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僕の宝物
作:バックハイ



9好き?


「あっ!ねぇマコちん…ちょっと見てもいい?」


ボーリングを終了し、何処かで食事でもしようと二人で歩いていると一軒の店の前で美咲が立ち止まる

…げっ…このパターンは…
昔の彼女がよく使っていた手口…
…洋服屋やアクセサリー店

…気が付くと僕は色々な物をねだられていた…

そんな昔の傷跡を思い出しながら警戒心丸出しで店の中を覗いてみる。
 
そこは普通の雑貨屋さん…特に高価な物は無い事に気付きホッと胸を撫で下ろす
美咲が一生懸命見ているのは色とりどりのビーズコーナー

「何か作るの?」

僕は少し不思議そうに尋ねてみる。

「うん。最近ハマってるんだよね」

と真剣な顔で答える美咲が妙に可笑しくて、僕はクスクス笑いながら他の場所に足を向ける。

 

僕は、さっき一瞬でも美咲に対して警戒心を持ってしまった事に罪悪感が込み上げた。
 
朝ファミレスに行った時、僕は美咲がトイレに行っている時に会計は済ませておいた。
それは対した金額ではないし、その位は男の僕が払って当然だと思っていた。
しかし美咲はその事を気にしてボーリングは自分が出すと言い張った。
でも流石にそれは出来なくて結局、割り勘とゆう事にした。

…そんな風に些細な金額でも気に留める美咲に対して、先程の考えは失礼極まりない…


そんな事を考えながら、何気なく手にとっていたクマの縫いぐるみが妙に美咲に似ている事に気付き僕は笑い出していた。


「何笑ってるの?」

そう言いながら僕の方にやってきた美咲の顔の隣に、その縫いぐるみを並べてみる。

…やはり美咲のキョトンとした表情と、この縫いぐるみが妙に似ている…

「何でもないよ」

僕はそう言いながらその縫いぐるみをレジへと持って行った



************

「ねぇ、マコちんさっき何笑ってたの?」

クリームソースのパスタをくるくる巻きながら聞いてくる美咲
僕らは近くのパスタ屋さんに来ていた。
僕は少し笑いを堪えながら先程の縫いぐるみが入った袋を美咲に渡す。

美咲は驚いた様子でその袋を見ていた。

しかし、美咲に袋を渡してから僕の胸の中は急に不安になっていた。

…今時、縫いぐるみをプレゼントする男なんているのだろうか?
もしかしたら美咲はドン引きするかも知れない。


「何?」

と言いながら袋を開ける美咲…
僕は不安で美咲の表情から目が離せなくなっていた…

「可愛いークマさんだ!何?これくれるの?」

美咲の言葉と表情にホッと胸を撫で下ろしながら僕は頷いた

「うそ?本当に?私の事警戒してたんじゃなかったの?」

美咲が驚いて僕を見る。

「いや…あまりにも美咲にそっくりだったからどうしてもプレゼントしたくて」 

僕の言葉に、美咲が目を丸くして縫いぐるみを見つめる
…しまった…失礼だったかな?

そう思った瞬間、美咲が物凄く嬉しそうに笑い出す。

「ありがとう。大切にするね?」

その表情に僕の胸がドクンと鳴った−
そしてその後に開いた彼女の口から出た言葉−

「私さ、マコちん好きだな。…あ、勘違いしないでね?男としてじゃなくて人間として…ね?」 

…その言葉にますます高まってしまった僕の胸…

僕は平然を保つのにいっぱいいっぱいになっていた…












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