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ログ・ホライズン 作者:橙乃ままれ

カナミ;ゴー・イースト

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078



◆14


 翌朝早く、レオナルドは目を覚ました。
 〈冒険者〉の身体能力は高く、それは睡眠時間にも影響を与えているというのがレオナルドの実感だ。六時間も睡眠を取ればさっぱりと目を覚ますことが出来る。
 もっとも個人差があるらしく、眠くて眠くてたまらないという〈冒険者〉も居るから、それはレオナルド個人の特性かも知れない。
 ともあれ、目を覚ましたレオナルドは、戦闘用ではない、だが丈夫な衣服に着替えるとあてがわれた小屋から出た。藁を固めて作った寝心地の良い寝台では、エリアスがまだ寝ている。だから音を立てないようにそっとだ。
 まだ明けたばかりの太陽がキラキラと眩しい。
 ヤグドの家の中庭を抜けて、表通りを折れて井戸に向かう。
 そこには〈大地人〉の婦人数人と沢山の子供達がいた。
 レオナルドは早起きをしたと思っていたが、この村の住民にとってはそこまでの早朝ではないらしい。にぎやかに話をしながら家事をする婦人や元気いっぱいの子供たちがひしめき合っている。
 気を使って場所を空けてくれた婦人達に礼を言ってレオナルドは顔を洗った。〈冒険者〉の装備は耐久度が減少しない限り、目に見える汚れや傷は自動修復されるが、気分は別だ。お気に入りの緑色のフードもざっと拭う。水を浴びてさっぱりした気分だ。
「なぁ、兄ちゃん」
「緑の兄ちゃん」
「なんで緑なの?」
「ねーねーなんでー」
 子供達はまるで、小鳥のようにレオナルドにまとわりついてきた。
 レオナルドは口をへの字に曲げる。まったくこれはかなわないぞ、と思った。子供は苦手だ。連中は幼稚で礼儀知らずで気分屋なのだ。「なんでお前の顔は緑なんだ」とか、正常な大人だったら他人に訊ねるだろうか? まず間違いなく口にはしない。
 ましてや初対面の人間に訊くなんて事は、あり得ない。
 こいつらはニンジャのスゴさもクールさも弁えない正真正銘のお馬鹿どもなのだ。
「ふんっ。これはヒーローの証なんだ」
「ヒーローってなに?」
「それ食い物?」
「兄ちゃん、朝ご飯食った?」
 まったく最悪だ、とレオナルドはため息を漏らす。
 子供はひとつのテーマに沿って話を進めると言うことが出来ない。この傾向は女性にも見られるが、子供はより顕著だ。問題や疑問はひとつづつ解決する。こっちをちょっと、あっちをちょっと。そんな事をしていては、コードを書くこともバグをとることも出来やしない。子供というのはエンジニアからもっとも遠い生き物だ。
 レオナルドのズボンを捲り上げて、中の足も緑なのかと確認しようとしている子供を掴み上げて、おでこをピンと弾く。
 まったく度し難い。
「この頭は、偉大な蛙の勇気と武力に対して捧げられたオマージュだ。ニンジャで蛙というのが、世界で最も勇気あるヒーローのシンボルなんだよ」
「えー。……おまえ判った?」
「ぜんぜんわからない」
「緑! 緑蛙(ルーグイ)! 緑蛙(ルーグイ)!」
緑蛙(ルーグイ)♪」
 おそらくみんなまだ十歳にもなっていないのだろう。中には五つか六つくらいだと思われる子供もいた。いままでの人生で、子守をしたことが無く、家に赤ん坊が居たこともないレオナルドにとって、子供の年齢など判るはずもない。当てずっぽうの勘でしかないのだ。
 理論的な話で言えば、自分も幼児であった時代があるのは確かなのだが、レオナルドはそれがどうにも信じられなかった。
 自分がこんなに非論理的な生き物だったとは思いたくない。

