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第12話 消滅の光華(★残酷な描写有り)
 第12話 消滅の光華
 

 フィンダリア皇太子マチス・レオナートがその存在…『聖獣』と云うものに出会ったのは、彼がまだ成人の儀式という物を行ってもいない一四才の時だった。
 それは丁度自らの奉領地グルニアを初めて単独で訪問していた時の事である。
もっとも単独とはいえ護衛はいて、要は父帝や弟が居ないと言う事であった。
皇太子は初めて一人で自由赴くままに自身の領地を色々と見て回り、そして最後に一族の発祥地と言われる場所に赴いた。
 そこが『聖地』である。
不思議だった、帝都パレスとは別物のような大気を感じた。
神聖な空気、流石は聖地だと少年皇子は思った。
訪問先には神殿があり、そこが今夜の彼の宿泊先でもあった。
少し休憩の後、皇太子リオンは付き添う者から離れ、一人この周囲を散策してみる事にした。
 大きな霊山とその静寂なる森と泉に囲まれた美しい場所。
一人歩いてみるとそこに話に聞いた泉があった。

―――かつてたくさんの天馬たちが喉を潤したという泉。

 しかし何時の頃からか、この泉には天馬は次第に訪れなくなり、終いには父帝が即位をした時からは、ぱったりと天馬は姿を見せなくなった。
 神官達はひた隠しているが、何れは多くの者達が知る事になるだろう。

―――最早ここに『聖獣』は居ないのだと言う事を。

 だから皇太子リオンは決意するために『聖地』に来た。
父帝の後を…『聖獣』を【完全に失った】次のフィンダリア帝国皇帝として生きる為に。
 
(父上の様に…覇気のある私ではないけれどもね……)

 そう自身を卑下しながらも、彼なりに決意したその時。
突然それは彼の耳に聞こえた。

<ミラ様!!>

「!?」
 人の…『声』だった。
 自分よりやや幼い感じの…声変わり前の綺麗な少年の『声』。
 皇太子リオンは驚いて周囲を見回すが誰も居ない。
「気のせいか…?」
 そんな呟きを言った彼の目の前に刹那に現れたのは…明るい光を帯びた『天馬』だった。
「!!」
 失われたはずのその存在を見いだした皇太子は、驚きの余り放心状態で立ちつくした。
一方の『天馬』はニコニコと喜んでいるらしく、彼の方にすり寄ってきた。
『天馬』にすり寄られ、何だか犬にじゃれられているような気になった皇太子は、動揺を残しつつも破顔してその美しい体躯を撫でて話しかけてみた。
「君の名は?」
<『名』?それは何?ミラ様?>
「名前がないのかい、君?なら…いつも君は何て呼ばれているんだい?」
<皆は我を『光』と呼びます、ミラ様>
「『光』か…それが君の『名』なのかな?あとそれからね、何故君は…私を『ミラ』と呼ぶ?」
<?>
 皇太子の問に対して小首を傾げたような『天馬』であった。
 そんな時だった。
 再び何処途もなくその声が伝わって来たのは。

「―――まさか『光』が、我が手よりすり抜け汝の元へとはしるとはな」

 皇太子が驚き正面を向いたその先に人が…立っていた。
その姿は美貌を誇る若き青年のように見えるが、不思議とそんな感じがしないのは何故であろうか?
「貴方は誰か?」
 咄嗟にリオンは訊ねたが、彼は名乗りはしなかった。
 だが、表情こそそう見えないが彼もまた驚いたようであった。

「人の子よ、我が姿とこの声を聞くか?久しき事よ…もうそのような事は、何百年ぶりの事であろうか……成る程、その気配、故に『光』が汝を見つけた訳か―――」
 
「!?」
 リオンははっとした。
 それはどういう事か?
 それを問おうとした時に先に彼の方から語り出した。

「―――…ミラの末裔すえ、あれの面影を見つけたか。懐かしき事よ…最早我らを必要としなくなった一族を…」

 それが皇太子リオンと彼…『聖獣王』との出会いだった。 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 フィンダリア後宮のある離宮。
この夜の本来なら人気のないはずのこの寂れた阿舎あずまやは……今は既に惨劇の地。
 その場に広がるは五つの亡骸。
そして今、『六つ目』の亡骸が誕生しようとしていた。
 初めから彼らに勝ち目など無かったのかも知れない。
例え夜、その力を半減させようともその圧倒的なる『力』の前には……  
 そしてその『力』を後押しする『守り手』と…
 更に新たなる『力』の前に、古き一族の象徴はその最期を終えるのだろう。
 だが彼等…枢密院に人生の清算を求めたのは、直接的には彼等では無い(・・・・・・)

