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ログ・ホライズン 作者:橙乃ままれ

Route43

66/129

066


 旅立ちの朝はこの季節には珍しく雲ひとつ無い空だった。
 にゃん太の見送りで〈エターナルアイスの古宮廷〉までやってきたミノリたちは、そこから馬車にのって一路西への旅を開始した。
 「八の運河のハイコースト」を左手に見ながらミノリたちは河を渡る。
 それはかつての世界において多摩川と呼ばれた川だ。セルデシアにおいても十分な大河である。このあたりの地区は、ミノリたちにとってもおなじみの場所だった。アキバの街から騎馬で二時間ほどのこのあたりは、野生のモンスターも多く、ミノリたちの修行の場のひとつでもあったからだ。
 しかし、川を渡ってしばらく進めば、そこから先はまったく未知の大地だ。
 アキバの街から日帰りが難しくなるこの距離は、ミノリたちの経験がない領域との境にあたる。とはいえ、ミノリたちは緊張よりも興奮を感じていた。

 ゾーン名は「ズーランドの草原」に切り替わった。
 この地区はミノリの腰の高さほどもある草が生える草原と荒れ地の混合地形だ。風になびく草が波のようにうねってゆく。草の原のあちらこちらから、小さな建物の廃墟が突きだしていた。それらはほとんどすべては無人で、蔓草と動物たちにねぐらを提供しているのだ。
「牛みたいなのが見えるよ」
「え? どこどこどこ? どこですかー?」
 幌に覆われた後部座席のうしろから、五十鈴とセララの声が聞こえた。
 御者席に座っているミノリは、手綱をトウヤが握っていることを確認した後、振り返る。五十鈴が指さす草原の先には大型の四足動物の群があった。
〈草蹄鹿〉(グリーン・エルク)の群だと思います」
 ミノリはそう告げる。シロエからモンスターの特徴や分布を学んでいた事が早くも役に立った。
「危ないかな?」
「大丈夫ですよ。遠いですし、おとなしいって言う話ですし」
 〈エルダー・テイル〉においてモンスターは倒すべき敵だが、種類によってその攻撃性には差異がある。こちらが近づいた場合、敵意を向けてくる距離が違うのだ。視界に入った瞬間冒険者に襲いかかってくるようなモンスターもいるし、近寄って攻撃を加えないかぎりこちらを無視するモンスターもいる。そして〈草蹄鹿〉はどちらかと言えば後者に属する。
 ミノリたちの馬車が進んでいるのは、赤土の道だ。
 時にアスファルトが顔を出すこともあるが、基本的には轍の刻まれた赤い道を、ミノリたちが歩く二倍程度の早さで馬車は進んでいく。

 風はまだ冷たかったが、それは切りつけるような冬の冷気ではなかった。
 どこか瑞々しさを含んだ、春の爽やかな涼気だ。
 荒れ果ててはいるが、そこは美しい場所だとミノリは思った。
 草原に引かれた道はとても緩やかなカーブを描いている。この道は概ね海岸と平行して南西に向かっているはずだが、海までは数キロメートルもあって見ることは出来なかった。うねるような草原で隠されていると言うこともある。

 ミノリはシロエの講義を思い出していた。
 この道は、地球においては国道一号、かつては東海道と呼ばれていた道なのだという。ミノリはもちろん国道という言葉を知っていたが、深くは考えたことがなかった。漠然と、車線が多くて車が沢山通る道だと思っていたくらいだ。
 シロエによれば国道とは日本という国が管理する幹線道路、なのだそうだ。日本全体を網羅する主要な道路を国が管理して、それらを繋ぐような中規模以下の道を、地方自治体が管理する。そういう効率的な手分けのシステムが明治時代に考案され、中核を担う幹線道路が国道と呼ばれているのだ。
 国道一号とは、その国道計画における最初の一本目の道で、旧くは東海道と呼ばれていた、東京日本橋と大阪を繋ぐ街道である。そう聞けば歴史のような物を感じてしまうミノリだった。
 このセルデシア世界においても該当する街道はある。整備された四車線の国道とは比べるべくもないが、ミノリたちがたどっているこの赤土の道がそれだ。
「ねーミノリ。天気が良いから、もう少し、急ぐ?」
 弾むような五十鈴の声に、ミノリはメモをめくった。

――いけそう?
――いける、いける!
――がんばっちゃいますー!
――このルンデルハウスの前に道は出来るのだ。
――よっしゃあ!

