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皆さんえちぃのは好きですね
53回目*助けてください
さて、結論から言うと、彼女らは交渉に応じる意思を示してくれた。

示してくれた……と、いうか、うん、なんというか。

あれだよね、よくよく考えてみたら、こっち陣営が彼女ら話ぶった切って、勝手になんか面倒くさいことになったんだよね。

そもそも最初っから彼女ら、正直にお話ししようとしてたのにね。

条件付けんでも話したよね。

……まぁ、いんだがな、別に。

……さて、そして比較的正直に話してくれた彼女たちの話……と、いうかしっぽ付きの彼女しか話してくんなかったんだがね。

だって、一人はすでにセブルの野郎が無駄にトラウマ植え付けていろいろ大変だし、もう一人はお話しどころか生きてるかもわからんし……。

……おい、いい加減二回目の瞬きしろよ。

マジこわいだろ。

……まぁそれは置いといて、彼女のお話を簡潔に纏めると、彼女らはここにお人形さん盗みに来んだと。

うん、さっき聞いた。
やっぱあれか、これって自分らの一人相撲ってやつ?

一から話聞いてたらこんな面倒極まりないことせんでよかったのね。
なんか悲しくなってきた。

……まぁ、もう少し詳しく言うと、自分の横にいるこのおっさんがあまりに巧みに隠しすぎたから彼女らは焦って焦って焦りまくって結果自分らに見つかってこうなったんだと。

うん、なんかまぬけ。
人員がたりないから、先輩一人がリーダーで残り二人が新米なんだとも彼女らは言ってたが、これ絶対この娘らはこれから先長生きできないね。

ていうか先輩って、だれ?

……まぁ、おそらく一番しっかりしてた六本腕少女でしょう。
超ガクガクしてるが。

それと……くっそ、この横でなんか少しいい感じな顔してるおっさんが腹立つ。

確かに人形をいつの間にやら壁に埋め込んで隠していたのは評価しよう。
が、なんか腹立つ。

……はぁ、もうやだ帰りたい。

今頃家のお布団はほどよく人肌にあったまってんだろうなぁ、と変態じみた事を考えてみる。

そういや、布団と言えば自分が元から持ってたお布団って、こっち来てから一回も洗濯してねぇや。
まぁこっち来てから数回しか使用しなかったし、そもそもポケットの中にあったら埃が溜まるんかっていうね。

……でもま、今度使用人さんたちに洗濯頼んでみようかな。

彼らに持てるかわからないけど。

「ナルミ殿。どこを見てるんですか?」

そうだね、とりあえず、現実は見ていなかったよ。

「……これからどーしよっかなぁって」

「こいつらの扱いですか?」

お布団の扱いです。

そして君はきっと手段と目的が入れ替わっているよね。

今は面倒だからスルーするけど。

……と、考えていたところで侵入者側の一人がなにやらいきなり

「ウボッ!!」

勢い良く吐血して倒れだした。

しかも真ん中の無気力少女が。

「ちょっ!はいぃぃ!?」

当然の如く慌てる自分と、もちろんパニくるほかの少女たち。

もう阿鼻叫喚だったね、こんときは。

「ひぁぁぁぁ!!」

「せ、先輩!!」

「……あ、先輩ってそいつだったのか」

そしてなぜお前は冷静なんだいセブルの旦那や。

まぁそんときは自分、その吐血した少女に駆け寄っててそんな彼に突っ込む余裕もなかったがね。

とりあえず急いで駆け寄り、適当に回復的なのをかけながら彼女を起き上がらせた。

すると、彼女はガフガフ血を口から零しながら何かを伝えようとしているみたいであったので、とりあえず念動的なので血液をどかしてやったところで、彼女は必死で真剣で本気の眼をしながら自分にこう言うのよね。