 されど、この結果をもたらしたのは他ならぬ自分。

そう感じた皇太子マチス・レオナート…リオンはその感情を押し殺し口を開いた。
「―――他の方々はもう先に逝かれました、貴方でもう最後です。何か言い残すことはありますか、大叔父上?」
 既に力尽きようとしている老人……枢相すうしょうに、その言葉は何と酷な事か。
 地に仰向けたその体、そしてそれを見つめる者達に向け、その言葉に枢相が応じた。
「……そうじゃな、だが最期に教えて貰うぞ。あ奴らは何故に『聖獣』を持つ事が出来たのかを……今まで帝国宰相アゼルから久しく…そして皇太子たるお主がその聖獣を得るまで幾人もの一族が求めたにも関わらず…誰一人としてそれを為しえなかったものを…」
 枢相たる大叔父の疑問を、皇太子リオンは隠すことなく前置きから語る事にした。
「知っていましたか?『光の聖獣』は…この『リーフ』はね、今までずっと貴殿方あなたがたを憎んでいた事を」
「!!な…に…?」
 枢相たる大叔父は、その思いもしなかった若き皇太子の告白に耳を疑った。
 そして皇太子の側に控えた『オオカミ』を見た。
 確かにその目…その金色の目には何か訴える強き意志があった。
 リオンの告白は続いた。
「貴殿方は、余りに当の遥か昔の事で、既に失念したかもしれませんが…『リーフ』は、いやかの『聖獣王』も忘れてなどいなかった……」
「!!」
「思えばその頃からだったのでしょう?『聖獣』が聖地より完全に居なくなったのは?」
「!!」
貴殿方あなたがたが生まれたばかりの『闇の聖獣』の抹殺・・を計った時からですよね?」
「!!あの時の事を…!?マチス・レオナートよ、何故それをお主は知っている!?」
 眼前の死ではなくその過去の秘事を言い当てられた事で、枢相は蒼白になった。
リオンは変わらずに続けた。
「『聖獣王』が言っていましたよ、『生まれたばかりの【我が子】を…やっと生まれた【闇の子】を、要らぬと言って殺そうとした、汝ら一族の…かつての心を忘れた汝らの…そのおごりに対しての罰だ』と。だが一方で大叔父上達の当時のその気持ちは…私でも分からないでもない。あのかつての言い伝えに従えば…自ずとそうする他に無かったのでしょう?だがその出来事が『聖獣王』を哀しませた、だから今まで聖獣を封じていたと彼はそう言っていましたよ、二度と私たちに会わせぬように」
 そのかつての秘事中の機密事実ともう一つの衝撃的な告白に、枢相は慄然とした。
「お、お主…会うたのか…!?あの『聖獣王』に会うたのか…リオン!?」
「会いましたよ…だからここに『リーフ』がいる。その対価を払う代償・・としてね」
「そ…それは?」
「今一度…私たち一族に『聖獣』をもたらす為です」
 目を見開いて驚く大叔父に対して、反対にリオンは瞠目してその思いを伝えた。
「父上の考えを逆行するでしょう?だが我々にはまだ早かったのですよ、彼らを失うのは。そして新たなる道を模索するために、私は『聖獣』を求めた。そう『聖獣王』と『彼ら達』に頼んでね…」
 そう言って皇太子は後ろに控えた『同志』達に振り向いた。
そこにいるのは一族以外で『聖獣』と共に生きる者達である。
 しかし―――彼らは……