 そんな仲間の声に背中を押されて、失敗をしてしまった。
 カルベの村には立ち寄らず、もっと先を急げると赤土の道を進んでいた遅い午後、突然、馬と馬車を繋いでいた策具がはずれてしまったのだ。
 びっくりしたミノリとトウヤの前で、馬は一回大きく嘶くと、そのまま駆けだして地平線へと消えてしまった。
 ミノリたちは道の上に取り残された馬車の中で呆然と顔を見合わせたあと、しばらくして笑い出してしまった。

 〈ライマンの双子馬笛〉の制限時間が切れたのだ。
 一日六時間の制限時間がそろそろだということに誰も気づかなかったのも笑ってしまったが、それ以上に、時間が切れたからと言って、あんなに一目散に去ってしまうとは思わなかった。
「やだ、あの子ったら、わたしの手からキャベツ食べたんだよ?」
「わたしからもですー」
「もう、ほんっと人情がわかってないよ。裏切り者だ!」
「馬ですから」
「裏切り馬とでもいうのかな」
「馬だって。馬だって。馬、もう、だめ。あははははは」
 五十鈴とセララが馬車の中で笑い転げる。トウヤも、ルンデルハウスも、もちろんミノリも笑ってしまった。五十鈴たちはあんなことを言っているが、馬があんまりつぶらな瞳で見つめてくるから、ミノリだって野菜を差し入れしていたのだ。あの双子馬は、そうやってミノリたちからおやつをせしめていたに違いない。
 その手練手管といい、拘束時間が過ぎたら脇目もふらずに去ってしまう様子といい、要領が良くて憎めない双子馬だった。
 自分たち双子より、全然世慣れているだなんて、ミノリは笑いながらも感心してしまう。草原の夕暮れに、馬のいない馬車。立ち往生の大失敗なのに、あんまりにも笑ったせいで、ミノリたちは毒気を抜かれてしまった。

「仕方ない、ミノリ、ほら」
 くすくす笑い続けるミノリの手をトウヤがとってくれて、一行は馬車から降りた。
 馬車に乗り続けていたせいで揺れる足下を、トウヤが助けてくれた。ミノリには出来すぎなくらい良くできた弟なのだ。
 シロエに対する恋を自覚したあの夜、ミノリが闇の中でもがいている間、トウヤはずっと支えてくれたのだ。本人には言わないけれど、自慢の弟だ。
「馬は逃げてしまったが、これはこれで爽快じゃないか」
 ルンデルハウスは大きく伸びをしながら、そのままきょろきょろと見回して「それで、ここはどのへんなのだい?」などと言っている。
 ミノリの地図によれば、カルベの宿とウィストリア集落の中間くらいだと思われた。
 しかしどちらに行くにも、馬無しの馬車を抱えてでは夜中に辿り着ければ良いところだろう。もちろん〈ライマンの双子馬笛〉は〈再使用規制時間〉(リキャストタイム)が経過すれば再び使えるようになるが、それにはあと十八時間必要だ。明日の朝十時といったところだろう。
 これは覚悟を決めて野営をすべきだと五人は判断をした。
 協力して馬車を道の脇にどかしたのは、立ち往生したミノリたちの馬車で、この道を商人や〈冒険者〉が通れなくなっては迷惑をかけると思ったからだ。
 そしてミノリたちは野営の準備を始めた。

 それは後悔先に立たずという言葉を体現するような野営だった。
 ミノリたちの手際が悪かったせいで、準備には思ったよりもずっと時間がかかったのだ。〈新妻のエプロン〉をつけたセララが張り切ってシチューを作ってくれたが、それが完成したのは真っ暗になった後だった。
 現代の中学生であるミノリにとって、馬に逃げられた一六時は午後でしかない。それから一時間と少しほど野営向きの土地を探して付近をうろつき回り、料理を始めたころには日が暮れかけていた。
 たき火の準備やテントの設営を失敗しつつも進め、なんとかそれらしく整ったのは、おそらく二十時を回っていただろう。
 トウヤが張り切って張ったテントはバランス悪く右側にかしいでいて、それを見た五人はやはり笑ってしまった。全員の手が土と草の汁に汚れているが、それすらも互いを指さし合って笑う材料でしかない。
 セララの作ってくれたシチューは水っぽくて、お世辞にも美味しいとは言えなかった。ルンデルハウスが端っこでつながったニンジンの蛇腹を引き当てて、セララは恐縮しきって何度も何度も頭を下げたが、それでもミノリたち一行の上機嫌はちっともへらなかった。
 ミノリにとって、自然といって思い当たるのは、いいところ自然公園におけるそれだった。修学旅行で歩いた尾瀬の山道ハイキングコースがミノリの想像力の限界だ。その程度の経験しかないミノリは驚いたのだが、どうやら自然というものには予想以上に平らな場所がないらしい。
 いま座っている草原の地面にしろ、砕けたコンクリートの欠片があちこちから顔を出し、土の下には木の根がうねっていたりする。
 うっかりあぐらで座ったトウヤが「痛ぇ!」と飛び上がるようなこともあったし、テントの中だってきっと斜めで、夜具を敷いても安眠なんて出来ないかもしれない。

