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僕の宝物
作:バックハイ



6約束


「誠君、ちゃんと飲んでる?」

そう言いながら僕の顔を覗き込む美咲。
…僕は彼女がこの席に移動してきた意味がまだ解らないでいた。

「飲んでるよ。美咲ちゃんこそ竜揮も智博も話したがってるのにこっちに来ちゃっていいの?」

彼女の真意が知りたくて、ちらりと彼女を見ながら尋ねてみた。

「竜揮君は元子と話してるし智博君は由恵とカラオケでしょ?」

彼女が笑いながら答える

「それに、竜揮君も智博君も私と話したいってゆうより…女の子と話がしたいだけなんじゃないかな?」

彼女が苦笑いしながら続けて言った台詞が、妙に的を得ていて僕はちょっと笑ってしまった。
(…どうやら二人共がつがつしすぎているようだ…)


「成る程…僕は安全パイか…」

ちょっと悪戯気に彼女に言ってみる

「ばれた?ごめんね?」

と苦笑いしながら答える彼女。 

素直に答えてしまう彼女が妙に可笑しくて僕もクスクスと笑ってしまった

「いいよ。正直僕も今はあまり興味がないから。美咲ちゃん程美人でも、逆に警戒しちゃうから」

「警戒?男の人でも?」

僕の言葉に美咲はきょとんと幼い表情をした。
今まで、美咲の大人っぽい表情しか見てなかったからか、それが妙に可愛いらしかった

「本当は僕、美咲ちゃんと会うまで美咲ちゃんの事誤解してたから。 
髪を指でクルクルしながら[ヴィトンのバッグ買って〜]とか言うんじゃないかとか…」

僕が言い終わらないうちに美咲はアハハと声を出して笑っていた

「何それ?私、プレゼントは好きな人にしか貰わないよ?」

と言いながらもまだ笑いの止まらない様子の美咲。
僕は少しバツが悪くなり手元の煙草をくわえて火を着けた

そんな僕を見ながら美咲は竜揮の方にあった灰皿を取り僕の方に置いてくれた

「…あ、ありがとう」

そんな美咲の行動に素直にお礼を言う
美咲が笑いながら[どういたしまして]と答える
…なんだろう…僕はそんな美咲の一つ一つの行動が何だか居心地が良かった。

「僕さ、ちょっと気付いたんだけど…美咲ちゃんの事好きかも」

…思わず口に出た言葉…
彼女が大きな目を見開いて僕を見ている

「いや…誤解しないでね?女としてってゆう意味じゃないんだ。付き合いたいとか言ってる訳じゃなくて…何となく美咲ちゃんの性格が一人の人間として好きかも」

…それは慌てて言い訳を考えた訳でも、作戦なんかでもなく
…僕の本音だった。
別に彼女にときめいている訳でも抱きたい訳でもない。
ただ…竜揮や智博に対する好きと言う気持ち。本当にそんな軽い好感が彼女に湧いて素直に口にしていた。

しかし美咲が不思議そうに僕を見るのを見て、急に罪悪感が湧いてきた。 

…ふと、さっき彼女が言っていた台詞が頭を過ぎったのだ…
(みんな軽い気持ちで好きとか言い過ぎ)
…今の僕はまさにそれだった…

「ごめん。美咲ちゃんは好きって言われ慣れてるから逆に警戒しちゃうよね?本当に変な意味じゃないからあんまり意識しないでね…?」

慌てて謝る僕を見て、彼女がクスクス笑い出した

「解ってるよ。ありがとう」

そう笑顔で答えてくれた彼女に僕はホッと胸を撫で下ろした。そして…少し考えながら彼女が口を開いた。


「良かったら今度遊びに行かない?…変な意味じゃなくて友達としてだけど…」

彼女の言葉に耳を疑った

「ふぇ?…友達として??何で僕と?」

びっくりしすぎて変な返事をする僕。
何で彼女に誘われてるのかが全く解らない

「私、一緒に遊びに行ける男友達居ないんだよね…まあ…誠君は安全パイって事なんだけど」…成る程…
ここまで美人だと逆に男友達は作れない訳か…
少し考えて僕は答えた

「ヴィトンのバッグ買ってって言わないならいいよ」

僕の言葉に笑いながら彼女が答える

「大丈夫。グッチしかおねだりしないから」

僕も釣られて笑い出す

「大丈夫。絶対買わないから」

そんなやり取りをしながら、僕らは次の約束を交わしたんだ。












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