「はー、はー……あ、暑い……」

うん、なんか力が抜けた。


*************:☆


それから数十分後、完全に回復した彼女の姿がそこに居た。

「あっははははは!いやほんっとごめんなさいね!ウチあれでさ、あのあれ、暑いの苦手でさ!それとありがと!さっきから気持ち悪くってさ!だから態度悪かったのよ!まぁウチも血ぃ吐くまでいったのは人生で6回目だけどね!!」

……元気な彼女は予想以上に饒舌でした。

先程の能面みたいな顔はどこへやら、今ではニッコニコに向日葵みたいな笑顔をしながら、嬉々として自分に語りかけてくれます。

自分が作った氷の塊の上に座りながら、ニッコニコと。

なんかこの落差についていけません。

「……暑いって、今初夏でそんな暑くないと思うが」

だからこう、自分のツッコミにもキレがない。
しかたないね。

しかし、そのおかげで彼女の正体が分かったので良しとしよう。

「うん?あぁ、ウチあれなのよ、種族が見た目魔法種ウィザードみたいだけどさ、実は雪女って種族でさ。知ってる?ゆ、き、お、ん、な。里の近くとか一部地域にしかいないとっても珍しい種族でね、雪の中だとどの種族にも負けないけど、暑さには滅法弱い種族なのさ。ちなみに男は雪入道っていうの。なぜかはしらないけど」

……雪女ねぇ。
だから縛られながら氷の上に正座しても平気なんだね。

最初やれって言われたときは、なんで拷問されたがってんのか不思議だったよ。
勝手にこいつも特殊な性癖だと結論づけたがな。

ちなみにセブルの部屋が濡れるのはまったくもって気にしない。

気にする必要性が見当たらない。

あと、ついスルーしてしまったが吐血6回目って結構多いが、大丈夫か?

……ま、生きてるしいっか。

しかし雪女か……。
きっとそれ、瀬田さんが命名したんだろうなぁ。

そのついでに雪入道も命名されたんだべなぁ……。

……もしや瀬田さん、飛騨の方面出身かな?

あれだ、確か関ヶ原もその方面にあったし……けどどうなんだべ。

これは雪入道の足とか目とかが二つあるのかによって話は変わってくるぞ。
もしかしたらテケトーに名付けたんかもしれないし。

……ん?
でも瀬田さんが名前付けたってことはだ、もしかして……

「なに、じゃあその里には鴉天狗や鵺や河童なんてのもいんの?」

つい好奇心に負けてなんも考えずにで聞いてしまったが、後悔はない。

で、自分の質問に対して彼女は

「いるよ。というか鵺ならここに。ほら、この娘さ。アオイっていうの」

そう言いながら顎でしっぽ付き少女を紹介した。

そう身構えるなって。
とって食やせんから。

食料的な意味でえちぃような意味でも。

「ちなみにそっちの巨乳がミナって名前の土蜘蛛で、ウチが雪女のリンって名前」

そっちもそんなビビんなって。
いきなり襲ったりしないから。

と、噂の新人二人に目を向けていると、中央の雪女、リンが聞いてもいないのにペラペラと勝手に話し出した。

「いやぁまいったよもう。ほら、ウチって雪女でしょ?ウチら里の雪女や雪入道って、夏とか暑い季節は万年雪が積もってる山奥に住んでてさ、その間は里の皆に食べさせてもらってるの。で、皆が働けない冬の間にウチらが色々と頑張ってお金稼いだり食べ物とったりしてそれまでの蓄えと合わせて皆で暮らす、っていうやり方だったんだけど、ほら、さっきミナが言ってたけど今里で流行病はやりやまいが大変でしょ?だからほんとは休んでるハズのウチたちの雪山にも招集がかかってさ。と、いうか山奥にいるからかな?雪山では病気の被害者は居なくてね。雪女も雪入道もみぃんな駆り出されてもう大変。あっちの裏切り者……と、いうかあいつって確か三代前に余所からきた余所者だけどね。とりあえずそいつを殺すのも殆どが私たちでさ。もうこれが……」

