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僕の宝物
作:バックハイ



7初デート?


…あの合コンから一週間後の日曜日…

僕は駅のトイレの中に居た。
美咲との待ち合わせは10時…今の僕の腕時計は9時20分を指していた。
トイレの鏡の前、ちょっと早く来過ぎてしまった僕は自分の髪を弄りながら身嗜みを整えていた。

…一つ断っておくが、僕は今日のデートにそこまで気合いを入れているわけではない…
そもそも、これがデートに入るのかどうかも疑問だが…やはり男と女が二人きりで遊びに行く訳だし…
買い物に付き合わされるだけでもデートの内に入ると思っている僕にとっては、やはりデート。

で、僕がこんなに早く待ち合わせに来たのは、たまたま昨日の夜、特に用事もなかった僕は9時前には布団に入っていた
それで目が覚めたのが8時…特にすることもなかった為、予定よりも早めに待ち合わせ場所に来てしまったのだ。 
とは言っても、今日のデート相手は美咲な訳で…
一緒に歩いていたら嫌でも目を引く。
なのでこうして駅のトイレで最終チェックをしていたのだ…

…しかし、美咲を女性として意識していないとは言っても正直、今日のデートは僕にとってはかなりのプレッシャーだ…
やはり相手はあの美咲。
きっと色々なデートをしてきている訳だし…
やはり男として恥をかきたくはない。

「…さてと」 
待ち合わせまでまだ30分もある。僕は上着のポケットから煙草を取り出し喫煙所へと足を向けた。

駅の外へ出る。
外は快晴。
とは言っても季節は三月。
まだまだ肌寒い。
ふと、すれ違う男性達が皆、どこかを見ている事に気が付く
僕もその視線を追うと、そこに居たのは美咲だった。

ロングパーカーにジーンズ、足元はシープスキン。
髪型は高めの位置でおだんごを一つ作っている。
 
ラフな格好だけどとても可愛くて、行き交う男性陣の目を引くのがよく分かる


「美咲ちゃん!もう来てたの?早いね?」

僕は慌てて声をかける

正直、僕は待たされるのは覚悟していたし、前の彼女は平気で一時間も遅刻するタイプだったので時間よりも早く来ていた美咲に驚いていた。


「だって待たせたら悪いし…早めに来てみた」

笑いながら美咲が答える
僕はただ、その気遣いがとても嬉しかった…


************


美咲と待ち合わせをしてから、僕たちはとりあえずお茶でも飲もうと近くのファミレスに来た。

美咲と向かい合って座りコーヒーを頼む。

「これからどこか行きたい所とかある?」

コーヒーを一口飲み、美咲に聞いてみる

「んーおまかせするよ。せっかくのデートだし」 

僕の言葉にケーキをフォークで小さくしながら美咲が答える
美咲の口からでたデートの響きに僕は少し戸惑った。

…そもそもこのデート…美咲には一体何のメリットがあるんだろう…
特別行きたい所があるわけでもなさそうだし
やはり男友達が出来たとはいえ、休日外に遊びに行くとしたら慣れ親しんだ女友達の方がよっぽど楽しいのではないか? 
美咲が僕に気があるとは到底思えないし…
…やはりなにかねだられるだろうか…

「誠君?深く考えなくてもいいよ。私、あんまりこうゆうデートした事ないから本当にお任せしたいだけなの」

美咲がクスクス笑う

「…え?美咲ちゃんならいっぱいデートしてるでしょ?」 

俄かに信じられない美咲の言葉に僕は驚きながら聞いてみる
僕の言葉に美咲は少し寂しそうな表情をする

「…デート誘われてもほとんどみんな夜なんだもん。お酒飲んでどっか泊まろうとしたり…昔の彼氏にもあんまり昼間はデート連れて行ってくれなかったし…」

…成る程。
僕と同じ年齢の美咲だが、ずっと大人の恋愛ばかりで僕たちにとって普通の遊びにはあまり縁がなかったのかもしれない…

「じゃあ、今日は時間もたっぷりあるし目一杯遊ぼうか」

僕の言葉に美咲が笑顔になる
大きな目をクシャっと細めてまるで子供のような笑い方がなんだか凄く可愛いかった。












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