 話は少し遡る―――。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 その時、この夜の本来なら人気のないはずのこの寂れた阿舎あずまやは、かつてない幕間狂言の世界に変わった。
 その『力』を発動させた者達が一同の前に姿を見せた事によって。
 軍務尚書ゴルバーンも、彼の率いた近衛兵達も、そして帝国宰相を含む枢密院の七人の『聖獣』保持者達も、皆それぞれの様で驚愕の形相であった。
 皇太子マチス・レオナートがいる阿舎後方より表れた者達は五人組である。
 現れた彼らの誰もが皇太子と同年代の若さ…のようである。
背の高さもまちまちで中には女性(?)と思われる者もいる。
 それは彼らの顔が、正体が分からないからである。
と言うのも素顔を各々の道具で隠しているので不明なのだが、しかしその隠し方…結構個性があったりする。
 暗藍色の普通の装飾を施した仮面の者、鉄仮面をしただけの者、羽のついた独自のデザインで華美甚だしい(?)ピンク仮面の者、全身を深い高価なローブを被り顔が分からない者、そして更に極めつけは独自のデザイン性溢れまくっている『オオカミ仮面』だろう。
 当初こそ恐懼きょうくがあった対峙者達も、ピンク仮面を見た時もそうだが、それを上回る奇天烈な『オオカミ仮面』を見た時、「何だあれは!?」と思った。

(た…確かに「顔を隠した方が良いよ」と言ったのは私なんだが……)

 流石の皇太子も…あのピンク仮面の正体が誰であるかについては予想がついたのだが、このオオカミ仮面を付けた者の登場にはもっと驚いた。
「……何でオオカミなんだい?」
「俺の鉄仮面が『アル』に取られて、他になくて…仕方なく『ピカゾー』の持っていた予備を借りました……」
 そう言って「ううう」と恥の為に忍び泣き(?)をする『オオカミ仮面』、声も体躯も『男』である……しかしこの声はある男に酷似していた。
そんな彼の手には見事な『大剣』がある。
 一方オオカミ仮面の鉄仮面を奪った男は、何も動じずに悪びれてもいなかった。
<是。必要になったから借りた。悪く思うな、主も顔を隠せと言われたからだ>
 あっさりとした完結口調、そして偉丈夫姿…彼も又誰かを彷彿させる。
 ちなみに彼は武器は所持しておらずに素手である。
 すぐさまピンク仮面が間に割り込んだ。
「オーホホホホホ、私の新作、名付けて『燃えよオオカミ』です!!どうですか、リオン様〜?」
 オカマ調の男声、どうやら彼が『ピカゾー』らしい、そんな彼が持つのはキンキラな『鞭』である。
 一方問われたリオンは困惑しつつも感想を述べた。
「燃えよねぇ…ああ、そうか!!全体的に赤系・・でまとめたところかい?」
 彼の感性を熟知している皇太子は、ポンと得心して手を叩くのであった。
 感性の鋭い(?)皇太子に(…いや実際は洞察力だろう、あるいは「カン」なのかもしれない)このピンク仮面の彼は喜んだ。
「そうですよ、この赤のグラデーションが非常に苦労したのです……」
 『ピカゾー』は熱心に作品について語り出し、直ぐに別な声が制止した。
「リオン様、こんな時に何を真面目に評価コメントしてるんですか!!『ピカゾー』の怪奇作品・・・・なんて珍しくありません!!」
 そう言うのは暗藍仮面男である、きっぱりとした口調、これも非常に誰かと似ていた。
そんな彼の手には白金に輝く『弓』があった。
 すかさずかちんと来た『ピカゾー』が反駁はんばくした。
五月蠅ウルサいわね、私の芸術が分からない感性無し共が!!」
「お前の感性なんて分かりたくない!!」
 暗藍仮面とオオカミ仮面が異口同音で大一声を上げた。
この時鉄仮面は無言だった。
 最後にローブ姿の者、小柄なので恐らく女なのだろう。
彼女もまた何も武器を手にしていなかった。
 そのローブの人物は他の仮面組とは異なり、特に何も発言せずに現れるや、直ぐにすたすたと阿舎の中に向かい、そして躊躇いもなく当然のようにリオンの隣に座った。
 さて、皇太子を中心に起こったこの笑劇に、今までこのやり取りを見ていた彼の対峙者達は唖然としていた。
 だが気を取り直した枢密院が声を上げた。
「だ、誰だ己らは!?」
「あ、怪しい奴よ!!名を名乗れ」
「先ほどの『力』はお前達なのか!?」
 かけられた誰何すいか調の声に反応した笑劇俳優達は、鉄仮面を除き一斉に振り向きざま言い放った。
「もう少し待ってろ(お待ちなさい)!!」
「……………………」
 有無も言わさぬ迫力であった。
 一方でこの時も鉄仮面は無言だった。
 その後仮面四人組は、何をし出すかと思えばこれからの役割を決めていった。
「おい、まずは誰が誰とやるか決めるぞ!」
「オーホホホホホ、私は誰からでも良いわよー!!私の『改良ギリシャ火3号』が使えればね!!」

