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ゴミ山から始まる物語 ~チートスキル"神眼"で自分探しの旅をする~ 作者:神畑紅音
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簡素な干し肉と堅焼きパンで済ませた昼食から、街道を歩く。

時々、通り過ぎる人に挨拶をする位に平和な旅路になっていた。

順調だったせいか、まだ日が夕日に変わる前に、

「もうすぐミーイに着くな。」

シドウが指差す街道の向こう、小山が並ぶ中腹に村らしき建物が見えた。

「ノーガンよりも小さい規模ですね。」

「ああ、宿と食堂しかなかったな。あの規模では仕方がな…………ッ!」

シドウが突如、警戒体勢に入ったのでボクらも合わせて、周囲の確認してみる。

すると小山の方から下る鳥のような集団が見えた。

「アザレア、神眼で見れるか?」

シドウの言葉にボクが神眼を発動して、鳥の集団を見ると、何とか名前が読み取れた。

「名前だけは、どうにか。ロックバードと見えます。」

「この地方に生息する鳥系魔物だ、集団で行動して獲物を襲う。あの数は被害が出るかもしれん。」

急ぐぞ、とシドウの言葉と共にボクらは全力で走り始めた。

街道が整備されてるおかげで、程なく近くにたどり着いた。

ボクらは近場の岩場に身を潜めつつ、ボクが再度神眼を発動して、詳細な情報を得る。

「あのロックバードは、巣を他の魔物に襲われたみたいで、エサを探しに山をくだってきたようです。」

「相変わらず便利過ぎるよな、神眼。」

「レベルは10、数は6。一匹だけ進化したロックバード、ボーダーバードがいます。こいつだけレベル15です。」

シドウはボクから聞いた情報を聞いてから、カタナを抜いた。

「ボーダーバードは引き受けよう。どいつだ?」

「ロックバードの中で鶏冠が金色のやつです。」

「後は任せる、出来るか?」

ボクとユミルは勿論です!と声を重ねて、武器を抜いた。

岩場からボクがクナイを抜いて、ロックバードに向けて投擲をしたのを合図に、ボクらはロックバードとの戦闘を開始した。

クナイがロックバードの胸元に刺さり、鳴き声を鳴らして落下すると、他のロックバードは一斉に警戒体勢に入った。

「ハァァッ!」

シドウが跳躍し、ボーダーバードへ切りかかり、左羽の一部を切り裂く。

他のロックバードがそちらに向いた瞬間、ボクのクナイがもう一匹のロックバードの胸元に滑り込んだ。

岩場から跳躍したユミルが一匹に乗り込んで、地面に叩き落とすと、首を跳ねた。

「アザレア!来るぞ!」

ユミルがロックバードが空中から急降下するために上昇したのを確認して、ボクに声をかける。

ボクに向かって急降下するロックバードを、左に交わすと同時に、カタナで左羽を切り裂く。

たまらずバランスを崩したロックバードに、ユミルが追い討ちをかけて、絶命させた。

最後のロックバードは、ボーダーバードと仲間を見渡して、山へ引き返すそぶりを見せていた。

「ユミル、飛べるか?」

「あの高さなら余裕だな!足引っ張ってやるぜ!」

近くで一番高い役所の建物の屋根に捕まり、軽い身のこなしで登り、勢いそのままにロックバードへ飛び込んだ。

高さが足りて、先程と同じく飛び乗り組み付くユミルに、ロックバードはあわてて体勢を立て直そうと足掻くが、あっさりとユミルに背中を刺され、墜落した。

「へっ、大したことないな!」

ユミルもロックバードを足場に着地すると、ボクとハイタッチを交わす。

ちょうどその時、シドウもボーダーバードを切り伏せて倒したところだった。

ボクらはシドウに近づき、ユミルが報告をして、ボクが自分の分を含めた武器やカタナの洗浄をする。

騒ぎが落ち着いたのを見計らって、役所から村長らしき老人が出てきた。

「冒険者の方々、助けて頂き誠に感謝申し上げます。」

丁寧にお辞儀をすると、村人達も外へ出てきて、被害状況を確認して回り始めた。

「いや、大したことはない。」

シドウが村長と話しかけている間に、村人達はロックバードを避けながら、ボクらに近づいてきた。

「村長、建物や畑には被害ないが、怪我人がいたらしい。ポーションはあるか?」

「ぬ、確かこないだで切れてしまってたな。昨日買い出しにリーバルに行ったばかりだというのに。」

村長は困り果てていた。シドウがボクを見て、作れるか?と言われたので、手持ちの薬草を確認してうなずいた。

「村長殿、うちの弟子は錬金術を持っております。即席で用意できそうですが。」

「なんと!それは助かります、薬草なら診療所にいくつかありますのでお使いくだされ。」

ボクらは村長と村人の案内で、診療所へ向かった。






「この度はありがとうございました。」

診療所の医者、怪我人、その家族に次々と礼を言われてボクは照れてしまった。

こんなに面と向かって感謝されるのは、慣れないせいだ。

あの後、診療所に着くとすぐに、手持ちの薬草を使ってポーションを作り、ベッドで怪我人を負った怪我を治した。

対処が早かったので怪我自体はすぐ治り、大事にならなかったので家族は大喜びしていた。

診療所の医者から材料を渡されて、いくつかポーションを作ってほしいと頼まれて、追加で製作してる間に、夕方から夜に差し掛かった頃だった。

「ありがとうございます。」

医者から謝礼を受け取り、診療所から出ると、まるで祭りが始まるのか、村人たちが広場らしき場所へ向かっていた。

「アザレア、終わったか?」

ユミルが診療所の近くで待っててくれたようで、声をかけてきた。

「ああ。まさか、ここでエドーさんところでの経験が役に立つとは思わなかったよ。」

「やっとくもんだな。あ、そうだ。ロックバードの肉がたくさんあるからって、これから食堂のおっちゃんが、皆に振る舞うらしいぞ。」

ロックバードの肉は、肉の旨味が普通の養鶏されてる鳥よりも多く、美味とされてるらしい。

そのせいか、向かう村人たちは嬉しそうだった。

「俺たちも食べてくれ、ってさ!良いとこくれるんだってよ!」

「じゃ、急がないとな。師匠に食べれちゃうな。」

「ははっ!師匠も食べるからね。急ごう。」


その後、ロックバード祭りは大盛況。美味しい肉料理やお酒を振る舞われ、ボクらは無料で宿に泊まることが出来た。
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