大人と子供
「だかーら! こっちだって!」
「こっちだって、百合ちゃん!」
「(どうして、こうなった)」
三回目のデートで、ラルは凛と百合に着せ替え人形にされてしまった。
さかのぼること三十分前。ラルは今までのデートみたいに待ち合わせではなく、凛と百合の家に迎えに行っていた。
「すみません。凛さんいらっしゃいますか?」
インターホンを押し、訪ねる。
インターホン越しに、ドタバタと音がしたり、『あらあら、凛がこんなに慌てるなんて、今夜は赤飯かしら?』と言った声が聞こえる。
凛のお母さんかな? と声の感じでラルは推測した。
「ごめん。待たせちゃた?」
バタンっ、と勢いよく玄関の扉を開けて、凛が近づきながら、ラルに訊いてくる。
相当、急いだのだろう。凛の服は乱れており、パッと見ただけでわかるほどだ。
「大丈夫だから、じっとしろ」
「ん、ありがとう」
服の乱れを直すラルに凛は、いつものように礼を言った。
転校し、昔馴染みに会ってから、日常的なスキルが大幅にアップしたラルは、素早く、凛の服装の乱れを直し、そのまま、
「行くぞ。百合が待ってる」
「うん……」
凛の手をとり、そのまま歩き始める。
頬を赤くした凛はラルを見るが、
「(凛は子供っぽいから、手を握らないとはぐれるからな)」
鈍感なラルは、そんなことに全く気づかず、ましては、仮にもデート相手である凛に対して、子供っぽい、としか感じていなかった。
凛の家から、ご近所と言える距離に百合の家がある。
凛の家が普通の一軒家だとすると、百合の家は華のある一軒家だといえる。
庭には華が多くあり、桜の木が端のほうに一本あり、青々としている。
「百合ちゃ〜ん。遊びましょう!」
子供っぽい凛は、まさに小学生の低学年ばりに百合を呼び、ラルは思わず、頭を抱える。
「やめなさいって、いつも言ってんでしょ!!」
「ぐにゃっ!」
二階の窓が開き、そこからクッションが凛の顔面にあたり、少女らしからぬ悲鳴をあげる。
ラルが顔を上げると、窓からは腕を振り抜いた体勢をしている百合が見えていた。
「ごめん。ちょっと待ってて、すぐにそっちいくから!」
「ああ、わかった……」
打ち所が悪かったのか、目を回している凛の頬をペチペチ、と軽くはたきながら、ラルは百合に語尾を弱めながら返事をやる。
ラルは先程、下から振り抜いた百合を見ていた。
つまり、ラルにはわずかに見えていたのだ。百合の生足と、その先の水色と白のしましまのアレが、
「凛、起きてくれ……!」
恋愛やそっち方面に初な彼は、顔を真っ赤にし、ガクガク、と目を回している凛の肩を揺さぶる。
その顔には、騎士ではなく、年相応の少年の顔であった。
「お待たせ、ごめんね。でも、女の子は準備に時間がかかるから、許して?」
「いや、いいさ。待つのもデートのうちだしな」
和やかな雰囲気を出す二人と若干、意識が回復しきっていない子供っぽい娘が一人。
「凛、まだ回復してないけど、どうしようか?」
「そのうち、目覚ますから、大丈夫よ。……私としては覚めないほうがいいけどね」
「ん、なんか言った?」
「ううん。なにもないわ」
ぼそっと、つぶやいた百合に、首をかしげながら訊いたが、なにもないと、言われたので、少し腑に落ちないながらも、ラルは、また凛を揺さぶり始めた。
「う〜ん、あと五分……むにゃむにゃ……」
なんて、ベタな寝言なんだ……。目を回してるはずなのにな。若干、そんな寝言で和みながら、凛を起きるようにラルが頑張っていると、
「起きなさい、凛」
「ん〜……、ん? い、痛い!? 痛いよっ! 百合ちゃん!?」
無造作に凛のほっぺたを、びょーん、と引っ張り、無理矢理、目覚めさせる。 目を開いた凛は、涙目にはなりながらも百合を軽く睨むが、
「なに?」
「な、なんでもないです……」
百合に無表情で返され、身体を小さくしてしまう。
アレ? 私、被害者だよね? 結構、一方的にやられたよね?