 しかし五人は笑いながら、星明かりの下で、温かいスープを飲んだ。
 荷物から取り出したあんパンを割って配ったり、無情な馬を思い出してみたり、たき火をかき回してぱっと火の粉をあげてみたり、マジックライトの明かりで馬車の車軸を調べてみたり、煌々と明るい春の星の下で、五人はずいぶん遅くまで起きていた。
 旅に出たにしては少しも褒められたことでもないし、不格好で、不手際だったけれど、ミノリたちにとって、これは初めての遠征なのだ。
 半径数キロメートルには自分たちしかいないのだと思うと、ミノリでさえもどきどきして、どこかへ飛んで行ってしまうような浮き立つ気分を味わった。
 大好きなシロエにおいつくために、ミノリは少しでも力が欲しかった。
 それを手に入れる旅に友だちと一緒に出かけられるのは幸せなことだった。

 今日出会ったすべてのトラブルと、しでかしてしまったすべての失敗が、春の宵をグルグルと回転して、ミノリたちを祝福しているようにさえ感じられた。ひとりだったら自己嫌悪で帰りたくなってしまうような出来事が、今のミノリたちにとっては、旅を彩る楽しい冗談のようにさえ思えるのだ。
 五十鈴が「練習する!」といって弾き始めた可愛らしいナンバーは繰り返し響き。ミノリたちは夜更けまでハミングをしていた。
 早く寝れば良かったと反省したのは、空が白み始めてからだった。


 ◆


 旅立ってから3日。
 トウヤたち一行はサザンの町にいた。
 計算通りうっすらと日が傾いた時間に村にたどり着いたトウヤたちは、馬車の上から何度も手を振って村人にあいさつをすると、そのまま馬の看板をつけた宿屋へと移動した。
 トウヤたちが辿ってきた道は付近の住民から〈西への街道〉と呼ばれている。
 付近の住民にとって街道と言えば他にはないほどの交通量を誇るヤマトの大動脈である。その街道沿いにある村々は、周辺の漁村や農村よりも大きく、その地域の物流の拠点となり、時には市なども開かれる。そのため交易商人の往来が多く、宿屋があることが普通だったのだ。

 事前知識としては聞いていたが、旅に出てからトウヤたちも学んでいた。
 なんにでも理由はある。
 地図で見たときは、何でこんな風にうねった道などを作るのだろう? 目的地まで直線で道を作れば効率的じゃないか、などと思っていたが、実際現地でその道をたどってみれば、深い森や窪地、あるいは丘などがあって、それを迂回した道のほうが作りやすいのだ。いや、どちらかといえば、移動しづらい地形を避けて目的地へと馬車や徒歩で動いた結果、その過程が道となり、定着したのだろう。
 村の位置ひとつとってみてもそうだ。近くの水源の位置、街道との関係、耕作可能な平地の有無、森などの資源地との距離、そういった要素がすべて有機的に絡み合い、ああ、ここに村を作るのが正しかったのだな、という位置に村は作られる。
 なかでも利便性が高く住民が増えた村は、その規模を拡大し町とよばれるほどに成長するのだ。このサザンの街は、陸海の交易と漁業により成長した、付近では比較的大きな〈大地人〉拠点だった。