 少し大柄な、それでもレオナルドの腰にも届かない少年が、レオナルドに正面からぶつかってきた。勢いをつけて抱きついてきたと言うところだ。レスリングのつもりなのか、顔を真っ赤に押してくるが、そんなものは〈冒険者〉にとって、猫にじゃれ付かれたほどにも感じない。 オナルドは、まさに猫にするかのように、二本の指でその少年の後ろ襟をひょいと持ち上げる。
 その子の母親らしい、民族色豊かな厚手の服を何層にも着重ねた婦人が、ごめんなさい、本当に迷惑を掛けてと謝罪をしてくるが、少年本人はまったく意に介していないようだ。
「緑蛙兄は、強いなぁ!」
「ヒーローの絶対条件だ」
 レオナルドは、視線をあわせられるような高さに吊り上げた少年を睨んで、そう脅してやる。少年は、足下に一メートル以上の高さがあるにもかかわらず、ちっとも怯えていないようだ。実に楽しそうにレオナルドの指先で身をよじった。
 気が付けば、その少年よりも、もっと年若い娘が、レオナルドの背後から、その足をよじ登ろうとしている。まったく持って理解しがたい。他人の身体を、公園の遊具か何かと勘違いしているらしい。
 その娘もつまみ上げた。
 これで二人だ。何を食べているのかは知らないが、ほとんど重さを感じない。旧式のノートパソコンよりちょっと重いかな? くらいの感覚で、子供達は手荷物のようなものだった。
 何が面白いのか、ぶら下げられたまま笑い転げる少年と小娘だが、レオナルドの両手がふさがっているのを良いことに、第三の刺客が現れた。
 たれ目をした、内気そうな子供だ。
 おそらく男の子なのだろうが、レオナルドに体当たりをしてきた子供が猟犬の子供だとすれば、こちらは室内犬の子供と言った風情で、大きな瞳が、申し訳なさそうにレオナルドを見上げてくる。
「緑蛙のお兄ちゃん」
「レオナルドだ」
「緑蛙のお兄ちゃん……」
「――判ったよ。もうそれで良いよ。馬鹿」
 表情を曇らせる少年にそう言ったレオナルドは前言を撤回する。ああ、面倒くさい。煩わしい。うざったい。このつり下げられている子供を、まとめて投げつけてやろうかとも思う。
 新しい攻撃特技(ミサイル・チャイルド)の完成だ。

 だが、げらげらと笑いながら目標に飛来してゆく子供のはしゃぎっぷりを想像して、その気持ちは一瞬で萎えた。余りにも馬鹿にしている。戦闘というのは、もっと生死の狭間をくぐり抜ける神聖なものだ。子供の笑い声なんかでで侮辱して良いものではない。
「緑蛙のお兄ちゃん、ごはん……」
 たれ目の少年は、レオナルドの内心の悲嘆には気付かず、おずおずと、白い塊を差し出してきた。長さは三十センチを超えるほどの塊だ。おそらく小麦粉か、それに類するものを焼いたのだろう。
 レオナルドは少し考えて、それを受け取った。
 ぺこぺこと壊れたように頭を下げる数人の婦人達が哀れになったからだし、レオナルドを取り囲んで楽しそうにはしゃぐ子供の相手をこれ以上するのも疲れそうだったからでもある。
 受け取るために両手を空ける必要があり、捕獲した右手の少年と左手の少女は解放してしまった。彼らは嬉しそうに跳ね回り、レオナルドには判らない、この地方の唄のようなものを歌って、辺りを駆け回った。
 レオナルドによる『捕獲』は、子供達にとっては新しい遊びの一種だと認識されたようだ。次々とぶつかってきて、あるいはよじ登ろうと試み、ぶら下げてくれと頼む子供達をレオナルドは威厳をもって退けた。
「ヒーローの仕事は子供と遊ぶ事じゃないんだ。さぁ、邪魔をしないで道を空けたまえ」
 なおもまとわりつく子供達を適当にあしらいながら、レオナルドは悠然たる足取りで村はずれへと向かう。目的は、例の大岩だ。別段あの岩が気に入ったわけではないが、子供にまとわりつかれていてはかなわない。あの上ならば、恰好の避難所になるだろう。