顔面にクッションの直撃を受けて、ほっぺたを引っ張られたよね? そんなことを思いながら、凛は首をかしげた。
<ショッピングセンター>
ラル、凛、百合は街にある一番大きなショッピングセンターに来ていた。
このセンターは、県内でも最大級の大きさをもち、有名ブランドから一般向けのお店。食品や服、日用品など多くのものを扱っており、週末になれば、家族連れやカップルなどで賑やかになるほどだ。
「久しぶりに来たけど、やっぱり賑やか〜」
「本当、久しぶりね――前に来たのはラルたちがいる前だったかしら?」
そこにいるのは、当たり前といった具合にラルの両腕に腕を絡める。それぞれ、凛が右腕。百合が左腕だ。
周りの人々から視線を浴びながら、歩き始める三人。
「さて、どこに行く?」
「まずは服ね。そのあとに、お昼。あとは小物を買って、本屋かしら?」
「え〜、ぬいぐるみは?」
「最近行ったから、なし」
ぶ〜、とほっぺたを膨らま、百合を批判する凛。
それを気にした様子もなく。歩き始めた。
「行きましょう」
<店内>
「いらっしゃいませ!」
女性店員の声を聞きながら、女性物の服を取り揃える一般向けの洋服店に入る。 凛、百合の二人は何度か来たことがあるのだろう。少し広めの店内でも悩んだ様子もなく、奥の方に向かって歩く。
「今日は、明るい感じの服がほしいわね」
「私は〜、かわいいワンピースかな?」
百合、凛の順に言い、視線をラルにあびせる。
ラルはすぐに視線を感じとり、顔を覗きこんでいる二人の顔を見る。
「わかった。今日は二人にプレゼントさせてもらうよ」
「ありがとうっ。ラルちゃん」
「流石ラルね。そこらへんの男とは器が違うわ」
物欲しげな目をしてたくせに。口元を少し上げたラル。
異世界とは、違うな。
女性特有の高い声をだしながら、楽しそうに服を選んでいる凛と百合を見ながら、ふと、考えてしまう。
「楽しいな……」
楽しい。普通の生活が楽しいと思える。
前は、世界が灰色に見えたのに、今は鮮やかだ。
「ラルちゃん。こっち向いて?」
凛に呼ばれ、振り向くラル。凛の手には、女物の水色のワンピースが握られていた。
大きめのワンピースをラルの体に合わせ、
「ラルちゃん。これ、着てみない?」
「……はっ?」
爆弾発言。
「もう一回、ラルちゃんの女装姿見たいな〜って、ダメ?」
「……凛。あの時は、しょうがなく女装しただけで、あって、俺に女装趣味はない! それにそんなことしたら、お店に迷惑だろ? だから――」
「いいんじゃない? 私もラルの女装姿、もう一回見たいし?」
あきらめろ、と言う前に、百合は口をはさんだ。
さっきまで、服を見ていたのだが、今は近くにきており、その顔には面白いものを見つけたと、笑っている。
「そんなのお店の人が許すわけ――」
「いいですよ。なんか、面白そうですし!」
店長さんに言われ、逃げ道を失われたラルは可愛らしいフリルがたくさんついた服を凛に、クール系のモノトーン調の服を強制的に着せられていた。
「だかーら! こっちだって!」
「こっちだって、百合ちゃん!」
「(どうして、こうなった)」
凛と百合がどれをラルに着せようかを言い争っている。店長さんは、そんな二人の周りをせわしなく走り回り、服を渡したり、回収したりと、していたが、その顔はイキイキし、笑顔が輝いていた。
「な、なぁ、そろそろやめないか? これ以上は俺の精神が――」
『ダメ』
ものすごい笑顔で拒否され、苦笑を浮かべる。
デートだったはずだよな? なのに、なんで着せかえ人形になってんだ?