 宿屋の一階は酒場という触れ込みだったが、酒場や食堂というよりは、集会場のような雰囲気だった。豪快な丸木づくりのこの建物は巨大で、その一階部分は教室よりも大きく天井が高い空間になっている。足元は煉瓦のようなブロックで組まれていて、広間の半分くらいは、その上を板張りで覆っているらしかった。
 宿の受付と会計はひとつの場所で、注文は機嫌よさそうに座っている老人に叫ぶという独特の方法でなされるようだ。巨大な犬を足元に従えた老人は、暖炉脇でうとうとしながらも、この酒場を切り盛りしている孫娘たちに、客の要望を知らせる。
 大きなテーブルには海の男らしき赤銅色に焼けた肌の〈大地人〉が早めの酒を楽しんでいた。メニューのほとんどは海産物だ。そしてアルコール。
 トウヤたちはこの宿屋に入った三十分後には、一番大きなテーブルを背にして演奏をしていた。
 娯楽の少ない〈大地人〉の村で、しかもたいした対価も請求しないとあっては、先方としても断るという考えは全くないようだった。
 セララがおもちゃのような足踏み風琴(ポータオルガン)を弾いて、トウヤは木箱の背を叩いた。五十鈴とミノリは交代でリュートを奏で、歌はその場のノリで手の空いた人が歌うという具合だった。
 それは、ライブというよりはどちらかと言えば、芸人の出し物のようなステージだったが、集会場に集まった大勢の〈大地人〉たちはとても楽しそうだった。
 その宿屋の主人の孫娘たち(たくさんいた!)は顔を真っ赤にして狂ったように酒を運び、記録的な売り上げになったそうだ。
 トウヤたちは、ヤギのような真っ白眉毛の老人から「お前さんたちは、特別に、料理も宿も、ただでいい」と言われて大いに盛り上がった。何度も乾杯がくりかえされて、なかでも五十鈴はたくさんの〈大地人〉に囲まれて賞賛の言葉を浴びせかけられていた。
 トウヤも楽しすぎて、つい強く叩いてしまい、衣装ケースだった木箱を壊してしまった。ミノリにそれで怒られたほどだ。しかし、そんなミノリも嬉しそうだった。
 ルンデルハウスはもとは〈大地人〉貴族だという話だったが、トウヤが思っている貴族のイメージとはそぐわず、こんな宴会でも、実に楽しそうに仕切っていた。
 そもそも、ルンデルハウスが宿屋の主人に「こちらは旅の〈冒険者〉の一行なのだが、うちの楽師がこの宿で、一晩の演奏をしたいと言っている。迷惑はかけぬから場所を提供してもらってもいいだろうか」と言い出したのが、宴のきっかけだったのだ。
 そのあとも真っ先に舞台に上がって、五十鈴をはじめ、トウヤたちの紹介をしてくれた。演奏が始まるとすみっこにひっこんで、その鮮やかな金髪を輝かせ、この世界で一番楽しいものを見るような瞳で、ずっと手を振ってくれていたのだ。
 ルンデルハウスはなかなかすごいやつだとトウヤは思った。
 トウヤは、自分がサッカーの輪に入れなかったとき、あんな表情で応援することはできなかった。それが胸に詰まり、つい演奏に力が入ってしまったところはある。それは、五十鈴もそうなのではないかと思った。

 その夜はずいぶん夜更かしをしてしまった。
 五人は思いつく限りの曲を歌ったし、できる限りの演奏をした。
 もちろん食事や休憩などを挟んでいたのだが、そうして休んでいるたびに、いままでは集会場にはきてなかった〈大地人〉のグループが入ってきて、今日の演奏は終わってしまったのか、聞きそびれてしまったと、しょんぼり肩を落とすのだ。そんな人たちのために、あと一曲、あと一曲と追加をするたびに、どんどんと長引いてしまい、宿の主人である老人が立ち上がり、「今日はここまでだ、みんな疲れているし、明日も仕事がある! 帰れ、帰れ!」と叫んだのは、夕暮れから五時間も過ぎたような時間だった。

「女子はもう寝ちゃうからね、ルディ、あったかい格好しなきゃだめだよ」
「トウヤさん、ルンデルハウスさん、おやすみなさい」
「お休み、トウヤ。ルンデルハウスさん」
 そんな声を残して着替えた女子三人組は割り当てられた部屋へと消えていった。
 風呂こそなかったが、宿屋の厚意で湯を沸かしてもらった女子たちは、それで身体をふいて髪を洗ったのだ。トウヤとルディはざっとほこりを落として、残りは明日の朝ということにしていた。
 廊下で別れて自分たちの部屋に入れば、交易商人の泊まる宿というだけのことはあり、想像していたよりも小ざっぱりと整理された空間だった。板のベッドには分厚いキルトの蒲団がかかり、小石だらけの野営よりは、よほど寝心地がよさそうに見える。
〈魔法の明かり〉(マジック・ライト)
 ルンデルハウスが呼び出したあかりのなかで、二人は馬車から降ろした荷物を少し確認して、ベッドに腰を掛けた。
 喉はガラガラしているし、お腹はいっぱいで、腕はだるい。
 全部大騒ぎのせいだが、トウヤとルンデルハウスは宿屋の部屋の中で幸せの余韻に浸っていた。
 ワイバーンの素材を捕りに行く――そう考えたときに想像していた旅ではないけれど、これはそれよりもずっと良いものだ。トウヤはそう思った。
 五人だけで力を合わせて荒野を旅するのは、それはそれで冒険ドラマのようだけど、一方で荒野の野営というのは思ったよりずっと大変なのだ。認めたくはないが、トウヤは都市生活の現代少年であって野生児ではない。
 それに、村に立ち寄って音楽を演奏するという思い付きは大好評だったし、とても楽しい体験だった。お祭りみたいなうえに、その中心の一番明るい場所に自分たちがいるのは、くらくらとめまいがする体験だった。
 ベッドの上で、うーんと背伸びをするが、興奮が潮騒のように残っていて、寝付けそうにないのだ。

