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ログ・ホライズン 作者:橙乃ままれ

アキバの街の日曜日

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038


 ミノリは衣服を収納している木箱を前にして途方に暮れていた。
 ああでもない、こうでもないと服を取り出しては、胸に当ててみるが、焦る気持ちの中でどれもこれもが今ひとつだ。取り出した服を放置はせずに、几帳面に畳んでは収納するのがミノリらしかったが、本人はいっぱいいっぱいの精神状態である。

 シロエの許可を得たからにはケーキバイキングに出場するわけだが、ミノリの目的は何も無料のケーキなどではない。全てはシロエおよび〈記録の地平線〉(シロエのギルド)のためなのだ。

(こっちはなんか子供っぽいよね。これはトウヤとおそろいだぁ。――この服は……地味すぎだよね。作業着だもの)

 ミノリはまた1着、若草色のオーバーオールを丁寧に畳んでゆく。

 この部屋は彼女の私室だ。
 〈ハーメルン〉において、集団的雑魚寝生活を強制されていたミノリにとっては、贅沢すぎるようにさえ思える個室である。
 〈記録の地平線〉に入った当時、ミノリは自分の実力も考慮して、トウヤと同室でも構わないと云ったのだが、シロエや直継は「ビル自体は大きいんだから遠慮をしないこと」と個室を用意してくれたのだった。

 〈ハーメルン〉に比べて広々とした環境。窓から入ってくる風は、今ではミノリの喜びのひとつになっている。しかし、かといって、部屋が豪華なわけではない。ただ単純に、面積が広いだけだ。1人用なのにたっぷりと10畳はあり、床も壁も木材で出来ている。しかし、その大きな部屋に家具は少なく、幾つかの木箱とベッド、低いテーブルがあるきりだ。

 この部屋はミノリの私室で、ギルドのメンバーもそれを認めているから、彼女の自由に装飾しても良い。頼めばきっと、家具の搬入も手伝ってくれるだろうし、もしかしたら何か作ってくれるかも知れない。しかし、生来の倹約性格と遠慮から、まとまった金額のアイテムを購入するのに躊躇いがあるのだった。

 中堅クラスとは言え、最近のミノリは、そこそこに稼いでいる。
 何と言っても定期的にフィールドに出かけ、狩りを行なっているのが大きい。主な目的は、ミノリ、トウヤ、ルンデルハウス、五十鈴の中堅4人組の戦闘演習だが、訓練であるとはいえ戦利品はもちろん手に入る。
 動物型モンスターであれば肉や毛皮、知性を持つモンスターであれば装備品や金品など、戦闘後に得ることができるアイテムは多い。これらは総称して「ドロップアイテム」などと呼ばれるが、その多くは換金されたり、アイテム生産職の材料になったりするのだ。

 〈記録の地平線〉における生産職は2人。〈料理人〉のにゃん太と〈筆記師〉のシロエだ。この2人が使うようなアイテムは取っておくが、それ以外のアイテムは全て換金してしまう。
 4人で訓練に出た場合は、儲けのうちのそれなりの部分をこっそりギルドの銀行口座に入金する。別に誰が言い出したわけでもないが、年少組(低レベル側をそんな風に云うようになった)のいつの間にか恒例となった気遣いだった。

 しかし、直継やにゃん太などの引率がいる場合は、そうも行かない。きっちり人数頭で等分されて、押しつけられる。にゃん太に云わせれば「適正な報酬を受け取ってこそ、プロ意識が育つのですにゃー」ということになる。理屈は判るのだが、なかなか素直には、頷けない。

 仲間達もそうだが、ミノリはシロエと〈記録の地平線〉に恩義を感じているのだ。

 また、このギルドにはにゃん太(専任コック)が在籍している。
 いま現在、アキバの街で「生活費」と云えば、その大部分は食費を指す。
 光熱費らしいものといえば、ランプの油程度であり、それすらも半分の職業が魔法で代用できる。住居にかかる費用は宿屋代やギルドホール代などだが、極めて安価。そのうえ、その気になれば野宿できる廃墟には事欠かない。そんなアキバの街において、生活費の中で切り詰めることができないのは食費くらいのものだ。
 よって冒険者のエンゲル係数は目を覆うばかりである。多くの冒険者が、収入のうちで、旧地球で云えば家賃に匹敵する割合を食事に費しているほどだ。

 その最大の出費である「食費」が、にゃん太の手料理のおかげで必要ない〈記録の地平線〉である。そこに所属しているミノリ達は、幾ら中堅レベルだとはいえ、お金が貯まらないわけがない。4人で訓練に行ったときはギルド口座にも入れているとはいえ、ミノリやトウヤ達の口座にも、すでにかなりの金額が貯まっているのだ。

