第六撃:メイトで三六九!『下』
おっきな玄関ドドンと開けて、入って来たのは百花繚乱花も恥じらう乙女が二人。
「ただいま、ですわ」
「たっだいま〜〜〜ん」
「おぅお帰り!早かったな?」
玄関ドアを勢いよく開けて入って来たのは、清純そうなイメージの和服黒髪美女といかにも元気そうなゴスロリ金髪美少女だった。
「あらぁ?、なんだか綺麗ね。一週間も家を空けていましたのに・・・。麗、家事ができるようになったの?もっと汚れちゃってるかと思いました。」
黒髪美人はおっとり呟き、首を傾げて不思議がる。
「やよねぇ正直に言っちゃいなよ!麗ねぇならゴミ屋敷にしかねないかもってさ〜」
元気娘はなんというか・・・期待通りのキャラクター。
っていうかかわええのぉ!おいちゃんもぅここがこんなんでよぉ?
「るせぇぞ小奈美!ったく・・・さっさと上がれよ」
三人並んで仲良くリビングへ。まぁ女三人集まれば姦しいとは言いますが、よくもまぁこんなに話題が尽きないものです。
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麗さん達の住む街の名は、架空都市【那由多町】。
関東の南東部に位置し、東京湾入口にあたる。
温泉で有名な観光名所・・・だったのだが、10年前から始まった【森羅万象グループ】の買い取りやら乗っ取りやらで旅館は次々消えて行き、終いには小さいながらも日本経済の一端を担うほどの一大経済都市にまで発展していく。
比較的温かい気候に青い海、そこに広がる異国情緒あふれる主要商業都市として全世界にその名を馳せている結構スンゴい(らしい)街だ。
那由多駅から南に延びる商店街、通称【阿頼耶坂】がいまだに活気あるのも魅力の一つで、娯楽施設も多数あり中高校生はまず遊びに困らない。
だが駅の北側は【森羅街】と呼ばれるほど森羅万象グループの関係ビルで埋め尽くされており、【百本木ヒルズ】やら【茂手尾参道ヒルズ】やらが立ち並ぶセレブシティー化している。
人口は約45万人だが、昼には他県から働きに来たり通学に来たりする関係で一気に倍以上に膨れ上がる。
そんな【那由多町】の少しはずれにあるなかなか趣きある旧旅館、【温泉宿弥明後日】を麗さん家族は10年前にいち早く買い取り改造。さらに道場まで建てて暮らし始める。
そもそも麗さんのパパさんは有名な武術家で数多くの弟子を受け入れており、その弟子達を住まわせるために部屋の多い旧旅館が必要だったわけだ。
まぁ仕事命のママさん追ってアメリカに行っちゃうほどの愛妻家なんだが・・・。
そんなこんなで弟子達は全員一人立ち。旧旅館である【弥明後日】はたくさんの空き部屋を残し売りに出されるはずだったのだが、そこで麗さんが待ったをかける。
「待った!」
麗さんにとってはかなりたくさんの思い出の詰まった家である。売りに出されるなんて認められないって話であるし、そんなことするくらいなら私が残って管理でも何でもするとも言いだした。
それを聞いた子煩悩パパさんは当然大反対するのだが・・・裸一巻成り上がり女社長のママさんはあっさり認めてしまう。
曰く、
「いい女ってのは度胸と根性。それ磨きたいなら一から自分んでやってみろ」
というのがママさんの信条らしい。
この家に『ママさんに逆らう』ことは最高刑より重いらしく、死刑じゃ済まないというのがもっぱらの噂だ。
・・・麗さんは母親似なんだね。
そんなこんなで一人暮らしを始めるわけですがね。
何といっても家が広いんです!
