ここらで三六九!(8/9)縦書き表示RDF


えー忍者様登場の回です。

それではどうぞ!
ここらで三六九!
作:ウラノス



第七撃:忍者と三六九!『上』


・・・街が眠り、人が沈む。

闇も深まる深夜三時。



満開の大桜のてっぺんで、一人の忍が見つめる先は旅館の陰を色濃残す無明道場。



顔を被う忍び装束から覗く、冷たく鋭い眼光は虎かはたまた狼か。


「・・・何奴」

覆面からボソッと呟き、白い吐息を吐き出しながら、すっと目を細める。


その忍、名を【三間院 黒夜】。

忍・ボディーガードの名家【三間院】の後継者にして伊賀と甲賀を極めた史上最高の忍である・・・のだが、まぁ詳しい事情はまた後ほど。

そんな黒夜がさっきから殺気を投げつけるのは、自分の知らぬ間に増えている小さな新しい住人だった。

まぁわかる。あんな小さい子どもがいることはたしかにおかしい。

ここは殆んどが家出(まぁまだ黒夜を含めて三人しかいないのだが)をしたもの達の居候場所なのだ。

たぶんあの小さな居候も家出かなにかをしたのだろう。












だが黒夜は、三六九さんから感じる威圧感・・・圧倒的な、まるで強大な嵐のような気配を全身に感じていた。

どう考えてもおかしい。

(忍術を総動員して気配を断たなければ、この距離でも自分の存在に気付かれてしまうだろう。)



それに少し前にあの【壊し屋】の気配をこの近くで掴んだ。

【壊し屋】と言えば、裏の世界で名の轟かす幻の暗殺者。たしか今は森羅万象グループに飼われているはずだ。

忍の最強の武器は忍術でも刀でもない。情報と判断力なのだ。



「あの童は恐らく油断を誘う仮の姿(勘違い)か。大方森羅万象がお嬢様を消すためによこした刺客であろう(早とちり)。・・・お嬢様の周りに常に仕掛けてある罠を全て欺くとは(麗さん全破壊)相当の猛者(大正解)だな」


(お嬢様に害を与える者は、誰であろうと消すのみ。)


「仕掛ける」

気配を少しずつ滲ませていく。


まだ三六九さんは眠ったままだ。

(まぁまだ小鳥ですらも気づかない程度の気配なのだが・・・。)

闇にまぎれて一気に接近する。普通なら気配に気づいた時にはもう敵の懐に忍び寄っている。

この時も変わらない。

一気に高く跳び、空中からクナイを三六九さん目がけて投げる、投げる投げる投げる。


速度が速すぎて軌道が見えねぇ!!


「・・・忍法音殺クナイ一式」

技名あんのね

・・・空飛ぶクナイはそれぞれ別の軌道を描きながら三六九さんにむかっていく。

≪ザッッザッザザッザッザザザッザ≫

両手両足に計一〇個のクナイが突き刺さる。

「これで終い・・・疲れるな。」

フッと白吐息を一つ。

以外にも黒夜は不殺を信条とする忍だ。

昔とある人物から泣きながら命令されたのがことの始まりなのだが・・・それもまた後で。

気だるげな顔をしながら悠長な足取りで近くの大木に下りる。

さてどうするか・・・黒夜はそんな顔をしながら(余裕な顔でとも言える)一気に窓の中へ飛び込もうとしたそのとき、(黒夜の)歴史が動いた。

≪ガサッ≫

「こんな夜更けに・・・某になんの用でございまするか?」

ばっと黒夜が振り向いたそこには、先ほど十個のクナイを手足に突き刺したはずの暫定暗殺者が明らかに寝起きです風な顔をして立っていた。

それも細い木の枝の上にだ。

「!」

めっちゃ焦る黒夜さん。

「いや、そっちが驚かれても困りまするのだが・・・」

ザ★ごもっとも

「我がクナイをかわすとは・・・。だが引くわけにはいかない。尋常に勝負願おうか」

いきなり来ましたね。ぅおいっ!

