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セキレイが泣く場所で
作:柿桑裕樹



16:苦戦ったら苦戦なんだよ


 ドラゴンに向かって俺は全力で走る。
 だが、火を吹いてきたので急いで後退する。
「あれ、近づけないだろ!?」
 俺は近距離戦士だから遠距離攻撃をされると近づけないんだよな。される前に近づきたいんだけど、ドラゴンって近距離も強い(?)から、むやみには近づけない。俺との相性は抜群に悪い。
 エッダが呪文を唱えて、光の槍をドラゴンに投げつける。
 しかし、それはドラゴンの腕の一振りで叩き落とされてしまった。
 しかも逆に、ドラゴンが魔法を使ってきた!? 何やらドラゴンの身体の回りに光る玉が出てきて、その玉から光線が俺達に向かって飛んできた。
「ドラゴンって魔法使えるの!?」
 俺はその光線を避けながら、エッダに尋ねる。
「そうよ! 仮にもこの世界での最強の生物なのよ!」
 エッダは何やら魔法の障壁を出して、光線を防いでいる。
 と、そこでドラゴンの息の吸う音を聞いた。
 ヤバイ! ためが長いぞ!
 そう思った瞬間、先ほどとは比べ物にならないほどの炎を吐いてきた。
「っく、このデカ物め!」
 エッダはそう叫んで、腰から何やらビンを取り出す。そして、一言呪文を唱えるとそのビンを炎に向かって投げた。
 バシュ、と音がして炎が消えた。
「エッダ、今の何?」
「魔法を事前にかけておいた魔法液よ。大抵の魔法なら消せるわ。でも、後二つしかないわ」
 なるほど。ひとまずピンチは脱出したかな。
 でも、今の状況はヤバイな。
 これはかなり不利な状態だ。俺は近づけないし、エッダも簡単な魔法じゃドラゴンには効かない。でも強い魔法を唱えるほどの時間が稼げない。 
 どうしたものか・・・・・・。
 と、ドラゴンの尻尾が振るわれて、あわててそれを避ける。
「なかなかしぶとい餌だな」
 やっぱり餌ですか、俺達。
「あの最初に来たやつよりか弱いが、なかなか強いものだのう」
 やっぱりあの人のほうが俺達より強かったのだろうな。で、それより弱い俺達がこいつに勝てるのだろうか?
 そんなことを考えていると、
「さて、そろそろわしも本気といきますかな」
 ドラゴンがそう言った。
 え、ちょ待って。 今まで本気じゃなかったのかよ!
「それではやるかのぉ」
 ドラゴンが何やら呪文を唱えだす。俺は魔法使いじゃないから、何の呪文かまったくわかんないんだけど、エッダが何やら気付き、エッダも呪文を唱えだした。
 俺は何にもわかんないので、ひとまず刀を構えておく。
 ドラゴンの周りが何やら光りだす。
 と、ほぼ同時にエッダの右手が光りだす。両方とも光ってばっかだな。
「セキレイ! そこの聖騎士を連れて私の横に来い!!」
 俺は何もわかってないので、言われた通り、聖騎士さんを引っ張ってエッダの真横に移動する。
「―――――っ“ 剛雷の嵐ゼウス・ハリケーン”!!」
 少し早くエッダの呪文が早く言い終わり、エッダの右手から雷と竜巻が同時に出て、ドラゴンへと向かう。
「“堕落の死”」
 エッダの魔法がドラゴンに当たる直前、ドラゴンが魔法を唱え終わる。
 その瞬間、爆音と衝撃が響きわたり、辺りが真っ暗になった。











――――ドラゴンは最強の種族だ――――












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