あ~。

「その話、まだ続く?」

「うん。で、雪女や雪入道ばっかりだから色々大変でさ。あいつは絡繰カラクリがなかったら無能だからやられる心配はないんだけど、きっと今頃皆暑さにやられてる頃じゃないかな?まぁ雪女とか以外は皆新人とはいえ天狗だし暑くてダレてる奴らを連れて帰るくらいは出来るでしょう。ちなみにウチたちは、アオイが逃げ道の確保、。ミナが追跡者の妨害で、私が指揮の形でここによこされたんだけど……ここあっついよね。やっぱ南はダメだわ。ウチは山の中が一番いい。というかこの部屋風入ってこないよね」

……だめだ、この勢いに勝てない。

「ちなみにウチらがたった3人だけなのは、ウチが信用されてて実力があるのと動かせる人員の数が少ないからで、決して人形くらい簡単に見つけられるとか高をくくってた訳ではないよ。ただ、ハセガワ様の奥様に危害を加えた裏切り者を放っておくことで誤解から、私たちの里にハセガワ様の復讐の矛先が向く事を恐れただけだから」

……勝てない?
いや、違うな。

こいつはあれだ

「あと、私は」

「なぁ、なに企んでペラペラ喋ってるん?」

おおよそにして裏があるやつの言動だ。

なんかわかる。

……でもこう言うタイプって、だいたい胆力あるやつだからなぁ。

ほら、こいつも自分の指摘により言葉に詰まるどころかなんかニヤッてしだしたし。

「なぁに、ただこの二人よりもウチ一人の方が重要度、情報量共に高いという訳だ。こいつらはただ人形を探してこいとしか言われていない。ウチがさっきから喋ってる内容程の情報なんかもっていないのさ。それを踏まえて、一つ提案がある」

……ふむ。

「聞こうか」

「心遣い感謝する。では言うが……人質は三人より一人の方が扱いやすくはないか?」

あぁ、なるほど。

「もちろんこの場にウチは残ろう。だがこの二人は見逃してやってくれないか?」

「先輩!ダメです!いやですそんなの!!」

「そうですよ!何されるかわからないのに一人でなんて!!」

……あ~、うん。
感動的な場面だけど、空気は読まないよ。

「ごめん却下。君、情報多いように見えてさっきから話の中身、七割方雪女の生態ばっかでしょ。自分それ興味ないから。いらない情報ばっかだったから」

そこ、えーって言いたげな顔しない。

……。

「貴様はニヤけんな」

「あたっ!!」

こいつは……なんか、過去とはいえ一時でも信用した自分がばかだった。
まぁこいつが壊れてるおかげで自分が冷静になれてることについては感謝するがな。

……とりあえず。

「ま、ひとまずその君の情報はいらないので。人質も別に一人も二人も三人も四人も変わらんしね」

「……そう」

うん?
あら意外と素直。

「まぁしょうがない。ウチも逆の立場なら同じ判断をするさ」

だったら提案すんなし。

「じゃあこう、ウチを好きにしてもいいと言ったら?」

「多分今の現状だと君だけどころか君ら三人纏めて好きにしても問題ないと思われるが?ここには誰も来ませんでしたので、と自分が言ったらそれが公式発表になるからね」

「……」

「まぁしないけど」

舌をぺっとだす。
するとキッと睨まれる。

主にアオイちゃんに。

残念、自分そこまで鬼畜でないんだな。

……まぁ自分の横でがっかりすんのがいるから怖い。
きっとあれだよね、こいつの好きにするって、多分意味が違うよね。

とか自分が横にいる空気になってるけど空気になりきれていないオッサンにハラハラしてると、そのリンとかいう少女は困ったような顔をして

「じゃあ、えっと……どうしたらこの娘達を逃がしてくれる?」

とか言ってきた。

ちなみにその他二名の女子は色々騒いでいるが自分は全く聞こえません

「いや、普通に自分たちの質問に答えてくれたら別に。お人形はかえさんがな」

当然の返事。
しかし彼女はなおも困った顔をしながらこう言うのである。

「うん、いや……ならその質問が何なのかなぁって。忍び込んだり部屋荒らした理由は答えたし、他に質問されていないから答えようが……」

……うん?