「ありがとうございました!」
片腕をラルの腕に絡め、もう片腕にはプレゼントされた服がはいっている紙袋がさげながら、三人は少し遅めの昼食をとるために、レストランに来ていた。
特に待たされることもなく、席につく三人。
周りは家族連れが多く、ほぼ満席状態。運よく待たされなかったようだ。
店内は食欲をそそる、いい匂いがただよう。
「なに、頼む?」
「私はオムライスかな? ふわふわっとしてるやつ! 旗付きで!」
「スパゲティーかしら?」
オムライスはいいけど、旗付きって、やっぱり、子供っぽいな。
笑みを浮かべながら、キラキラと目を輝かせる凛に思わず、ラルは苦笑を浮かべる。
「ラルちゃんはどうするの?」
「日本食だな。この海鮮丼を食べてみたいな。異世界では、生で食べる習慣がないからな。興味がある」
家では料理を任されているためか。ラルは外食などの時には日本食を中心にした人間界の料理を食べるようにしている。
今では、異世界料理をアレンジした料理をだす店も多くあるのだが、王宮付きの料理人並の腕前を持つラルは、興味があまりないので、極力人間界の料理を食べるようにしているのだ。
「異世界って、生で食べる習慣ないんだ?」
「海の近くの街や魚村なんかの例外を除けば、よっぽどじゃないど生で食べることはないな」
「ふ〜ん。知らなかった」
「でも、ラル。あんた大丈夫? 生で食べるの初めてなんでしょ? 無理して体調くずしたら面倒よ?」
百合は心配そうな顔をしながら、ラルにたずねる。
普通、人は慣れないことや初めてやることをすると体調や生活リズムなどをくずしてしまうことが多い。
百合はそれを心配しているのだ。
「初めてだけど大丈夫だろ。何事にもチャレンジしなきゃ」
「そう言うなら別にいいけどね……ったく、心配してるのに……」
ぶつぶつと、つぶやきながら、注文をする百合とすでに注文を終え、ワクワクとした雰囲気を出している凛。
周りから良い匂いがただよっているからだろう。凛は少しソワソワとしており、百合はなんでないようにふるまっているが、チラチラと周りを気にしているのがわかる。
おそらく百合は何時もどおりなのだが、空気に感化されたようで口元が少し上がっている。
「外食なんて久しぶりだから楽しみ〜」
「私も久しぶりだから楽しみね」
「なんだ、二人とも久しぶりなのか?」
何気ない凛、百合の二人の言葉に反応するラル。
二人の家はめったに外食をしたいようだ。ただ、経済的な問題ではなく。彼女たち二人の性格をみればわかるが、家庭を、家族での食事を大事にしているのがわかる。
「うん。お母さんのご飯おいしいから行く必要ないんだ!」
「うちは食事は家族でとるものって教えだから、半年に一、二回程度ね」
二人が答える。
明るい性格な彼女たちがここまで育ったのは家庭環境がよかったからだろう。
「そういうのなんか良いな。俺も家族できたら、そんな家庭をもちたいな」
「じゃあ、私のことお嫁さんにしてくれる。ラルちゃん!」
「ラ、ラルがどうしてもって言うなら、わ、私もいいわよっ!」
凛は頬を薄く赤く染めながら、軽い冗談っぽくラルに訊く。
百合は凛の冗談を真に受けたようで、赤く染めた顔を下に向けながら言うが、だんだんと恥ずかしくなったのか、声が徐々に小さくなってしまっている。
「光栄だね。二人にそんなことを言ってもらえるなんて、でもあんまり人をからかうものじゃないよ? 本気にしたら困るだろ?」
フフッと笑いながら、ラルは彼女たちの冗談を受け流す。
彼女たちは半分冗談半分本気といった具合だったので、今のラルの対処の仕方にガックリと肩を落としながらも、やっぱりと心の中で思ってしまった。
「なんか私がバカみたい……」
「百合ちゃん、しっかり!」
<本屋>
周りから視線を感じつつも食事を終えた三人はショッピングセンター内に本屋に来ていた。店内は本屋にしては広く。メジャーなものから、こんなの誰が買うんだ? みたいなマイナーなジャンルの本まで多くの取り扱っている。
店内には眼鏡をかけた如何にも文学系な人達やマンガを買いにきたらしい若者、子供用の絵本を選んでいる人がいた。
三人は一旦別れ、三十分後に集合することにした。
「(日本食、作りたいから料理コーナーだな)」
ラルは先ほど食べた海鮮丼に影響なのか料理本が並ぶコーナーに迷うことなく一直線。
料理コーナーには若い女性からお菓子本を吟味する女子学生の姿が数多くあった。
若い男性の姿はラル一人だけで、しかも、ラルがコーナーに足を踏み入れたら、物珍しそうな視線が集まり、こそこそと三、四人グループが話を始める。
ねぇ、あの人……。イケメンって、いるんだ! 銀髪イケメン……、ハァ、ハァっ!