 だから、お金には余裕がある。
 その気になれば、部屋の調度品などは、簡単にそろえることが出来るだろう。……もちろん、程度を弁えれば、ではあるけれど。

 この世界は元々がゲームであったために、アイテムの種類などは本当に幅が広い。たとえば、ベッドひとつをとっても、ただ寝るだけの木製のベッドから、象牙や黒曜石を削って作った芸術品のような天蓋付きの寝台まで千差万別だ。ベッドは生産系サブクラス〈木工職人〉がつくるのだが、度重なるレベル拡張において「より高レベルで、作るのが難しく、しかし高値で売れるアイテム」が追加され続けた結果、同じベッドでも、値段には数百倍の差に及ぶ様々なランクの家具が存在するのである。
 だが、そういった非常に高価なアイテムを避けて、普段使いに限定さえすれば、家具はけして高い買い物ではない。そもそもゲームであった〈エルダー・テイル〉のレシピに含まれているアイテムは、どのような生産系統のものであろうと、メニューで選択をして10秒で完成するのだ。そこにあるのは、素材アイテムの等級差だけであり「人件費」的な発想はない。
 低レベルのフィールドで伐採できる「杉」や「オークの木」を用いたベッドやタンスなどであれば、それこそ食事一回分程度の費用で購入することが出来る。

 もっとも、そうではあっても、ミノリが購入したのは荷物を収納する木箱が幾つかと、寝心地は良さそうだが質素なベッドひとつ。コタツに似た低いテーブルひとつ。布団一組に、幾つかのクッション。その程度だ。
 この部屋は至って質素なのである。

 結局、ミノリはその性格上、散財と云うことにはとことん向いていないのだった。

 だからこそ、ミノリが現在こうやってかき回している服の数々も、それなりに品が良く、仕立ても良く、丈夫で使い減りしなくて、街中ですれちがったとして、清潔感があり恥ずかしくなんて全然ない服装なのだが……困ったことに、華がない。

(これじゃ、あんまりだよね……)

 水色のワンピースを当ててみたが、それもなんだか子供っぽく見えて仕方がない。この格好では、シロエの引き立て役にもならないと思われる。

(もっとちゃんとしたのを用意しようっ)

 ミノリは決意すると、がま口を開く。この古めかしい財布はミノリの持ち物だ。この世界がゲームであった時代、貨幣は無重量アイテムとしてキャラクター画面に記載されていただけだが、今では財布に入れて持ち運ばなければならない。財布というのは、意外に人気アイテムなのだった。

 ミノリの目的は、シロエの復権である。
 復権というかデビューというかアピールと云うべきか……。

 率直に言って、アキバの街におけるシロエの評判は余り芳しくはない。もちろん、シロエは11ギルドマスターの一人だ。〈円卓会議〉を代表する委員である以上、しばらく前に比べて、その知名度は跳ね上がっていると云っても良いだろう。

 そもそもその〈円卓会議〉自体、シロエの企画により成立した部分が大きい。これはアキバの街でも、少し事情に明るいモノであるならば普通に知っていることだ。しかし、そのシロエの評価と云えば、現在非常に寒い状態である。

 シロエが参謀タイプのキャラクターであるというのは、衆目の一致する意見だ。だが、その二つ名 “腹ぐろ眼鏡”と合わせて、陰険で容赦がないというイメージが、アキバの街には流布してしまっている。
 致命的なのは、レイネシアの義勇軍嘆願演説らしい。
 あの演説において、シロエはレイネシア姫を虐めているように見えた。そのあたりからシロエのイメージは「参謀肌で有能だが冷酷で人情味のない策士」というものになってしまったようだ。

(寂しいなぁ……)

 それがミノリには辛い。

 ミノリにとって、シロエはヒーローなのだ。
 みんなは判っていないが、シロエは優しい人間である。シロエほど優しいプレイヤーは滅多にいないとミノリは本気で信じている。
 〈ハーメルン〉にミノリ達新人プレイヤーが捕まっていたとき、本気で救おうとしてくれたのは、シロエだけだったではないか。誰もが目を逸らしていたことに、真っ向から立ち向かってくれたのは、シロエ以外に誰がいたのだろう。
 シロエは、ミノリにとっては英雄なのだ。

 そのシロエが、誤解に晒されているのは悲しい。悲しい以上に、今は良くても、今後のギルド運営に影を落とすに違いない。〈記録の地平線〉だとて、アキバの街に根を張る中小ギルドのひとつに過ぎない。このマイナスなイメージのせいでどんな不利益を被るか判らないではないか。

 少なくともミノリは、シロエが善い人で優しいことを知っている。〈記録の地平線〉のみんなも大好きだし、今では自分の所属する居場所とも云えるギルドだ。悪い噂は少しでも払拭したい。

 そこでこの祭りだった。

 こうして、シロエに変なイメージが付いてしまった責任は、シロエの方にも存在する。
 もともと企画や調査を担当しているシロエは、生産系ギルドマスターのように職人達の会合に頻繁に顔を出すと云うこともなければ、戦闘系ギルドのように多くの外部メンバーと交流遠征をして凱旋するような機会も少ない。
 大手ギルドのギルドマスターというのは、広報やリクルートもギルドの活動の一部だと把握しているようだ。少なくとも、ミノリはそのように聞いている。だから彼らは、人嫌いという評判が一般には立てられている者でさえ、公的私的な行事において他人と触れあうことを躊躇わない。ギルドマスターというのは、意外に気さくでまめなプレイヤーが多いのだ。

 そこへ行くとシロエは、人嫌いではないものの、そう云った活動に無頓着だ。特にここ最近は報告書の山に埋もれて、引きこもり生活をしてしまっている。

 つまり、問題の根源は、シロエの出不精にあるわけだから、もっとアキバの街の皆にシロエを紹介すれば良いのだ。無料ケーキバイキングはともかく、そこで勝てれば最終日の大夕餐会だ。〈アキバ新聞〉(アキクロ)の人も来ると何かで聞いたし、上手くすれば……。
 ミノリはそんな風に空想を羽ばたかせていたが、突如現実に引き戻される。

(でもでも、やっぱりケーキくらいは一緒に食べるわけで。こんな地味な格好じゃやっぱり問題があるわけでっ)

 本来で云えば、シロエが街の問題をクールに解決するとか、感動的なスピーチを行なうとかしなければ、街での評価などそうそう変わるわけでもないのだろうが、ミノリはその辺、楽観していた。

(シロエさんはちゃんとしていれば格好良いので問題なしだよね)

 確かに〈エルダー・テイル〉の設定を引いたこのゲームにおいて、醜女、醜男というものは、存在しない。外見情報は、〈エルダー・テイル〉のポリゴンモデルのそれを踏襲しているのだ。もちろん、何かの不思議な作用で、現実世界のプレイヤー本人の面影が、この世界の身体にも宿っている。だから普段はまったく違和感がないのだが、改めて意識すると、ミノリも困惑してしまうほどなのだ。

 赤ちゃんのようにつるんとしてしっとり柔らかい肌。すっきりと伸びた手足。胸の形なんて、大きすぎず、小さすぎず理想的だ。顔だって確かに自分の顔ではあるけれど、現実の微妙な欠点が修正されてて15%増しくらい可愛いと思う。
 照れくさいやら悲しいやらで、1人で躁鬱になってしまうほどだ。

 そんな自己評価を脇に置いておいて「シロエは格好良い」と、ミノリは素直に確信してしまっている。この辺は、もはや好悪に過ぎないのだが、ミノリ本人は丸ごとスルーしてしまっているようだった。ミノリの云う「ちゃんとしたシロエ」というのは、いわゆる「乙女的な妄想」なのではないかという疑念もあるが、答えてくれる人は誰もいない。

 だいたいのところ、この時点で、ミノリが抱いているその感情が何であるかと云うことを問題にしている人物はいないと云えただろう。それが保護者に対する信頼的な感情なのか、淡い憧れなのか、それとももっと確固としたものなのかは誰にも判らない。

 当事者であるミノリも、自分の抱いているそれに名前をつけないでいられたのだから。



 ◆



 一方で自覚症状があったのは、アカツキだった。

 ミノリと同じように自室に引き上げた彼女は、畳の上に座ると置物のように黙りこんだわけだが、内心は激しい動揺に襲われていた。
 こうして座布団の上に、立て膝で座っているアカツキの姿は可愛らしい。長くつややかな黒髪を背中に広げて、小さく丸まるその姿は、気品のある小動物のような印象だった。

 しかし、幾ら身長が低くても、彼女の中身の方は大学生である。中学生であるミノリとは決定的に情報量が違う。「経験の量が違う」と言い切れない辺りがアカツキの悲しさだが、その辺は彼女自身も自覚をしているので、なおさらに動揺が激しいのだ。

(なんだってミノリ(中学生)にプレッシャーをかけられなければならないのだっ)

 膝を抱えたまま悶えてしまうアカツキ。
 色恋沙汰の経験が薄い上に、余計なコンプレックスの多い彼女は、この状況で冷静さを保つなどできそうにない。自制心の方は容易く成長しないのだった。

 そもそも、全ての元凶は低身長である。
 アカツキは大きく吐息をつくと、指先で髪の毛に触れながら思い返す。小学生の頃は良かった。小学生らしい小学生だった。しかし、中学生になった彼女は小学生らしい中学生だった。高校生になっても小学生らしい高校生にしかなれなかった。大学に入ってやっと中学生に間違えてもらえるようになった彼女だ。そのころには、突っ込む気力も尽き果てていた。
 容姿としては、そんなに劣っていないとは思うのだが、とにかく恋愛経験はない。寄ってくるのは何かを勘違いした特殊な趣味の男だけだったのだ。そんな環境では交際など望めるべくもないだろう。