あぁ、そうか。
うん、お人形さん探しにきたんよね。
で、他に知りたいこと……知りたいこと……。

……。

「なぁセブル……さんや。自分らは今まで何を聞こうとしてたんだっけ?」

「え?そりゃあここに忍び込んだ」

「それ以外」

「……えっと、ナルミ殿の殺害を依頼した依頼人、とか?」

「それだ!!」

と、食いつきはするがそれではない気もする。

「あ、それはこの国の反魔王派の方々です。具体的には、手紙に書いてるハズですが」

……あぁ、そう。
うん、量多すぎるのと君らがここに来るので途中で読むのやめたあれね。

うん、セブルよそのまま可及的速やかかつ比較的詳しく解読を進めててくれ。

あ~……で、他には……。

「……あ、書いてあった。それも想像以上に詳しく」

「マジか……」

……うん。
これは、本格的に聞く内容がないんじゃね?

つーかそもそも最初っから、彼女らの正体と目的さえ分かればあとは別に……。

……なんというか、やっぱり自分ら残念だな。

「……どうすんべ」

「……こうやって考えてみると、実はこいつらってやってることは説明が無くてもわかるようなものでしたね。そもそも実はこいつらも被害者側ですし」

……いきなり冷静になったな。
なんかあったか?

あ、メインターゲットが変更されたのか。

そう思いながらこれからどうするか考えていると、件のリンとかいう雪女が地味に溶け出した氷でビチャビチャになった服を気にも止めずになにやら微妙に笑いながら

「あ~、なら私たち、解放されても」

とか言ってきたので叩いてあげた。

「うん、だからって調子のんな」

「あたっ」

君らは今不法侵入で捕まっているのです。

「うぅ……なんでさぁ……」

そう唸りながらリンは自分へ涙目プラス上目遣いのコンボを……

「なんかさっきから君、というか最初っからか。うん、捕獲されてる立場なのにフレンドリーっていうか馴れ馴れしいていうか。本来ならぶん殴られても文句言えないよね」

捕虜としてはこれ、赤点ものですよ。

「ふふふ……あなたの性格は調査済みですよ」

……へーそうかい。

「にしても危ない橋すぎないか?」

「う~、かなぁ?よくわかんないんだ、じつは。ウチ捕まったことなかったから」

……ほんとかぁ?

「けどまぁあなたが人間だという情報が入ってきたときからあなたの事は里総出で調べていたのは本当だけど。やっぱり、ご先祖様と同じ種族ならね」

そうか。
そうだな、そいや考えてみたらこいつら皆瀬田さんの子孫か。

じゃあメルちゃんの遠縁の親戚になるんかね。

詳しくは聞かんが。

下手したらメルちゃんは抜け忍的な扱いの存在かもしれないしね。

下手に知らせたら大変だもんね。

「で、調べて面白いことあったかい?」

「ええ。例えばあなたは非常にめんどくさい性格だとか」

……すいませんでしたね。

「喧嘩売ってるん?高値で買うよ?」

「売ってません、ごめんなさい」

わかればいい。
しかし次はない。

「まぁめんどくさいというより、回りくどいという」

「プリンセスチョークスリーパー!!」

「おぶぅ!?」

そしてお前はもう寝ろ。
今日のお前は色々アウトだ。

しかし、自分的には関節技サブミッションが王者の技なのははいいけど、投げ技スープレックスこそが漢の浪漫だと思うのだが……。

ま、どうでもいいか。

「……で、ほんとになにが目的で君は自分をおちょくってるんよ。いい加減にしないとさすがに怒るよ」

「う~ん、おちょくってる気は無いんだけど……」

そう言いながら自分をからかってる張本人であるリンは困ったような顔をしながらチラリと自分を伺うように上目使いで……

もうやだこいつ、絶対なんか企んでるもん。

ほんとどうにかならんかねこいつ。

ならないんならせめて自分だけでももう帰りたい……。

……もういっそ、こいつら帰すか?