若干、鼻息が荒くし、危ない人もいたが、女性客から視線がラルに集まる。
「(なるほど和食はおもてなしの心か。異世界じゃ、中々ない考えだな。本格的に日本食を学ぼうかな?)」
本棚から『和食の心』とかかれた本を読んでいるラルは全く、女性たちからの視線と一部危険な視線が集まるがまるで気づいた様子がない。
例え、ラルが本を読んでいなかったとしても、視線には全く気づかなかっただろう。今まで、王女たちなどからのさまざまなアプローチも、ただのスキンシップ。あるいは、冗談としか受け止めていない彼にしかできない鈍感技である。
「(これ買いだな。値段は……ちょっと高いけど許容範囲内だな。和食と後は初心者用の簡単な料理本かな?)」
本をわきに抱え、レジに向かうラル。
女の子たちに携帯で写メを撮られたりされていたが、銀髪だから珍しいのかな程度にしか感じていなかった。
五分前に待ち合わせ場所に着くが、五分が過ぎ、十分、十五分と時間が過ぎると、不審に思い店内を散策する。
歩くたびに再び集まる女性たちの視線を全く気づかずに黒髪が目印の凛と茶髪ポニーテールの百合を探し始める。
少女漫画、ライトノベル、参考書と回っていくが二人の姿は全く見えない。
まさかと思いつつ、ラルは小学生の女の子が好みそうなカワイイ動物の本が並ぶ棚に足を運ぶと、
「かわいいよ〜」
高校生にして、子供っぽいさ学園No.1に君臨する、肩にかかる黒髪が目印の鈴宮凛が『カワイイ動物シリーズ・子猫版』と書かれた本を凝視している。
普通の高校生は周りに小さい子供達がいたら浮くはずなのだが、彼女から滲みでている雰囲気がそれを感じさせないから不思議なものだ。周りにいる無邪気な子供達から髪や服を引っ張られたりしているが、
「……凛」
「あっ、ラルちゃん! どうしたの、こんな所に?」
右手で顔を覆いながら若干呆れ気味にラルは話しかける。いままで本を読んでいたためか、声をかけられて、やっと気づいたような雰囲気で、自身がいて、ラルが来るはずのない場所にラルがいるので首を傾げながら訊いてくる。
「時間になっても来ないから探しにきたんだ」
「あれっ? もうそんな時間だったかな?」
私の時計じゃ……ニャー! 動いてなぁぁぁあああい! 壊れたっ!
少し、いや、かなりうるさくして凛が腕時計を見ながら叫び。周りにいた子供達は何が楽しいのか分からないが指を指して笑っている。
壊れたじゃなくて電池がないだけじゃ? ラルはそんなことを考えていたが、凛が涙目で近寄ってくるので、よしよし、と頭をなでながら百合を探しに行こうと凛の手を引っ張りながら、その場を離れた。
子供達の笑い声を聞きながら。
「百合はどこだ?」
「小説のとこじゃない?」
「いや、そこにはいなかったんだ。参考書の場所にもいなかったし、凛はどこにいると思う?」
「ん〜、わからない?」
人差し指をあごにつけ、かわいらしく首を傾げる凛に小さくため息をはいたラルの視界の端に茶髪のポニーテールが入ってきた。
探していた百合だ。彼女は本を買ったらしく薄茶色の紙袋をわきに抱え、二人の方に向かって来る。
ラルは先ほど二人を探し回っている時にレジが混んでいたことを思い出す。
本を買うためにレジに並んでる最中に待ち合わせ時間が過ぎてしまったようだ。運悪くすれ違ってしまったようだ。
「悪いわね。待ち合わせ時間に間に合わなくて」
少し申し訳なさそうに声をかける百合だが、お目当ての本があったのか本屋に入ってきた時より表情が明るくなっている。
ねぇ、ねぇ。なに買ったの百合ちゃん?