 歩きながら、出来損ないのパンを口に入れる。
 思ったよりは堅くなかった。
 味は淡く、素朴なものだ。
 その意味では〈大災害〉直後のあの塩気のない生乾きのオート・ミールを思い出させる。しかし、噛んでいると、じんわりとした甘みが口の中に広がって、これはこれでなかなか悪くない味だった。細かく刻んだ羊のものとおぼしき干し肉が混じっていて、それがかりっと歯にあたる感触が素晴らしい。
 大岩の上には先客がいた。
 KR(ケイアール)だった。
 姿は馬に似ているが、膝を折って脇腹を大岩につけた姿は、そうは見えなかった。そこまで考えて、レオナルドは思い直す。本物の馬も案外こうやってだらしない姿で寝るのかも知れない。
 三つの瞳でちらっとレオナルドを確認したKRは、そのまままたうっとりと瞳を閉じる。
「まだ寝るのか?」
「寝ているわけじゃない。モーニングスリープだ」
「寝てるじゃないか」
「未遂だよ。どうしても寝たいわけじゃない。良い朝だ(グッドモーニング)
 翻訳機能のわずかなぶれを感じながらもレオナルドは、KRをじっと見つめた。もう起きるといいながらも、KRはこの姿勢をやめるつもりはないらしい。今朝はだらけた時間の過ごし方をしたいと言うことだろう。
 別段それを邪魔するような気持ちも持ち合わせないレオナルドは、無言で右手のパンもどきを食べる。
 そういえば、牝馬に色目を使われるとKRは言っていた。
 もしかしたら、子供につきまとわれる先ほどの自分のような気分を一晩味わったのかも知れないなと、レオナルドは考える。そうであるなら、いささか同情しないでもない。まあ訊ねないでおいてやるのが、大人の男としてのエチケットだろう。
 朝の爽やかな空気が、一人と一匹を撫でて行く。
 時間はゆっくりと過ぎていった。
 レオナルドは、はるか南東に続く細い道を眺めてみるが、そちらからやってくる旅人もキャラバンも見えなかった。ヤグドは数日のうちに、キャラバンがやって来るとと言っていたがそうそう都合良くはいかないらしい。
「それは、なんだ?」
「もらったんだ。朝飯だよ」
 鼻をすんすんと動かすKRの動きはまさに馬そのものだ。レオナルドは「食べるか?」とその口元に、膨らみの少ないパンを差し出した。
「これは有り難いな」
 KRは固辞もせずに、素直に口をつける。
「ああ、くそ。美味いな。知っているか? 草って苦くて不味いんだ。〈幻獣憑依〉(ソウル・ポゼッション)の最悪の弱点だよ。幻獣になったからと言って味覚はそのままなんだぜ。〈白澤〉(このからだ)は食事をするにはまったく向いていないし、さんざんだよ」
 KRの心底うんざりした口調に、レオナルドはそんな弱点もあるのかと感心した。〈幻獣憑依〉の説明を聞いて、非常に便利で応用範囲の広い能力だと考えていたが、それでもその姿のまま二ヶ月も居るなんて自分だったら耐えられそうにない。
「KRは、日本にいるんだろう?」
「そうだな」
「……日本は、九十一レベルの〈冒険者〉が居るんだよな」
「知っている限り、もっと高レベルのやつもいる」
「そっか……」
 言葉の途切れた隙間に、二人は淡い塩味のパンを食べた。
 レオナルドは、朝のまばゆい光の中で、ビッグアップルのことを思い出した。レオナルドの中で、ミッドタウンのアパートに籠もってエンジニアとしていた故郷と、下水道の中に居心地の良い自分の部屋を作っていた〈エルダー・テイル〉の我が家は、混じり合ってひとつのニューヨークだった。

「日本もひどいことになってるんだろうなぁ」
「いや、そうでもないぞ」
「そうなのか?」
 意外なことを聞いたレオナルドは問い返した。
 〈大災害〉後、ビッグアップルを襲った疑心暗鬼の冷たい時代をレオナルドは覚えている。念話で漏れ聞いた西天使の都(サウスエンジェル)でも、細かい部分は違え似たような状況だったことを考えると、世界の主要都市ではどこでも〈冒険者〉が互いに傷つけあう事態になっていると信じ込んでいたのだ。
「まあ日本も場所によるけどね。大陸ほどじゃない。こっちにわたってからいろいろ見たけど、中には陰惨な暴力が支配している都市もあるよ。大都(ダァドン)なんてススキノがアホくさく見えるほどだ。レオナルドから聞いた、ニューヨークの状況が子供だましに見えるような事件だって起きている」
 レオナルドは、KRの言葉に、その『悲惨』を想像しようとして頭を振って停止した。考えても仕方がない。自分はその場には居ないのだ。いまは、話を聞く方が先だ。
「日本は少し事情が違う。日本はあれで閉鎖的なんだ。プレイヤーのほとんどは日本人だし、海によって他のサーバー管区との交通が遮断されているからね」