 もちろん、真剣な告白を受けた経験もあるのだが。

(あれは……)

 アカツキはがくりと肩を落とす。
 大学に進学した年、近所の中学生から告白を受けた。相手は自分のことを別の学区の中学生だと思っていたようだ。もちろん断ったが、余りのショックに熱が出たほどで、いまでもトラウマになっている。

 そうは云ってもアカツキ自身、自分の恋愛経験の少なさに不満があったわけではない。もちろん年頃の女性として彼氏、彼女という関係に興味はあったが、相手を特定しない恋への憧れなどは、トラブルの種になりそうだという漠然とした予感があった。対象不定で実現性を夢想するなんて愚かなことだとも思っていた。

 アカツキが飢えていたのは、むしろよりドライな、能力による関係性だ。彼女はその可愛らしい容姿と低い身長から、いつでも、どこに行ってもマスコット扱いをされていた。実家では実の妹からも妹扱いされる始末なのだ。
 だから彼女は、例えば「相棒」や「協力者」、「同僚」などといった関係に憧れていた。そうでなければ「部下」でも「配下」でも構わない。互いの実力を認めあい、お互いの欠けた部分を補い合う関係だ。
 彼女は他人にそう扱ってもらったことがなかったのだから。

 彼女は努力家で、自分で決意した目標に向かっては根気強く無心に取り組める真摯さがあった。しかしその努力は、可愛らしい外見のせいで正当な評価を得る機会がなかったのである。だからこそ、彼女は〈エルダー・テイル〉の世界において、無口な男性の暗殺者を演じていたのだ。

(それも〈大災害〉までだったけど)

 あのひどい事件のせいで全てが変わってしまった。この世の地獄のと云うべき状況の中で、唯一幸いだったのが、シロエとの縁だろう。シロエと、シロエに続く直継、にゃん太。我が家とも云えるギルド、〈記録の地平線〉。
 アカツキは、異世界化した〈エルダー・テイル〉において、地球では得られなかった本当の友人を、初めて得ることが出来たのだ。それは、アカツキの低い身長を揶揄したり猫かわいがりしたりしない人間関係だ。

 もちろん、今でもマスコット扱いされることはある。
 外見も彼女の一部だから、それ自体は変わらないのだろう。仕方のないことだし、今では許せるようにもなってきている。この世界では、外見と同じくらいはっきりと、実力や能力を「見る」ことが出来ると判っているからだ。
 調べればはっきり判る形でそれが示される――レベルが存在するというのは、アカツキにとって福音だった。
 パーティーにおいて、真摯に自分の役割を追求すれば、誰からでも尊敬を受けることが出来る。恐ろしいことや辛いことはたくさんあるが、この異世界はその一事を持っているだけで素晴らしいと、アカツキは思う。

 シロエという人間にも出会えた。
 〈大災害〉の直後〈外観再決定ポーション〉を譲ってもらったときは、恩返しをしたくて主君などと呼びかけた。配下という立場にこだわったのは、実力を認めて欲しかったからだ。
 「小さな女の子なので無料にて助ける」だなんて、絶対にして欲しくはなかった。
 だが、シロエはアカツキの想像を超えて「主君」だった。その懐の広さ、戦術の確かさ、そしてアカツキには想像も付かないような広大な範囲を見通して、未来を選び取れる意志の強さ。そんなシロエの「相方」になれるのは、とても気分が良かった。
 その上。シロエにはおあつらえ向きに欠点があったのだ。戦闘能力、少なくとも戦闘を終結させる攻撃力の低さ、という弱点がそれだ。その1点においてアカツキはシロエのことを補佐することが出来たし、シロエの方も彼女の職人的なプレイを認めてくれているようだった。

 確かにモンスターとの命をかけた戦闘は、現代人である彼女にとって怖いことだったが、幼い頃に剣道の経験もある彼女にとって克服不可能なものではなかった。少なくとも、どこへ行っても一人前扱いされない屈辱感に比べれば、まったくマシに思える。

 端から見れば忠誠心の欠片も無いように見えた「忍び」ではあるが、アカツキにとってはそれなりの理由もあれば合目的でもある行動だったのだ。……もちろん照れ隠しの意味合いも強かったが。

 そんな気持ちが、信頼感より深まるのに、さして時間はかからなかったように思う。何が切っ掛けで、いつからそうなったのかはアカツキ本人にも判らないが、シロエの側はとにかくくすぐったくて居心地がよいのだ。

(やはり〈鷲獅子〉(グリフォン)からかな?)

