挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
チートな俺と歌姫な俺と 作者:真幸

◆◇ 第一章 -オーディション- ◇◆

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

12/54

2-4 <結果発表。だがそれはライバル>

 新キャラもといツンデレ練習用のキャラ【テルプ】ちゃんの登場
 ジリリリリリ―――。
 と何かを告げるベルが鳴った。
 どうやら終わったようだと気がつくと何もしてない自分がとても恥ずかしくなるシャルナがいた。
 音感とかも高校時代にちょっとやったガールズバンドでギターをかじった程度でしかなかった彼女。今回のオーディションも前に述べたとおり軽い気持ちでエントリーしたわいいが………。

「なにこのスキル説明………まったく意味不」

 と悩むこと数時間。周りが異様に騒がしくなり、それを避けるようにして遠く遠くへと離れて今に至るわけだ。
 なぜ勝てたのか?答えは結構簡単なことだ。
 他のユーザー同士の相打ちである。よくあるスキルの同時発動。
 聞いて納得、理解して不満。試合に勝って勝負に負けた。結局は勝ってしまったのだから勝者なんだと頷いておいた。

「なんていうんだろか………なんか昨晩聞いた【絶氷】の話みたいだ」

 昨日、ラファに呼ばれていったIP通話にいたユキの親友、シュウによって本人が寝ていることをいいことに色々話を聞いたのだろう。
 彼の運の良さは筋金入りだ。実際に彼の全装備のエンチャント効果を聞いたが息を呑まずしてはいられなかった。
 現状理想と言われている構図であり、魔法でもつかったかのような奇跡の絵空事にも聞こえ、信じられずにいたシャルナだった。リアルマネー換算だと数十万。人気の高いタイトルなので今ならもっとするかもしれない装備だった。喉から手どころか一回転して全身が出てきそうなほど欲しい品だ。
 レジェンド級だけでも相当な価値なのに対してさらに神エンチャント。なんだその魔法。きっとシャルナ自身そんなエンチャントが付いた日には明日の朝日を拝めれるのか謎だ。

『んじゃ、今度本人にエンチャント頼んでみなよ。ちょっと渋るけど凄いの出すぜ?俺が保障する』

 シャルナとしては巷で有名なレア装備を扱う鍛冶職人のシュウと仲良くなれただけでも幸運だというのにそんな話を聞けてちょっと試してみたいという気持ちのが強かった。ついでにシュウが販売しているレア装備の数々はユキが「余ったからあげる」と普通は余りようのない、かなりのレアドロップ素材を使って作った装備が揃えていることで有名であったりする。

 少し経ってからまたワープによる移動がはじまった。数時間前に通されたドーム上の中央だった。十何万人といた人数も数百人程度に減っていた。

「シャルナァッ~~~!!」

 遠くの方からシャルナを呼ぶ声が聞こえ、ふと周りを見渡すと手を振るラファと笑顔のアリスの姿がそこにあった。

「シャルナも通過したんだ。やるんじゃん」
「アタシの場合は運だよ」

 運と聞いて突然笑いだしたラファが口を開けて説明をした。

「そうだよ。聞いてよシャルナ。アリスの一次予選通過時間。三三分四五秒、馬鹿だよね?」
「馬鹿とはなんだ馬鹿とは」

 強運通り越して馬鹿なのだろうか?
 何をどうやればそんなタイムを刻めるのだろうか。
 視界右上に表示されている時計を見ると、一次予選が終了して三時間が経過していた。シャルナ自身、未だにスキルの使い方を解らずにいて、ラファ自身も三時間ギリギリで全員倒すことができたのだ。それを強運で引いたレア効果のおかげだとはアリス本人とてもじゃないが二人には言い出せなかった。

「ところで【魔道姫】は?」

 そういえばとラファとアリスの二人はクオリアを見ていないと辺りを見渡していた。

「あいつの場合はほっといてもいいだろ」
「そうだね。あのストーカー女のことだからもし負けてたとしても敗者復活戦とかで普通に勝ちそうだよね」

 本当のところクオリアは空きスキルスロットの足しにするだけの参加だったので途中で辞退したのであった。まさか三人とも勝ちあがってくるとは思わなかったので細めた眼を開き、少し本気を出すかと敗者復活戦にやる気をこみ上げていたのであった。

「時間にしては六時過ぎかな?」
「なんか報告あるとかでもう少し伸びるみたいだよ」
「報告?」

 ガチャリとなにやら照明が一斉に落ちたようだ。

『はい、一次予選終了致しました。そこでモニターを見ていただいた皆さんと一緒に最高タイムをたたき出した方を紹介したいと思います』

 さきほど意味のわからない紹介をして出てきたGMのマツ×三がそう言うとアリスの周囲にライトアップされた。
 ラファとシャルナは気を使ってアリスと少し距離を置いた。
 改めて言うがアリス本人、人前に立つような性格ではない。なのでそこに存在するのは恥じらいという女性ではないのに女性らしい女性そのものであった。
 いったいこのキャラクターの中身がかの有名な【絶氷】だと知っている者にとってはこの歓声が笑いの種にしか思えなかった。
 こいつ実は………男なんだぜ………?そう言って誰が信じるだろうか。まさかのネカマ発言でもしてもいいが面白いのでこれはこれで放置にしよう、と助けを求めるアリスを横目にラファはうんうんと何度も頷くのであった。

「あれ?二人?」

 周囲からの発言によってラファとシャルナはハッとした。
 ありえない。
 彼の武勇伝を知っているからだろう。彼以上の強運は天性のものであって唯一無二の物である。ならそれと同着というならそれと同等、いやそれ以上だということになる。

『一次予選。最速で、しかもほぼ同時だった強運の持ち主。アリスさんと―――【テルプ】さんです』

 オドオドと目を泳がしているアリスであったが一つ鋭い視線を感じ、それに目を奪われてしまった。
 彼と同じようにスポットライトに当たり、そのウェーブのかかった長い黒髪をふわりとなびかせ、黒と白で統一されたイメージ色でゴスロリチックになっている彼等と同じ【大鳳の卵】装備を正面にしてこちらに向きを変えていた。

 テルプと呼ばれた少女の姿は一言で表現すると和風美人だった。格好はどう見ても昔の日本のアイドルそのものだったが、切れ長の目に黒い瞳、白い肌に薄桃色の唇。それはどう見てもアニメや漫画、空想上に出てくる東洋美人だった。
 自信に満ちた瞳。方や怯えに満ちた瞳。
 黒髪美人。方や銀髪美人。

 見る者全てに印象つけさせる二人の陰と陽。二人はラストまで残り、二人で競うのであろう。
 それはまるでシナリオとして設定付けられたライバルという者なんだと当の本人達以外に印象付けたのであった。

「―――アリス?。何がアリスだ。このワンダーランドに迷いこんだ主人公だっていうの?―――笑える」

 静まりかえっていた会場に彼女、テルプの呟きが響いた。
 それに食って掛かっていったのは友達を馬鹿にされたラファだった。

「それどういう意味よ!?あんたなんて手助けでも呼んでればいいじゃない!!誰か助けてぇ―――って」
「ちょ、それヘルプ!!ワタシの名前はテ・ル・プ!!」
「似たようなもんじゃない。テルプもヘルプも」

 それよりも自分が除け者にされたことに腹がたって仕方が無かった。アタシはどうしてもアイドルにならないといけないのに、すでにこの二人のどちらかだというのがとても許せなかった。

「元ネタあるんだからッ!!テルプシュコラー。歌舞の女神よ」
「うわ………イタ。自キャラの名前を女神の名前にするとか厨二病すぎ。いまどきの子ってこわ………」
「ぅぅぅ………」

 中身男なのに『アリス』とつけた自分はなんなんだろうと。苦笑いを浮かべるアリスであったが何か言い返してやろうにも何も言い返せないあたり、言われて自覚を持ってしまったようだ。
 別にネットゲームのキャラクターの名前なんてなんでもいいと思うが………。

 それからというもの、ラファとテルプの口喧嘩は段々と程度の低い物となりどうなるのだろうかと思われた空気も、やれやれ勝手にしてくれと思わずにはいられない空気になって一時間の休憩時間に入るのであった。
 感想等お待ちしております。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