◆15




 それは、考えてみれば、当たり前のことだ。
 地図の形を思い出してみれば日本は島国なのは明らかだ。大陸の東端に寄り添っているとは言え、間には海がある。それよって他の地域とは隔離されているのだ。
 その上に、日本は日本サーバー唯一の管理地域だった。
 北米サーバーが地球地図で言うところの合衆国だけではなく、カナダを管理しているであるとか、欧州サーバーが国で言えば十以上の国をカバーしているのと違い、管区の範囲が非常に狭い。そしてレオナルドの記憶に間違いがなければ、日本という国は移民が非常に少ないはずだ。北米に見られるようなレイシズムの噴出なども比較的少なかったのかも知れない。
 いや、もっと根源的な理由なのか。
 レオナルドは確認の問いを発する。
「もしかして新パッチの影響なのか? 新パッチには、治安を維持するような新しい要素が入っていたとか」
「いや、僕の知る限りこれは新パッチとは関係ないなー。おそらくだけど、日本人がオタクでひきこもりでビビりだからじゃないかな」
「そうなのか――?」
 KRはひんやりした岩肌に横たわり、目を細める。その態度はリラックスしきっているようだった。
 レオナルドはその様子を眺めながら一人考え込んだ。
 これは日本人特有のケンソンというやつだろう。
 昔からクールだと思っていたが、今回はその凄さをまたもや見せつけたわけだ。カップヌードルやロータリーエンジン開発だけではなく、こんな状況下でも秩序を保っているらしい。流石ブシドーとゼンの国だ。
「日本は平和なのか……。羨ましいな」
「いいや、そこまででもないさ」
「ん?」
「日本……まぁ、こちらでは、ヤマトっていうんだが」
 KRは、馬のような鼻面をすんすんとならして、深い息をつく。
「あの転移事件の時は日本だってぼろぼろだったよ。混乱もしたし、混乱よりも、意気消沈の方がひどかったね。しょぼくれちゃってまあ、へこんだ。お先真っ暗な雰囲気だったよ。あの日、日本にはおおよそ三万人のプレイヤーがログインしていたと思うんだけどさ――」
 三万人。それは思ったよりも大きな数字だった。
 あの島国の面積を考えれば、過密と言っても良い。
「まぁ、その三万人が一斉に意気消沈してさー。しゃがみこんで、ろくに動けなくなるようなプレイヤーもいた。自暴自棄になって自殺を企てたりね。そして、他者を顧みずPK(プレイヤーキル)に走る連中も一定数は存在した。だが、いつまでも失意に沈むことを良しとしない人間(ヒーロー)も居たのさ。それも、日本の東西にね」
「あんな狭い島国に、西も東もあるのか?」
「面積の問題じゃない。人数の問題だよ」
 ――それも言われてみれば納得できた。
 レオナルドら現代人が感じている「世界の広さ」とは、言ってみれば人間同士の繋がりでありネットワークだ。
 一人の人間が知覚できる世界は目の前の景色でしかない。世界がいくら広くても、自分一人では探索できる範囲も利用できる範囲もたかが知れている。
 であれば、世界の広さの総和は観察者の数に比例する。自分に感じることの出来る世界とは情報提供者と仲間の数次第だと言えるだろう。

「人数がいればいいって話でもないんだけどさ。まあ、あちこち見た限りじゃ数が多ければ多いほど、もめごとは大きくなるよ」
「抗争か」
「そーそー。まだそこまで激化してないけどね。――ヤマトの東部は、アキバという街を中心に結束をしたんだ。アキバの街に集まる全てのギルドが参加し、自らを治めている。そのトップたる十一のギルドが〈円卓会議〉ってのを作って互助的にやってるよ。代表は、とりあえずクラスティっていう〈冒険者〉(プレイヤー)だね。イケメンなんだよなあ、これが。参加人員約一万と四千ってとこかな」
 KRは一度言葉を切って、ちらりとレオナルドを見た。
 レオナルドが先を促すように頷くと、淡々とした口調で続ける。
「一方で西はミナミという都市が中心だね。こちらはよりラディカルだ。西方〈冒険者〉全ては、〈Plant hwyaden〉と言うひとつのギルドに吸収された。〈Plant hwyaden〉は冒険者間の差別撤廃と公平で公正な社会樹立とかいってる。参加人員は、約一万二千って公称だ」
「大きく出たなあ」
「でざるを得なかったのさ。混乱収拾のためには理想のぶち上げが必要ってヤツ。わかるだろ?」
「大統領選挙みたいなもんだな」
「そーゆうことだ」
「西の方が強力な指導力を持ったリーダーが、上手く状況に対応できたんだな。東側は共和制なのか? 派閥闘争になっている印象があるけれど、違うのか?」
「いや、まーそーともいうのか? 共和制って日本じゃ馴染みのない言葉の気がするけど。なんにせよ、このふたつはどちらも現実世界帰還を目指しているが、ライバル関係にあるわけ」
 KRのその言葉にレオナルドは違和感を感じた。
「そうなのか? 争っているのじゃなくて、ライバル関係?」
「同じ日本人同士の組織だしね。別段、悪感情があるわけじゃないよ。自信ないけど、インティクス以外はそうだと思うぞ。将来は判らないけどね」
「じゃあ、そもそもなんでライバルなんだ? 同じような目的に向かって進んでいるならば、統合すればいいじゃないか。東の会議にその〈Plant hwyaden〉が参加するなり。いや、むしろ、東のギルド全てが、〈Plant hwyaden〉に参加して、その運営スタッフとして動けば良い」
 レオナルドの言葉に、KRは薄く笑う。
「五節その通りなんだけどさ、そうは問屋が卸さないんだな。つまり人数が多すぎなんだよ。五十万を超える……」
「五十万!? さっき、日本にいる〈冒険者〉は三万だと言ったじゃないかっ」
「五十万ってのは〈大地人〉こみの数だ。〈大地人〉にだって都合があり、組織がある。そもそもヤマトの〈大地人〉は歴史的経緯から東西に別れていてね。アキバとミナミのライバル関係は、〈大地人〉の社会的な構図に影響受けているんだよ」
「なんで〈大地人〉なんかを気にするんだ? 所詮あいつらはNPCじゃないか。おいおい、KR。あいつらは人間なんかじゃない(、、、、、、、、、)んだぞ?」
「……」
 KRがまるでガラス玉のような無機質な瞳で自分を見つめていることにレオナルドは気が付いた。
 その瞳で見つめられたレオナルドは、急に羞恥心に襲われる。なぜそうなったのかは判らないが、KRがまるで軽蔑しているような、自分を物わかりの悪い子供のように思っているような気がしたのだ。

