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セキレイが泣く場所で
作:柿桑裕樹



10:化け物大変だな


 
 それから、少し進んだ、まあ百メートルくらい進んだ場所で、




「おい、何でこんなに悪魔やら魔物やらがたくさんいるんだよ」
「だから、ここはかなり危険な場所って言ったじゃない。ここの決まりは、“弱肉強食よ”」



 

 俺とエッダは悪魔や魔物と闘っていた。
 その数は八匹。
 俺は一番近くにいた悪魔の頭を切り落としながら言う。悪魔は生命力が強いらしいので、頭を切り落とすのが効果的らしい。
「“弱肉強食”ねぇ・・・・・・。どちらかと言うと、集団リンチのほうが正しくないか?」
 エッダは、呪文を唱え魔法で、なんか毛むくじゃらの魔物を二匹まとめて凍らせる。
「まあ、そんな感じわね。でもね、ここの悪魔達にとっても、“弱肉強食”なのよ」
「はあ。なんで? ―――――っと、危な」
 俺がさっと避けた場所に、悪魔の放った黒い光が当る。
「それはね、悪魔達が共食いしたりするからなのよ」
 エッダは杖で凍らせた魔物を砕きながら答える。
「共食い!? 同族嫌悪みたいな感じか?―――っうお!」
 今度は爪で切られそうになった。逆に体を真っ二つにしたけどな。
「違うわよ! 腹が減ってるからに決まってるじゃない! ちょっと足止めしてて!!」
 エッダは次に、空に浮かぶと呪文を唱えだす。
 俺は、残り四匹となった悪魔達に向かって突進し、切付け、攻撃を防ぎ、エッダが呪文を唱えるだけの時間を作る。
「―――――“地獄の蓮火”!!」
 エッダが呪文を唱え終わったと同時に、俺はその場からダッシュで離れる。
 後ろで、かなりデカイ爆発音と爆風が吹き、俺は文字どうり吹っ飛んだ。
「よし! 倒した!!」
 どうやら、全部まとめて倒したらしい。
 エッダはそれから降りてくると、ため息をついた。
「やっぱり、魔法使わないと話にならないわね」
「何の魔法を使うんだ?」
「見えなくなる魔法よ」
 ・・・・・・・・・おい。
 それ、最初から使えよ。
 少なくとも先ほどの戦いだけは回避出来ただろう。
「だって、忘れていたんだもん」
 そんなかわいい声を出さないでくれ。お前が言うと気持ち悪いぞ。
 などは、口には出さない。死ぬからな。
 俺は大きく、ホント体中の魂が抜けるくらいのため息をつく。
「じゃあさ、早くその魔法を掛けてくれよ。いちいち襲われるのは嫌なんだよ」
「OK」
 エッダはちょっと長い呪文を唱えて、俺を指差す。
 指を下ろす。
 ・・・・・・・・・。
 何も変わっていないが・・・・・・・・?
「その魔法は、息を止めているか、目をつぶっている間だけ姿を消せることができるから」
 は〜〜。
 やっぱり便利だな。
 息止めるのはきついかもしんないけど・・・・・・。
「はい、いきわよ」
 エッダは先にすたすたと歩いていく。
 俺は大きく息を吸い込んで、息を止めてから歩き出した。
 

















 
 俺とエッダは、できる限り呼吸を止めながら歩いていた。本当に姿が消えているらしく(臭いも消えているらしい)悪魔が横を通っても、大丈夫だった。
 



 一時間くらい歩いたときだろうか。




 
「なあ、これっておかしくないか?」
「私もそう思うわね」
 俺達はあるものを見ていた。
「何でこんなものがここにあるんだ?」
「私に聞かないでよ」
「いや、エッダなら何でも知ってそうな感じがするからさ」
「そうでもないわよ。知らないこともたくさんあるわ」
「例えば?」
「そうね・・・・・・。人間の体の仕組みとか、どうやって軟体動物は動けるのかとか」
「変な例えだな」
「そうわね。――――――そしてなりより」
 エッダはあるものを指差す。
「何でこんなところに、扉、があるのか分からないわ」
 そう、そこにあったのは、何の変哲もない扉だった。




「そういえばさ、エッダって軟体動物苦手なんだ?」
「そうよ。あんな気持ち悪いの触れるわけないじゃない」
「・・・・・よし、今度から青虫を装備しておこう」
「大丈夫よ、全部焼いてあげるから」
「やめとこ」











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