「……ふふ」
「……だ……ね。うん……ね。……っぱり!」
 静かになった部屋に、隣から弾んだ声がとぎれとぎれに響いてくる。内容まではわからないが、その調子と声室からセララと五十鈴の声だとわかる。ミノリも参加しているようだ。三人組の小さな笑い声が、くすくすと聞こえた。
「元気だな」
「元気すぎだよな」
 ルンデルハウスの笑みをこらえたような声に、トウヤは同意して身体を起こした。
「何を話してるんだろうな」
「ルディ兄、気になるのか?」
「とんでもない。淑女(レディ)の内緒話に興味を持つほどボクは下世話ではないよ。ただ、なんで彼女たちはああも話す内容が尽きないんだと、感心してるんだ」
「そりゃ、女子だから」
 トウヤは笑いをこらえて、答えにならない答えを返した。
 学校を思い出せばわかる。女子のおしゃべりというのは盛り上がってしまえば手が付けられないものなのだ。靴下の柄ひとつで半日でも一日でも盛り上がれるほどで、トウヤたち男子には理解不能だ。
 ミノリは女子の中では比較的落ち着いた性格だと思うが、それだって一度ヒートアップしてしまえば、手が付けられなくなったりもする。
 しかし見たところ、ルンデルハウスだって嬉しそうだ。女子のお喋りをいぶかしむようなことを言っているが、その表情は笑みを浮かべて、おなじみになった〈魔術師の籠手〉を磨いている。
「ルディ兄だってご機嫌じゃん」
「む。これはその、武具は常に手入れをしておかないといけないからだ」
「ふふぅん。じゃ、オレもしよっかなあ」
 トウヤも荷物の中に仕舞っていた具足の革帯を点検し始めた。
 旅に出る寸前、一行の武具は〈変人窟〉の職人に見てもらっている。数日で傷んだり壊れたりするわけはないし、手入れなどと言っても用心のためが二割、残りの八割は格好つけのようなものだ。
 時刻はすでに真夜中に差し掛かるころだろう。
 〈冒険者〉の身体だって疲れているし武具の手入れなんて絶対しなければならないわけではない。なぜ起きているのかと問われれば、それは、照れくさいが、寝るのが惜しいのだ。
 魔法のような夜だった。
 トウヤとルンデルハウスはこの夜の中にまだ探し損ねた宝石があるような、名残を惜しむ気持ちで話し続けた。
 馬車のこと、馬のこと、旅のこと。食事のこと、野営のこと、戦闘のこと。
 この村へ立ち寄る前に遭遇した〈猛猪〉(ワイルドボア)はあっさりと撃退することができた。ミノリはずいぶん用心していたが、そもそも街道周辺に強力なモンスターは発生しないという話だし、このゾーンでの戦闘は問題なさそうだ。
 そして再び仲間たちのこと。
 情けない顔をしたルンデルハウスは、ため息とともにつぶやいた。
「なあ、トウヤ。なんでミス五十鈴はあんなに無邪気であどけないのだ?」
「そんなことあったっけ?」
 トウヤにしてみれば、五十鈴はそんなに無邪気でもなければ子供っぽくもないように思う。落ち着いているとか理知的というわけではないけれど、年相応だ。周囲の気持ちの分かる良い友人だ。姉と親友になったというのもわかる気がする。
「だって、すぐに抱き着くし頭髪を梳かそうとするではないか」
「あー」
 それはたしかにそうだ。
 でもそれはルンデルハウスに対してであり、トウヤに対してそんなことはしない。
「ボクは彼女になんだか侮られてるような気がするのだが……。笑うなトウヤ。ボクは真剣なのだ」
 こみ上げる笑いを押さえつけるようにして、ベッドに倒れこんだトウヤは、お腹を押さえて身をよじった。眼の端に浮かぶ涙をぬぐって返事を探す。難問だ。どうこたえたって面白いことしか言えない。
「えっとさ」
「うむ」
「特別だっていう意味なんだよ」
「特別?」
 トウヤは笑いの衝動をこらえながらそう言った。仁王立ちになった五十鈴が、口をへの字にして「ルディは私の子分だから特別です!」といってる想像が浮かんで、そのせいで余計に腹筋がひくひくしてしまう。
「一緒に近くにいると楽しいな、ってそういう気分のとき、五十鈴ねーちゃんはそうしちゃうんだよ」
「そうなのか」
「うんうん」
 ルンデルハウスは両腕を組んでうなった。自分の中で折り合いをつけようとしているらしい。
「でも、それは、特別ビューティフルとか、特別アメイジングとか、特別マグニフィセントストロングってわけでもない気がするぞ。ボクは彼女にどう思われてるんだ? キミたち〈冒険者〉の感情表現はちょっとおかしいぞ」
 いや、ルディ兄ちゃんのビューティフルってのも少しおかしいから。
 とはトウヤは口に出さなかった。困惑しているルンデルハウスは、トウヤの大切な年上の友人なのだ。そして今はパーティーの仲間でもあり、同じ〈冒険者〉でもある。
「ルディ兄だって、五十鈴ねーちゃんと一緒によく出掛けるじゃん」
「女性を一人歩きさせるもんじゃないだろう? ミス五十鈴は可憐な女性なのだ。いらないトラブルに巻き込まれるかもしれないじゃないか」
 ギュッと閉じた口が波線のようになってしまったとしても、それだけでこらえたトウヤは自分を褒めたかった。トウヤはこの金髪の青年が大好きだ。耳のそばで、昨夜の演奏がよみがえってくる。身体がムズムズして走り出したいような気持だった。
「いいじゃん。どっちにしろ団体行動なんだし」
「そりゃまあ、そうかもしれないが」
 トウヤは努めて真面目な顔をしようと努力しながらそう言った。
 ルンデルハウスのほうは納得できないように首をひねりながらも受け入れる。