「よかろうっ!忍びと相対するのは久方ぶり!楽しませてもらいまするぞ!」

外見子供VS忍者

その勝負は、人知れず屋根の上で展開される。

唸る木刀【越天楽】に、圧倒される黒夜。

「やるな・・・だが!負ける訳にはいかない」

≪ブブブブブブブブッン≫

三人、四人と増えていく黒夜。

「・・・忍法【分身の術】」

「あまぁぁぁぁぁぁっい!」

ズババババッと風に溶かし、剣撃を放って行く。

「やはり・・・たかが分身じゃ効かないか」

「あたりまえにございまする!さぁもう後はないでするぞ?」

すっと木刀を下げ、間合いを詰めようとする三六九

「今!秘儀【影・分身】!!」

再び分身が現れる。だが先ほどと違うのはその分身も動いていること。

「ほぉ!影分身までできるとは・・・これはちょっと本気を出さざるを得ない状況でございまするな!」

一人ひとりを相手にしながら、独特のステップを踏み始める三六九。

「「「「甘いな。そんなステップじゃかわせない・・・」」」」

「その考えが甘いのでございまするよ!隙だらけでございまする!」

だんだんとステップを速めていく。

かわす・・・というよりは、その逆にわざとあたりに行っているような、そんな動きをする三六九さん。

「初登場はプロローグ。無量我一流 第壱式  一の太刀!」

「【薙・旋】!」

ズババババッと、さっきの何倍もの轟音を立てて、刀を振りぬく。

その刀の軌道は三人の黒夜を一気に、文字通り【薙いで】いた。

「グゥッ・・・ハッ」

ぎりぎりかわしたにもかかわらず、黒夜はその剣撃だけで弾き飛ばされてしまった。

「だ・・・っが、まだまだだ!忍必殺舞闘組極しのびひっさつぶとうくみきょく【虚空連断】!!」

すぅっと姿を消す黒夜。

「雲隠れ・・・でございまするか?」

だがそこからは何も帰ってこない。

「なめられたものでございまするな・・・そこっ!」

ブワッと木刀を突き出すとそこには腹を突かれた黒夜が。・・・だが

「なめているのはどっちかな?」

その影が消えて行き・・・そしてただの木片に変わった。

「なに!」

今度は後ろから感じる気配を突く。だがまたそれは木片へ。

横、上、また横から、さらに上からまた横へ。

どんどんと増えていく木片と疲労。

「終いだ!音殺クナイ!」

十個と言わず、二十個と言わず、クナイが三六九さんに殺到する。

その絶体絶命をにやりと笑って待ってました!

「そこにいられたんでするか?」

その一言を残し、全身にクナイを刺される三六九さん。

「終わった・・・いや!まだだ!」

上を見上げた黒屋が見たのは、月をバックに舞う三六九さん。

「無量我一流 第壱式  二の太刀!」

それは、とてもきれいで、残酷で、

「【砕】」

最後に覚えている光景だった。














チュンチュン・・・

「おはよう!やよねぇ・・・ってクロちゃん!」

「しーーっ!今は眠ってるだけだから大丈夫。そこのソファーでぐったりしてるんだもの。私も驚いたわ〜」

ゴロリと寝返りを打つ黒夜に、ただただ目を見開く小奈美だったとさ。






















余談ですが・・・

「な、なんで三六九様がワタシの布団で寝てんだ???????で、でもこれはこれで・・・」

「〜ZZZ〜〜ZZZ」

「あぁぁぁぁぁぁぁ!眠れない!!!!!!!!!!!」








寝ぼけてそのまま寝ようとしたら、布団はクナイだらけの三六九さんは、そのまま隣の麗さんの布団にもぐりこんだのだった・・・。


そのせいで寝不足になった麗さんには・・・殺されるのかなぁ?




続く!







この黒夜というキャラクターは、私の中では三六九さんよりも先に出来上がったキャラクターで、とても気に入っているものです。
クールな二枚目なのに、どこか熱血で無鉄砲。そんな彼をこんごともよろしくお願いします!











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