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フェバル保管庫2 作者:レスト

剣と魔法の町『サークリス』 前編

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17「星屑祭一日目 星屑の空に願いを」

 レストランを出た頃、空は既に暗くなっていた。
 今日の魔法灯は、普段とは違ってそれぞれ一色ずつ、合計で七色の光を灯している。目を少し遠くへ向ければ、それらが協力して幻想的な虹の道を作っているように映る。

「ねえ、ユウ。もう少ししたら星屑の空が始まるよ!」
「うん」

 アリスは余程楽しみらしく、いつもよりはしゃいでいた。
 星屑の空。星屑祭の代名詞であるイベントだ。一日目の夜に、サークリスの上空に大規模な魔法がかかる。すると空にある無数の星々が、その日だけはいつもよりずっと鮮明に輝くという。

「人が、混んでますね」

 ミリアが疲れたような顔で呟いた。
 年に一度、星屑祭初日限りのこのイベントは、とてもロマンチックなこともあって、特に若い男女に大人気である。各々の通りは、輝く夜空を一目見ようと、たくさんの人でごった返しているのであった。

「そこでよ! あたしは考えたのよ! 誰にも邪魔されず、ゆったりと星空を楽しめる場所はどこかってね!」
「行こうか」
「はい」
「あ! ちょっと! もう少しなんだから、最後まで聞きなさいよー!」

 ハイテンション過ぎてうるさいアリスを若干スルーしつつ、人ごみを押し分けるようにして、私たちはアリスの考えた目的地に向かう。
 その場所とは。

「どうよ。学校の屋上は中々の穴場でしょ!」
「これは盲点だったよね」
「空いていて、いいですね」

 サークリス魔法学校の第一校舎の屋上だった。この学校、現代日本の学校ほどはセキュリティが厳しくなく、警備員がいるわけでもない。実験器具が多くて管理が厳重な第二校舎はともかく、主に講義室が占める第一校舎ならば、実は入ろうと思えば簡単に入れてしまう。
 だけど、私たち学生の他にわざわざ入ろうと考える人なんていないわけで。絶好の穴場スポットと化していたのだった。

「確かにそうだな」

 ふと聞き覚えのある声がしたので振り返ると、そこにいたのは意外な人物だった。

「え、先生!?」
「あ、イネアさん。こんばんは」
「こんばんはです」

 あっけに取られている私をよそに、アリスとミリアがそれぞれつつがなく挨拶する。

「こんばんは。で、なんだユウ。その驚いたような顔は」
「いえ、まさか本当に来るとは思いませんでしたので」

 先生のことだから、正直なところ来ないかと思っていたよ。

「来てはいけなかったのか? せっかくお前が誘ったから来てやったというのにな」

 そう言って、先生はわざとらしく溜息を吐いた。

「いいえ。もちろん来てくれて嬉しいですよ」
「そうか。ならば、わざわざ来てやった甲斐があったというものだ」

 先生はふっと微笑むと、こちらに寄ってきて肩を寄せ、頭を強くわしゃわしゃしてきた。せっかく整えていた黒髪が、思い切り乱れてしまう。けど、私は文句を言わずにされるがままにした。先生の手からは、いつも包み込むような温かさと親しみを感じる。

「ユウとイネアさんってほんと仲良いよね」
「生徒と先生というより、まるで師弟関係、ですよね」

 二人がそう言うのが聞こえた。
 その通り。この人、先生というよりは剣の師匠なんだ。それもとびっきり厳しいね。

 それから少しすると、再び来客があった。またもや聞きなれた声だった。

「ここがいいのよね! ん、なに? 先客がいるの? って、なんだ、アリスたちじゃないの!」
「カルラさんに、ケティさんだ! お昼ぶりです」
「優勝、おめでとう、ございます」
「ありがとう。でも、あなたたちにはやられたわ。一年生にしては、なんて馬鹿にしたこと言ってごめんなさい、アリス。痛かったよね?」