さっき言ったように、今の自分ならここには誰も居ませんでしたって言ったら何かそれが曲がり通る気がするし、何よりもうめんどいし……。

いやでも、一応お偉いさんになっちゃってんならこういうのは逃がしちゃならん気が……。

……うん、たるい。

こうやって日本の政治家は腐っていくんだな。

「いいやもうお前ら、帰れ」

「え?帰っていいの?」

その言葉を聞いたリンは少し目を大きくして驚きながら復唱する。

うん、いいの。

「たるいし面倒だし、なんかもうダレてきたし。君らも被害者側ってことで情状酌量の余地アリってことで」

「……なんか御仕置きとかはなしでいいの?」

「うん、たるい。見ず知らずの女の子を虐める趣味も襲う趣味もないのでね。あ、でも今度自分の近くの人巻き込んだら君らの集落沈めるからね」

自分が比較的真顔でそう言うと、警戒しまくりだったアオイちゃんは顔をパァっと明るくさせ、驚き顔のままだったリンは俯くように下を向き、もう涙が溢れてて今にも死にそうだったミナちゃんは

「……チッ、残念」

いきなりやさぐれた顔になってそっぽをむいた。

「……はい?」

あまりにあんまりで唐突なその対応についていけずつい間抜けな声を出しながら彼女の方を見ると、彼女の縄は全部解けてもうすでに完全なまでに自由の身になっていた。

あ、よく見たらリンも抜け出してる。

ただアオイちゃんだけは自分と同じように状況が飲み込めず、自由になって立ち上がる二人の姿を交互に「えっ?えっ?」とか言いながら混乱している。

同じく混乱している自分に対し、さっきまでの泣き虫毛虫なミナちゃんはどこへやら、彼女はいつの間にか目の前に擦り寄ってくると前から自分の首へ上二本の腕を絡め実に妖しい表情をしながら

「ねぇ、あんまり理性的な生き方ばっかりしてるとつまらなくない?人間だってたまには本能に従うことも必要だと思うのよ。特に目の前に自らより弱い女の子が、好きにしてもいいという理由付きで横たわって居る時とか、ね」

そう言って余った腕で自分の肩やら頬やらを……

「ぅおぁい!!」

「きゃ!!」

つい突き飛ばしてしまった。

だってゾワッてしたんだもん!
今項触られて超鳥肌立ったんだもん!

「いたた……なに?奥さん以外とそういうことしたくないって言う意味?」

違うわい!!

……いや違くないわい!!

「うっさい!自分の項触んな!気持ちわ」

と、自分が徹底的に抗議しようとしたところで

「へぇ、項弱いの」

とかいうさっきから聞いてた憎たらしい声と共に、項に生暖かい湿った何かが……

「あっひゃうい!?」

「あ、ほんとだ面白い」

自分が寄声をあげながら後ろを向くと、椅子を足場にして自分の項を舐めたまんまの格好をしたリンがいた。

「ちょ!おまてめぇ気色悪ぃ!!」

そう後ろを向きながら抗議をすると、当然さっきまで前だったほうが後ろになるわけで

「でも、悪くはなかったでしょ?」

背後から土蜘蛛さんに難なく抱きつかれてしまいました。

「ねぇ、たしかあなたの奥さんって、箱入りのお嬢様だったわよね?」

くっそなんなんねいきなりこいつらは!