 グリフォンに乗せてもらったときの感触を思い出すと、顔がとけてしまう。
 強い風とスリルの中を一直線に落ちていくような加速感。それをシロエの背にしがみついて、あるいはその腕の中にすっぽりとくるまってやり過ごすのは、アカツキに強い興奮と心地よさをもたらした。
 世間で言うところの吊り橋効果というやつかも知れないが、そんな事はどうでも良くなってしまうくらい、アカツキは惹かれてしまったのだ。
 いまでは、シロエの近くに寄ると訳もなく嬉しくなってしまう。足音を殺して、その背中に忍び寄る練習を真剣にやってしまうほどのハマリ具合だ。

 アカツキとしては、その気持ちをはっきりと言葉にするのは、心の中だとしてもかなり気恥ずかしいのだが、つまり、それは好意だ。性別と関係ある種類の好意だという自覚は、アカツキだって持っている。
 アカツキとしては、自覚しないでも良かったのだけれど。
 アカツキが求めていたのは、相方の席。敬意をもって仲間として認められること。好意はあっても、それを同じ質の好意で返してもらう必要はない。なにより、アカツキがその居心地の良さに気が付いたのだって、つい最近だったのだ。

 自分の胸のなかに育っていく、瑞々しい花のような、音を伴わない音楽のような気持ちを抱きしめているだけで、幸福があふれそうな日々だった。

 しかし、そこに現われたのがミノリだった。
 ミノリ自身に、思うところはない。真面目だし、良く気が付くし、聡明で頑張り屋で、非難すべきところなど微塵もない。良い仲間だと思うし、可愛い後輩だと思う。落ち込んでしまうのは自分の運の無さだった。

 ――もしくは、運の良さ、だろうか。

 中学生に見られる偏見を抜け出して、少なくとも1人の人間と見てくれそうな仲間に出会えた。その仲間に、気持ちが揺れた。それは良いこと。とても幸福なことだ。その仲間が、少なくとも自分を嫌ってはいないことを、アカツキは何となく感じている。心が浮き立つような経験だ。
 しかし、そこに現われたライバルがよりにもよって、ホンモノの「中学生」だというのは、どんな因果なのだろうか。

(くぅー。わたしはそんなにロリ業界基準なのかぁ)

 アカツキはおもわず座布団を放り投げて〈アサシネイト〉をし(切り刻みたく)たくなってしまう。

(考えてみれば、それも、悪くない……のかもしれないが)

 アカツキにとって、自分の容姿はコンプレックスだ。確かに可愛らしいのかも知れないが、それはマスコット的なものであって、恋愛対象にはならないのではないか? という疑いがぬぐえない。その意味では、ミノリがライバルだというのは福音かもしれない。何せ、相手はホンモノの中学生だ。スタイルという点ではハンデが無いだろう。

 それはそれでラッキーなのだが、そんな事でほっとしている自分を考えると、気落ちしてしまう。どこまで行っても「中学生カテゴリ」から抜け出せない気分だ。

 そこまで考えて、アカツキはふと顔を上げる。
 先ほどは売り言葉に買い言葉、煽られた結果反射的に手持ちの同じチラシを出してしまったが、それはおそらくデートを意味するのではないか? だとすれば、そのためには、様々な準備が必要であろう。

 アカツキは急に落ち着かなくなって、座布団の上でそわそわと身じろぎを始める。

 デートとなれば、それなりの格好をしなければいけないのではないか? とんでもない! とアカツキは首を左右に振る。まさに「とんでもない!」だ。アカツキは墨染めのような黒い衣装しか持っていない。地球であれば、社会生活のために、少女らしい服装も多少は持っていたが、ここ〈エルダー・テイル〉の中の世界では暗殺者用のダークトーンの衣装ばかりだ。
 シロエを主君と仰ぐ忍びとしては、それで何の問題もなかったし、必要自体がなかった。

 しかし、それでデートはさすがにまずいだろう。

(いや、主君のお忍びに付き合う忍びという設定ならばどうだ?)

 アカツキは頷く。シロエが無料ケーキを食べに行く。自分はその護衛として否応なく付き添うというシチュエーションだ。一安心、と考えて激しくかぶりを振るアカツキ。どう考えても無理がある。なんといっても、困惑しているシロエを対抗心から引っ張り出したのはアカツキ本人なのだ。
 明日になってから「主君が食べたかったのだろう? わたしは護衛だ」などと言い出そうものならば、可哀想な人間を見るような目でシロエに見られてしまうかも知れない。最悪、愛想を尽かされかねない。

(では、ヘンリエッタさんにコーディネイトを……)

 それも考えてみるが、なかなかに気が進まない。この際猫かわいがりされるのは我慢するとしても、ヘンリエッタの過剰な少女趣味は問題だ。他のシチュエーションではありなのかも知れないが、そのような少女趣味は、ホンモノの女子中学生であるミノリが相手の場合、余りにも分が悪いように思える。