 そして話題はこの先の予定にも及んだ。
 赤土の街道沿いに〈アリバの廃城〉まではいく予定だ。西への街道は、海沿いというわけではないが、おおむねヤマト太平洋側の平野部を、アキバからミナミまで結んでいる。目的地のレッドストーン山地へは、〈アリバの廃城〉から街道を外れて、より細い道を選ぶか、あるいは道のないような登山を選択しなければならないかもしれない。
 トウヤは戦闘が嫌いではなかった。
 もちろん怖かったり気持ち悪かったり痛かったりはするが、その分、仲間と結びついているような気がするし、何かを成し遂げられたように思う。この異世界での〈冒険者〉である自分たちにとって、モンスターが存在するということは、現実だ。そこで生きようと思うのならば戦闘能力はあったほうが良い。
「明日からは、本格的にサカワ地方だな」
「うん。楽しみだぜ!」
「そろそろ寝よう。トウヤ、旅に疲れは禁物だからな」
 二人はそれぞれのベッドに横になった。
 そして満たされた気分で眠りにつくのだった。




 ◆


 サカワ地方は地球世界で言うと小田原を含む平地だ。
 ミノリは地理が得意というわけではなかったが、こちらの世界では不思議と得意になっていた。「これから自分たちが行くところだ」と思えば興味も持てるし頭にも入ってくるのだ。
 シロエの知識とアキバの街であらかじめ調べた情報によれば、この辺りは水が豊かな農業を中心とした地帯である。〈大地人〉の小さな集落が点在して主に米や麦を作っている。そんな風に聞いていた。
 エネミーの種別は自然(ネイチャー)系が中心で、野犬や猪、植物モンスターが多い。しかしそれらも森や山間部に生息している。平野部や農村が絶対的に安全というわけではないが、相対的に遭遇モンスターのレベルは低いし、頻度も少ないはずだ。
 だが、サカワ地方にはいるとミノリたちはわずかな緊張感から警戒を強めた。
 それは風の匂いや梢のざわめきといったわずかな差異だったが、確実にミノリたちの心に届き、何かが違うぞと教えたのだった。事実、出発から半日の間で、遠くを逃げてゆく魔物たちを二回見かけたし、小競り合い程度とは言え戦闘も発生した。
 もちろん被害はないが、それは今までとは何かが違う前兆だった。
〈魔狂鼠〉(ダイアラット)なんてでるんだね」
「びっくりしたなあ」
 一行は話しながらも、次第に勾配を強める道を登って高台へと馬車を進めていた。

 なだらかな斜面をゆっくりと登り切ったミノリたちは、真っ白な景色を目にした。初めて見た瞬間、それは雪景色のようにも見えたが、鼻先に届いたほのかに甘い香りに花だということがわかった。
「桜!? あれ、桜?」
「ちがいますよ、五十鈴さん。あれは、梅ですよー」
 身を乗り出してきた五十鈴と、それを支えるようなセララが正体を明かしてくれた。
 それはまだ冷気が残る早春の景色の中にうきあがるような、梅の里だった。
「いいにおーい」
 梅の香りは弱いが、野のなかでは確かな存在感があった。
 丘の下り斜面は、石垣で段が作られ人手が入っていることをうかがわせた。その段畠のあちこちに、梅が植えられている。日当たりの加減を考えられたのか、丘のこちら側は梅の林になっているのだ。
 ミノリたちはそのまま丘をめぐる道に従って西へと進んだ。進行方向からずれてしまうのだが、向かう先には大きな河がある。その河をわたるためには、場所を選ばなければならないからだ。
 白い梅の景色は続いていた。五十鈴とルディはひたすらに感動し、セララはそんな二人やトウヤに解説をしてくれていた。聞けば去年〈円卓会議〉成立直後、にゃん太と梅を買い込んで漬け込んだりジャムを作ったりしたそうだ。
 それはのどかな光景だった。
 まだ風は冷たいが、うららかな日差しのせいで馬車はぽかぽかとした陽だまりの中を進んでいく。大きな河に近づくにつれ風は水けを含みその温度を下げたし、森の陰に入っても穏やかな雰囲気は続いた。
 森のほうからは遠く〈大地人〉の掛け声が聞こえる。
 農作業をしているのかもしれない。五人はその声に耳を澄ませて、少し微笑んだ。