「うっさい!だからどーした女郎蜘蛛!ちょ、離れろ!この!いたっ!ちょ!腕!うーごーけ!!」

ちょ、なんねこれ!
肩やら腕やら全く動かんぞ!?

なにこいつ人間超える怪力持ち!?

と、自分がこの蜘蛛女から逃げ出そうとしていると、こいつはいきなり自分の耳に息をフッと

「フッ」

「ひゃわ!?」

「暴れちゃだーめ。ふふ、さすがの人間も関節固められたら動けないようね……でね、私達ってとーっても経験豊かだからぁ、あなたの奥さんじゃあできないあぁんなことやこぉんなことも出来るのよ。素敵でしょ?」

そうだね素敵だね。
何が言いたいかは分からんけど。

それより今自分はこの状況が理解できたらもっと素敵。

「……な、にが望みじゃおめぇら」

しかし色々力が入んない自分は、その言葉をひねり出すので精一杯。

実になさけない。

「え~?なにが望みというか、あなたが悪いんだよ」

黙れリン。
自分のなにが悪かったし。

「そうよ。あなたがさっさと私とかセンパイとかを襲ってれば万事解決だったのに、男のくせに変に強情なんだから」

「……意味がわからんぞ。要するにあれか、自分を倒すためにカウンターでも狙ってたのか?で、できないから関節技にシフトしたと」

よし、呂律とか色々なものが段々回復してきた。

……って、なんだリンその憐れむような目は。

「もしかしてあなたの奥さん、君を捕まえるの相当苦労したんでない?」

自分はシルバちゃんじゃないからしらん。

だからため息つくな。
なんも言ってないだろう。

「……まぁいいや。それよりそろそろやるかミナ」

「わかりましたぁ」

リンがそう号令をかけると、ミナは自分ごと自分を固めたまんま背中から床へとダイブした。

「ふぐっ」

……まぁ、二人分の衝撃がかかれば女の子といえど当然変な声は出るわな。

で、自分はというとあんまダメージはなかったりする。
防御力高いから。

でもあれだ、結果自分とミナは二人仲良く仰向けで倒れる事になったのだよ。

「……何するんね」

場合によっては抵抗する気満々で視線をリンの方向にやりながらそう言うと、奴はニヤニヤ笑いながら自分の近くに寄ってきて

「決まってるじゃないか」

妖艶で艶かしい顔をして自分の頬を手で撫ぜながら言うのである。

「私たちはあなたとの子供が欲しくてここにやってきたんだから、ねぇ?」

……なんとなく、そんな気はしてたよ。
けど現実をみたくなかったんだ。


とか考えているところで、顎に手をやられて意識が現実に戻ってきた。

……とりあえず、だ。

まず近づいてくるリンの顔に自分も近づけるように顔を動かし、唇がとうとう触れ合う瞬間

全力で後ろの床に頭突きをかました。

何かボゴッ!ていう鈍い音と共に床が割れたが、まぁいい。

「貴様の後輩の頭がこの床みたくなる様を見たくなければ早急に離れろ。恐らくきれいに花咲くぞ?」

なるべく低く、凄みを出すように自分はそう言いリンを睨みつけ

「ミナ」

「はぁい」

ミナの第三と第四の腕によりガッチリ固められてしまいました。
ついでに足は足で絡めるように固められ……あれ、これ詰んだ?
自分の貞操終わった?

そして自分の人生終了フラグ?

やだ!
まだ死にたくない!
まだシルバに殺されたくない!!

くそっ!
なんで身長差結構あんのに足まで固められんだよ!!

しかもまだ腕二本分余裕残して!!

こらチビ助ズボンに手ぇかけんな!
ちょっこら!

泣くぞ自分泣くぞ!!
純潔散らした乙女のようにさめざめ泣くぞ!!

やめっちょっ!

こら!
寝てるなセブル!

今こそ貴様の出番だ全力で起きろ!!

白目剥いてよだれ垂らしてる暇あったら助けろし!!