 ケティ先輩は、アリスの右腕を見つめて、申し訳なさそうに謝っていた。
 謝られた方のアリスは、彼女にやられたことなど全く気にもしない様子で、からっと笑ってみせた。

「いいんです。実力では負けてましたから。それに、試合は試合ですから。下手に手を抜かれるよりは全然いいですよ!」
「そう。あなた、本当に優しいのね」

 ケティ先輩は、感心したような顔で目を丸くしていた。

「そうですか? あたし、自分のことそんな風に思ったことないんですけど」
「あなたは優しいわ。私が太鼓判を押す」
「あはは。そう言われると、何だか照れちゃいますね」

 また少し経ったところで、今度は一人の男が現れた。彼こそは、私がよく知っている人物だった。

「おいおい。せっかく一人で楽しめると思ったのに、こんなに人がいるのかよ。しかも女ばっかりって……あーあ。今から別の場所探すのはだるいしな」
「よう。アーガス。久しぶり」
「ん? おう。誰かと思ったらユウじゃないか。特訓の成果はどうだ?」

 期待を込めた目で尋ねてくるアーガス。もちろん私は彼の期待を裏切る気などなかった。アリスとミリアの助力もあって、仕上がりは上々だ。

「ばっちりさ」
「それは楽しみだな。つうか、一応試合まで会うつもりなかったんだけどな」
「私もだよ。でも会ってしまったものはしょうがないね」
「だな」

 すると、彼の存在に気付いたアリスとミリアが近づいてきた。カルラ先輩とケティ先輩は向こうの方で話していて、まだこちらには気付いていない。イネア先生は、私たちの様子をそっと見守っている様子だった。

「ほんとだ……あのアーガス・オズバインとユウが、すっかり友達になってる……」
「本当、だったんですね……」

 二人は、信じられないという顔でぽかんとしていた。

「だから言ったじゃないか。というか、アーガスって割とフレンドリーだから、アリスとミリアも友達になってもらったら?」
「ええ!? ちょっと恐れ多いっていうか、ね」
「それが、普通の感覚、ですよね」

 二人は顔を見合わせて、大きく頷いた。

「オレは全然構わないけどな」

 アーガスは初対面の女子たちに対しても臆することなく、さらっとそう言い放った。
 さすがイケメン。まあ予想通りだけど。

「マジですか……!?」
「本当、に?」

 二人とも、天地がひっくり返ったみたいに思いっ切り戸惑っていた。そろって目が点になっている。
 めっちゃ面白い。何せいつも二人には動揺させられる側だからね。
 逆に、こんなに動揺してる二人を見たのは初めてかもしれない。

「ああ。その代わり、あんまりよそよそしくされると面倒臭いから、お互い呼び捨てで頼むぜ」
「呼び、捨て……」

 今のはアリスの台詞だ。はは。言葉に詰まって、まるでミリアみたいになってる。
 だがそこはコミュ力に定評のあるアリス。すっかり固まってしまったミリアに比べると、格段に適応力があった。 

「さん付けじゃダメかしら? あたし、先輩にはさん付けにすることにしてるのよ」
「んー、まあそれくらいならいいか」

 アーガスは軽いノリで了承した。彼にすれば、呼び方そのものよりも態度こそが問題なのだろう。

「ありがとう。じゃあアーガスさん、よろしくね」
「ああ」

 二人は握指を結んだ。
 アリスは、憧れの天才魔法使いと友達になれたのが余程嬉しかったのか、小さな子供のようにぴょんぴょんと飛び跳ねた。そんな彼女の無邪気で素直な振る舞いを見ていると、こちらまで嬉しくなってくる。