まず一階はリビング(旧ロビー)、ダイニング(旧調理場)、キッチン(旧調理場)に加えて4部屋、二階に大部屋含む5部屋の計9部屋。
また源泉が家のすぐ真下にあるため、年中蛇口ひねれば温泉の出る温泉好きにはたまらない(ママさん温泉大好き)場所でもあり、家には今でも露天風呂が完備。大浴場は管理の問題から無くなったが、代りに備え付けられた檜のお風呂も大人5人が楽に入れるくらいの大きさ。
イタセリーツクセリーである。
難点と言えばそこそこ長い階段を上るか、道場前に繋がる坂(前に暴走族使用)を上るかしなくては行けない場所のあることだが。
ちなみに麗さんは二階東部屋一号室で、美女姉妹はその隣の二階東大部屋。ほかにもいるんですがね。ケッケッケ
〜終わり〜
「・・・なんとなく為になったようなならなかったような気がするんだが?」
「あ、あたしも〜」
「奇遇ですね、私もです」
あたまに?を浮かべながらコーヒーをすする三人娘。
「まぁそれでだ。お前らにひとつ重要なお知らせがあってな?」
少し真剣な顔の麗さんに、二人は顔を見合わせる。
「それっていいお知らせ?悪いお知らせ?」
頭をチョコンと傾げてたずねる妹さん
「いいお知らせだと思うぞ。たぶん」
「あらあら。大方また私らの仲間が増えた・・・って所じゃないかしら?」
鋭い!思わず言っちゃうそのと〜り!(小●清風)
「おぉ!よくわかったな!」
「うふふふっこの家の状態に、キ・チ・ン・と使われた形跡のあるお台所を見れば大体分りますよ?」
麗さん・・・いったい普段どんなキッチンの使い方してんすか。
「やった〜〜〜またお友達が増えるんだね〜♪いったいどんな人?男?女?あたしより年上?」
「えぇ〜っとだな、それは・・・」
≪ガタンッ≫
んっと一斉にドアのほうをむく三人。
≪テンテケテケテケテン♪テン♪テケテケテケテン♪≫
どこかから聞こえてくる琴の音色。
ヤベッという顔になる麗さん。これはもしかしたらもしかする・・・あの紋付き袴姿?
「これはこれはお初にお目にかかりまする。某、名を三六九と言いま・・・「きゃぁーーーかわいい!」いや・・・その・・・「まぁまぁまぁまぁ!かわいらしいっ≪キュピーーン≫」あぁ・・・」
いっせいに抱きつく姉妹。あの・・・その紋付き袴姿につっこみは入らないんですか・・・?
(ううっ!正装の三六九様もか、かわいい・・・)
あぁ、入らないのね。
「あのっそのっ貴女様たちのお名前をっ」
自己紹介まだなんて・・・すっかり忘れてたテヘッ
「私、二階東大部屋住人の【二之宮 小奈美】16歳!金髪入っちゃってるけど純日本人だよ♪よろしくね!」
まずは元気いっぱいのゴスロリお嬢のじょうから。あぁいかにもな自己紹介・・・。
「同じく二階東大部屋住人【二之宮 弥生】18歳。小奈美ちゃんの姉ですわ。以後よろしくお願いいたしますわね。」
黒髪美人はしっとりやさしく。ぼ、僕のお姉ちゃんになってくださいっ!
・・・あ、あの?麗さん?なんだか殺気が・・・いたいっ痛いっす!
まぁ鈍感ボーイが【恋の殺気】に気づくわけでもなく・・・。
「某、名を【一条路 三六九】と申しまする。齢18にございまする。よろしくお願いいたしまする」
「はぁ?18歳?・・・あはははははっ!おもしろいね!三六九君は!」
「あらあら?見かけによりませんのね?同い年なんですの?」
「いや、やよねぇおかしいでしょ!どう考えても小学生でしょっ!」
「ふふふっ冗談ですわよ」
まぁ信じられる話ではないっすよね。普通は
「・・・それが、マジなんだ」
シリアス顔でつぶやく麗さん。
「やだなぁ〜レイレイ!きついよ?その冗談」
「マジなんだよ。マジで三六九は18歳なんだ」
そう言ってうなずく麗さんと三六九さん。うんうん。
「あらあ・・・「ええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」ら?そうなの?」
「まぁいろいろあったもので・・・。正真正銘18でございまする」
そんなこんなで一時間、小奈美ちゃんに絶叫されたり弥生さんに抱っこやらされちゃった三六九さんは・・・
デレデレして麗さんに・・・
「デ、デレデレしてんじゃねぇ!」
「そ、某なにも・・・≪ゴスッ≫グフッ」
●●●○で殴られて気絶しましたとさチャンチャン♪
・・・いいなぁ・・・ハッ!べ、別にうらやましくなんかないんだからね≪プイッ≫
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