そんな彼女に凛はくいっ、くいっと無邪気に袖を引っ張る。
まさに母親に尋ねる小さな女の子である。
「まぁ、いいさ。ちゃんと会えたし」
「このあと、どうしましょうか? お昼は終わったし、本も買ったし……」
「だったら、ぬいぐるみをっ!――」
「却下」
朝のように凛の意見を却下した百合。そんな彼女たちを見ながら、ラルは苦笑を浮かべる。まるで、母子のようだと。もちろん母親は百合。子供は凛だ。
同い年のはずなんだけどね?
<住宅街>
だだっ子のごとく、ぬいぐるみ、ぬいぐるみっ! 言ってうるさくしていた子供高校生。凛に対してだけSっ気がある百合が頬っぺたを、にょ〜ん、と引っ張り無理矢理従わせ、涙目になる凛をラルが頭をなでって慰めるなどがあったが、概ね何もなく終わり帰路につく三人。
「今日は楽しかったっ!」
「楽しかったわ」
「それはよかった。こっちも楽しかったからね」
夕日がさす住宅街に三つの人影がのびている。大きい影にそれぞれ左右に小さい影が寄り添っている。三人はその後なにも話すことなくゆっくりと歩いていく。周りの家からは母親や父親、子供のにぎやかな声が響いている。楽しかった時間はあっという間に過ぎていって、終わりに近づくとよりいっそうに夕日がさす時間が寂しく感じてしまう。
ふっ、と凛がラルの組んでいた腕をはなす。思わずラルと百合は足を止める。凛はすかさずラルに軽く飛びつき頬っぺたに、チュ、と触れたか? と思ってしまうぐらいのキスをした。
「今日のお礼だよ! じゃ、バイバイにゃ〜ん」
若干顔を赤くして、さっそうと去っていく凛。ヒュー、と風が吹くなかにラルはギリッと腕を組んでいたら絶対鳴らないような音が聞こえていた。ゆっくりと顔を百合のほうに向けると、
「ふふっ……ふふ」
黒いオーラをだしつつ笑っている百合らしきなにかがいた。いや、実際に百合なのだが、あまりにもそのオーラが黒く一瞬何なのか分からなくなってしまったのだ。
「百合、百合さん! あ、あれは子供が父親にや、やるスキンシップみたいなもので!!――」
「ふふ……ふふ!」
ふせていた顔をあげ、ラルの顔に近づく百合。そして、
「!?」
凛とは逆の頬にキスをした。
真っ赤になった顔をラルに向け、ビシッ、と顔に指をさす。
「……じゃあねっ!」
一瞬、なにかを言いそうになったがそれを抑え、ピューと、走るように去って行った。頬が赤くなっていたのはたぶん夕日だけのせいだけではないだろう。青春真っ只中の女子高生が異性。それも好意を寄せている相手に頬とはいえ、キスをしたのだから。
普通の人ならキスまでされたら、相手の好意に気づくだろうが、
「……日本の欧米化もすごいな。欧米じゃ、あいさつでキスをするらしいし」
超がつく鈍感少年のラルには、ただのあいさつ程度にしか考えていなかった。
どうだったでしょうか?感想よろしくお願いします。
更新が遅れてしまい、すみませんでした。
私事ではありますが、39度の熱が出て、書くことができず、今年の初めに一緒の大学にいく友達が突然死んでしまい、とても小説を書く気分ではありませんでした。
わがままではありますが、天国に旅立った友達に黙祷をしてくださると嬉しいかぎりです。
+注意+
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