―――ギリシャ火。
 それは別名『ビザンティウムの火』等とも言われている『液火』である。
液火とは空気に触れると着火する燃える液体の事である。
歴史は古くAD七世紀頃の東ローマ帝国が作り上げた兵器で、その製造法は現在不明。
何故なら東ローマ帝国がその製造方法を『国家機密』にし門外不出とされていた為と、そしてその後の1453年東ローマ帝国滅亡により完全に失われたからである。
幾つかの仮説では硫黄・酸化カルシウム・石油などの原料を混ぜた物であると言われているが……。
(そして現在ではその製法の探求の成果が『ナパーム弾』等となった。   閑話休題)

 どうやら『ピカゾー』はこれを改良して作るのが好きらしいようだ。
 一方直ぐに暗藍仮面も発言した。
「私は…お前達の方の後方支援に回る。適当・・に射るからな」
 この言葉に愉快な残りの仮面仲間達は叫んだ。
「俺にも(あたしにも)当たるだろうが(当たるでしょ)!!」
けなさい、それ位!!」
「馬鹿を言え!!あんなにたくさんの氷の矢を、そんなによけられるわけ無いだろうが!!」
「そうよ無茶言わないでよ、私は生まれてこのかた三角フラスコより重たい物を持った事が無いの!!運動嫌いなの!!汗なんてかきたくないの!!」
「そうですか、では一緒に『氷漬け』ですね」
 あくまでも冷たい一言ばかりいう暗藍仮面であった。
 だが鉄仮面だけは…
<是、問題ない。避けられなければ壁をつくる>
 この会話を聞いて枢密院側も臨戦体勢に入りはじめた、それぞれの『聖獣』を具現化して。
例え年老いていても『真の帝室者』達である。
そして体力的な不利があっても彼らは勝機を見ていた。
人数にしてもこちらが有利、そして何より今は『夜』なのだ。皇太子リオンの持つ『聖獣』は『光』、陽光の力なのだ。
よってその『力』を十分に発揮出来ないだろうと。
 そんな中、帝国宰相アゼルは四阿の方に居る二人を見ていた。
そしてその会話を…聞いていた。
 彼の『聖獣』は『風』である、その『力』が運んでくる会話を……
 一方…仮面仲間達みんなが相手をどうするかと決めている間、リオンは隣に腰をかけたその人物に声をかけた。
「起きて大丈夫なのかい?」
「平気よ……」
「今回は『アリサノス』の『力』は必要ない…私達だけで何とかなるんだ。だから来なくても良かったんだよ…それにまさか君まで来るとはね」
わたくしはあの子の『主』です。だから……見届ける必要があります」
 少し震える声だが、リオンにはその意志は感じ取れた。
「辛いよ……これから私がする事を見る気かい?」
「愛する男に捨てられた以上に辛い事なんてもう無いでしょう?本当に…セリーの馬鹿!!」
「大分元気になったようだね。だがその方が君らしいよ」
 リオンは破顔した、その彼女の愚痴を聞いて。
やっとそこまで思えるようになったらしいと。
 そして伝えた。
「君はそこに座っていると良い、大丈夫だよ君の父君・・だけは【殺さない】。約束するよ『エレイン』」
「リオン…………」
 そう言って彼は立ち上がると、足下の自らの『聖獣』と共に四阿から出た。
 皇太子は注意喚起のために咳払いをした後、愉快な仮面仲間達…(?)に向かった。
「ではそろそろみんなで始めようか?」
 その言い様はまるでパーティーでも開こうかというノリであった。
 その言葉を受けて、一同は遂に対峙した。
主に『枢密院』に対してである。
 彼らの目には軍務尚書の一行はもう相手ではないのだ。
 何故なら既に彼が連れてきた者は多くは既に『氷の矢』や『風』と『稲妻』で地面にひれ伏している。
 動ける者は軍務尚書を含め、巻き込まれぬようにやや退避していた。
 そして完璧に攻撃を免れたのはそれぞれの『聖獣』で守られた枢密院のみ。
 戦闘開始の烽火のろしとなる言葉を発したのは枢相だった。
「哀しい事よの…お前を失うのはな」
「そうですね、ですが今まで無かったことではない。帝室の歴史ではね…」
「そうじゃな、歴史は繰り返すか……」
 そう言って彼ら―枢密院がその力を見せ始めた。
 『聖獣』達がその『力』を解禁したのだ。
 大気が歪む、大地から水が湧き、炎を上げ始めた。
 天変地異を起こし始めた。
 緊張が皇太子と仮面組に走る。
「来るぞ『ピカゾー』!!」
 オオカミ仮面が叫んだ。
「分かってるわよ、はい行くわよ『星天使コカビエル』!!」
<イエス、マスター!!>
 『ピカゾー』が『鞭』を一振りすると、その『鞭』が稲妻を上げた。
 次の瞬間それを合図に、深夜だというのに辺り一面にまばゆい光が起こった。

