僕の宝物(4/59)縦書き表示RDF


僕の宝物
作:バックハイ



4出会い


「へー結構いい店じゃん。」

智博がそう呟きながら店内に入る。
お洒落な雰囲気にテーブルが並び落ち着いたJazzが流れている。

「ご予約の山崎様ですか?こちらの御席になります」

そう言いながら若い男の店員さんが店の奥へと案内してくれる。
店の雰囲気に合った白いワイシャツに、黒いネクタイを締め足元までの黒いエプロンという出で立ちがますます雰囲気を盛り上げる。奥はカラオケも付いてある個室のBOXになっており、僕等はそこへ案内された。割と広い部屋で、四人掛け位のソファーが向かい合いに並んであり、真ん中にガラステーブルが置いてある。

「皆様お揃いになりましたらお伺いします」

と店員さんが部屋をでると僕等はソファーへ腰掛け一息付いた。

「俺、今回は藤井美咲にリベンジ狙ってるんでよろしく。…まぁ、無理そうならすぐ切り換えるけど…」 

竜揮が笑いながら言うと智博も負けじと

「俺だって女の扱い慣れてきたし藤井美咲にチャレンジするつもりだよ?」

と笑うのを見て僕は苦笑いをしてメニュー表を手に取る。

「マコは?チャレンジすんの?」

と智博が聞いてきたので首を横に振ると同時に、竜揮がポケットから携帯を取り出した。

「あ、由恵ちゃんからだ。着いたのかな?」

と言って電話の着信ボタンを押して外へ出ていく。それを見届けて

「来たみたいだな。緊張するー」

と智博が足を組み替えた。僕は一旦背伸びをして智博の座っている方のソファーへ座りなおす。…と同時にドアが開いた。

「皆来たぞ」

と言いながら入って来る竜揮の後に女の子が見える。

「お邪魔しまーす」

と最初に入って来たのは割と背は低めで長い髪を綺麗に巻いた、目の大きな女の子。ピンクのニットのワンピースがとてもかわいらしい。続いて入って来たのは智博と同じく金に近い茶髪の手入れされた長めのショートカットに小麦色の肌。キリッとした眉毛でボーイッシュな感じとは対象的なミニスカートがセクシーだ。

そして最後が…僕は一目で彼女が藤井美咲だと気が付いた。栗色のまっすぐな長い髪で長めの前髪を斜めに流すヘアスタイル。黒目がちの大きな目と長い睫毛。本当に整った顔立ちと、黒のオフショルダーのカットソー、そしてブーツに入れたストレートのジーンズと女の子にしては高めの身長が彼女のスタイルの良さを際立たせている。
…迂闊にも僕が藤井に見とれていると、智博が僕の耳元で囁いた。

「ジーンズだよ…今回は厳しい戦いになりそうだ…」

「何で?」

僕が囁き返すと

「合コンの時の格好で気合いの入り方が分かるだろ?」

と智博が顔をしかめた。

僕は成る程…と納得して藤井美咲を改めて見た。

…確かにガードの固そうな印象だった。

不意に藤井美咲が僕の視線に気付いて、こっちを見た。

…やべっ…!

僕は慌てて視線を外そうとしたが…

…藤井美咲は僕と目が合うと…にっこりと微笑んだ。

その笑顔はとても大人っぽくて、とても同い年だとは思えなかった。

僕は藤井美咲の意外な対応に一瞬戸惑ったが、慌ててお辞儀をする。

…それが何だか、妙に子供っぽい対応だった気がして…

…まだ合コンは始まってもいないのに…僕は激しく後悔していた。












ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう