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第八十話 西へ

短めでごめんよ。

 剣聖が帰った。大量の弟子と共に。

 俺は剣聖とその弟子が何をしていたのかほとんど知らない。ただダンジョン内でひたすら訓練していたのだろうな、程度の予想は付く。何故なら。


「もう一回! もう一回お願いします!」


「良し! お前たちは素振りだ。無駄がないかよく考えろ!」


「あ、イフ姉回収に来ました」


 配下たちのやる気が満ち溢れている。主に訓練に参加していたと思われる者たちから。

 こっちは荷物整理で忙しいのに。この火薬は重要だからな。『ダンジョンを造ろう』に入れておこう。


 荷物整理も終わった。帝都でこっそりと貰って来た菓子を頬張りながら次はどうするか考える。

 別にやることがないのは大歓迎なことだ。俺の理想と言っても過言ではない。

 しかし今は、今だけはこのダンジョンから遠ざかりたい。何故ならば。


「魔王様! もしよろしければ訓練に参加しませんか?」


「いや、することがあるのでな。また時間がある時にな」


 いきなり玉座の間に現れたと思えば、断られてしょんぼりと帰るエナ。

 そう、皆がやる気がある所為でどこに居ようと参加への呼びかけがうるさいのだ。

 俺の技能(スキル)を使えば自分と同等の実力である俺と戦える、それが目当てなのだろう。しかもその背後に居るのはアリスだ。もしのこのこ行けば最後の訓練相手はアリスになるだろう。

 なんで俺がそんな目に合わなければならんのだ。

 何とかして、ダンジョンから一時的に逃げ出す口実を見つけなければ……。


「そうだ、あの件があったな」




「に、西へですか」


「うむ。しばらく時間を取れるからな。確かオワの大森林の西部の探索が出来ていなかっただろう。俺と念のためにアリスも連れて行こうか。三階位の魔物が出てもアリスに任せれば良いし、魔族になら俺が話しよう。道案内任せられるか?」


 俺は玉座の間で待機して、風呂に入りに来たシバに話しかけた。

 用件は西への進出。三階位の魔物やそこに住んで居る魔族の所為で満足に探索出来ずに終わった場所。


「勿論です! このシバ全身全霊で道案内させてもらいます。今から?」


「いやいや、さすがにもう遅い。ランに話をして俺が居ない間ここをまとめてもらうか。守りはイフリーナとセルミナが居れば大丈夫だろうし。アリスに話もしないとな」


「これは、失礼しました。少々焦ってしまったようで。それでは、皆に伝え、明日に備えさせていただきます」


 ああ、うん。でも風呂に入ってからで良いからね?

 さて、このまま他の奴らが風呂に入りに来るのを待つか。


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