 結局、何らかの衣装を用意するのならば、自分で選ぶのが無難なのだろう。

 アカツキはそう考えると、身軽に立ち上がった。
 窓の外の雨は優しくアキバの街を包んでいるが、午後の明かりはまだ十分に明るい。

 中央広場に出れば、最近流行の「手作り服」だって沢山売っているはずだった。



 ◆



 天秤祭り、通称秋祭りの朝も、昨日と同じように静かな雨が降っていた。アキバの人々は少しだけ面倒かな? とは思ったが、それで祭りへの期待が萎えることなどはなかった。主要な会場には天蓋の設置が終わっていたし、空を見れば雲には切れ間も多く、午後になれば晴れてきそうな予感もあったからである。

 そもそも今回の秋祭りの企画は、生産者ギルド連絡会からスピンアウトしてきたものだった。生産者ギルド連絡会は〈円卓会議〉の一部であり、下部組織であると云っても良い。
 組織と云ってもいたってフランクなもので、連絡会の本部はいつでも誰でもが出入りできる会議室兼、工房のような雰囲気になっている。

 もともと、生産系ギルドのうち三大ギルド、〈海洋機構〉、〈ロデリック商会〉、〈第8商店街〉も、さらには中小生産ギルド代表の〈RADIOマーケット〉という中規模ギルドも〈円卓会議〉に所属していた。彼らは生産系ギルドの立場から、アキバの街に関わる提言を〈円卓会議〉で行なってきたが、ここ最近では生産系ギルド内部で完結するような話題も増加傾向にあったのだ。
 〈円卓会議〉成立後、冒険者は生産系サブ職業にて、この異世界に新しいアイテムをもたらすことが出来るようになった。もともとの〈エルダー・テイル〉には実装されていなかった様々なアイテムを、相応しい生産スキルと、手作りによって生み出せる事が判明したからだ。
 そこには大きな創意工夫の余地があり、生産系ギルドのモチベーションは一気に加熱した。毎日のように何十というアイテムが「発明」されて、それらは街中で販売されるようにもなった。

 そうなると、生産系ギルドの中で取り扱われる話題は多様化して、必ずしも〈円卓会議〉で取り上げなければならないほど重大なものばかりでもなくなる。かといって、個々のギルドの横の連絡に任せきりでは、何かと不便である。
 こうした経緯から連絡会は結成されて、〈円卓会議〉のふたつ下のフロアにオフィスという名の工房を構えるまでに至った。特にこの1ヶ月は、貴族領との交易話が立て続けに持ち上がり、毎日24時間体制で連絡会は稼働している。

 と、いっても暇な人間が事務所に寝泊まりしていたり、大掲示板に募集や取引の願い出、情報買い取りの依頼などが張り出されたり、新作アイテム販売のパートナーを募集する商談があったりと、賑やかで騒がしい街の集会所と云った程度だ。連絡会はあくまで連絡会であり、〈円卓会議〉の厳粛さはない。

 事の起こりは、その生産者ギルド連絡会で「商品展示会をしたらよいのでは無かろうか?」という議論が始まった事である。一段落したとはいえ、冒険者が日々作り出すアイテムは創意工夫に富んでいるし、その数は日に日に増えてゆく。アキバの街の住民でさえ、マイナーなアイテムの情報は見逃すし、現在そう云った製品の情報を知る手段は、偶然実物を見かけるか、口コミか、細々とした情報チラシに頼るしかない。

 アキバの街の住民ですらそうなのだから、ミナミからの交易屋や〈自由都市同盟イースタル〉の商人たちからすれば何を売っているのか、何が現われたのかも判らないほどの大騒ぎだろう。
 大手ギルドですらその有様であり、中小ギルドに至っては、情報の海で溺れて喘いでいるようなところも少なくはなかった。

 そこで出た話題が「商品展示会を行なおう」というものだったのだが、色々議論を重ねていくうちに、当初予定していたファッションショーやら下着ショー、食品展示市、新設備モデルルームだけではなく、もっと様々なものを展示したいという要望が増えてきた。大部分のギルドが「ウチで1番のお勧め!」というべきアイテムを少なくともひとつは抱えており、様々な人に見せたいという気持ちを持っていたのだ。それならば、もういっそ展示会を中心としたお祭りでも良いではないか! となったのは、つい2週間ほど前である。

 このような議論は生産者ギルド連絡会内部で行なわれたものではあるが、アキバの街の住民の約半分は生産者ギルドに所属している。情報は凄まじい速さで街を駆け巡った。
 住民の約半分が生産者ギルドに所属していると云うことは、彼らは出展者であるという意味でもある。このお祭りで「純粋なお客様」というのは、むしろ少数派なのだった。あえて云えば外部からのお客がそれに当たるのだろうが、そう云った存在の多くは〈大地人〉である。
 その意味で今回の祭りは、出展者が客をも兼ねる、たとえば文化祭などによく似ていた。

 そんなわけで、慌ただしい出店準備が進む祭りの日の朝を、シロエはギルドホールに向かっていた。〈円卓会議〉事務所に顔を出すためにである。

 シロエは最近、〈円卓会議〉の耳目を使って、対外的な情報収集に余念がなかった。それゆえに、アキバの街の内部でどのような動きが起きているのかについては疎い、もちろん、この「疎い」はシロエ基準で監視をさぼっていたという意味であり、アキバの街に住む住民の大半よりも、あらゆるニュースを把握しているのは事実だ。

 ただ、シロエの「軍師体質」の基準から云えば、情報不足と云うことである。

 この祭りが連絡会発祥であることも知っているし、外部との交流や経済振興を目的とした(あるいはそれを言い訳として楽しみたいだけの)お祭りだと云うことも理解している。
 シロエが把握していないのは会場の詳しい地理やイベントの開催時刻、それぞれの出店するアイテムの傾向や、お勧めの品、人気の高そうな各種イベント情報といった、内部的な資料だった。
 それらは〈円卓会議〉そのものではなく、その下部組織である連絡会で把握しているし、このようなことを任せれば頼りになる〈第8商店街〉のカラシンが整理に当たっている。あえてシロエ自らが首を突っ込むまでもないだろうと、スルーしていた部分なのだ。

 しかし、参加者となって女性と出かけるとなれば、攻略法を研究しないわけには行かないだろう。相手は2人とも、同じギルドの仲間で家族みたいなものだが、一応性別は女性であるし、女性というのは些細な理由で、手がつけられないほど我が儘になると云うことを、シロエは経験から知っている。

(まず、2人が持ってきたチラシの詳細を調べなければならないよなぁ。……なんだっけ? ケーキだっけ? その周辺のマップも欲しい。出来れば会場全体の構成をおさえて、食事する場所を調べておきたいな。ケーキだけじゃ格好付かないだろうしなぁ。何かトラブルがあったときやごきげんを取るための小物売り場や、イベント情報も欲しい。タイムテーブルと専用の概略図も書かなきゃならないし……)

 そう考えるシロエは、これじゃデートのマニュアルを書いているみたいだと顔をしかめるが、仕方ない。女性と出かける以上、どんな関係であれ、デートなのだろう。

 中央通りはいつものように人が行き交っていた。
 地球での秋葉原とは違い、こちらのアキバの中央通りには古代樹が大きく梢を広げている。ビルと共生するように根を張る古代樹はアキバの町の名物だが、中央通りのそれはひときわ立派で、胴回りだけでも15メートルクラスだ。交差点をすっぽりと木陰に収めるその木は、“親父さんの樹”と呼ばれて住民に親しまれている。

 生い茂った緑の葉は、秋の柔らかい霧雨をさえぎってくれる。
 自然に恵まれたこの世界には自動車がないから、大通りの中央に巨木が聳え立っていても、さほど邪魔にはならない。商売的な立地としても条件は最高なので、 “親父さんの樹”の根元は、毎月行われる露店の許可書抽選会でも一二を争う人気だ。

 夕刻から始まる祭り本番を控えて、この大通りでも追加の露店を組み立てたり、飾り付けをする作業がにぎやかに行なわれている。シロエはとりあえずの軽食にとサンドウィッチを2つ購入して、ギルドホールへと急いだ。

 すれ違う顔見知りと挨拶を交わしながら、ギルドホールの階段を登ってゆく。エレベーターがない世界ではあるが、〈冒険者〉として鍛えられている身体は、そう意識するまでもなくシロエを連絡評議会の事務室兼工房まで連れて行ってくれた。

「おはようございます、シロエさん」
「おはようございます」
 受付席で必死に内職をしているのは、確か〈裁縫師〉の青年だ。細かい針仕事をしている。そのほかにも、工房のあちこちでは木箱につめられたアイテムの積み卸しや、相談などをしている〈冒険者〉達が居る。

「あら。シロエ様じゃありませんか」
 その声に振り返ってみれば、少しだけ驚いたような顔のヘンリエッタがシロエを見つめていた。
「どうされたんですか? こちらに顔をお出しになるなんて、珍しいですわね。秋祭りの企画には関与しない方針かと思っていたのですが」
 そう言うヘンリエッタは、両腕に書類を抱えて小首をかしげている。

「別に今回のだってサボってたわけじゃありませんよ」
「それは承知しております。……なにかございましたか?」
 視線に誘われるように観葉植物の陰に入った2人は話しあう。

「別に何って訳じゃないんですけど。……ギルドの連中と今日の祭りに出かけようと云うことになったんで、どんなイベントをやるのかなぁと、ええ。偵察に」
「へぇ……。ギルドのお仲間と、ですか?」
 理知的な美貌の小首をかしげるヘンリエッタ。細いフレームの眼鏡と相まって、そのお姉さんらしい美しさにたまらない愛嬌が添えられる。

