「大丈夫ですか?」
さすがに心配になって訊いてみた。
そしたら。
「お前たち、乱暴すぎるぞ……」
こーゆー感想がくるとは、ちょっと思わなかったな。ドラマとかだったらこういうとき、「どうして私が」とか「君たちは無事か」って言うのに。
だいいちこういう状況でまで、文句言うってどうかしてる。
そんなこと考えながら手順どおり移動してたら、向こうから他の警備の人たちが駆けてきて、あたしたちを取り囲んだ。
「殿下、ご無事ですか?」
「見てのとおりだ」
使用人に気弱なとことか、見せられないってことなのかな? さっきまでの様子はどこへやら、殿下がいつもの尊大さで答えて。
「屋敷へ戻る。車を用意してくれ。
それから、シエラ学院から来た者たちも、一緒に戻ってもらう。そのように手配しろ」
殿下の命令でみんな一斉に動き出して、あたしたち一階の、応接室みたいな立派な部屋へ通された。
「用意が出来るまで、こちらでお待ちいただけますか?」
「分かった」
窓のそばにも、扉のそばにも、コワモテのおじさんたちが並ぶ。さっきのことがあったから、すごい警戒ぶりかも。
殿下のほうはなんだか、深刻な顔。もしかしたらやっと、どれだけ危ないか分かったのかな。
そこへルーフェイアたちが入ってきて、殿下が一瞥して。
「おまえたち、先ほどは痛かったぞ」
「も、申し訳ありません……」
シルファ先輩が謝ってるの見て、また腹が立っちゃったり。
そりゃぁ不発だったけど、もしあれがふつうに炸裂してたら、突っ立ってた殿下はあの世行き。シルファ先輩たちがカバーに入った状態だって、大ケガしたかもしれないし。もちろんそうなったら、先輩たちはケガじゃすまない。
そういうこと、分かってるのかな?
「まぁ幸い、不発だったからな。だが次からはもっと――」
「不発ではありません」
殿下の声を、エレニア先輩がさえぎった。
「そうですよね、先輩?」
「まぁ、そうだな。ルーフェイアの魔法がなければ、私たちもケガをしていただろう」
視線がいっせいに、いちばん小さいルーフェイアへ集まる。
「何したの?」
好奇心で訊いてみて。
「あのレア防御魔法、殿下に使ったのは、分かったけど。でも他に、ルーフェイアったら何かした?」
けどルーフェイアったら答えない。「とんでもないことした」って表情で、半分落ち込んでうつむき加減なの。
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