 気配が変わったのは、渡河できる場所を探して、河沿いの森を迂回している時だった。うっそうとして光を遮るその中から鋭い悲鳴と激しい物音が聞こえたのだ。朝から続く緊張感を一瞬で取り戻したミノリは手元の杖を胸の前に構える。
「ミノリ。先行する! なんかいる!」
「トウヤ! もうっ」
「なに、なに!?」
 悲鳴というよりは酸素不足の喘ぎ声を上げて一人の男が森の中からまろびでた。〈大地人〉だ。茶色と灰色の防寒着をつけたたくましいその男を見ている間に、その後ろの暗がりのなかからおそらく男の仲間たちも駆け出してくる。
 トウヤは御者席から飛び降りると、接近してくる彼らに数倍する速度で前へと出た。
 「敵襲、準備を!」と叫んでから、ミノリは杖をふるって弟へと〈禊の障壁〉をはる。森の中から迫ってくる息遣いは獣の様で、〈人食い鬼〉(オーガ)のものだった。

 〈人食い鬼〉は悪の亜人に属するモンスターの一種族だ。
 チョウシの町でミノリたちが戦った〈緑小鬼〉(ゴブリン)族と似たような位置づけのモンスターである。
 〈人食い鬼〉は〈緑小鬼〉と比べて身長は高く、比較的がっしりしている。猫背ではあるが背筋を伸ばせばトウヤと同じ程度はあるし、力も〈緑小鬼〉と比べて強い。その代り、連携や集団行動は苦手だし、武器の扱いもそこまで得意ではない。
 〈緑小鬼〉は高レベルの個体になると武具を揃え、〈魔狂狼〉(ダイアウルフ)などを手懐けたり、ごくまれに魔術を用いる個体もでる。
 〈人食い鬼〉は高レベルになっても鎧はほとんどつけない。どんどんと大柄になり腕力や耐久力が上昇してゆく。そして妖術という変わった種類の魔法を使う。クエストでは〈オオエ〉などという名前付きの〈人食い鬼〉もいるために、有名な種族だといえるだろう。
 〈人食い鬼〉や〈緑小鬼〉はどちらも低レベルから中レベルに至るまでの長いレベル帯で見かけるモンスターであり、〈エルダー・テイル〉がゲームだったころ、地域ごとの特色を出すために配置されていたのだという。
 関東から東北に至る東日本のフィールドゾーンには〈緑小鬼〉が多い。関西以西は〈人食い鬼〉だ。余談になるが、四国には〈蜥蜴人〉(リザードマン)が、九州には〈醜豚鬼〉(オーク)が生息している。それぞれ地域ごとの勢力があり、特色あるクエストが配置されていたのだ。
 すべてシロエから教わったことである。
 そしてシロエの教えによれば、街道沿いのモンスター分布はかなりレベルが抑えられているとのことだった。もちろん異世界化の影響もあるから用心するように言われていたが、それでも少しおかしいような気がする。昼間遭遇した〈人食い鬼〉のレベルは二十一だ。もちろん今のミノリたちならばたいして強敵ではないけれど、本来街道から外れた森林や山地で出会うモンスターではないのだろうか?

「ウルフちゃん!」
 違和感から警戒心を強めるミノリのわきで、馬車から降りたセララは従者召喚を行う。まだ丸々として成長しきっていないかわいらしい灰色狼があらわれて、魔法の輝きをまとい〈大地人〉の一団に回り込む。護衛についたのだ。
「とりあえず、ですけど」
 そういうセララの瞳の力は強い。
 同じ違和感を感じて無理にトウヤを追わずに汎用の一手を打ったのだ。これならば、自分は前に出ることができる。
「状況はどうだ、ミスミノリ」
「森の中から〈人食い鬼〉がきました。〈大地人〉さんが追われています。救援と保護を!」
 叫んで駆け出したミノリは、先頭の〈大地人〉が疲労のあまり足がもつれて転ぶのとすれ違う。トウヤはすでにさらに先へと進み、〈人食い鬼〉と切り結んでいる。敵のレベルは二十二、二十二、二十一。三体だ。
 奇しくもそれは〈ラグランダの杜〉で戦った〈動く骸骨〉(スケルトン)たちとほぼ同じレベルだった。しかし、ミノリたちはあの夏の合宿から半年で大きく実力を伸ばしている。五十四レベルの魔力を込めて、ミノリは〈鏡の神呪〉を使用する。ミノリの前面に出現した魔法の鏡より放たれた光弾が、赤い肌をした凶相の鬼を貫くとともに、トウヤのかすり傷を癒した。
 トウヤはその光弾に貫かれた〈人食い鬼〉を〈飯綱斬り〉にて追撃する。その勢いを利用して半回転から〈浮舟渡り〉、さらに〈火車の太刀〉へとつないだ。攻撃職にくらべて命中精度やダメージ量で劣る〈武士〉だが、それを補う工夫だ。攻撃を分散させながらもモンスターの視線を切って、後衛のミノリをかばう位置取りを続ける。
「ミノリちゃん、(きこり)さんは大丈夫!」
 セララが背後から叫んで報せてくれた。
 同時に〈フロスト・スピア〉の魔法が正確な軌跡で〈人食い鬼〉の片腕を吹き飛ばす。
 この分ならば大丈夫だ。三体のモンスター相手に、パーティー戦力半分で圧倒できている。レベルも、戦い方も、自分たちは十分に成長した。十分以上だ。