あーも!
だーれでもいーからたすけろー!!

「……ん?」

……ん?

止まった?
なんだ、なんかチビ助がいきなりそっぽ向いたが、なにかあったん?

……と、いうかいまのうちに逃げなきゃ。

「……アオイ」

「………………はえ?」

いやはえって。

……もしや君はなにも知らなかったんか?

というか、さっきまでアレだったのに、今はやたらと呆けてんな。

「先にまぐわってなさい」

「…………はいぃぃ!?」

あ、復活した。

「やですよ!というか逃げましょうよ!なにやってるんですか!聞いてません!不潔です不潔!!」

やっぱりこの娘、巻き込まれたタイプだったのね。

「ていうかなんですか!ミナも先輩もみんなが病気で苦しんでるのにこんなことのためにここにきたんですか!?最低!!」

そうだそうだ!
もっと言え!!

……と、自分が大人しくアオイちゃんを応援してると自分の下のやたら近くから声がした。

「あ、ごめんアオイそれ嘘」

「……は?」

その声に反応してアオイちゃんは変な顔でこっちを見て、変な顔を……あ、チビ助がどっか消えた。

「……なに、みんな歩けるようになったの?」

……なに、歩けるようにってそれは伝染病なのかい?

別の病気でないん?

「うん。というか、しばらく雪山の木の実食べるようになってから治ったよ。数ヶ月前から」

……木の実て。
どんな木の実だよ。

……木の実?

「……私が昨日まで家から出られなかったのは?」

脚の病気で木の実で治る……?

「ちょうどこの人が来たからね。この日のためにいろいろね。ほら、今本家の人たちって先代が亡くなって大変でしょ?ここで先代の弟の娘であるあなたが人間との子供ができたら、あなたの家が本家になれるのよ。この前そう説明されたわ」

……木の実……リンゴ、イチイ、ハスカップ、カシューナッツ……。

「……なにそれ。それだけ?それだけのために私は?」

くるみ、銀杏……。

「うん。ごめんね。ちなみに私たちは保険。あなたが本命。あなたの子供を私たちは望んでいるの」

カシューナッツ……。

「……知らないわよ」

あ。

「そんなの!あなたが勝手にすれば」

「なに、流行った病気ってもしかして脚気かなにかか?」

……ん?

なんだねアオイちゃんその顔は。
目を合わせるなし、照れる。

……で、本当になにがあったん?