「レオナルド。早めに対応したほうがいいぞ?」
「え、あ」
「情報支援がない現代人は、烏合の衆だよ。僕の好き嫌いは別にして、人間ってのは数だ。集団ではじめて実力が出てくる生き物だよ。集団ってのはそれなりの生活支援や、技術支援がある社会だ。地球での暮らし思い出してみればわかる。野犬にさえ勝てない人間が大半だったろ? 君はどうだ? レオナルド。――自慢じゃないが、僕は野良猫にさえ負けるぜ。そんな脆弱な人間が地球の覇権を担うことが出来たのは寄ってたかって集まったからだよ。知識じゃない。初期の人間は文字さえろくに書けなかったんだからな。……社会だよ。群れ集って、それをシステム化したからだ」
 KRの声は講義のように滔々と流れた。
「知識と社会と情報は三位一体なんだよ。社会を作るために情報交換が必要で、その情報交換の余剰熱が知識を発生させる。逆に言えば、人間が社会を構築しなければ、情報交換なんてする必要はなくて、低い文明しか手にしていなかったろうね。それは歴史を見ても明らかだろ? 情報交換ってのは武器なんだ。Webを失った現代人の〈冒険者〉(ぼくら)はにわか石器人だよ。僕たちはこの異世界の中で、ずたずたに分断されてるんだ。レオナルド、その自覚あるかい? 君はいま、誰かに知恵を借りることが出来るのかい?」

 レオナルドの胸がずきりと痛んだ。
 KRの言葉はその通りだ。
 ここには、パソコンも、インターネットも、それどころか電話や郵便システムだって有りはしないのだ。もちろん、念話はある。ゲームシステムである念話は生き残っている。しかしこの荒野は中国サーバーなのだ。レオナルドの古い友達は、ここには誰もいない。念話をするために必要なフレンドリストの反応は、全て暗く沈黙したままだ。念話は、同じサーバー内でなければ繋がらないのだから。
 レオナルドは思い出す。
 テケリの都で果てそうになった焦燥感と絶望感。そして孤独を。
 もしレオナルドが攻略Wikiにアクセス出来たなら、テケリからの脱出方法を検索したていただろう。いや、それ以前に危険情報検索をした上で、近づきさえしなかったかも知れない。もし運悪く、あのテケリの罠に落ちてしまったとして、掲示板やメールがあれば助けを呼べただろう。
 しかし現実はどうだ?
 レオナルドは一人で餓死しようとしていただけだ。
 確かに〈冒険者〉はたぐいまれな戦闘能力を持っている。
 元の世界で言えば、狼やパンサーの位置だ。生物としての優位性は疑うべくもない。しかし、そんな固有戦闘能力があったところで、あんな廃墟の罠ひとつ食い破れやしない。しかもその上、この世界には単体戦闘能力において〈冒険者〉を上回る個体がいくらでも居るのだ。ダンジョンなどで遭遇する、パーティー用モンスターは、その大半が地上のモンスターより高い頑健さと攻撃能力を持っている。それらは、元々、六人の冒険者からなるパーティーで戦闘をする前提でデザインされている。
 レオナルドのレベルが一〇も上ならば勝てるかも知れないが、同じレベルのパーティーモンスターには、かなわない。六人がかりで勝てるようにデザインされているからだ。まったく同様に、レイドモンスターは、同レベルの〈冒険者〉二十四名、もしくはより多くの集団で挑むことを意図したデザインになっている。
 ドラゴンや巨人、ベヒモス、ランドワームなど、巨大で恐ろしいモンスターはいくらでも居るのがこの世界であり、冒険者もまた、群れなくてはその能力を発揮することも出来ない。Web支援のないこの世界で、だ。