「まだだ、add(アド)六!」
 聞き覚えがない、しかしよく通る声が森の中から響いて、一塊の群れとして吐き出された。それは見慣れない黒い靄のようなモンスターだった。
 シロエと直継の厳しい訓練によって反応したミノリは片足を引いて警戒態勢をとるとともにそのステータスを確認する。
 〈闇精霊の従僕〉ナイトシェイド・サーバント。レベル四〇。
 〈人食い鬼〉よりもよほど強敵だ。その数は六体。ミノリは素早く計算をめぐらす。〈闇精霊〉(ナイトシェイド)は精霊系のモンスターのはずだ。精霊系は系統により属性ダメージに対する高い耐性を備えている。闇の精霊は邪毒か精神への抵抗能力。即死耐性も備えていたはずだ。
 「従僕」というのは同種のモンスターの中での役割や位階を表す。このモンスターは〈闇精霊〉の中では比較的下位の戦闘力だという符丁である。もっとも、だとしてもレベル四〇はミノリたちよりも十下回る程度、〈大災害〉後のこの世界において油断できる相手ではない。
 おそらく勝利は可能。しかし、被害発生もありうる。そんな相手だった。
 トウヤは迷いなく〈武士の挑戦〉の猛き声を張り上げる。
 ミノリに指揮を任せているのだ。
「ルンデルハウスさん、火力集中、〈人食い鬼〉にとどめを! 五十鈴さん、防御重視で!」
「任せろ、〈オーブ・オブ・ラーヴァ〉!」
「〈堅牢なるパストラル〉!」
 おそらく待機していたのだろう。即座に飛来したルンデルハウスの炎の珠は〈人食い鬼〉二体を打ち抜いてとどめを刺す。トウヤはそのタイミングに合わせて、十歩ほどの距離を一気に退がる。戦列が伸びすぎていたのだ。それを圧縮するために後退するという判断は正しい。
 しかし一方で、最前列トウヤとミノリの背後には、まだ〈大地人〉の一団がいるはずだ。セララと五十鈴が直衛している以上、めったなことは起きないと思うが、無制限に下がるわけにはいかない。
 そうこうしているうちにも〈闇精霊の従僕〉は靄に包まれた身体を操り、トウヤに攻撃を加えている。トウヤの剣技は洗練を加えていた。もちろん剣道のような動きではないが、直継に加え、アカツキやソウジロウの教えを受けることにより、相手の攻撃をそらす勘所を身に着けつつある。
 そのトウヤに真紅の光線が放たれた。
 反応しようもないほどの五条の光。それでもトウヤは視線だけはそらさなかった。ミノリのかけた障壁の呪文が光線を食い止める。〈鈴音の障壁〉で強化されたバリアが輝きを強め、ダメージを遮断する。無効化できないエネルギーが周囲に火花となって散り、その一条がそれて後方へ抜ける。
 悲鳴を掻き消すような勢いで森から援護がとどく。
 真っ白いコートを翻したメガネの女性は風をまいてあらわれると、杖の先から無音のエネルギーをほとばしらせる。魔力を一身にうけた召喚術があたりに青いきらめきで満たすと、圧縮された本流を解き放つように攻撃が行われた。
「〈従者召喚:プリンセスレイス〉!」
 従者召喚とは〈召喚術師〉の用いる基本的な攻撃手段だ。従者と呼ばれるモンスターを召喚して使役する。時間無制限であるため、〈召喚術師〉の戦力とは、〈召喚術師〉本人と従者を合わせて、同レベルのほかの十一クラスに相当する。〈従者召喚〉とは単体でそこまで強力な魔法ではないのだ。
 しかし、それは同レベルであればの話。
「「自己紹介しよう。ロエ2(ロエツー)という。〈召喚術師〉(サモナー)だ。南へ向かって移動中の……旅の吸血鬼さん、ということになるかな」
 九十レベル〈召喚術師〉ロエ2の魔法は、四十レベルの闇の精霊を打ち砕いたのだ。

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