「やった! あのアーガスさんと友達になっちゃった!」
「よかったね」
「へっ。で、こっちの子はどうするんだ」

 アーガスは未だに固まったままのミリアの方を見て、少しだるそうに言った。

「ミリア?」
「あ、ふぁ……」

 彼女の目の前で視界を遮るように手を上下させてみるが、彼女はすっかり上の空で、口をぱくぱくさせていた。
 ダメだ。ミリアがこっちの世界に戻ってこない。初対面で相手がアーガスで、しかもいきなり呼び捨てというのはハードルが高過ぎたか。

「ミリアは人見知りなんだ。そのうちアーガスにも慣れると思うから」
「へえ。そうかい。なら、慣れるまで待つとするか」

 そのときだった。アーガスの存在にようやく気付いたらしいカルラ先輩は、なぜか怒ったように叫びながらこちらへ駆け寄ってきたのだ。

「なにーー!? アーガスの奴がいるだとーーーーー!?」

 彼のすぐそこまで迫ったカルラ先輩の目は、まるで親の仇でも見ているかのように血走っていた。
 アーガスはそんな彼女に対して、心底鬱陶しそうな顔をした。それは私たちに対する、クールではあるが親しげな態度とは全く別のものだった。

「なんだ。誰かと思えば、骨董品屋のカルラじゃないか」
「おいこらあ! あんたはいつもそうやって、ロスト・マジックを骨董品呼ばわりして! 馬鹿にしてくれんじゃないの!」

 敵意むき出しのカルラ先輩に対して、アーガスもまたいらついたような口調で返した。

「骨董品は骨董品だろが。気に入らねえんだよ。お前も、ギエフ研もな。きな臭いったらありゃしねえ」
「何がきな臭いってえ!?」

 カルラ先輩のこめかみがぴくぴくと震えていた。
 まずいと思った。いきなり一触即発の事態だ。カルラ先輩とアーガスってこんなに仲が悪かったのか。
 アーガスはふっとほくそ笑むと、蔑むような目で続ける。

「てめえらのロスト・マジック至上主義さ。そんなもの崇めてんのは、仮面の集団と同じじゃないか」

 仮面の集団? 知らない言葉が出てきたが、それについて考える暇もなく。
 カルラ先輩がぶち切れた。

「かんっぜんにあったまきた! こいつ、ぶっ殺してもいいかしら!?」

 鬼のような形相で、アーガスの胸倉に掴みかかろうとするカルラ先輩。あまりの物騒さにたまらなかったのか、ケティ先輩が彼女の身体を掴んで止めにかかる。

「カルラ、落ち着いて!」
「ケティ、放しなさいよ! こいつはねえ!」
「はん。お前にオレがどうこう出来るわけないだろが」

 嘲るように言ったアーガスの言葉に、これ以上は売り言葉に買い言葉で止まらなくなると判断した。私も二人の間に身体を割り込んで制止に入る。

「アーガスもあまり挑発するなよ!」

 彼は少々ばつの悪そうな顔をしたが、気に入らないという態度を崩さなかった。

「だがなあ、ユウ。こいつがいきなり怒鳴りこんでくるから悪いんだぜ」
「それはそうかもしれないけどさ。ここは落ち着いて一歩身を引こうよ」
「でもなあ」

 彼は中々収まりが付かないようだった。

「そうだよ! 喧嘩は良くないよ!」
「そうですよ。せっかくのイベントが、台無しになって、しまいます」

 そこにアリスと、いつの間にか硬直から立ち直っていたミリアも加わって説得にかかる。
 外部の声が多くかかって少しは冷静になれたのか、アーガスとカルラ先輩はしぶしぶお互いの非を認めた。

「まあ、そうだな……。悪かったよ」
「そうね……。一旦お預けにしましょう」

 何とか危機は収まったようだ。
 いつの間にか私のすぐ後ろまで来ていたイネア先生が、しみじみと言った。

「賑やかで結構なことだな」
「大変だったんですよ」
「ふっ。若さというやつか」

 先生は感慨深そうに微笑んでいた。長い時を生きてきたこの人にとっては、遥か年下の私たちが血気盛んにいがみ合うことも、全て微笑ましいものに映ってしまうのだろう。

「先生だって種族で言ったらまだまだ若いんじゃないんですか」
「ああ。そうだったな。だが、普通の人間と一緒には出来んよ。経験はきちんと年齢分積み重なっていくからな」