「〈大地人〉は違うわけ。確かに、あいつらはNPCかも知れないよ。レオナルドにとってはね。でもさ、それがどうしたんだよ。彼らはこの世界の住人で僕らよりも広く世界に根を張っている。彼らは彼らなりの社会がある。そりゃ元の地球の電子的ネットワークに比べれば稚拙かもしれないけどさ。彼らなりに社会を作ってるんだよ」
「そう、なのか?」
「そうさ。早馬、伝令、噂と言った中世に用いられてきたようなものから、密偵や官僚とかね。水晶球や、伝達管、雷精霊などを用いた魔法的な情報網まで存在しているよ。彼らは〈冒険者〉じゃないけどさ、バカでもアホでもない。おまけにこっちのの十倍以上の数が居るんだぜ?」
「だが、だからって」
 だとしたところで、〈大地人〉は〈大地人〉だ。
 〈冒険者〉と比べるなんてナンセンスではないか? 十倍の数がどうしたというのだろう。その気になれば、レオナルドは一人でこんな村を制圧する自信がある。村人が二百人いようが、三百人いようが、関係ない。このセケックの村一番の腕自慢だって、そのレベルは三十前後に過ぎない。そんなヤツに後れを取るとは、レオナルド自身考えもつかなかった。
「もちろん、その言い分は判るさ」
 レオナルドが伝えた言葉に、KRは頷く。
「僕だって、この村は制圧できる。でも、それでどうするんだ? 村長にでもなるのか? 腹が減ったらどうする? モンスターを倒して肉を食うのか? そんな面倒くさいことマジでやるのか? 小麦が食べたいだろう? 調味料だって欲しいさ。そのためには、結局生産者と付き合わなければならないだろ?。〈冒険者〉だけで賄えると思うか? 例えば〈料理人〉だって材料は〈大地人〉の市場に頼っているのが現状だ。肉は獲物から取ってこれたとしても、穀物などは結局〈大地人〉の生産したものを購入しなければならないわけでさ。僕たちが『それなりの暮らし』をするためには〈大地人〉と関係するのを避けられないのさ。結局さ、そこが分かれ道なんだよ」
「分かれ道?」
「自分や、自分たちのことだけを考えるなんて出来ないって話。治安の悪化や、ギルド間の対立も同じなんだ。自分の問題を解決するためには、周囲の問題を解決するしかないんだ。〈大地人〉も含む全部だよ。自分には関係ないからって放り出すことは出来るけど、それじゃ結局自分たちの生活も無茶苦茶にすることになる」
 KRの言葉はレオナルドには痛かった、
 北米サーバで、ビッグアップルでレオナルドが目にしたのは「それ」に他ならない。
 KRはあきれ気味の声で講義を打ち切った。

「要するに〈大地人〉と互いに認めあうか、〈大地人〉と互いに利用し合うか、まあとにかく〈大地人〉と一緒に暮らすしかないんだ。〈大地人〉をNPC扱いしている限り、どんなギルドだろうと〈冒険者〉だろうと、この世界では世紀末覇王伝説のあげく社会崩壊ENDしかないってことさ」


◆16

 二日が経過した。
 その二日間の間、レオナルド達一行はおおむね村人に歓迎されて過ごしたと言えるだろう。
 エリアスは村人の要望を聞き、幾つかの茂みを切り払い開墾を助けた。コッペリアは請われるままに怪我人の手当や祝福を行ない、カナミは、持ち前の愛嬌で村の人々から大きな人気を集めた。KR(ケイアール)は本人こそ絶対に認めようとはしなかったが、村人よりも数は多い馬の半数から熱い眼差しを注がれていた。
 しかし意外なことに、最も子供に懐かれたのはレオナルドだった。
 少年少女を問わず、子供達はレオナルドを見ると興奮してとても楽しく感じるらしかった。
 レオナルドが忌々しく思うのは、子供が決まってレオナルドによじ登ろうとすることだった。多少年長のものは遠慮していたが、それは彼らの子供らしいなけなしのプライドがさせているのであって、本音で言えばレオナルドにべたべた触りたい欲望を持っていると見て取れた。
 年若い少年少女、そのほとんどがレオナルドからは、ほんの乳飲み子か歩き始めたばかりに見えたが、彼らはより遠慮無くレオナルドに迷惑を掛けた。すなわちよじ登り、機嫌が良ければレオナルドの緑のマスクを叩いたりして、機嫌が悪くなれば駄々をこねて泣くと言った具合である。
 レオナルドはなるべく子供のいない場所へと逃げ回っていたが、それでも朝晩の洗顔や、食事時などは、この小さな村で避けきれるはずもなく、少なくない時間を怪我をさせるわけにも行かない子供達の相手をして過ごさねばならないのだった。
 村に住む母親達は、レオナルドが〈冒険者〉であり彼らよりよほど大きな戦闘能力を持っていることを理解しているために、レオナルドには何度も頭を下げていた。子供が迷惑を掛けて申し訳ない、と言うようなことを繰り返し謝った。
 しかしレオナルドの想像によれば、それは見せかけだけであり、彼女達もまた子供がレオナルドに攻撃を加えることを楽しんでいるのだ。そうでなければ、小さな暴君達をここまで野放しにするなんて信じられない。
 そんなわけで、レオナルドは、キャラバンを待つ日中の間、その時間を子供達から隠れて過ごさなければならなかった。
 大いに助けになったのは、街外れの大岩だった。高さが二メートルにも達し、その上部は広間ほどもあるその大岩は避難所としてうってつけだ。
 レオナルドは食事のあと、子供達から這々(ほうほう)(てい)で逃げ出すと、街を駆け回って追っ手を振り切りその後こそこそと岩の上に隠れるのだった。
 大岩の上に逃げ込んだレオナルドは、一日の大半の時間そこで刀を振るっていた。それはレオナルドが〈大災害〉によってこちらの世界に連れてこられてから初めての本格的な訓練だった。
 レオナルドは単調な技を繰り返し、ひとつひとつ確かめては蛙のように遅い歩みを続けていた。彼の本職はエンジニアであり、一度決心をすればレオナルドは非常に執念深くもなれたのだ。問題を追い詰める猟犬のように勘を働かせつつも、多くは根気と忍耐力によって目的を達成する。レオナルドは今まさに、そのふたつの武器を用いて、謎の答えを導き出そうとしていた。