「……さすが、空気が読めない」

……うるさい。
首さえ動けば君なんかもう地下室まで急降下だぞ。

この真下に地下室があるかはわからんが。

……そしてあのまましばらく動かないで、油断した所で抜け出そうっていう作戦がこれでお釈迦になりました。

と、自分の自分による自分に対する空気の読めなさにため息を漏らしていると、先ほど消えた声がなんか再び戻ってきた。

変なでっかいの担ぎながら。

「そしてここに空気読めないのがもう一人」

なんね、それ。

というかもうあれだろ、お前ら。
自分に対する色々なアレがもう欠如してるんだろ。

多分、それが正しい反応なんだろうがな。
人間とは、化けの皮が剥がれたらなんとも弱い生き物よ。

ま、所詮人生そんなもん……

「よっ!!」

「はうっ!?」

ふぅ……音声だけなら逃げ出せてる気はするんだがなぁ。

全力を右腕だけに集めても無理かぁ。

「諦め悪いね。へんなとこで」

「そりゃどうも」

でもできれば、粘り強いと言って欲しいね。

あと、このまま何回か続けたら後ろの娘の腕ごと持っていけるよーな気がしないでもないが、残念ながら自分はそこまでやるには勇気が足らない。

ザトウグモの脚もいで「イクラ!!」とかのたまってた時期もありましたがね。

蜘蛛は蜘蛛でも人型してたら手足もぐのに抵抗もありますよ。

……あ、自分が手足もいで脱出すりゃいかったのか。

気づくの遅せぇなぁ。

と、若干遠い目をしてたとこでリンという名の変態少女がなにかを担ぎながら近づいてきて

「とりあえず、これはあなたの仲間でしょ」

その担いでたなにかを自分に見えるように向けてきた。

……で、そのなにかってのが

「……なにやってんのお前」

ガッチガチに固まって氷漬けになった名称不明なあの幼女だもんなぁ。

なんかとってもアホな顔でかたまってる。

……あ、アオイちゃん……まぁいいや。

「なんか、部屋の外で変な顔しながらこっちを覗いてたよ。あととりあえず威嚇程度に冷気当てたら一瞬で凍っちゃった。死んでたらごめん」

軽いなおい。

とりあえず、自分がなんか言おうとしたらリンがなんかニヤリとして……あ、嫌な予感。

「けどだいたい一瞬で凍ったら、生き物って仮死状態で止まるのよ。流石にこのまま砕いたら死ぬけど」

「……」

「砕いたら死ぬけど」

二回言わんでよろしい。

「やーっぱり君らも同じだね。人質つかうあたり」

「目的のためには手段は選ばないわよ。世の中は非情なの」

……はぁ。


「とりあえず、この娘砕かれたくなかったら大人しくしててね」


とりあえず、色々危ういことはわかるが……

「いいんか?」

「なにが?」

いやなにがって。

「アオイちゃん、さっき逃げたよ」

縛られたまんまの姿で、割と笑えない顔しながら走ってったよ。

「なぬっ!?」

いや気づけよ。

さっきお前の後ろ堂々と逃げ出したやないの。

あと、今更ながら人質ならそこに転がってる人でよくね。

間違いなく見捨てるけど。

とか考えてるうちに、リンは凍った少女を優しく床に置いた後に

「ちょっ!アオイ!待ちなさい!!」

どっかに駆け出した。

そして残るは自分とその下敷きになってるミナちゃんのみで

「……離してくんない」

「……無理です」

「なら仕方がない」

こうなったら逃げ出すのは簡単なのです……よ……

「なんだおまえ」

それはいきなり視界に入ってきた。
最初はなんか変な虫くらいに思ってたが、それは確実に人の姿をした生き物で、ついさっきまで見てた人物であった。

「助けにきた!!」

それは大きさ12か13センチくらいの小さな生き物で、大きさの割にやたらと長い髪をはためかせながらない胸を張って宣言した。

その姿は、確実に向こうの方で青い色して転がってるあの幼女の姿と同じだった。
服も容姿も声までも、余すことなく全てが全て。

「助けて貰った恩はかえすわ!!」

……うん、まぁあれだ。

とりあえず、今の自分にはこの状況は理解できない。
はい、皆さんメリークリスマス

華も喜びも幸せもないクリスマス会を経験した南師ですよ

はい今回えちかったですね

リア充爆発しろ

次回更新は来年10日までにはやりたいです

もちろん1月の

その時に色々お返事しますので、それまで皆さん言いたい事、はたまた仰った事をスルーされても怒らないでください

次回更新時には土下座しますので

もう名前を南師から平臥(ひらふし) 土下座衛門(どげざえもん)とかに変える勢いで土下座します

あとリア充爆発しろ

あと最近キャラクター詰め込みすぎてギッチギチでお話しが動かない自覚はあります
ごめんなさい

とにもかくにも、色々なお話しは次回にです

これが得意技、先送り

あとリア充爆発しろ

あ、あとこのあとがきもきっといまテンションだけで書いてるので、色々叩かれたり見るに耐えれなくなったりしたら消します

御了承ください

欲しい人は早めにコピペして保存をお勧めします

……はい、いませんね知ってます

それでは皆様、ごきげんよう
よい年末年始をおすごしくださいませ

あとリア充爆発しろ






……そしてだれか私と付き合ってください
ぬくもりが欲しいです
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