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下っ端の上司達

 あぁ。

 逃げられてしまいました……。

 そして。

 ……頭が痛い…………。

 私はサンダニオの相手をした夜は眠れないのですよ……。

 ホグロスはもっと大変でしょう。

 まったく、ダガルはすごい子ですね。

 彼を部下にしたまま、千六百十五年も隊長をやれているのですから。

 私とホグロスは、五十年持ちませんでした。

 それに。

 ホグロスは三十四年目。

 私は四十二年目でした。

 精神に異常をきたしたのは……。

 ……あの頃は生きていることがつらかった…………。

 なんせ。

 上からと下からの苦情ではじまり、苦情で一日が終わるのです。

 二十四時間常に……。

 寝ても覚めてもサンダニオについての苦情。

 上官がしっかりしていないからだ。

 とかさんざん言われましたね。

 まぁ、そう言った者たちは、千六百八年前。

 サンダニオの初めての大暴走を抑えきらず、死んで行きました。

 おまけに魔王様すら殺しかけて。

 今では殺されそうになった魔王様は、自室から一歩も出てこられませんし。

 彼の大切なモノに手を出した人狼の一族は、数名を除いてすべて死にたえ。

 これをみていた者たちは、彼を畏怖の眼差しで見つめるくらいです。

 あぁ、それに。

 今日の魔王城の崩壊で、何十の魔族が死んだのでしょうね……。

 ……まぁ。

 またすぐに転生して戻ってきますけど。

 それまでに時間がかかります。

 そして。

 この参事の原因はすでに逃亡。

 生きている魔王軍の兵士は本来の半分ほど。

 魔王様は引きこもり。

 ……人間たちが、この好機を逃すはずもありません。

 ほら。

 人間が言う。

 『勇者』とやらの集団が、大量に押し寄せてきましたよ……。

 はぁ……。

 困りましたね。

 殺さないよう、手加減が出来そうもありません。

 …………生態系に異常が出たとしても。

 仕方ありませんよね……?

 私はそう思い。

 少し離れた場所に居る。

 魔王軍に目を向けると、その中に居るホグロスと目が遭い。

 『久々に、憂さ晴らしと行きましょう』

 そう意味を込め、微笑む事にしました。

 これにホグロスは頷き。

 生き残りの魔族たちは、迫りくる人間との戦闘に備え。

 私は、魔王軍士気が高まって行くのを確認し、知らず知らずのうちに口角を上げていた。

 さぁ。

 魔王領に無言で立ち入る不届きものを…………殲滅いたしましょう。

問題児の保護者は苦労しかしないというね。

そして問題児は不死身のようだ……。


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