 そう言うと、先生はまたいつものように遠い目をした。


 多少トラブルはあったものの、ついに星屑の空が始まる時間がやってきた。

「はいはーい! 間もなく始まる時間だよー!」

 アリスが大はしゃぎでそう宣言すると、それまで好きなように話していた各人は、ぴたりと話を止めた。
 しばらくすると、上空にオーロラのような光がかかった。きっと星を輝かせる魔法だろう。
 それは少しの間だけ夜空を七色に照らし、やがて霞むように消えていった。
 すると、黄色い光がぽつぽつとあるだけだった夜空は、その姿を大きく変えたのだった。
 たくさんの星屑たちが、夜空という黒いキャンバスをびっしりと埋め尽くしていた。
 まるで、宇宙望遠鏡をそこに持ってきて、眺めているような感じだった。
 普段は明るさが足りずに見えない星たちも協力して、所々はキラキラと粒状に、また所々は淡く輝いて、混沌とした美しいアートを描いていた。
 私はすっかり感動していた。確かに星屑祭の代名詞に相応しい、素晴らしい景色に違いないと感じた。

 ふと、この星空のどこかに、地球はあるのだろうかと思った。
 急に故郷が懐かしくなってきて、いたたまれなくなってきた。
 それで空を見ていられなくなって、周りの人物に目を移すことにした。

 みんながみんな、思い思いに空を眺めていた。
 ほとんどの人は楽しそうにしていた。
 けど、一人だけ様子が違った。
 あれ? カルラ先輩、泣いてる……?
 よく見ると、彼女の目からはぽろぽろと涙が流れていた。
 私の視線に気が付いたらしい彼女は、慌てて腕で涙を拭ってから言った。
 いつもの彼女らしくない、しんみりとした声で。

「何でもないの。本当に、何でもないのよ」

 そして、すぐに向こうを向いてしまった。
 一体どうしたんだろう。

「ちょっと」

 ケティ先輩に肩を引かれた。
 そのまま、屋上の入り口の方へと連れて行かれる。

「何ですか」

 するとケティ先輩は、いつになく真剣な顔つきで言ってきた。

「あいつのことだけどさ……少しそっとしておいてあげてくれない?」
「もちろんいいですけど。カルラ先輩、どうかしたんですか」
「それはね……たぶん、彼氏のことを思い出してるんだと思うわ」
「彼氏、ですか」
「そう……ユウ。今からする話は、あいつには内緒よ」

 ケティ先輩が話したのは、カルラ先輩の衝撃の過去だった。

「あいつね……この学校に来る前からずっと付き合ってた年上の彼氏がいたのよ。それはもうほんとに仲が良くて、羨ましいくらいでさ」
「へえ。そんな人がいたんですか」
「ええ。それで、彼は星屑の空が好きだったのよ。毎年良い場所を見つけては、二人で眺めていた」
「毎年? でも今年は……」

 そんな彼氏なんていない。
 まさか。
 ケティ先輩は、神妙な面持ちで頷いた。

「彼、亡くなったのよ。あいつが一年生のとき、事故でね」
「そんなことが……」

 私は、カルラ先輩に同情した。

「それからのあいつの塞ぎ込みようったら、なかったわ。学校にも行かずに、いつも部屋を暗くして籠りっきりになって。自殺しようとしたことさえあった。正直、見ていられなかった……」
「あの、カルラ先輩が……」

