プロローグ
さて、荷造り中ですが初めまして。
私、月山みかげと申します。
当年ピチピチの15歳。今年の春から高校生になる予定だったどこにでも居るふつーの女子中学生です。
そんなふつーな女子中学生の私ですが、只今国外逃亡のための荷造り中なんです。荷造りなうです。
……え?どこの国に行くのかって? ほぅ、国外逃亡と聞いて逃亡理由より先に高飛び先を聞くとは……アナタ、侮れませんね!
ちなみに国外と言っても皆さんが知らない国です。
ええ、確実に、絶対に知らない国だって宣言できます。
……え? ギニアビサウ共和国? ……なにそれ、わたししらない。
ま、まあギニアビサウ共和国は置いておいて、皆さん絶対に知らないはずです。
―――だって、異世界なんですもん。
ふふふ、皆さん私が異世界へ来たと聞いて驚く事でしょう。信じられないと思うでしょう?
ですが全て事t、――え? なんですって?
……良くある?
は、ははは。ま、まさかっ! そんな事、だって所謂神隠しって奴ですよ? 神隠しが跳梁跋扈してるなんて、そんなのあるわけ―――
え? …………転生? 憑依?
なにそれ怖い。
ま、まあそこら辺は置いておいて、私が異世界に来るまで、そして来てからの今日までを軽くお教えいたしましょう。
でないと逃亡理由も明らかにできませんし。
では、回想ちぇけらっ!
◇
私は中学校の卒業式の後、打ち上げだかを計画している女子グループの横を通り過ぎ、ドンキへダッシュしました。
もちろんブリーチを買うためです(髪の色抜きの)
何故かって? もちろん、高校デビューのために茶髪にするからである。
あ、茶髪と言ってもほんの少しだけ茶色にする程度です。
進学が決まった高校は格式高いお嬢様学校なので目に見えて「色抜きましたー」「染めましたー」と言った髪色は禁止されているからです。
しかし高校までは実に約二週間ほどあります。
もし初めての色抜きが失敗しても直ぐに髪の黒い部分が延びてくることでしょう。伸びて来なくても最悪染めてしまえば無問題。
私は高校で舐められないように買った色抜き剤と学校の指定バックを肩に掛けながら意気揚々と自宅へ向かいます。
ちなみに両親は今年で十七回目となる新婚旅行、つまりハネムーンのためにハワイへバカンスに行ってます。
結婚から十七年たった今でも新婚さながらにイチャラブっぷりを展開し続けるので、結婚記念日には毎年二人で旅行に出かけるのです。
母の友人千春さん曰く、「毎年新婚旅行みたいね」との発言から、私はハネムーンと呼んでいるのです。
まあそれは置いておいて、両親がいない今こその高校デビューの準備なのです。
うちの両親、ほぼ毎日イチャラブしまくってるくせに、私が何かするとあーだこーだと口を挟んでくるんですよ。
ご飯中もお風呂の中でも(!?)布団の中でも胸焼けして口から砂糖が溢れてしまいそうな程のものを見せ付けてくるくせに私を怒る時だけ一端の親みたいに怒ってくるんだから手に負えない。
しかも説教が終わると途端にイチャラブし始める……。
あれです。私も私で反抗期なんだと思います。が、あのギャップと言うか変わり様には正直唖然としましたね。
ま、今二人がいないうちに髪の色を変えてしまおうと画策中なのです。
そして、そんな画策をしていたのが悪かったのでしょう。
買い物なんてせず、直ぐにでも家に帰っていれば異世界なんかに行くことは、無かったのかも、と思ってしまうのです。
「え?」
突然、視界が暗転したのです。
瞼を閉じたわけでもなく、一瞬ですが本当に暗転したんです。
そして次の瞬間にはシャンデリアや豪華な物が並ぶ大きな部屋に居たのです。
そして、
「ようこそ、月の姫巫女様。我らケルンの民、心より姫巫女様の降臨をお待ちしておりました」
イケメンの王様が、目の前に現れたのでした。
仙台とほぼ同時期にネタができ、だけど少女マンガ的な王道がわからずお蔵入りとなったネタです。
隣国の王子とか近衛隊長とか執事とかイケメン出してりゃ行けるだろと思ってたら知人に「お前は解ってない」と言われ没にした、なんてエピソードなんかありませんよ。
更新未定、したとしても牛歩以上の遅さになります。
なろうサーバの肥しになりそうな一作です。
先ずは先代を終わらせてから、かな。