ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
はじまりのための“出会い”
第1話 いざ、王宮へ
彼女は物心がつくころには一人だった。
父の威厳も母の優しさも知らずに育った。
今まで彼女は必死に生きてきた。
皿洗いだって、お店の接客だって、犯罪の一歩手前のことだって生きるためになんだってしてきた。
ある日、そんな彼女に二つの手が差し伸べられた。
その手の一つはたくましく、そしてお日様のようにあたたかな手だった。
もう一つの手はやさしく、そして何もかもつつみこんでくれるかのような手だった。
彼女はこの手の意味をもちろん知らない。
ただ、やさしいあたたかさがほしくて、その二つの手を彼女はとった。

アンジェは、馬車の中から見える景色を見ながらふと思った、
「そういえば、王宮に行くのは初めてだな」と。
生まれてこのかたアンジェは王宮に行ったことがなかったのだ。
別に、アンジェの育ったスーダ家が田舎というわけではなかった、行こうと思えば行けたのだ。
「もうすぐ着くわよ」
そんなことを考えているとよこで重そうなドレスを着ているマリアがいった。
「あぁ、結構早いんだね」
「まあね、ていうかあんた、一回も王宮に行ったことないの?」
「うんッ」
アンジェが素直にうなずくと、ありえないものを見るかのようにマリアが
「うそでしょう〜、十七にもなるのに王宮の舞踏会にも行ったことがないなんて」
と言った。
「舞踏会かぁ〜、別に興味ないなぁ」
アンジェがそう言うと、マリアがますますありえないという顔でアンジェを見た。
その時、
「お嬢様、王宮に着きました」
と言う声がした。
「さっ、着いたわよアンジェ、私が変な男どもに絡まれないようにちゃんと護衛してね」
「わかってる」
そう言いながら、アンジェは初めての王宮にワクワクしてマリアの言葉は聞いていなかった。
苺なんて、嫌いだー!!←作者のブログです。遊びに来ていただけると、春日は喜びまくります!!


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。