うっ、ウソだろ!? 近衛部隊が、たった一撃で……?」
「ゴミと言われた分、利子付けて返してやる……覚悟しろ、根本恭二」
「うっ、うわああっ!」
ダンっ! ダンっ!
エアコンが停止した故に、涼を求める為に開け放たれた窓。
そこから2人の人影が飛び込み、逃げようとした根本の前へと立ちはだかる。
「え?」
入ってきた人影は、ムッツリーニと体育の教師。
屋上からロープを伝って侵入してきたムッツリーニは、根本恭二へと歩を進める。
「悪いが、ここは譲って貰うぜムッツリーニ?」
「…………(コクリ)」
近衛部隊は全員が沈黙、前を光一に、後ろはムッツリーニに囲まれ、もはや完璧に逃げ場を失った。
「Fクラス久遠光一、Bクラス根本恭二に物理勝負を申し込む」
『Fクラス 久遠光一 物理459点』
VS
『Bクラス 根本恭二 物理189点』
「俺に狙われた時点で、この運命は既に決まっていたんだ」
ライフルの引き金が引かれ、その銃口から放たれた銃弾が根本の召喚獣に着弾。
それを中心に爆発を起こし、根本の召喚獣を爆発の中へと消し去った。
「俺の弾丸は、絶対をもって敵を撃ち抜く」
光一の召喚獣がライフルをゆっくりと下ろし、そのまま解除されたフィールドと共に消えていった。
「すごいよ! 光一にあんな火力が加わるんなら、もう天下無敵じゃない?」
「精密射撃と爆発……考えられる限りじゃ、最恐最悪の組み合わせね」
「ああっ。危ない物に危ない物をだな」
「おいコラ! 明久以外は罵倒が混じってるじゃねえか!!」
今ここに、Bクラス戦はFクラスの勝利をもって、終結した。
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