自問、そして始まり
――ここはどこなんだろう……
どうして、僕はここにいるんだろう。
視線の先にどこまでも続き、吹き荒ぶ雪の中を、頼りなく体を揺らして歩きながら、ぼんやりとした頭で彼は思う。
ふと立ち止まり、彼は自分の手を見た。
彼には分からなかったが、それはとても小さく、少年の域にも達していない未熟な、いや、未熟すぎるものだった。
しかし、彼は何も思わず、感じない。手を見たのもただ、なんとなくといったものだった。
すぐに目を離し、また歩き続ける。
――どこなんだろう……
……僕は、どうすればいいんだろう……僕って、何だろう……?
また、そんな考えが浮かんでくる。
彼は何も分からなかった。自分を蝕んでいる寒さも、疲れに苛まれ続けた体では何も感じられず、このままでは危険だということも分からなかった。ただ自分に自問しながら、それは自分では自問というものとも分かっていないのかもしれないが、歩き続けた。
このままでいれば、彼は確実にその何年も過ごしていない幼い魂を幽界の主ディスに委ねることになるだろう。
しかし、そうした方が彼にとって幸福かもしれない。魂を委ねてしまえば、少なくともこれから先の彼の生に起こる悲しみを、怒りと憎しみを感じることさえも無かったのだから。
先ほどまで無かった何かを感じ、少年は周りを見回す。
そこには、彼と同じものが複数立っていた。しかし、彼と彼と同じものとでは決定的に違うものがあった。彼らは彼より、一回り、二回り大きかったのだ。
彼らは何かをお互い喋っていた。彼はただそれをぼんやりと見ている。すると、彼らが少年に近づいてきた。そして、
「――う……」
呻き声を上げながらも、彼は分からなかった。彼らに、腹に、拳を叩き込まれたことも。
痛みは感じなかった。ただ、見ていた周囲が暗くなってきたのを、彼は感じていた。 |