「よろしいですわ。これを」
 差し出されたのは、会場パンフレットのようだった。この種の「印刷的な複製物」は、シロエのサブ職業でもある〈筆写師〉がアイテムメニューで生産できる。原本は手書きで作らなければならないが、一旦書き上げれば増やすのに手間は要らない。
 目を通してみれば、アキバの街のあちこちにある特設会場で、様々な展示やイベントが開かれているようだ。

 服飾系や飲食系が多いが、装備品や、鉄製品、木工製品なども少なくない。期間は今日の昼から始まり、夜には本格的となる。明日、明後日いっぱいは続いてフィナーレだ。

(大夕餐会と、後夜祭か……)

 シロエは日付を確認する。予定通り、使者から報告を受け取る日と重なっている。外来者の出入りの多い祭りに紛れ込ませるという作戦自体は上手く行きそうだが、報告書の引き取りには一工夫要りそうだった。

(そうなると、結局このお祭りの最中は動けない。待ちと云うことになるよな……)

 そうであるならば、ミノリやアカツキに付き合って、骨休めをしてしまうのも手かも知れないと思えた。

「シロエ様」
「はい?」
 パンフレットをじっと見つめていたシロエにヘンリエッタは声をかける。

「五十鈴ちゃんはどうしてますか?」
「ああ。うん。……改めて挨拶に行かなきゃと思ってたけれど、忙しさに紛れてて済みません」
「それはよろしいですわ。シロエ様と〈三日月同盟〉の仲ですからね。ただ、ちゃんとやってるかセララも心配していたものですから」
「うん、ちゃんとやってくれてるよ。毎日狩り場に行ってるし。この夏は、日焼けしてたしね。うちは広さだけなら無駄にあるから」
 それは〈三日月同盟〉から〈記録の地平線〉に移籍した、〈吟遊詩人〉の少女、五十鈴のことだった。そばかすの多いこの少女は、ルンデルハウスを追いかけて〈記録の地平線〉へと入団したのだった。

 〈妖術師〉のルンデルハウス、〈吟遊詩人〉の五十鈴。この2人がトウヤ、ミノリに続く〈記録の地平線〉の新人だ。移籍に関しては両ギルドのマスターによって話し合いがもたれ、スムースに進んだ。五十鈴もミノリと同じく〈ハーメルン〉所属であったために、まだ〈三日月同盟〉に入って日が浅く、それゆえ移籍には特に問題がなかったとも言える。
 いずれにせよ、〈三日月同盟〉と〈記録の地平線〉は近しい間柄だ。新人訓練や、狩りへの誘いなどで日常的に交流している。

「シロエ様は、この夏はちっとも外へは出ませんでしたからね」
 ヘンリエッタは咎めるように告げる。シロエはその言葉に良心を刺激される。ヘンリエッタは〈三日月同盟〉の幹部だ。ギルド内部での立ち位置は、シロエと同じような知恵袋。〈三日月同盟〉の台所を預かる会計役もやっている以上、ヒマなはずはないが、ミノリの話などを聞く限り、時に新人達の訓練にも顔を出したりと、精力的に働いているように見える。

 おおざっぱなマリエールに代わって〈円卓会議〉の雑用もこなしているはずのヘンリエッタに「つきあいが悪い」と云われてしまえば、シロエとしても「申し訳ありませんでした」と云わざるを得ない。

 シロエの気配を察したのか、ヘンリエッタは微笑んで話題を変えた。

「そうですね……。この不始末は、お手伝いで帳消しにしましょう。今回の祭りには〈三日月同盟〉も各種露店を出しますからね。〈記録の地平線〉も〈円卓会議〉代表ギルドの一つ。身体を張って盛り上げてもらわないと困ります」
「あー……。善処します」
「約束ですよ?」
 人差し指を立てて振るヘンリエッタは、にこやかに告げる。

「アカツキちゃんもミノリちゃんも可愛いですからね。今から楽しみでたまりませんわぁ。いえ、ほんともう……。この妄想さえあればわたしご飯3杯は行けますっ。人はパンのみにて生きるにあらずと申しますが、パンと妄想があればエブリディヒートアップです。神様ぁ……」
 頬を押さえて身をくねらせるヘンリエッタは恐ろしかったが、シロエとしても大事なギルドメンバーをむざむざと死地に送るわけには行かない。その「約束」とやらがどんなものなのかは、ぜひ聞いておく必要があるだろう。

「どんな手伝いなんですか?」
「話は簡単。冬物衣料即売会のお手伝いをやっていただきたいだけです」

 シロエの休日は、どんどん混迷の度を深めてゆくようだった。

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