第7話 博士
「これ、私のために・・・」
中から取り出したのは赤いワンピースとそれに似合う淡いピンク色のカーディガン。
「さっそく着てみるといいじゃろう」
「ええ、そうするわ」哀は洗面所へ向かった・・・が途中で足を止めて博士の方に振り返った。
「なんじゃ?値札なら取ってあるぞ」
哀は博士の言葉にクスっと笑って、恥ずかしそうに、それでいて優しい声で言った。
「ありがとう・・・博士・・・」
博士は今胸いっぱいの幸せを感じていた。
そして待つ事5分・・・
うきうきしながら待つ博士のもとに哀が現れた。
そのワンピースは哀にすごくよく合っていて、いつもの哀とは違う雰囲気になっていた。
「わしの思ったとうりじゃ。すごく似合っておる」
「そう?」
哀は鏡の前に立った。
哀は正直、自分には絶対似合うは訳がないと思っていた。
しかし、いざ鏡に映った自分を見てみると、自分がまるで別人に見えて、案外似合っているように思える。
まあ、哀にとっては似合っているかは別として、自分のために博士が思って買ってくれたこの服を着られるだけでうれしかった。
その時、時計に目をやると「11時50分」だった。
「博士、じゃあ私行ってくるから」
哀は博士に見送られ阿笠邸を出た。
(後10分しかないわ・・・少し遅れるかしら)
哀はそう思ったが、急ぐこともなくいつものペースで歩いていった。
哀の事を待っているであろう、ある男の子の事を思って・・・
(まだかよ〜あいつもしかして来ないんじゃ・・・)
コナンは時計を見ながらため息をついた。 |