―――!!

 その光は『ランプ』である、その明かりが廃離宮同然のこの周囲を取り囲んでいたのだ。
ランプの明かりを使って取り囲むのはグルニア騎士団であった。
その彼らが持つランプは、独自の物であった。
『ギリシャ火3号』を使った強度の明るさを持つランプ。
それを作ったのは『ピカゾー』である。
 『ピカゾー』。
それは彼の本名ではない、彼と知り合ったセネリオが考えた彼の『愛称』である。
光る物が好き、花火や火薬やそういった爆発させる物を研究していた彼を見て、そう名付けたのだ。
 そして彼はフィンダリア人ではない、皇太子が遊学先で知り合った異国の人間であった。
 ひょんな事から皇太子リオンと知り合い、そしてフィンダリアに興味を持った彼は、帰国する皇太子一行に同行することになり、それから旅行がてらで行ったグルニアで『聖獣』なるモノに遭遇。
そして『主』になったのだ。
 変人系の男であるが彼は何と『天才』である。
それは皇太子リオンが新しい学問をフィンダリアに持ち込もうとして、その研究家の若き第一人者として招いた男でもあったのだから。
 遊学先の国に独自に発達していた学問の研究家。
その学問の名を『化学』という。
 そう彼は化学者であったのだ。
同時に彼は自称芸術家であり、そして発明家でもあった。
特に今彼が最も研究に力を入れているのは『ギリシャ火』である。
 そんな彼の現在の研究は、『ギリシャ火』を如何に扱いやすくそして長く燃やし続けるかが課題であった。
 結構その研究の成果が活躍し、今では長時間長く燃やせる『ランプ』の特許を取得した特殊燃料・・・・となっており、現在ガイア大陸で重宝していたりする。
 フィンダリアを始めとした各国の商用ギルドから特許料をたんまり稼いでいたのである。
 さて何故彼が周囲を明るくしたのかは、戦略上で言うと簡単である。

―――光がないのなら作ればいい。

 そう全ては『皇太子』の為に……。


次話はフィンダリアの宮廷闇史編を終えて、シレジア反乱書いて、セネリオをピンチに出来るかな?
とするためにロシア史を勉強中。(作者)
つたない小説を最後まで読んでいただき有難うございました。何か表現等でアドバイスがありましたらお待ちしております。

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