 村に滞在を初めて四日目の朝、旅商人はやってきた。
 大岩の上からいち早くそれを見つけたレオナルドは、村から五十メートルも離れたところまで迎えに出た。
 旅商人は、世話役ヤグドから訊いていたより、はるかに小さな商隊だった。
 荷を乗せた馬を引く中年の〈大地人〉と、傷だらけの皮鎧を着けた女性。毛皮のついたマントをまとったその女性は、徒歩にもかかわらず馬より多くの荷を背負っていた。長い旅をくぐり抜けてきたのかその表情は疲労の色が濃い。
 彼女が〈冒険者〉であることを確認したレオナルドは、ほぼ同時に彼女も自分を認識したのを知った。
「あなたは〈冒険者〉ですか」
「そうだ。レオナルドという」
 明らかに警戒していた女性は、唇を噛む。年齢は若く見えるが、声は落ち着いているし何よりも表情が世慣れていた。
 〈エルダー・テイル〉の世界においては、男女ともゲームの3Dモデルの影響を受けて、美形になる傾向がある。そのせいで、中年以上の人間は、若返ったような容姿になる場合が多いのだ。この女性も外見だけで言えば二十歳くらいに見えるが、その落ち着きから見れば三十代であってもおかしくはなかった。
「私の名前は春翠(チュンルウ)。〈楽浪狼騎兵〉に所属する巡廻師です。キャラバンのほかのメンバーは力及ばず、護りきることが出来ませんでした」
 中年の男は、黒い髭を蓄えた意志の強そうな瞳の商人だった。彼は、ジュウハと名乗ると村長ヤグドへの取り次ぎを依頼する。
 本来レオナルドはそんな事を頼まれる立場ではないし、許可する権限もないのだが、春翠はレオナルドを街の護衛として雇われた〈冒険者〉だと考えたようだった。いずれにせよ村はずれにこの二人を放置するわけにもいかない。レオナルドは二人を案内をしてヤグドの家へと戻ることになった。

 二人の旅人を温かく迎え入れたヤグドの家の広間で、春翠は今までの経緯を説明することとなった。
 ジュウハの行商隊の護衛依頼を〈楽浪狼騎兵〉が受けた事。〈楽浪狼騎兵〉にとってこの種の護衛をこなすのは、日常的な活動であること。ジュウハ達キャラバンの人数は四人で自分たち護衛は六名であったこと。そして旅は当初順調にいっていたこと。
「しかし、旅へでてから八日目の夜、ここからは南東の方角で私たちは、〈灰斑犬鬼〉(ノール)と遭遇しました。〈灰斑犬鬼〉はこの地方で最近目撃例が増えているモンスターです。警戒はしていたのですが、……数が多すぎたのです」
 村人から白湯を勧められた春翠とジュウハは、口調こそ重かったが嫌がるそぶりは見せずありのままを語ってくれた。
「数は、正確にはわかりませんでしたが、八十体は越えていたと思います。我々は護衛部隊ですから、戦闘に勝利するだけでは意味がありません。依頼者の皆さんを助けなければなりません。防戦はしたのですが、それだけの数の〈灰斑犬鬼〉はとても防ぎ切れませんでした。――〈灰斑犬鬼〉は冒険者を襲う習性があります。それを察した私たちはキャラバンと離れたのですが、結果としてそれも無駄に終わりました。生き残ったのは私たち二人だけです。私の反応起動回復呪文を盾代わり、逃げて逃げて――荷物は里で回収できましたが、キャラバンの皆さんは弔うことしかできませんでした」
 沈痛な面持ちの春翠をジュウハと呼ばれた旅商人は慰めようとしたようだ。
 彫りが深く黒い髭を生やした、男臭い容貌の商人は、疲れてはいるがしっかりした声で声を掛ける。
「旅暮らしは危険と隣り合わせだ。こんな事があるかも知れないことは、連中だって覚悟していた。〈楽浪狼騎兵〉だって命を賭して護ってくれたんだ。連中だって恨んでやしないさ」
「しかしっ」
 唇を噛みちぎりそうな勢いで、それでも言葉を飲み込んだ春翠。レオナルド達は、その言葉の続きが、まるで聞こえでもしたかのように、はっきりと判った。