 信じられなかった。あんなに元気いっぱいで、いつも私たちを引っ張ってくれるカルラ先輩が、まさか自殺しようとしていたことがあっただなんて。

「私も励ましたんだけど、どうにもならなくてさ……当時の担任だったギエフ先生に相談してみたわ。そしたら先生は、彼女に対して特別にロスト・マジックの研究ポストを用意してくれたのよ」
「どうしてそんなものを?」
「それはね……あいつの彼は、ロスト・マジック愛好者でもあったの。その分野で将来を有望視されていた研究者でもあった。絶望するあいつに、彼の大好きだったものに関わらせることで、何かしらの生きがいを与えられないか、というギエフ先生の提案でね。先生は親身になってあいつに話をしたみたい。最初は何もしたくないって言ってたけど、そのうちあいつは彼の遺志を継ぐんだって張り切り出してさ。おかしなくらい研究に打ち込むようになった」

 何も言えなかった。
 知らなかった。それほどの想いで、カルラ先輩はロスト・マジックに打ち込んでいたのか。だからあんなにも真剣で、熱心で。それは、馬鹿にされたら怒るはずだよ。
 なのに私は、あまり考えずにばっさりと誘いを断ってしまった。断るにしても、もう少し丁寧に断っていれば良かったなと、後悔した。

「まあ今ではすっかり元気になったわね。でも、代わりに研究バカになっちゃったけど。身体、壊さないか心配だわ」
「そうですね」

 カルラ先輩は、確かに時々暴走しがちなところがあるからね。それが研究という方向で無理に繋がらなければいいけど。

「そういうことだから、今はそっとしておいてあげてね」
「はい。わかりました」

 私はカルラ先輩に対する強い同情の気持ちを抱えたまま、ケティ先輩と一緒に元の場所へと戻った。

「ケティさんと何話してたの?」

 アリスが尋ねてくる。

「後で話すよ。重い話だから」
「そっか。わかったわ。ところでね、ユウ」

 アリスが何やら楽しそうにニコニコし出した。

「なに?」
「星屑の空に願い事をすると、それが叶うって言われてるのよ」

 流れ星の類いか。この世界にもそういうのがあるんだな。

「へえ。そんな迷信があるんだ」
「迷信ってね! ほんとに叶う人もいるんだよ!」
「そうなの?」
「そうなの! ほら。ユウも祈ってみようよ。みんなもやってるよ!」

 言われて見ると、確かにみんな何やら願いの祈りを捧げているみたいだった。
 あまりこういうのやらなさそうなイネア先生とかアーガスもやってる辺り、結構普通に行われていることなのかもしれない。

「わかったよ。で、アリスは何を願うの?」
「ふふ。それは言っちゃいけないことになってるの! 願いを言うと願い事が逃げて行っちゃうからねー」

 いたずらっぽくそう言うと、アリスは目を閉じて熱心に祈り始めた。

「そっか」

 私は、空を見上げた。
 星空はどこまでも輝いていて、永遠に続いていくように思われた。
 願い事、か。
 今一度、周りのみんなを見回していく。
 アリスを。ミリアを。イネア先生を。アーガスを。カルラ先輩を。ケティ先輩を。
 みんな、私がこの世界に来てからの大切な仲間たちだ。
 地球は離れてしまったけど、こんなにも多くの繋がりに恵まれた。
 私は決して不幸なんかじゃなかった。むしろ幸せだった。
 だからこそ。
 運命が、私にいたずらをしないで欲しいと思ってしまう。
 また星を流されるなんて。このみんなと会えなくなるなんて。考えるだけでも嫌だった。
 これからもずっとみんなと過ごしていきたい。みんなと離れたくない。
 時が経てば経つほどに、その想いは強くなっていく。
 でも。どんなに願ったところで、ずっと一緒には居られないのだろう。
 それが星を渡る者、フェバルの運命らしいから。
 けどせめて。出来る限りはと、思わずにはいられなかった。
 だから、私はこう願ったんだ。

『来年も私がここにいられますように。みんなでまたこの星屑の空を見られますように』って。
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