――しかし、私たちは生き返るんです。〈冒険者〉だから。

 当たり前だ。〈冒険者〉がモンスターにやられる度に死んでいたらゲームが成立しない。だから神殿で生き返る。しかし〈大地人〉はそうではない。
 〈大地人〉は、死ぬ。
 NPCだから。
 それは、〈冒険者〉が生き返るのと同じくらい当たり前のこと。しかしその当たり前を、当たり前なのは判りつつ、当たり前だと頷けないレオナルドが、そこに居た。
(馬鹿らしい……。そんな事は、仕方ないだろ。当たり前……じゃないか)
 KRの話したことが、脳裏に浮かぶ。
 〈大地人〉と〈冒険者〉の共生関係。それは、判る。
 〈大地人〉はこの世界において〈冒険者〉よりも数が多く、彼らにしかできない労働がある。つまり、〈冒険者〉だけでは生きてゆけない。それならば、〈大地人〉を利用して、使役して生きてゆけばいいではないか。話しに出てきたミナミのギルド〈Plant hwyaden〉のスタイルがこの世界では自然だ。
 にもかかわらずどこか割り切れないものが残り、カナミもエリアスもコッペリアですらそれが当然であるかのように春翠の話を聞いている。
 こんな湿っぽい感情は苦手だった。
 レオナルドは生粋のニューヨーカーであり、都市生活者としてドライでハードなアーバンサバイバルの信奉者なのだ。ニューヨークでは、誰もが自分を助けるので精一杯だ。自助努力は自由主義の中心である。
 力が弱い者は死ぬ。それは摂理でしかない。
 だがその同じ理屈でもって、レオナルドは、このジュウハという中年商人に気高さを感じてもいた。
 自らを助けるという過酷なサバイバルの中、彼らは危険な荒野での交易に自らの持つ最も高価な財産、生命を賭けた。ジュウハは生き残りほかの仲間は命を失った。キャラバン全体で見れば、これは賭に負けたと言っても良いだろう。ジュウハは負けて財産の多くとかけがえのない仲間を失った。しかしだからと言って、その気高さはいささかも減じるものではない。彼は挑戦したのだ。
「それで、ジュウハと、春翠は――どうするつもりなんだ?」
「仲間も居ないし、これ以上西へ進むのは無理だと思うんだが」
 レオナルドとエリアスの言葉は、すでにジュウハも考えていたようだった。馬は一頭しか残っていないし、護衛も大半が失われた。これ以上の旅は難しい。
 何かを言いかけた春翠は、口をつぐんでジュウハを見た。一応雇い主の意向が優先と言うことなのだろう。
「そうだな。結局は出直しだ。持ってきた物資は出来る限りこの村で捌いて戻るつもりだ。馬乳の都(シーマァナイクィ)まで辿り着けば、大都(ダァドン)は遠くとも、なんとか人を集めて再起できるだろうと思う」
 春翠は施療神官だった。それが生き延びるのには役立ったのだろう。春翠もジュウハも、〈灰斑犬鬼〉から逃げ延びた時の傷はもう癒えている。これがジュウハだけであったら、この村に逗留し下手をしたら半年程度の療養は必要だったかも知れないが、幸いジュウハは明日にでも旅立てる体調にある。
 その声は厳しかったが、まだ前に向かうエネルギーを秘めていた。

「我がギルド〈楽浪狼騎兵〉では、大規模戦闘による〈灰斑犬鬼〉集団の討伐を計画中です。ですから、帰還の旅へ追加の護衛を出す余裕はないのですが――」
 春翠の申し訳なさそうな言葉にカナミは答える。
「良いよ。私たちも東へ行く旅の途中だったから。道連れになるよ。私たち五人……じゃなくて四人と一頭かな。それと春翠さんが加わって六人。丁度いいでしょう?」
 カナミは、レオナルドを旅の仲間に加えたときと同じく、嫌みを感じさせない軽やかさで決定を行なった。
 頷くエリアスと、どこか嬉しそうなコッペリアの表情に、レオナルドもまた、ほっとしていた。自分でもなぜ安堵したのかは判らなかったが、カナミの決定はレオナルドの気持ちにあったわずかな痛みを吹き払ったようだった。
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